61.展望の山/高旗山

1.動 機
和子の風邪がなかなか抜けない。空気のいいところに行けば治るかもしれないと、郡山南方にある高旗山に行くことにした。高旗という名前は八幡太郎義家が奥州征伐の際に旗を掲げたことに由来するという歴史ある名山で、やさしく登れて展望のいい山である。一般的には北の源田温泉から登るらしいが、南の高旗林道から登っても往復2時間足らずと簡単なうえ、近くの妙見山もこの林道から登れそうなので、1日で二つのピークを踏むことが出来ると考えていた。ところが高旗林道の入口に立派な車止めがあって、高旗山登山口まで4kmの林道歩きが必要になり、往復で2時間取られることになり妙見山に登る時間はなくなった。

2.データ
a)山域:高旗山(968m)
b)登山日:2004/06/03(木)晴
c)コースタイム: 
日立自宅8:40 = 10:50矢吹IC ---- 11:10 郡山南IC ---- 11:30高旗林道起点 11:40---- 12:45高旗山登山口(昼食) 13:00---- 13:35源田登山口合流点---- 13:55高旗山頂14:55 ---- 15:10源田登山口合流点 ---- 15:30 高旗山登山口 ---- 16:15 高旗林道起点16:25 ---- 18:45 常陸太田19:15 ---- 19:30 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「岩代中野」

3.山行記録
a)ドライブ
いつもと変わらない時間に朝食をとって、通勤時間が過ぎて8時40分に我家を出発した。常陸太田経由R349を走って矢祭でR118に入り、矢吹IC から高速に乗り、途中鏡石PAで休憩して郡山南ICでおりて、額取山や高旗山などの郡山南部の山並みを眺めながら、県道47号と29号を繋いで11時30分頃に高旗林道に入った。
高旗林道をそのまま車で走って、妙見山や高旗山の登山口まで入るつもりだったのだが、1.5kmばかり入って舗装が切れたところに、がっちりとした車止めがあった。「車両、歩行者の入場を禁止する」という郡山営林署の看板と、三和小学校の高旗山登山道の案内板が立っていて、ここから登山口まではまだ4kmある。思惑よりも往復で2時間近く余分にかかるので、妙見山は諦めなければならない。車で源田温泉に行き反対側の登山口に回った方が楽になるとも考えたが、林道は未舗装で気持ちよく歩けそうなので、そのまま歩くことにした。
b)山行
高旗林道は未舗装だが手入れされた林道で、多くが緑の木陰になっていて、気持ちよく標高差250mを歩いていった。和子は初めのうちこそ「こんな林道を歩かせて」と文句を言っていたが、コアジサイの花や妙見山の形のいい山容を眺めているうちにだんだんとなごんでいった。
1時間歩いたところに右へ分かれる分岐があり、高旗山登山口の標識があり山頂まで1750mとなっていた。右に入ると登山道らしくなり始めるところで弁当を食べた。ここには1700mと書いた小さな標識が立っていたが、この標識はこれから先山頂まで100mごとに立っていて助けになった。少し歩いて急坂になるところに、旧高旗分校跡地の立札があった。こんな山奥に学校とはと驚かされた。このあたりに金や鉛を産出した高旗鉱山があって、その子供達の通った学校らしい。
ここから急登になったが、登山道脇に、ギンラン、マイズルソウ、ツクバネソウなどが咲いていて慰めてくれた。登りが緩やかになって、あと775mというところで源田温泉からの登山道に合流したが、ここからはサラサドウダンやヤマツツジが多くなった。ヤマツツジも同じヤマツツジとは思えないほど濃いのや薄いのや色とりどりのものがあった。
山頂直下に鳥居があり、脇の小屋に賽銭箱と宇奈己呂和気神社(うなころわけじんじゃ)の木札が祭ってあった。14時前に山頂にでると、そこには石の祠がありヤマツツジが咲き乱れていた。一等三角点のほかに地理調査所の天測点と刻印された古くて立派な石柱が立っていた。
山頂は1等三角点に恥じない大展望だった。西にはすっくと立つ二岐山が目立ち、その左に小白森や那須の山々、北西に猪苗代湖が見え磐梯山がやはり目立った。その右に西吾妻から一切経までの吾妻連峰、隣に安達太良山、更に東にはポコポコと阿武隈山群が見えた。ただ、南方向は周囲の木々が延びて阿武隈や安積盆地の展望がいま一つになっているのが少し残念だったが、猪苗代と磐梯山の間に白い飯豊連峰が白く輝きながら見えているのが一番嬉しかった。

先客が一人あって証拠写真のシャッターを押してもらったが、喜多方の人とのことで会津方向の山に詳しく、西方向の山々をいろいろと教えてもらった。阿武隈の山についてはこちらの方がは詳しかったので、逆に教えてあげることが出来た。
1時間ほど展望を思う存分楽しんでから、往路を戻った。分校跡辺りでミツバを少し採取したが、林道脇にたくさんあった美味しそうな蕗やウドは、先日三鈷室で収穫したばかりだったので今回は採らないで帰った。車は高速に乗ることなく一般道をゆっくり走り、途中常陸太田でラーメンを食べて、我家に19時30分に帰ってきた。



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