66.焼石岳

1.動 機
(焼石岳山頂にて)
焼石岳は花の百名山であり、4年前の東北登山旅行で積み残して以来、常々登りたかった山だった。梅雨の合間の好天気を狙って、船形山と屏風岳と組み合わせて3日間の山旅に出かけた。お花畑の素晴らしさは下山先生保証付きで、山一面がお花畑という想像を絶する眺めに感動してきました。登山道は中沼登山口からの往復に東焼石岳への寄道を付け足したが、東焼石岳あたりのお花畑はこの山旅一番の見事さでした。

2.データ
a)山域:焼石岳(1548m)東焼石岳(1507m)
b)登山日:2004/06/16(水)晴
c)コースタイム: 
焼石館 5:45 = 6:20 中沼登山口 7:00 ---- 7:30 中沼 ---- 8:05上沼 8:10 ---- 8:35 つぶ沼分岐 ---- 9:00 銀明水 9:10 ---- 10:10 姥石平 ---- 10:30 泉水沼 ---- 10:45 焼石岳山頂 11:00 ---- 11:43 本内岳分岐 ---- 11:55 東焼石岳(昼食)12:50 ---- 13:10 泉水沼 ---- 14:00 銀明水 ---- 14:20 つぶ沼分岐 ---- 15:25 中沼登山口 15:40 = 16:20 ひめかゆ = 平泉前沢IC = 村田IC = 青根温泉
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「焼石岳」

3.山行記録
a)焼石岳への登り
(独特な丸太の階段)
5時前に目覚めると、空は青空で焼石岳は多くの雪渓を戴いて輝いていた。6時前にやけいし館を発車した。胆沢ダムの大工事が進行中なので、町中の道路が付け替えられつつあり、尿前から中沼登山口への入口も変わっており、ガイドブックは頼りにならず、宿の主人の話を頼りにダムサイトの立派な道を車で走った。でこぼこの林道を走ってたどり着いた登山口には新しいトイレと広い駐車場があり、既に12台の車が止まっていた。朝のおにぎりを食べている間に駐車は20台に増えていた。
駐車場から広い登山道が続き、初めは木道だったが勾配が急になると丸太の階段になり、この段差が大きいのには参った。ミズバショウもあるがみんなオバケになっている。30分ほどで中沼に着くと、残雪の多い焼石の稜線が沼の水面に映ってとても美しかった。
(中沼)
(上沼)
ここから上ではミズバショウも白い花を残しており、カラマツソウ、リュウキンカ、シラネアオイなど色とりどりの花が咲き競うようになり、目を楽しませてくれた。上沼ではコバイケイソウやミツガシワの大群落が沼と焼石岳とにマッチして見事だった。ミズバショウの白さも一段と新鮮さを増してきた。下から上へと次々に咲いてくるここのミズバショウは尾瀬よりも見ごたえがありそうだ。リュウキンカの黄色い花も大輪で見ごたえがある。
(ミズバショウ)
(リュウキンカ)
花を愛でながら、木道、丸太の階段、雪渓、沢道と変化に富んだ道を登るとベンチのある広場に出た。銀明水とある。冷たくて美味しい。一息入れる。
(姥石平はハクサンイチゲのまっ盛り)
銀明水から数箇所の残雪の傾斜を登って姥石平に着くと、そこには一面にハクサンイチゲが白くどこまでも続いていて目を見張った。泉水沼をすぎて焼石岳の稜線に出るとミヤマダイコンソウ、コイワカガミも咲いており、鳥海山が頭を出してきて、山頂では和賀岳、秋田駒、岩手山、早池峰山みんな見えてきた。
b)東焼石岳に寄り道して下山
(東焼石岳へ)
(ピンクの花も咲いていた)
当初は山頂の展望を堪能したら往路を戻る積りでいたが、東焼石岳へ回ると素晴らしいよと奨められて予定を変更し、そちらに向かう人たちの後ろを追って本内岳の方向に下山を始めた。こちらの斜面はもう花期が終わったのか花の姿が少ない。鞍部まで下がって右に分かれる道に入り、藪っぽいトラバース道を歩いて東焼石岳の西面にたどり着いた。ここから東焼石岳への登りは、正にお花畑の中のお散歩だった。白いハクサンイチゲが斜面いっぱいに咲いている。ピンクのミヤマシオガマ、ハクサンチドリ、黄色いミヤマダイコンソウ、リュウキンカのほかに、チングルマやハクサンコザクラも咲いている。これが山頂まで続いている。これほど広いお花畑はまだ見たことがなかった。
(ごちそうさま!)
東焼石岳山頂からお花畑越しに360度の展望を楽しんでいたら、ここまで前に後にとなりながら登ってきたグループの人から「茨城の人、合わさりなさんしょ」と声を掛けられた。男性2人に女性4名の土地の人たちが、バーナを持ち出して宴会を始めているところだった。ありがたくビールを1缶づつ頂戴して、乾杯!! ネマガリの煮物、フキの佃煮などお手製ものや、牛タンの燻製やソーセージなどおつまみが次から次へと出てきて、おにぎりだけの弁当が随分とリッチになった。女性のリュックからも色々出てきて、以前は生の魚を一匹担ぎ上げて山頂でお刺身も造っていたという、元気で愉快な仲間達だった。「筑波山にはまだ行ったことない」とのこと、「3月中旬梅のころがお奨め、富士山も綺麗に見えますよ」と宣伝した。
山名標柱前での証拠写真のシャッタまで押してもらって、ご馳走の御礼を言って下山にかかった。泉水沼までお花畑の中を下り、雪渓をいくつか下って銀明水で喉を潤し、さらにどんどん下ると、上沼が真っ青な湖面を光らせて迎えてくれた。登りでは気がつかなかった新鮮さだった。
(巨大なダム工事現場)
登山口から巨大なダンプに何台か出会いながら国道まで出てダムサイトまで走ると、半分ほど積み上がった重力式ダムの堰堤が土ぼこりの向こうに見えており、遠大な土木工事計画の一端を垣間見ることが出来た。
やけいし館の前を通り、平泉前沢ICで東北道に乗り村田ICまで走って、県道25号を通って青根温泉の「坊源」に入った。NHKで放送された総檜風呂が自慢の温泉宿で、安いに魅かれて予約したのだが、建付けはお粗末ながら、料理はまずまずだった。



戻る

inserted by FC2 system