A11.干支の山「蛇塚」

1.動 機
 腰椎の骨折が曲りなりに癒えてきて、リハビリのため家の近くを散歩し始めて久しい。少しは山道も歩いた方がいいかなと思って手始めに風神山お散歩コースを歩いてみたが余り気分が変わらない。2007年から毎年その年の干支の山に登る習わしになっていて、今年の干支の山の一候補として「蛇塚」があった。「蛇塚」は神峰山登山コースの途中大煙突展望台の先にあって、鞍掛山駐車場を起点にすればお散歩コースと距離、標高差ともに似たようなものなのですぐにでも登れる。干支の山は1月のうちに登らなければと意味ないよと言い張って、まだ欲張るなとたしなめる和子を何とかなだめて、厳しい目に付き添われながら歩いてきた。目当ての蛇塚は大震災で崩壊していたが、変化があって面白いリハビリ歩きができた。

2.データ
a)山域:蛇塚(369)
b)登山日:2013/1/31(木)晴
c)日程:
日立自宅 11:20発 = 11:50 鞍掛山駐車場 11:55 ---- 12:55 大煙突展望台 13:20 ---- 13:25 蛇塚 ---- 13:30 #34鉄塔 ---- 14:20 鞍掛山駐車場 14:25 = 15:00 日立自宅
(蛇塚往復コース:黄色線は周回案)

(蛇塚往復コースの標高差)

d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「日立」

3.山行記録
 昼前に我が家を出発して空いているR245を走って神峰公園の上、市の清掃センタの先のガラガラの鞍掛山駐車場に車を入れた。山靴でなければ歩けないようなところには入り込まないことに決めて、スニーカのままで歩き始めた。車道の向かいには神峰山・羽黒山ハイキングコースの大きな案内板が立っている。
(鞍掛山駐車場)
(ハイキングコース案内図)

 ハイキングコースは案内板の下から始まり、いきなり丸太の階段である。一歩ずつゆっくり登っていくが、登るにつれて勾配が急になり上の方では45°もありそうだった。
 50mほど登ると整備された歩きやすい登山道になり、左に鵜の岬から会瀬にかけての海岸線が見えていたが、やがて二つ目のこぶを超えたあたりから、登山道の右には金網の柵が続くようになった。
(登山口の階段)
(産廃埋立地柵沿いの道)

 金網の間からは荒涼とした産廃埋立地が見えていて、何かアメリカ西部の砂漠を見ているような雰囲気があった。
 金網は有刺鉄線の柵に代わり、馬酔木が多い道から短い急道を登るとヒサカキの並木道になった。この並木も煙害対策の一環で植えられたものと聞くが、夏にはお日様を遮ってくれてハイカーにとってもありがたい。
(産廃埋立地)
(ヒサカキの道)

 尾根道から北斜面の道になると、路面にも雪が残るようになってきた。滑ったらただでは済まない可能性もあるので、和子から厳しい注意を受けながらゆっくりと歩いた。
 蛇塚のすぐ手前に「助川線35号に至る」と一緒に「大煙突展望台」の道標が立っている。大煙突展望台への登りに向かうと、点検路のプラスチックの階段が凍っていて、今日一番に緊張させられるところだった。
 登り切った丘の上の広場に「大煙突展望台」の立札があり、その先に#35鉄塔が立っていた。鉄塔まで行ってみると太平洋がわずかに見えていた。
(凍った道)
(展望台の丘)

 展望台はきれいに刈り払いされていて大煙突がよく見えるが、上部が倒壊して54mと1/3に短くなった大煙突はやはり迫力がない。かって日立のシンボルだった倒壊する前の155mの立派な姿を思い浮かべながら、お八つを食べた。
 20年前1993年2月19日、職場の窓から外を見て、何時も見えていた大煙突がないのに気が付いて、あわてて屋上に上がって倒壊を確認したことが昨日のように思い出される。
 ここでおやつを食べてから、芝生の上に仰向けになって一休み。背中を延ばすと気持ちがよかった。
(大煙突)
(1993年の大煙突)

 気持ちの悪い凍った階段道を敬遠して藪の中を下って登山道に戻り、少し歩いて蛇塚のところまで来たが、説明版はあるが蛇塚本体が見えない。よく見ると横に倒れてばらばらになった蛇塚の残骸があった。3年前2009年11月28日には健全な姿をこの目で見たので、一昨年の311大震災で壊れたのだろうか。やがて説明板も撤去されて、市民の記憶から消えていくのだろうか。
(崩れていた蛇塚)
(3年前の蛇塚)

 蛇塚から地形図の破線の道を通る周回コースを戻る積りがあったが、#35鉄塔から先にスニーカで歩けるような踏み跡がなかったので、その外に右に分かれるいい道がないか蛇塚の先#34鉄塔のところまで歩いてみたが無駄だった。
 引き返す途中、各種立木に取り付けられた説明札を読みながら下ったが、その中で一枚の説明板を見て驚いた。今まで榊(サカキ)の並木と思いこんでいた木は非榊(ヒサカキ)だった。
(蛇塚説明板)
(ヒサカキ)

 帰宅後、蛇塚の三角点を探すのを忘れていたことに気が付いた。三角点は蛇塚の石碑のあるところにあると思い込んでいたので、覚えていても三角点は見つからなかっただろう。四等三角点「蛇塚」は展望台の下の登山道のすぐ南の高みにあるはずだった。山靴で歩けるようになったら探してみよう。


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