A47.野の花と旧町屋変電所

1.動 機
 時々襲ってくる坐骨神経痛を抑えるために山登りはしばらく控えておこうと決め、山菜採りも車で麓まで付き合うだけで、山菜採りは和子任せ、私は平らな麓で待っていることにした。今日は里見の里山の麓を歩いていたら、今までは気が付かなかった可愛い花が見つかって嬉しいご褒美をもらった。帰途には古い町屋変電所を改修したギャラリーに立ち寄って、綺麗な写真展と珍しい斑石の展示を見させてもらった。

2.データ
a)山域:−−−
b)撮影日:2013/4/16(火)晴

3.記録写真
 横川温泉の奥の山まで車で入って和子は山に入り、私は麓の林道を行ったり来たりして時間をつぶす。山菜採りしたい気持ちを抑えるのは相当の苦行だったが、しばらくの間は山登りは止めにしておこうと決めたこと、我慢我慢。行ったり来たりうろうろしていると、足元に去年まで気が付かなかった可愛い花がいろいろ見つかった。嬉しくなってカメラを構えるが、中腰姿勢は腰への負担が大きい。時間はたっぷりあるので、ゆっくり立ち膝ついてシャッタを押していった。
(カタクリ)
(ニリンソウ)

(ネコノメソウ)
(キクザキイチゲ)

 1時間ほどして下山し、県道に出てしばらく走って下滝に着いた。何度も写真を撮りに立ち寄った滝なので和子は渋るが、強引に車を停めて一人で展望台へ向かった。丁度展望台下のユキヤナギの群落が満開、豪快な下滝とのコントラストが綺麗だった。
(下滝)
(ユキヤナギ)

 駐車場わきには、ヤマブキが黄色い花をいっぱいに広げて華やか、ヤマザクラは薄紅色の花を開いて清楚な風情だった。
(ヤマブキ)
(ヤマザクラ)

 滝の道向かいの斜面は白いユキヤナギと黄色いレンギョウで覆い尽くされて見事、その少し上の広場(?)にはミツマタの列植がこれまた満開で綺麗だった。
(ユキヤナギとレンギョウ)
(ミツマタ)

 帰途、高鈴山の麓を走っているとき「旧町屋変電所写真展会場」の横断幕が目に入って立ち寄ってみた。先日のNHKテレビ茨城版で放送していて、常陸太田市のHPを調べたら、次の記事があった。

 明治42(1909)年1月,日立製作所の前身である久原鉱業所日立鉱山によって建設された水力発電所の変電施設。その後,明治44(1911)年の春に「茨城の電気王」と呼ばれた前島平が設立した茨城電気(後の東京電力)が町屋発電所を買い取りました。
 旧太田町などで初めて電灯が灯ったのは同年の11月28日,町屋の人々は「電気見たけりゃ町屋へ行け」と偉大な町のシンボルを誇ったといいます。煉瓦造りで切妻屋根の建物と寄棟屋根の建物がつながった外観が特徴のこの変電施設は,町屋発電所から送られてきた電力をフランス製と見られる三相の碍子から取り入れ,各地に送電していました。
 昭和31(1956)年まで変電所として機能した後は,地域の集会所として利用され,現在は地区の保存会によって周辺整備が進められています。

 道標に従って走ると駐車場があり、車を停めて車道を下っていくと赤レンガつくりのレトロな建物が見えてきた。これが旧町屋変電所の建物で、前庭に入っていくと車に乗ろうとしていた親切な男性が話しかけてきた。この男性は町屋変電所保存会の役員の方で、「これ斑石(まだらいし)と言います」から説明が始まり、説明版にあった下記情報のほか、大震災で被災した建物の復旧、円形状に作られた展示場の構築にまつわるいろいろなお話を分かりやすく面白く説明して頂いた。赤レンガは今時のレンガとはものが違って作るのに時間がかかるが強度が高い、斑石は比重も高くて運搬も大変、行燈祭りの行燈を1500個作って子供たちに絵付けしてもらった、この行燈は評判が良くて他の自治体にも貸出した、祭りに隣接の田圃を遣わせてもらうため所有者との折衝などなど。

斑石(町屋石):角閃カンラン岩の一種
    旧町屋小学校の校歌にも「たぐいまれなる」と歌われ、町屋石としてこの地域で親しまれています。
    水戸徳川家の墓碑として代々使われていることも有名で、江戸時代は、御留山として一般の採掘が禁じられていました。
    明治八年、当時の町屋村の根本健介(号籠城)が、富士山などの抗堀権を得て地区の有志とともに「常陸斑石会社」を設立し、石の増産加工によりその美しさを世に広めました。展示してある斑石は、戦前まで石材業を営んでいた根本幸子様から寄贈されました。
    最近はほとんど産出されず、貴重な資料として整理し、現代の人びとに理解していただくとともに、後世に遺すことを目的にこの事業を推進して行きます。
    斑石は、笹目・ぼたん・もみじ・しもふり・べっこうなどの紋様があり、笹目は上品なものとされています。            河内の文化遺産を守る会 
(斑石展示場)
(標本)

 斑石を見せて貰ってから、変電所の建物に入って写真展を見せていただく。入口でスリッパに履き替えるところからいろいろと丁重なお世話をいただき、女性案内者の奨めで記帳もさせて貰って99点の見事な出品写真を見て回った。
 筑西市や鹿島市からの出品もあって驚いたが、写真の多くは秋に行われた行燈祭りのものが多かった。今年も11月第二土日に実施されるらしいので、ぜひとも参加してみたいと思う。
(旧町屋変電所)
(写真展出品の一例)




inserted by FC2 system