A95.奥久慈男体山(体力チェック)

1.動 機
 今月末に山の会の行事の下見に幹事仲間と塩原の山に行くことになっている。足手纏いになって迷惑をかけては拙いので、いつもの風神山より少しきつい山で体力チェックをすることにした。思いついたのが標高差が風神山の2倍の奥久慈男体山で、健脚コースを登って一般コースを下ることにした。和子は「健脚コースの岩場はまだ無理だよ、せいぜい持方からのコースにしときなさい」と難色を示したが、久し振りに山登りを味わいたいと、滅多にないことだが和子の反対を押し切って強行した。
 何度も歩いたコースなので良く覚えているだろうと思って地図も持たないで出かけて、途中で道を間違えたりしたが、記憶があいまいだった分、それだけ新鮮な気持ちでコースを楽しむことが出来た。コルセットでしっかり保護して歩いたお蔭か、心配した腰の具合も、何度も繰り返した岩登りに問題なく耐えてくれた。
(男体山周回ルート)
(男体山周回ルートの高低差)

2.データ
a)山域:男体山(654m)
b)登山日:2013/09/19(木)
c)日程:自宅10:00 = 11:10大円地登山口11:20 ---- 11:30一般コース分岐 ---- 11:40道迷い12:00 ---- 12:10滝倉コース合流12:15 ---- 12:35見晴台12:45 ---- 13:25休憩舎(昼食)13:55 ---- 14:05山頂14:20 ---- 15:00大円地越15:05 ---- 15:55健脚コース分岐 ---- 16:05大円地登山口
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「大中宿」
3.山行記録
 夏の暑さも和らいできたので、昼間でも歩けるだろうと10時頃我が家を出発、大円地登山口の駐車場に着いたのは11時を過ぎていた。駐車場は満車に近かったが、もう下山して帰った人もいる様で、トイレ脇にスペースが残っていた。靴を履きかえて11時20分に出発。今日は私が前を歩いて、和子は後ろで監視役である。
 歩き始めると目の前に懐かしい男体山の岩壁が見えてくる。大変だなあと怖気づく思いもなく張り切って歩いて行った。
 野菊やツリフネソウなど咲き乱れる畑地の間の登山道を10分も歩くと健脚コースと一般コースの分岐に着いた。和子の方を振り向かないで健脚コースに入り込んだ。
(登山口からの男体山)
(健脚コース、一般コース分岐)

 健脚コースに入ってから、周りの様子を記憶していないことに少なからず狼狽える。地図も持たずナビのマップにも登山道は入っていないが、ちゃんと踏み跡があるので道なりに登って行く。だんだんと暑くなって汗ばんできて、ブンブンまとわりつく虫が煩い。ところどころ三日前の台風18号の大雨で登山道が流されたところがあり、虫に気を取られている間に(言訳)登山道から逸れて谷あいの踏み跡に入り込んでしまった。
 踏み跡が薄くなってきて「道が違うんじゃない」と後から和子の声が聞こえていたが、「尾根に向かえば登山道に出るだろう」と強引に谷あいの踏み跡を辿って行った。ついに目の前に大岩がゴロゴロするようになって、その間を抜けるのは冒険が過ぎるなと判断して引き返すことにした。倒木を潜ったりしながら下ると、左手にはっきりとした登山道があった。これが正しい道かどうかわからないが、上でとんでもないところに出たら今日はこれでお終いと諦めることにして、その道を登って行った。
(行止り)
(引返す)

 登山道に戻って10分も登って行くと滝倉分岐の道標が見えてきて一安心。合流点で汗を拭いて一休み、そこからも崩落地があったが、道標に助けられて迷わず登って行けた。
(滝倉コースと合流)
(崩落地)

 間もなく健脚コース名物の岩場、鎖場が現れた。気を引き締めて三点確保を心がけながら慎重に登る。心配していた腰への負担は余り気にならず、一先ず安堵、何とかなりそうだ。
 和子にカメラを渡して、私が岩場を登った証拠写真を撮って貰った。
(健脚コース下部)

 合流点から岩場と格闘しながら20分、見晴台の岩の上に立った。前には茨城の山々が見渡せ、後ろには男体山の山頂岩場が聳えている。景色を眺めながら、和子の家庭菜園のトマトを頬張る。
(前に茨城の山々)
(後に男体山山頂)
(見晴台から)

 一休みして登山道に戻り、また岩場の多い登山道を登って行く。見晴台までで岩場の半分はこなしたかと思ったが、ここから先の方が2倍以上長かった。お日様も出てきて暑くて汗も噴き出してきて、目に入る汗を拭いながらの急登の連続、おなかも空いてきてエネルギー切れになってきた。
(健脚コース上部)

 ところどころで吹いてくる涼しい風に救われた気分になり、ハギの花などに慰められながら、何とか休憩舎のところに登りついた時には心底ほっとした。
 おなかペコペコで、昼食のおにぎりに頬張りつく。びしょ濡れになったタオル、帽子、コルセットなどを干しながらゆっくりと休憩した。
(ハギの花)
(休憩舎)

 休憩舎で休んでから一登りして、山頂の神社にお参りし、無事に登りついたお礼とこれからの下りでの安全を祈願した。
 神社の上から愛宕山・筑波山や神峰山などの展望を楽しみ、一等三角点のある山頂に上がって、山頂標の前で久しぶりにツーショットの証拠写真を撮った。自然に嬉しい笑顔になりました。
(山頂神社)
(久し振りのツーショット)

(山頂神社からの展望)

 山頂でも一休みして、いよいよ下山開始。下り始めから、ザレて意外と急な坂道に、滑りそうでたじろぎ気味。どんな道だったかの記憶が全くおぼつかない。
 少し下ると「この地点は東京スカイツリーと同じ高さ634メートルの眺望です」という真新しい看板が掛かっていた。こんなところでスカイツリーの写真が見られるとは。
(一般道も急坂)
(スカイツリー標高)

 なだらかな尾根道だが、滑りやすそうなザレた道、両側は切れ落ちていて、踏み外したら今度こそ命が亡くなる。去年までは気にもしていなかった滑落注意の札が目につく。
 途中に20mほどの登りがある。下り一辺倒だと思い込んでいたので、この小さな登り坂もきつく感じられてしようがなかった。
(滑落注意!)
(登りもあり)

 大円地越まで下り着いて、お八つを食べてまたエネルギー補給。周りにはキバナアキギリの黄色い花が群落を作っていた。
(大円地越え)
(キバナ)

 大円地越からの下り坂は、2年前に歩いた時には大震災の影響を受けて登山道に何か所も大石がゴロゴロと転がっており、一ヶ所は登山道が完全に崩落していて別に迂回路を作ってある所もあった。今はどうなっているだろうか気にしながら下った。
 崩落地の迂回路は元の道に修復してあったが、先日の台風18号の大雨を受けてだろう、また、あちこちで大石がごろごろむき出しの道になっていた。他のところも路面が流されて小石がごつごつ出っ張っていて歩きにくい。ゆっくりゆっくり下って行った。
(整備されている)
(18号被害?)

 健脚コースの分岐が見えてきてホッと一息、道傍の野の花を愛でながら駐車場に戻ると、残っている車は我が愛車一台だけだった。
(健脚コース分岐)
(駐車場には一台だけ)

(ツリフネソウ)
(ヨメナ?)

 駐車場に帰り着いたのは16時05分、歩き始めて4時間45分経っていた。休憩時間と道迷いの時間を除いた歩行時間は3時間20分、2年前に同じコースを歩いた時の山行記には、歩行時間3時間と書いてある。随分ペースは落ちたが、無事歩き通すことが出来たことで満足感いっぱいの山旅でした。
  



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