A104.真弓山縦走

1.動 機
 次の土日にHESCOの山の会の人たちと一緒に山歩きをすることになっていて、足手纏いになって迷惑をかけては申し訳ないので、少し長いコースを歩いて体調を整えておこうと思った。我家から真弓神社まで往復すれば距離14km程度にはなるので足慣らしには十分だろうと歩き始めた。風の広場まで登ったところで、山の会の下見で東京から来られたItさん夫妻に出合って一緒に歩くことになり、ここから風神山、真弓神社と賑やかに歩き、ついでに裏参道を案内して西真弓バス停まで下ってしまった。所期の歩行距離には不足することになったが、話し上手で明るくお元気なItさん夫妻と一緒に歩いて楽しい山行になった。
(真弓山縦走ルート)
(真弓山縦走ルートの高低差)

2.データ
a)山域:風神山(242m)、弁天三角点(295m)、真弓神社(275m)
b)登山日:2013/10/14(月)
c)日程:自宅10:10 ---- 10:25新登山口 ---- 10:50一般登山口 ---- 11:10風の広場 ---- 11:25風神山頂 ---- 12:00見晴台12:05 ---- 12:30弁天三角点 ---- 12:50林道 ---- 13:05爺杉 ---- 13:25真弓神社14:00 ---- 14:20裏参道鳥居 ---- 14:55真弓神社入口・西真弓BS15:20 =(タクシ)= 15:30大甕駅 ---- 15:45自宅
d)同行者:It夫妻、和子
e)地形図:1/25000 「常陸太田」

3.山行記録
 台風26号の影響で明日明後日は天気が悪いので今日の内に洗濯をしておきたい。往復6時間あれば帰ってこられるだろうと考えて、洗濯物を干し終わって10時過ぎに我が家から歩き始めた。
 先日のお散歩時、浄水場登山口近くからお散歩コースの新登山口まで鉄塔点検路を歩いたが、ポケナビを持参していなくて、この軌跡が残っていなかったので、日輪寺奥の新登山口まで歩いたところから鉄塔点検路に曲って、浄水場からの登山道までトラバースしてから風神山一般登山道を登って行った。
 風の広場に登りつくと、休憩ベンチでお休み中の若い家族連れと大きなザックを担いだベテラン登山者風情の夫婦がお話し中だった。我家が近付くとご夫婦は丁度話が終わって先に向かって歩きだしたので、代わりに我が家が家族連れとお話を継続。
(新登山口から点検路へ)
(風の広場)

 家族連れの子供たちとバイバイの挨拶をしてから風神山に向かうと、ベテラン夫婦が芝生広場前の案内図を見ながら思案顔のご様子。山の面白いお話が聞けるかもと声を掛けると、ご夫婦は東京の在で、毎週のようにどこかの山へ登り続けているグループの役員で、今年12月に大甕駅から真弓山まで歩く計画を立てて、今日はその下見登山だとのことだった。東京からわざわざ風神山−真弓神社コースを歩くためにお出でになるとの話を聞いて嬉しくなり、楽しそうなご夫婦の風情にも魅かれて真弓神社までご一緒することになった。風神山から真弓神社まで出来るだけ多くのデータを提供しようと、見晴台、三角点に寄り道しようと考えた。
 はじめは私がトップで歩いて、風神山にはNTT鉄塔の左側の道を案内して山頂に向かった。多少の登り下りは問題ないとのこと、気持ちの良い道だと言いながら山頂に登りついた。三角点にタッチして時間記録をメモされていたが、しっかり予習をしてこられたようで、風神雷神の碑の説明板には興味を示されない。
 風神山頂からはなだらかな道が続き、常磐道を眺めてどんどん歩いて行く。話し上手なご夫婦で、東京の山の会の話がいろいろ飛び出してきて面白い。高鈴山、神峰山や小木津公園なども青春切符を使って歩きに来たことがあるとのことだった。風の広場まで舗装道を歩いてきて辟易としていたとのことだが、それ以降は、ふかふかの山道で気持ちよく歩けて言うことなしとの評価を頂いた。
 見晴台に向かうのに縦走路から林道に分かれたが、本番の時の目印にと言いながら、分岐地点の立木にテープを張っていた。見晴台に着くと広い展望がお気に入りのご様子。好天気の割にガスり気味で筑波山は何とか見えていたが、日光連山は全く見えなかった。寒い12月にはすっきりと見渡せることを願う。時刻は丁度12時だが、ご夫婦は普段の山歩きでも昼抜きは普通のことで、まだまだ昼には早いとのこと。我家も朝食が遅かったので意見一致、次に向かう。
(風神山頂)
(見晴台)

 引返して鉄塔下で縦走路に戻って次に向かう。ここから二岐分岐が次々に出てくるが、殆どその先で合流するのでどっちを歩いても大差ない。問題のある分岐点には道標があるので大丈夫でしょう。ある分岐では男性組と女性組とで分岐点で分かれて、すぐ先で合流できる体験実習もして遊んでみた。
 見晴台からは少し登り下りが出てきて汗ばんでくる。これまで殆ど上り下りのない道に慣れてきたので、真弓神社までこんななだらかな道が続くのだろうと思って仕舞ったので少し驚いているが、これぐらいの変化はあってもみんなは反って喜ぶかもとのこと。
 弁天三角点が近付いてきて、三角点位置を正確には覚えていないことが不安になってきた。旦那が地図をお持ちなので見せて貰うと、持っていたのは日立市発行のハイキングマップで△マークが表示されていない。旦那が奥さんに向かって「そっちのコピーには書いてあっただろう」と話かけると、出てきたコピーはなんと夫婦二人の山歩き「V11.孫との登山No2」だった。このコピーから、ハイキングマップの295.7m地点が弁天三角点であることを確認して、ポケナビにチェックを入れて歩き始めた。
 ご夫婦はパソコンは使わず、このコピーは息子さんに頼んでNET検索で見つけ出した山行記をコピーしてもらったものとのこと。コピーでは顔がはっきりせず、目の前の老夫婦が夫婦二人の山歩きの筆者とは、こちらが名乗るまでお気づきでなかったのだ。
 少し登り甲斐のある道を登ってから無事に右の高みの弁天四等三角点にタッチできた。三角点周りは立木が伐採されていて気持ちがいい。切株は真新しく数日前に伐採されたばかりのようだったが、何のためにこんなに広範囲に切り開かれたのだろうか。
(縦走路)
(弁天三角点)

 三角点の先に真弓神社の社殿が見えるところがあった。神社はぐるーっと回って行った谷向こうで、私はまだ随分遠いなあと思ったが、ご夫婦は「あそこまでならもうすぐだね」とこともなげだった。何度も上り下りして林道に降り立ったところで地図を見ながら「ここまで来たら後はもうすぐだ」とおっしゃる。慣れない先頭歩きにも疲れてきたので、ここからは慣れ親しんだしんがり歩きに回った。少し林道を歩いて真弓神社の道標を見て山道に入ったが、ここから先頭を歩いた奥さんの足取りの軽くて速いこと、一所懸命ついて歩く。
 高鈴への道を右に見送って真弓神社に向かい、三の鳥居を潜って爺杉の分岐に来た。旦那は「宮之浦の縄文杉を見たばかりだからもういいよ」とおっしゃるが、皆さんがここまで来て爺杉を見ないで帰るのは茨城県人としては残念ですよと説得、奥さんの同調もあって案内することになった。一本だけ聳えている爺杉を目の前にして「縄文杉よりも元気があって見栄えがする。見に来てよかった」と喜んでいただいた。
(林道から真弓神社へ)
(爺杉)

 爺杉から上がってくると、ホイホイ掛け声をあげながら早足で歩いる姿を良く見かける元気な男性と出会い、しばらく話が弾んだ。男性は森山在住で、冬のスキーのための体力維持のため週に何度もここまで歩いてくるのだという。丁度爺杉の方に下って行く派手やかで若々しい服装の数人の若者のグループが見え、年々出会う人の数が減ってくる、今日はこれで10人ほどだ。特に若い人に殆ど出会わなくなったのが寂しい。爺杉を知らないで見ないで行く人も多くて残念。車で年金道路を歩きに来る人がいて気持ちがわからん。三角点のところはここ2、3日の内に切り払われたようだが航空管制のためかな。登山口近くの橋のところにある一等基準点は大きくて立派だ。などなど、次々と話が飛び出してきた。我家は今までこの基準点には気付かなかったので気になった。
 13時半近くに真弓神社にゴールインして、お参りをし展望を楽しんでからやっとお昼休み。若者グループが爺杉から登り返してやってきたので、「風神山からですか」と声を掛けると「小木津駅から」とのご返事。30kmの日立アルプスを縦走するお元気な若者達だった。頼もしい!
 ゆっくりと昼食をとりながら話が弾み、ここで初めて自己紹介して住所や電話、メールアドレス等の情報を交換した。抜け目なく”夫婦二人の山歩き”の宣伝もやったが、パソコンを使わない人には無駄だったかなあ。
 ここから常陸太田に下る予定とのこと。下山口に大甕駅までのタクシを呼ぶので一緒しましょうと誘われ、これから風神山に引き返すのが億劫になって遠慮なくご一緒することに、我家の方針はすぐ変わる。
 表参道は先月歩いた時に採石場のところでコースがはっきりしなくなった経験があり、先ほどの男性も表参道は途中で道がなくなるとおっしゃっていたので、裏参道を下ることにした。
(真弓神社)
(裏参道を下る)

 多少荒れ気味の裏参道を下って行き、二股の別れのところで右の谷間の道に入った。先月左の道を登ってきた時にお猿さんの石像が見えなかったので、こっちの道にあったのかもと確認したくて道を変えたのだが、谷間の道は殆ど歩く人がいないようで下枝下しの残材が転がりっぱなしの廃道になっていた。お猿さんの石像に出会うこともなく、歩きにくい道を下って林道に飛び出し、林道を左に歩くとすぐに裏参道入り口の鳥居のところに着いてホッと一安心。我家の思い込みでご苦労をかけてすみませんでした。本番では左の道を選んで快適に歩いてください。
 鳥居のところから広い道になり、その先すぐの採石場入口からはダンプの走る砂利道になり、採石処理工場のところからは舗装道路になる。単調な道を淡々と歩いて住宅街に入ると「やっと着いたか」とホッとした声が出ていた。真弓神社入口の標石のところで県道に出てゴールイン。「山行記を読んで、可愛い坊やが歩いた道だから軽いハイキング道と思いこんでやってきたのだが、なかなか歩き甲斐のある変化もあって面白いコースだった。みんなも喜ぶでしょう」とのご感想だった。我家も長距離歩行は目標は無視してしまったが、思いがけず賑やかで楽しい山歩きが出来て嬉しかったです。
 携帯で呼んだタクシーに同乗させていただいて大甕駅に到着、またどこかの山で奇遇することを期待した挨拶をしあって別れた。
(裏参道の鳥居)
(真弓神社入口・西真弓BS)

 真弓神社のところで聞いた基準点が気になって、帰宅後、国土地理院のHPで調べてみたが出てこなかった。翌朝のリハビリ歩きに早速現地調査に出かけてみると、エネ研通勤者駐車場入口にそれらしき標石が見えた。近づいてみると大きく立派な磨き上げられた黒御影石の標石の上面には「基準点、標高125.69」の刻印がしてあり、側面には「1978年6月作製」の文字があったが、国土地理院の刻印は見当たらなかった。
(エネ研駐車場入口)
(基準点拡大)

  



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