A121.達磨山-金冠山、葛城山-発端丈山
(水戸アルパインクラブ忘年登山)

1.動 機
 2013年の水戸アルパインクラブの忘年山行は達磨山から金冠山と葛城山から発端丈山の伊豆のハイキング道二つだった。途中で具合が悪くなって迷惑をかけるかもと心配で、4月の盛金富士以来MAC山行には参加を遠慮していたが、いずれも2〜3時間の短いコースだしエスケープルートもありそうなので、夜の宴会も楽しみで参加することにした。久し振りに顔を合わせる仲間に暖かく見守られながら、明るい会話と素晴らしい景色を楽しみながら嬉しい山行を楽しむことが出来た。

2.データ
a)山域:達磨山(982m)、金冠山(916m)、葛城山(452m)、発端丈山(410m)
b)登山日:2013/12/7(土)晴、8(日)曇
c)コース:1日目・水戸IC=沼津IC=伽藍山入口−達磨山−金冠山−達磨山高原レストハウス=修善寺温泉ホテル(泊)、2日目・修善寺温泉ホテル=パノラマパーク=葛城山−発端丈山−内浦長浜=沼津魚市場=沼津IC=水戸IC
d)同行者:水戸アルパイン会員17名、和子
e)地形図:1/25000 「達磨山」「韮山」

3.1 達磨山から金冠山・伊豆山稜線歩道
c)コースタイム:(1日目)
日立自宅4:30 = 4:40日立電鉄南営業所4:50 = 4:55東海 = 5:15勝田5:20 = 5:35水戸駅北 = 5:40モリ商会5:45 = 5:50第二展望台 = 6:05見川運動公園6:15 = 6:20水戸IC = 6:30友部PA6:40 = 7:20守谷SA7:30 = 7:40三郷 = 7:50八潮 = 9:05東京 = 9:30海老名SA9:40 = 10:30沼津IC = 12:05スズ原入口12:10 ---- 12:35古稀山(昼食)12:55 ---- 13:05戸田駐車場 ---- 13:20達磨山13:35 ---- 14:05小達磨山 ---- 14:35戸田峠 ---- 14:40分岐 ---- 14:45金冠山14:55 ---- 15:00分岐 ---- 15:20達磨山高原レストハウス15:35 = 15:55修善寺温泉ホテル(宴会・泊)
(達磨山−金冠山の歩行軌跡)

(達磨山−金冠山の歩行標高差)


 早起きして朝4時半に我家を出て10分で電鉄営業所に到着、馴染みの運転手さんに「もう大丈夫ですか」と声を掛けられて、久し振りに日立電鉄のバスに乗る。参加者名簿を見ながら東海、勝田、水戸駅と乗車を確認しながら走り、モリ商会前で幹事さんとバトンタッチ。全員19名が揃って、水戸ICから沼津ICまで高速を走り、伊豆半島の背骨を走る国道136号を南下して修善寺の先で西に曲がって戸肥に向かい、その途中で西伊豆スカイラインに入った。
 途中、首都高では東京タワーとスカイツリーを眺めながら、東京タワーの方が綺麗だねなどと話していたら、最近はビルに写るスカイツリーが評判なんだよとの話が飛ぶ。ビルのガラス壁に写るスカイツリーは確かに綺麗だったが、シャッタチャンスを逃がしてしまった。富士山も瞬間姿を現したが、反対側の窓だったのでシャッタを押し損ねた。
 伊豆半島に入って修善寺温泉の手前で山頂までロープウエーがかかる恰好のいい山が見え、あの山が明日登る葛城山だよ。下から歩いて登るかい?と冗談が飛ぶ。その左には大岸壁を持つ城山が見えてきて、ロッククライミングの名所になっているとの情報。いろいろ知らない情報が入ってくる。
(ビルに写る東京タワー)
(葛城山とロープウエー)

 今日歩くコースの伊豆山稜線歩道はスカイラインに沿って出来ており、歩き始め予定の戸肥駐車場まで来たが、「もっと先まで走ってよ」の声が多いのを感じ取った幹事さんは次のスズ原入口にバスを停めさせた。伽藍山はこのスズ原入口から少し海寄りに入ったところにあるはずだが、ここに「伽藍山」の表示があるのでここから車道を歩き始めた。
(出発地:伽藍山の標柱のあるスズ原入口)
(西伊豆スカイラインの車道を歩く)

 車道を歩いて行くと左前方に富士山が見えてきた。雲の上に頭だけ出しているのだが、やはり富士山が見えると嬉しい。みんな歓声を上げてシャッタを押した。
 さらに歩いて行くと「左伽藍山0.5km、右達磨山1.9kmの道標が立っていて、ここから歩道を歩くようになった。伊豆山稜線歩道はトレイルランニング向きに整備された山道で、二人並んで歩くに十分の広さがあり、どこまでもなだらかに整備されている。
(富士山が見えた!)
(整備された伊豆山稜線歩道)

 一面クマザサの山なので視界も広く、西には駿河湾が見え、最初のピークを越えたところでは、向かいに古稀山から小達磨山、達磨山の稜線が見えていた。その向こうに富士山が見え、もっと条件が良ければその左に南アルプスの山々が並んでいるはずだが、今日は雲の中。残念だが贅沢を言うのは止めよう。
(古稀山−達磨山の稜線)

 一旦車道に出て登り返したところが標高870mの古稀山で「まだ70才にならない人は登っちゃダメ」など冗談を言いながら弁当を広げた。下には戸肥湾が見えていた。
 古稀山から下って車道に出て山道に入るところに「達磨山1.1km」、また山道に入って車道に出たところが戸田駐車場で、そこから達磨山へ入るところには「達磨山0.7km」の道標が立っていた。道標が整備されたハイキング道である。 
(古稀山で昼食)
(戸田駐車場と達磨山)

 道標にも達磨山には展望マークが付いていたが、一等三角点のある山頂に登りつくと素晴らしい展望が待っていた。集合写真が撮られ、富士山をバックの証拠写真を撮ってから、説明を聞きながらゆっくりと展望を楽しんだ。
(達磨山一等三角点)
(達磨山:後ろに富士山)

 富士山の手前に見えるのがこれから行く金冠山、駿河湾の右に2009年の忘年山行で歩いた徳倉山や鷲頭山などの鎌倉アルプスの山並み、その右手前には明日歩く発端丈山と葛城山が見えていた。
(達磨山からの展望:真城山、金冠山、富士山、沼津アルプス、発端丈山-葛城山-城山)

 富士山の左には南アルプスの山並みが見える積り、その手前の戸田港を入れた駿河湾の眺めが気持ちいい。
(達磨山からの展望:戸田港、真城山、金冠山、富士山)

 達磨山を後にして下って行くと西伊豆スカイラインの終点の戸田峠に着く。バス停の表示によれば戸田は「へた」と読むらしい。明日下る内浦の三津は「みと」と読むし、このあたりの土地の読み方は難しい。
 戸田峠から5分も登ったところにバスが待っている「達磨山高原レストハウス」への分岐があり、金冠山には有志だけ登ることになった。ほとんど全員で金冠山に向かう。
(戸田峠)
(達磨山高原分岐)

 金冠山の山頂は達磨山よりも富士山は近くなり、駿河湾の見える範囲も広くなって一層嬉しくなる。翌日は富士山がさらに近くなるので、富士山の麓から見える更なる絶景を期待したのだが、翌日は朝から曇空、ここで眺める富士山が最後になった。
(金冠山山頂:今回最後の富士山ビューポイント)

 絶景を楽しんでから分岐に戻ってレストハウスに向かう。ここから1.5のkmの道は沼津市と修善寺町との境界線で防火帯になっているようで、広い道が続いた。
 県道18号に出たところがレストハウスの駐車場で、バスの運転手さんが味噌汁を作ってくれて待っていた。紙コップに入れて貰って有り難く頂戴したが、熱い味噌汁は野菜やキノコ色々な具材が入っていて味付けも上出来、美味しく頂いた。
(沼津市と修善寺町の境界防火帯)
(熱い味噌汁が待っていた)

 バスに揺られて20分で修善寺温泉のホテルに到着し、温泉に入って汗を流し、宴会場で美味しい料理を頂きながら、抽選会など楽しい時間を過ごした。抽選会のあみだでは私に一等賞が当たり、私の禿頭にぴったりの厚手フリースのキャップをゲットした。賑やかな2次会も幹事室で夜遅くまで続いた。

3.2 葛城山から発端丈山ハイキング道
c)コースタイム:(2日目)
修善寺温泉ホテル8:15 = 8:35パノラマパーク9:00 = 9:10葛城山9:20 ---- 9:45舗装道合流点 ---- 9:55自然道入口 ---- 10:05尾根道合流点 ---- 10:30益山寺分岐10:35 ---- 10:40本洞三角点 ---- 10:55発端丈山11:00 ---- 11:05展望所11:10 ---- 11:15展望台 ---- 11:40みかん園始点 ---- 11:55集落始点 ---- 12:00長浜バス停12:05 = 12:30沼津魚市場(昼食)13:45 = 14:20沼津IC = 14:40足柄PA14:55 = 16:05港北PA16:10 = 16:15東京 = 16:20用賀 = 17:05三郷 = 17:15守谷SA17:35 = 18:15水戸IC = 見川運動公園 = 18:50水戸駅 = 19:15勝田 = 19:40東海 = 19:50日立電鉄南営業所19:55 = 20:20日立自宅
(葛城山−発端丈山の歩行軌跡)

(葛城山−発端丈山の歩行標高差)

 
 バイキングタイプの朝食を腹いっぱい食べて、8時20分にホテルを出発、20分で登山口のパノラマパークロープウエー乗場に到着した。今日は昨夜貰った厚手フリースのキャップを被って歩く。皆さんに似合っているよと言ってもらって上機嫌。
 9時始発の6人乗りのゴンドラに乗り込んで7分もすると葛城山の山頂駅に到着する。山頂駅のすぐ脇に展望台があり、ゆっくり展望を楽しんでいたら皆さんはさっさと山頂に登って行っていた。
 この山頂には2等三角点があり、展望も抜群。
(パノラマパークロープウエーと葛城山)
(山頂の三角点)

 北に売り物の富士山が見えるはずなのに何とも残念だったが、駿河湾方向にはこれから向かう発端丈山があり、駿河湾にポッコリ浮かぶ淡島、沼津アルプス、その後ろは見えない富士山の前に愛鷹山が薄墨を流していた。
(葛城山からの北西方展望:発端丈山・駿河湾淡島・沼津アルプス・愛鷹山)

 南に目を転ずれば、大室山や天城山など伊豆半島の名山、昨日歩いた達磨山や金冠山が見えていた。
(達磨山からの南方展望:大室山・矢筈山・遠笠山・天城山・達磨山・金冠山)

 みなさんに遅れてしまって和子から御小言を頂戴したが、山頂標柱の前でツーショットの写真を撮り、源頼朝公の像や百体地蔵尊にお参りして皆さんの後を追った。

(百体地蔵尊)
(葛城山山頂標柱前へ)

 リーダは山頂からの道標「ハイキングコース・発端丈山90分」に従って北に向かって下って行ったが、ポケナビを覗くとロープウエー乗場の方向に下っている。少なからず心配になったが、綺麗に色付いた紅葉を眺めながら皆さんの後についてジグザグ道を下って行った。
(ハイキングコースを下る)
(どんどん下る)

 標高差180mを下り切ると舗装道路に降り立ち、ここに「発端丈山・かつらぎ山・城山」の標柱が立っていたので一安心、一休みして紅葉を楽しみながら気持ちよく歩いて行った。
 舗装道を500mも歩くと左の谷間に登る分岐があり、道標には「城山・発端丈山登り口」となっていた。
(舗装道)
(自然道入口)

 植林の中の道を10分も登って行くと左からくる尾根道に合流した。私の想定では葛城山から直接この尾根道に下るのだろうと思っていたのだが、急斜面を下るので正規の道になっていないのだろうか。
 植林の中の尾根道を歩いて行くと益山寺の道標が立っていてここで一休み。密な植林の中ではポケナビの精度が落ちる様で、道標の位置とポケナビの示す位置とが随分とずれていた。
(尾根道と合流)
(益山寺分岐)

 益山寺分岐からは雑木林の中の急坂登りになり、15分頑張ると道傍に小さな四等三角点があった。標高329.4mの本洞三角点だった。
 振り返ると紅葉越しに葛城山の山頂が見えていた。あそこから大きく下って来たんだと感慨に浸る。
(本洞三角点)
(紅葉越しに葛城山を振り返る)

 ここから発端丈山への登りが今回一番の急登だった。長くはないが、材木で補強された急坂に汗を絞られた。目の前に向こうを展望している先行者の姿を見てホッとする。
 発端丈山の山頂に登りついたが、眺めはそれほど良くはない。ツーショットの写真を撮って尾根道を歩いて行くと、だんだんと駿河湾の眺めがよくなってきた。
(急登)
(発端丈山山頂)

(発端丈山山頂部からのパノラマ)

 尾根道を気持ちよく歩いて行くと道は二股に分かれ「左長浜三津中央口、右三津北口」の道標があり、先行者の姿は見えないが左の長浜に向かって下って行った。少し下ったところに展望所があり、山頂部よりも駿河湾の眺めが数段良かった。
 ここから凄い急坂下りが続いた。こっちを登ったら大変だなと話し合っていると、小学生らしい子供がパパと一緒に元気に登ってきた。ジージも弱音を吐いてはおれない。
(展望所から駿河湾)
(急坂下り)

 急坂を下るとコンクリート製の展望台があり、丁度いい休憩所になりそうだ。でも目の前に葉を付けた雑木の枝があって邪魔になり、視界は上の展望所より少し劣る。
 展望台から更に急坂を下って行くと黄色い実をたわわにつけたみかんの樹が見られる様になってきた。作業中のところがあったので「分けて貰えますか」と伺いをたてると「10個100円、好きなだけ持って行きな」とのご返事。女性陣がビニル袋を持って一斉にみかん篭に終結した。
(展望台)
(みかん園)

 みかん畑は随分続く。その途中からはご褒美のような駿河湾の絶景が見渡せた。これに富士山や南アルプスが見えたら言うことなしだ。
(みかん園からの駿河湾)

 みかん園の急坂を下るとやっと集落に着く。ここからあんな高いところまで登って行くだけでも大変だろうに、農機具を持ち上げたり、収穫物を持って降りたり大変な重労働だろう。
 海岸に近くなると住本寺と言うお寺があった。後に発端丈山を従えるこのお寺は、鎌倉時代末期に創設された日蓮宗のお寺とのこと。鎌倉に近いので、こんな田舎漁港にもこんな立派なお寺が建てられたのか。
(集落に入る)
(住本寺)

 海岸道路に出るところに発端丈山の案内標識があり、下に長浜登り口となっていた。
 長浜の海岸道に出ると、我々のバスが路側駐車して待っていた。こんなところに長い時間駐車しているのは運転手さんは随分気を遣ったことでしょう。
(発端丈登山口の案内標識)
(バスが待っていた)

 バスに乗って、今日の昼食場所の沼津魚市場に向かった。払い放題、食べ放題の昼食だったが、丁度昼食時、どこの食堂も満員で順番待ち、みんな纏まっての食事は諦めたが、それでも座席に座るのに30分以上かかり、さらに食事が出てくるまで10分待たなければならなかった。鄙びて見えるが、結構観光客が押しかけている様だった。
 食事に予想以上に時間がかかって、帰途首都高を抜ける時の渋滞を心配したが、途中、断続的に渋滞はあったが、首都高が意外に空いていて快調に走り抜け、水戸に予定から1時間遅れだけで帰り着いた。
(沼津魚市場で昼食)
(時々渋滞)

 終点の電鉄営業所でバスを降りて、帰途スーパで夕食を買って我家に帰り、久し振りに仲間との楽しい山行ができたことを祝ってビールで乾杯!


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