B63.八間山と白砂山(関東百名山)

1.動 機
 出不精になってしまって、久しく二人では遠出をしておらず、踏破しようと決めた関東百名山も、去年の10月に吾妻耶山と三峰山に登って以来ご無沙汰している。そろそろやる気を出さないとこのままジジババになってしまうと心配になり、梅雨の合間の晴マークの天気予報をにらんで、先ずは残っている関東百名山のうち一番高い白砂山に出かけることにした。ガイドブックの多くは白砂山に登ったら八間山を繋いで周回するようになっているが、今の体力では少しきつ過ぎる様な気がし、お天気は2日は持ちそうなので、それぞれ別に登ることにした。その結果、八間山は一日かけてゆっくり歩いて可愛い花をいっぱい楽しむことが出来たし、白砂山は無理をしないでピストン登山とし、まわりの山々の展望を満喫することが出来た。前日のひたち海浜公園でポケナビをなくしたので、今回はナビなしで少し心細い山行だったが、なんとか無事歩き通すことが出来た。
 
2.データ
a)山域:八間山(1935m)、堂岩山(2042m)、白砂山(2140m)
b)登山日:2014/6/15(日)晴、16(月)晴のち小雨
c)コースタイム:
(1日目)日立自宅7:50 = 日立南IC = 渋川伊香保IC = 富士見峠(昼食)12:00 ---- シラネアオイ群生地 ---- 八間山 ---- 池の峠 ---- 湖畔遊歩道 ---- 16:15富士見峠 = 白根の見える丘(泊)
(2日目)白根の見える丘 = 白砂山登山口7:00 ---- 地蔵峠 ---- 堂岩山 ---- 白砂山頂 ---- 堂岩山 ---- 地蔵峠 ---- 15:35白砂山登山口 = 渋川伊香保IC = 日立南IC = 21:00日立自宅
(八間山と白砂山の歩行予定軌跡)

(八間山の予定軌跡標高差)
(白砂山の予定軌跡標高差)

d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「野反湖」

3.1 1日目八間山山行記録
 水戸アルパインクラブの6月例会で八間山登山が案内されていた。我家は都合が悪くて参加出来なかったが、案内書にあったコース取りと歩行タイムをそっくり真似させて貰って、富士見峠から八間山に登って池の峠に下り、野反湖湖畔を歩いて富士見峠へ戻る周回コースをとった。八間山は色々な高山植物の花を楽しむことができる予想以上に面白い山だった。

日立自宅7:10 = 7:25日立南IC = 8:10壬生PA8:20 = 9:10渋川伊香保IC = 9:20道の駅こもち9:35 = 11:15富士見峠(昼食)12:00 ---- 12:05シラネアオイ群生地12:10 ---- 12:50 イカイワの肩 ---- 13:20イカイワの頭 ---- 13:45八間山14:00 ---- 14:40野反湖見晴 ---- 15:10池の峠 ---- (野反湖湖畔遊歩道) ---- 16:15富士見峠16:25 = 16:45白根の見える丘(泊)

 朝食をとってから我家を出発し、渋川伊香保ICで高速を降りて八間山登山口に向かい、R292からR405に別れてジグザグの道を登っていき、野反湖近くになると数か所で道路工事でもないのに係員が立っていて交通整理をしている。何事かと思って、登山口の富士見峠第一駐車場に車を入れて売店に隣接するトイレを使ってから、展望所脇で交通整理をしている係りの人に訊いてみると「四万温泉から草津温泉まで野反湖を経由する80kmのトレイルを作ってスパトレイルランというマラソン大会をやっている。今年が第一回目、朝5時に出発して、速い人は昼には草津に到着するが、多くは今中間点の野反湖にやっと到着しているところだ」という。「車道は余り走らないようにしてあるが、ところどころ車道を横断するので、ランナーが通過するときは車の走行を遠慮してもらっている」という事だった。駐車場から野反湖を見下ろす富士見峠展望台に上がってみると、これから野反湖の右に下って行くランナーがあり、野反湖湖畔を一周して左手から登ってきて弁天山に登って行くランナーもあった。ボランテアの係員がランナーに大きな声で誘導したり励ましたりしていた。
(スパトレイルランの案内)
(スパトレイルランのボランテア)

 丁度昼時になったので展望台のテーブルの上で弁当を広げ、走って行くランナを眺め、目の前の野反湖や八間山、弁天山などの展望を楽しんだ。
 昼食をとってから車道の右手にある「八間山登山口」の道標のところから登り始めた。
(富士見峠で昼食)
(八間山登山口)

 登山道に入った途端、今が盛りのイワカガミやレンゲツツジ、盛りを過ぎているがショウジョウバカマやコケモモなど色々な花が迎えてくれた。こんなに花の多い山とは思わなかったので、嬉しくなってシャッタを押しまくるのでなかなか先に進まない。
 上から下ってくるご夫婦があり「少し盛りは過ぎていたが、シラネアオイが綺麗に咲いていましたよ」と教えて貰えた。
(イワカガミ)
(レンゲツツジ)

(ショウジョウバカマ)
(コケモモ)

 5分も登るとコマクサ群生地(植えたのは六合中学校の生徒達とのこと)の説明板があり、その下にシラネアオイ群落が左5分のところにあるとの表示板があった。
 左の分岐を歩いて行くと、すぐに広いガレ場があって、ところどころにコマクサの花が咲いているのが見えた。今はまばらだが7月、8月の盛りには賑やかになるのだろう。
(シラネアオイ植栽地へ寄道)
(コマクサ)

 コマクサ群生地の奥にシラネアオイの群生地があり、周回して花が見られるように道がつけられていた。先のご夫婦は盛りを過ぎたとおっしゃっていたが、所によってはなかなか賑やかに咲いていて目を喜ばせてくれた。
(シラネアオイ)

 シラネアオイの群生地を10人ぐらいの女性のグループが歩いてきて、リーダが大きな声で「これはツマトリソウという花です。褄(つま)は着物のふちのことです。」というような説明をしているのが聞こえてきた。私は若いころから「妻娶り草」だと思いこんでいて、いい名前だと思っていたのだが。マイヅルソウも賑やかだった。
(ツマトリソウ)
(マイヅルソウ)

 分岐点に戻って登山再開して階段道を登って行った。コマクサの群生地の上部に出て眼下に野反湖を一望することができた。
(登山再開)
(コマクサ群生地の上からの野反湖)

 高度を上げていくと後方の展望が広くなってきて、富士見峠の駐車場や売店の建物が小さくなってきた。そのすぐ上に弁天山の小さなピークがあり、その向こうに浅間隠山、浅間山、篭の登山、湯の丸山、四阿山、草津白根山、本白根山、横手山など思い出のある山が並んでいて、登った時の話が出てくる。
(浅間隠山・浅間山・篭の登山・四阿山・本白根・草津白根・横手山)

 群生地の上にもイワカガミやレンゲツツジの花が続き、ほかにもウラジロヨウラクやアカモノ、ヘビイチゴなどの花々が現れた。
(ウラジロヨウラク)
(アカモノ)

 なだらかに登って行き平らなところに出ると「イカイワの肩」の標柱があり、その先にイカ岩の頭と八間山のピークへの登山道が見えていた。
(イカイワの肩)
(イカイワの頭と八間山)

 イカイワの肩からは南の展望がさらに広くなり、榛名山や赤城山の連山も見えていた。
(イカイワの肩からの展望)

 まわりの雑木はツツジの木が多い。花の時期にツツジの花のトンネルになりそうな道だった。左にはズミの花も咲いていた。
(ツツジのトンネル)
(ズミ)

 登り切ったピークには字が見えにくくなった古い「イカイワの頭」の標柱が立っていた。
 目の前に八間山の丸いピークが見えていて、ここから今日初めての下り道になった。
(イカイワの頭)
(一旦下って)

 鞍部の樹林を抜けると目の前に八間山へのなだらかな登り坂が見え、樹叢の中の道を気持ちよく歩いて行った。傍には、触ると痛そうなキザギザなハリブキの葉やミツバオウレンの白い花の写真が残っている。
(八間山はもうすぐ)
(ハリブキ)

 登り始めて八間山の山頂に登りついて一息入れて証拠写真を撮った。
(ミツバオウレン)
(八間山山頂)

 山頂からの展望は広く、今まで見えていた志賀高原から白根山、浅間山、榛名山、赤城山方面のほかに、明日登る予定の白砂山が見えており、その右には雪が残った苗場山、さらに平標、仙ノ倉から谷川岳に繋がる山並みが見えていた。白砂山の左には堂岩山があり、ここから白砂山に登る時に歩く堂岩山へ続く長い尾根筋が見えていて、コースを二日に分けてよかったと実感させられた。
(八間山から北の展望)

 白砂山山頂でコーヒを飲みながらしばらく展望を楽しんでから、池の峠に向かって下山開始。山頂すぐのところに「白砂山」への分岐標があったが、我家はまっすぐキャンプ場方向に向かう。樹林帯の中に木の根っこや小石ガラガラの道があって、登ってきた道とは様変わりの感じがした。
(白砂山分岐)
(根っ子やガラガラの急降下)

 それでも上にはオオカメノキやミネザクラが咲き、下にはマイヅルソウやイワカガミ、エンレイソウ、ユキザサ、ヘビイチゴなどの花があった。ツバメオモトのような株があちこちにあってこれから咲きそうな風情だった。
(オオカメノキ)
(ミネザクラ)

(ショウジョウバカマとマイズルソウ)
(ツバメオモト)

 八間山から1時間とちょっと下ると野反湖畔のR405に降り立った。出口には八間山登山口の標柱があり、脇の駐車場には池の峠駐車場の標柱がたっていた。
(八間山登山口)
(池の峠駐車場)

 国道向かいには湖畔へ下りる遊歩道があって、入口に「富士見峠湖畔遊歩道入口」となっていた。丸太で整備された階段道を下って行くと野反湖の湖面が見えてきた。
(湖畔コース入口)
(湖畔へ下る)

 遊歩道には全コースにチップ状になった板切れが路面に敷き詰められていて、緩衝材になって膝にやさしく歩きやすい。
 500mごとに道標があり、分岐点には分岐標が立っていて遊歩道として満点の整備状況、スパトレイルの39.8kmの距離標識も立っていた。右に野反湖、左上に八間山の山並みを眺めながら気持ちよく歩いて行った。
(スパトレイルラン案内板)
(登山道に敷かれたチップ材)

 遊歩道わきにはチゴユリ、ヘビイチゴ、コバイケイソウ、イワカガミ(未開花)などが見られ、ムラサキヤシオやレンゲツツジも綺麗だった。
(ムラサキヤシオ)
(レンゲツツジ)

 そのまま続く湖畔コースが右に別れてからは階段道になり、富士見平へジグザグに登って行った。登り切ったところが展望所で、振り返ると野反湖が綺麗に見えていた。池の峠から1時間の湖畔散歩だった。
 今日は出発が遅かった所為か、コマクサ群生地の分岐以降は誰一人とも出会うことなく、静かな山歩きだった。
(富士見峠に戻る)

 富士見峠の駐車場に戻って車に乗り、R405をくねくね下って「白根の見える丘」の道標を見て枝道に入って行く。民家も何もない狭い道をしばらく走って行くと集落になり、ここでもトレイルランの交通規制があった。宿の位置を教えて貰い規制バーを外して貰って宿への細い道に入った。
 「白根の見える丘」はその細い道を入った突き当りにあった。
(ここにもゴール)
(お宿{白根の見える丘」)

 宿に入るとご主人の長い説明が始まった。夫婦二人だけでやっている四組限定の宿で、その概要は大体「白根の見える丘」のHPに見ることが出来るが、このほかに、こんにゃくは3年芋を使った自家製、御飯は八ヶ岳の蕎麦の実など入った六穀米、温泉の泉質は石鹸を使わなくても垢を融かして身体は綺麗になる、温泉に長湯は身体によくない、などなど。薦められた部屋のベットは布団の下に木炭を詰めて安眠を約束するとのことだった。
 内湯に入って汗を流したが、毎日湯を入れ替えているとのことで綺麗で気持ちの良い温泉だった。外湯にも入ってみようと思ったが、丁度外来の女性入浴客が入っていたところで、入口で男性が見張りをしていて入れなかったのが残念。
 6時半から夕食、奥さん自慢の料理が並んでいる。豆腐は良く締まっていていい口当たりで美味しく、朴葉蒸しされたニジマスの味付けも絶品、数種類の山菜はどう料理したのか信じられないほど柔らかかった。
 予約電話の時に、次の日白砂山に登ると連絡してあったので、ご主人は食事の間中、隣に陣取ってお酒を飲みながら白砂山に付いて色々と話してくれた。
熊はいるが襲われた事故は一度も起きていない。怖いのは蜂だ。
雷も怖い、堂岩山から先の尾根では逃げるところがない。明日も雷が来そうな14時までには堂岩山まで下っていた方が良いですよ。
皇太子が白砂山に登りに来て道が整備され、一度は雨で当日中止になり、数年後また登ったので登山道が2度整備されて、歩きやすくなっている。
白砂山に登るなら、宿を6時には出発するのがいい。朝食に付いても手抜きはできないので、それには間に合わすことが出来ない。夕食の量が多いので食べきれず、残ったご飯でおにぎりを作っていく人が多い。(これは電話で教わっていた)
 品数の多い料理を美味しく頂き、最後に出てきたデザートはプリンのように見えたが、実は豆腐を裏漉ししたもの、甘くて滑らかな舌触りで絶品だった。
(内湯)
(夕食)
(白根の見える丘)

 その夜は安眠ベットのお蔭かぐっすり眠ったのでした。

3.2 2日目白砂山山行記録
 ヤマケイ群馬県の山によれば「白砂山は、群馬、長野、新潟の三県にその山域を有し、かっては秘峰として知られていた。登山口の野反湖がキャンプや釣りなどの拠点として開発されてからは、登山道も整備され、快適な稜線歩きと展望の山旅が楽しめる」とある。往復12.8km、累積標高差800m、標準コースタイム7時間と、今の我が家にとってはなかなかタフな山である。白砂山登山口の駐車場で車中泊するか近くのロッジに泊って自炊するのが、朝早く登り始められるし一番経済的なのだが、寝不足になったら歩き通せない恐れもあるので、一番近い宿の「白根の見える丘」に前泊しての登山にした。

c)コースタイム:(2日目)
白根の見える丘6:15 = 6:35富士見峠 = 6:45白砂山登山口7:00 ---- 7:15ハンノ木沢 ---- 7:45地蔵峠 ---- 8:15シラビソ尾根 ---- 9:00小さな広場 ---- 9:35堂岩山 ---- 9:40八間山分岐 ---- 10:10猟師の頭 ---- 10:25金沢レリーフ ---- 11:10白砂山頂(昼食)峠11:45 ---- 12:20金沢レリーフ ---- 12:40猟師の頭 ---- 13:05八間山分岐 ---- 13:10堂岩山 ---- 13:35小さな広場 ---- 14:20シラビソ尾根 ---- 14:50地蔵峠 ---- 15:15ハンノ木沢 ---- 15:35白砂山登山口16:00 = 17:50道の駅こもち(夕食)18:35 = 18:45渋川伊香保IC = 18:50壬生PA18:55 = 20:40日立南IC = 21:00日立自宅

 出発前に部屋で昨日の夕食の残りで朝食をとって6時15分に出発、野反湖北端近くの白砂山登山口の駐車場に車を入れ、道路を挟んだ野反湖展望所のトイレを使って7時に歩き始めた。
 ナビのソフトで作った行程図では往復11.6kmだったが、登山口にあった案内板では12.8km、少し長くなっていた。
(白砂山登山口)
(案内板の一部)

 歩き始めるとすぐにツマトリソウやユキザサの花が出迎えてくれて、昨日の八間山と同じように花の多い登山道を期待させたが、今日は昨日よりずっときついコース、しゃがみこんでシャッタを押すのは少し自制しようと自分に言いきかせた。
(ツマトリソウ)
(ユキザサ)

 少し階段道を登って尾根道を歩き、掘れた道を下るとハンノ木沢にでた。道標によれば登山口から0.7kmとあった。沢には一枚板で作られた橋が架かっているが、昨夜の雨で濡れていて滑りそうで気持悪く、慎重にゆっくりと渡った。
 本流の橋を渡ってから、またすぐところで枝沢を渡渉すると急斜面を登るようになり、ジグザグに作られた登山道を登って行った。満開のウワミズザクラを見上げながら登って行くと、北沢取水分岐の道標があり、登山口から1.2km、岩堂山へ3.1kmとあった。 
(ハンノ木沢)
(ウワミズザクラ)

 更に続く急坂を登って行くと秋山郷分岐のある地蔵峠に着く。登山口から1.5km、堂岩山まで2.8km、お地蔵さんが近くにあるらしいが、まずは白砂山に登るのが先決と、お参りは後回しにして先を急いだ。
 ここからは傾斜がゆるくなり、小さなアップダウンの道になる。地蔵山も通るはずだが、気が付かないまま通過すると、地蔵峠から0.5kmのところにシラビソ尾根の道標があった。
(地蔵峠)
(シラビソ尾根)

 このあたりまで足元に野の花が沢山咲いていて目を楽しませてくれた。特に絨毯のようなマイヅルソウの群落が長く続いていて見事だった。ここに載せた花写真は殆ど下山時に撮ったものです。
(マイヅルソウ)
(エンレイソウ)

(ミヤマカタバミ)
(ミツバオウレン)

(ツバメオモト)
(ツバメオモト)

(ゴゼンタチバナ)
(オオバキスミレ)

 一旦下って急登をしばらく登ったところに水場分岐のある小広場に到着した。水場まで5分とあったが、まだ水は十分にあるので直進する。
(キジムシロ)
(小広場)

 小広場のすぐ先に野反湖が見えるところがあり、よく来たもんだと見下ろしながら一息入れたが、ここからもまだ急登が待っていた。
(野反湖見晴)
(急登)

 急登をこなした先で谷あいの道になり、残っていた雪渓をステップを切りながらゆっくりと登った。頑張った先に堂岩山の山頂標があり、これで2/3を登ってきたと一息入れる。
(雪渓登り)
(堂岩山山頂)

 堂岩山からは白砂山までの稜線が見えており、ガイドブックでは「ここからは気持ちの良い稜線歩きだ」とあるが、まだまだ結構な登り下りがあるなあと気を引き締めて出発。
 5分ほど下ったところに八間山への分岐標があったが、この分岐には興味もあったので探しながら下ったのだが、山頂すぐのところにあると思っていたのになかなか現れなくて意外と遠く感じた。
(白砂山が見えた)
(八間山分岐)

 八間山分岐から更に下って行くと、向かいの猟師の頭がだんだんと高くなってきて、間の鞍部には沼も見えていて白砂山は遠い感じになってきた。
 鞍部の湿地帯を過ぎたあたりからの眺めもなかなか良く、すぐ左後にある八十三山もずいぶん立派な山に見えてきた。
(鞍部には水溜りがある)
(八十三山)

 白砂山と八間山の間の東を望めば、浅間山、榛名山、赤城山などの山々が並んでいる。
(東方向パノラマ)

 最後の登りと思って頑張って登りつめたところに猟師の頭の標柱があり、白砂山まで1.3kmとある。目の前の白砂山が随分近く見えてきた。
(猟師の頭)
(白砂山)

 左に佐武流山があり、白砂山から稜線伝いに歩く人もあるらしいが、今の我が家には関心も沸かない。佐武流山の稜線越しに苗場山も見えていて、これらの山に苦労して登ったことを思い出す。
 この辺りには登山道沿いにシャクナゲの花が咲いていて、花写真を何枚も撮ったが、やはり白砂山を入れた写真にしなくっちゃとアングルを考えながら歩く。おっと、足元が危ない!
(佐武流山と苗場山)
(シャクナゲと白砂山)

 猟師の頭からは急降下、下ったところに「金沢レリーフ」の標柱があり白砂山まで0.9km、小さな岩場になっていた。何か粗相を起こさないかと和子が心配げににらんでいる。
 岩場を降りると山頂はすぐそこに見えた。が、それはニセピークだった。
(金沢レリーフ)
(最後の登りだと思った)

 足元にはイワカガミやシラネアオイのピンクの花が咲いていて元気を貰う。オオカメノキの白い花も嬉しい。
(イワカガミ)
(シラネアオイ)

 下ってくるご夫婦に「もうすぐですよ」と励まされながら急斜面を登っていって、やっとの思いで山頂部に出たが、山頂標はどこにも見えない。山頂はまだまだ先、2〜300m歩いてやっと白砂山の山頂標を見つけることが出来た。地形図をきちんと見ながら歩いていれば問題は起きないのだろうが、この辺の感覚がナビなしで歩いていると苦しいところ。歩き始めて4時間10分、大体標準タイムに近かった。証拠写真と展望写真を撮ってから、展望を楽しみながら昼食をとった。
(オオカメノキ)
(白砂山山頂)

 南東:上ノ間山・赤城山・榛名山・妙義山・浅間隠山・浅間山
(白砂山山頂から南東方向の展望:)

 北:苗場山・大黒山・上ノ倉山・忠次郎山・平標山・仙ノ倉山・上ノ間山
(白砂山山頂から北の展望:)

北西:岩菅山・烏帽子岳・鳥甲山・佐武流山・苗場山
(白砂山山頂から北西の展望:)

南西: 奥:浅間山・草津白根山・横手山・笠ヶ岳・岩菅山
   手前:八間山・堂岩山・八十三山
(白砂山山頂から南西方向の展望:)

 昼食を食べている間に、駐車場で一緒だった人達も登ってきて賑やかになる。上田からの人達、いろいろ話を聞いているのも楽しい。
 他の人も登ってきて一足先に下山にかかり、コースは判っている積りで歩いて行くが、猟師の頭と堂岩山への登りは思った以上にきつくて音をあげそうになった。
 岩堂山からの雪渓下りは登る時よりも怖く、10分近くかけてゆっくりゆっくり下った。
(猟師の頭へ)
(堂岩山へ)
(下山時の登りはきつかった)

 シラビソ尾根を新緑が綺麗だねと言いながら気持ちよく歩いているうちに、小雨が顔に当たり始めた。本降りになってから雨具を出すのは大変だと、ザックカバーだけ羽織って歩き始めた。ザックカバーだけでも暑苦しい。
(新緑)
(雨がぱらつき始める)

 下山時は可愛い花を見つけるごとにシャッタを押しながら歩き、ピークの所では地蔵山の表示がどこかにないかと気にしながら歩いたが、地蔵山を示す何物も見つけることが出来なかった。
 地蔵峠まで下ってから、お地蔵様に挨拶をしていこうと脇道に入った。意外に近く20m足らず入ったところに屋根に守られた地蔵さんがおられ、無事に白砂山山頂に登ることが出来たお礼を申し上げた。
(マイヅルソウの尾根道)
(お地蔵さん)

 更に北沢取水分岐近くまで下るとウワミズザクラの群生地になる。ウワミズザクラは下から見上げるよりも上から見下ろす方が綺麗に見える。
 ハンノキ沢を渡って登り返し、登山口に近くなったところにトレイルランの41.9kmの距離表示板があった。野反湖東湖畔を走って国道に出てから車道を避けてこの辺りに出てくるトレイルがあるらしい。ここからは登山道を下れば湖畔に出る。
(ウワミズザクラ)
(スパトレイル案内板)

 野反湖が見えてきてホッとし、車に着いて靴を履き替えている間に山頂で一緒だった人たちも下ってきた。山頂から2時間50分、ほぼ標準タイムだった。
(野反湖)
(駐車場に到着)

 野反湖展望所のトイレを使い、展望所から富士見平からとは反対方向の野反湖を眺めた。富士見峠の売店も小さく見えていた。
(野反湖展望台から)

 難関だと思っていた関東百名山の71座目の白砂山に無事登ることが出来てまずは満足。ナビの行き先を我が家に合わせて出発、道の駅こもちで夕食を頂いて、我家に到着したのは丁度21時だった。風呂に入ってピールで乾杯し、ぐっすりと眠ることが出来ました。


inserted by FC2 system