B71.七ツ洞公園

1.動 機
 水戸市の七ツ洞公園は、8htの広い敷地に大小5つの池とその池を支える5つのダムを中心に自然環境を生かして作られたイギリス式の庭園である。5月末に笠間に出かけた帰りに立ち寄って半分だけ歩いたが、その美しさに惹かれてもう一度訪れて全体を歩いてみたいと思っていた。梅雨の合間に近所のkさんと一緒に池の周りを一回りし、ついでに県植物園の花を愛でてきた。

2.データ
a)山域:七ツ洞公園、県植物園
b)登山日:2014/07/03(木)
c)日程:森山町 9:00 = 9:40 七ツ洞公園 12:30 = 12:45 県植物園 14:40 = 15:00 森山町
d)同行者:町内のKさん、和子
e)地形図:1/25000 「石塚」

3.山行記録
3.1 七ツ洞公園
 Kさんを乗せて朝9時に森山を出発し、車のナビに七ツ洞公園の駐車場マークを目的地にセットして走って行くと、着いたところは公園北端の駐車場だった。ここからだと歩き方もわからないので、Kさんを案内するのがおぼつかない。もう一つの駐車場マークへ向かうと、この前来た見覚えのある駐車場に着いた。
(七ツ洞公園周回コース)

 芝生広場を横切って森の中を進み、先ずは秘密の花苑に入って行く。秘密の花苑は円くレンガ積の塀で囲まれていて、外からは中に咲いている花は見えない。
(芝生広場)
(秘密の花苑入口)

 ライオンの彫像のある入口を入って行くと、塀の中には三重に同心円の遊歩道が出来ていて、その間に花壇の外に、色々な形をしたイギリス調の構築物が配置されている。咲き乱れる色々な花を愛でながらぐるぐるとゆっくり歩き回った。
(秘密の花苑の中をゆっくり周遊)

 1ヶ月前にも入口脇もバラの植え込みにバラが咲いていたが、今も新鮮な色をしたバラが綺麗に咲いていてKさんを喜ばせた。。
 他にもパーゴラに伝って咲いていた赤や白のプルナムワテレリーボッシーやヘメロカリス、ダリア、アジサイ、ブルーサビリア、ノウゼンカズラ、ジキタリス、サンパチエンスなどたくさんの花が賑やかに咲いていた。
(バラ)
(ヘメロカリス )

 秘密の花苑の沢山の花を45分間も愛でて満足し、外に出てすぐ下のダムDに下りた。ダムDのカスケードの放水堰を眺めながら貯水池E(貯水池に名前が付いていないが、ここではダムEで堰き止められてできた池を貯水池Eと呼ぶことにする)の右岸遊歩道を歩いていると、緑の湖面に垂れている木の枝に張った蜘蛛の巣が綺麗だった。
(ダムDのカスケード)
(蜘蛛の巣の芸術)

 パビリオン(イギリス調の白い四阿)のあるダムEを歩いて、貯水池Eの湖面を見ながらダムEに並んでいたベンチで一休みした。
 一休み後貯水池Eの左岸の遊歩道をダムDに向かって歩いていくと、ここのダム群や池の元になっている水流についての説明板があった。今まで自然の流れだと思っていたのだが、農業用水として那珂川からポンプでくみ上げられた水の一部を、景観のためにここに分水しているらしい。
(ダムEで一休み)
()

 説明板の先に四阿があり、ここから左に曲ってダムDの上を進むと石の橋があり、下にはカスケードの流れがあり、左には先ほど通ったダムEの白いパビリオンが見えていた。
 また右岸に戻り、ダムに沿った板敷の遊歩道を進む。案内パンフによれば、七ツ洞公園とは貯水池Dの右岸に権現山横穴群という横穴式古墳が七ツあったので命名されたもので、今でも5つは残っていて渇水期にはダムDから見えるとのことだったのだが、今日は横穴群のことをすっかり忘れていた。
(ダムDからダムEを望む)
(横穴群:七ツ洞公園パンフから)

 ダムDを渡り終えたところ突き当りに横穴があり、この前来た時には、これが権現山横穴かなと思ったのだったが、この中には「溜池」と掘り込んだ石柱が立っていて古代の遺跡ではなかった。
 覚えていたらダムDに引き返してみるところだが、今日はそのまま次のダムCに向かって貯水池右岸の板敷の遊歩道を歩いて行った。横穴群はこの遊歩道の下にあった訳だ。
(遊歩道脇の横穴)
(ダムCへ)

 貯水池Dの右岸を歩いて行くと遊歩道脇にトリアシショウマやキノコが目を慰めてくれた。その先に分岐があり、ダムCの上を歩いて行くと、右にダムDの石の橋が見え、左にはこれから行くダムBの木橋と四阿が見えていた。
(ダムCからダムDを望む)
(ダムCからダムBを望む)

 その先を歩くとレンガ積で古色蒼然としたパーゴラがあり、その奥に魚が口から水を吐き出している壁泉があった。
 ここから貯水池Cの左岸にダムBに行ける道がないかと向かいの森を伺ってみたが、藪っぽくては並みの格好では歩けそうにもなかった。
(噴水)
(パーゴラからダムC)

 分岐まで引き返し、この前はここの分岐から左に登って駐車場に戻ったが、今回は貯水池C右岸の遊歩道に入りダムBに向かう。途中、左上に展望台が見えそこへ上がる分岐もあったが、そのまま進んで展望台下の道を歩いて行った。
 三角屋根の四阿がだんだん近くなり、分岐に着いてダムBの木橋を渡って四阿に入る。ここでは釣りをしている男性が二人有り、夫々池Bと池Cに竿を向けていた。「何が釣れるんですか」と訊くと「ブラックバスを狙っているのだが、今日はまだ釣れていない」と空っぽの網を見せてくれた。左手の貯水池Bは水が少なく水面の半分は葦に覆われていた。
(板の遊歩道でダムBへ)
(木橋を渡って四阿へ)

 四阿を過ぎてまた木橋を渡ると、アジサイの大きな株があって緑の湖面とのコントラストが綺麗だった。
 その先から半分埋まっていた貯水池Bの左岸の遊歩道を歩いて行くと、また古びたフォーリー(装飾的建物)があった。
(アジサイ)
(パビリオン)

このあたりには、ノカンゾウやギボウシなどの群落が次々に出てきて写真採りが忙しくなった。
(ノカンゾウ)
(ギボウシ)

 フォーリーのすぐ先がダムAで、ダムの中央部は少し落ち込んでいて大石がゴロゴロ重なって岩場のようになっていた。Kさんはこの岩場を通るのが嫌そうなのでまっすぐ貯水池Aの左岸の遊歩道を歩いて行った。
 草原のようなダムAの中の遊歩道を進むと、岩の重なりの間から水が暗渠を通って流れ出てくる放水口があった。農業用水路の水がここから入ってきているのだった。
(ダムAから)
(放水口)

 放水口の岩場を上がると上には円形の展望台があった。この展望台もわざと古びた感じに作られていて、真ん中に井戸らしきものがあり、中には何か邪魔があって底は見えなかったが、放水口への暗渠がこの下を通っているものと思われた。展望台の雨水が井戸に落ち込むようにか、上の天井には井戸の真上に丸い穴が開いていた。
(北側駐車場展望台)
(展望台下部)

 右の登り道を上がって行くと、目の前に最初に到着した駐車場があった。展望台に上がってみると流れだけで水面がない貯水池Aと、その先にダムAの土盛りや石組が見えていた。
 展望台を降りて貯水池Aの右岸を歩いて行くと、先ほどパスしたダムAの石組が見えていた。
(池AとダムA:北側展望台から)
(ダムAの石組)

 更に貯水池Bから右岸の板製の遊歩道を行くと、湖岸から真横に伸びた松の木が、途中に支えを作ってもらってかろうじて生き延びている姿が痛々しかった。
 続いて貯水池Cのの畔を歩いて行くと、来る時にはパスした展望台が見えてきた。駐車場への道標に従って登って行くと広い展望デッキになっていたが、周りの木々が茂っていて貯水池の水面は殆どか見えなかった。中央に四阿風の休憩舎があって、ここで弁当を広げてゆっくりと昼食をとった。
(池Bの右岸遊歩道)
(展望台)

 昼食後は、展望台から遊具のある芝生広場を通って芝生広場に出て駐車場はすぐだった。

3.2 県植物園
 七ツ洞公園の駐車場に戻ったのはまだ12時半、帰るにはまだ早いので、相談してすぐ近くの県植物園に入って見ることにした。我家はフリーパスだが、70才未満のKさんは\300の入園料を払っていた。
(県植物園歩行コース)

 中に入ると沈床園の花壇の草花が今が盛りと咲き誇っていて綺麗だった。資料館は休館中だったが、園内にはアジサイ、ハギ、ノリウツギ、タイサンボクなどが綺麗に咲いていた。
 一か月前に清楚な花を見せてくれていたオオヤマレンゲが、変わった形の実を付けていて、この初対面も嬉しかった。
(沈床園)
(オオヤマレンゲ)

 勿論、熱帯植物館の中にも入って一回り、カトレアやデンドロなどのラン類のほか、ハイビスカスやメデイニラ、ベンケイカズラ、ベニヒモノキなど綺麗な花が開花中だったが、幹から直接花を出し実を付けているジャボチカバが初対面で面白かった。
(熱帯植物館)
(ジャボチカバ)

 風通しのいい熱帯植物館の最上階でコーヒを飲みながら一休みしてから外に出て、アジサイ通りを歩いて園外に出て、あとは真っ直ぐ我が家まで帰ってきた。
 



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