C22.房総アルプス(MAC)

1.動 機
 房州アルプスは房総富津の東に連なる山並みで、アルプスと言っても最高地点が268mの低山の連なりである。水戸アルパインクラブの去年の1月例会として計画されたのだが、前日の大雪でバスが走れなくなり急遽中止になった経緯がある。今年はそのリベンジで再度計画、募集され、参加者15名で歩くことになった。一日小雨の天気予報だったが、幸い歩いている間だけ雨が止んでくれて、自慢の富士山絶景は見ることはできなかったが、賑やかに楽しく歩き通すことが出来た。

2.データ
a)山域:房州アルプス
b)登山日:2015/2/18(水)
c)旅程:日立自宅 4:55 = 日立電鉄南営業所 = 水戸IC = 大洗IC =(一般道)= 潮来IC = 鋸南保田IC = 10:30林道鹿原線入口10:40 ---- 登山口@ ---- 愛宕神社(昼食) ---- 無実山 ---- 登山口A ---- 14:15林道保田見線入口14:20 = 富津金谷IC = 成田IC =(一般道)= 稲敷IC = 日立電鉄南営業所 = 20:15自宅
(房総アルプス歩行コース)

(房総アルプス歩行コースの高低差)

d)同行者:水戸アルパインクラブ会員13名(男5、女8)、和子
e)地形図:1/200000 「鬼泪山」「金束」

3)山行記録
(往路バス)
    日立自宅 4:55 = 5:05 日立電鉄南営業所 5:15 = 6:05 水戸駅 = 6:30 水戸IC = 6:50大洗IC = 7:20鹿島灘海浜公園7:30 = 8:15潮来IC = 8:40酒々井PA8:45 = 9:05宮野木JCT = 9:25市原SA9:35 = 10:10鋸南保田IC =(県道34) =(県道182) = 10:30林道鹿原線入口
 目覚まし時計に起こされて、身支度をして朝食も取らないで我が家を出発、バス会社の駐車場に車を置いて大型バスに一番乗り、バスは定刻の5時15分に出発して、東海、勝田、水戸と仲間が乗りこんできて、総勢15名、大型バスはガラガラだが、話は弾んで賑やかなこと。水戸ICでいつものように常磐道に乗ったのだが、友部JCTで方向を変えて北関東道を海に向かい、大洗ICで高速を降りて、一般道R51を南に走って鹿島灘海浜公園でトイレ休憩後、潮来ICで東関東道に入った。更に宮城野JCTで館山道に乗り替えて10時過ぎにやっと鋸南保田ICに到着した。房総までは遠かった。
 宮城野JCTまでは天気予報の通りにフロントガラスのワイパーが廻っていて、みんな「今日は温泉三昧だね」などいいながら山歩きは諦めていたのだが、館山道に入ると雨は止んだ幹事さんもホッとして身支度の指示が出た。
 バスは鋸南保田ICを降りてから県道34号を東に向かうが、この道は昨年の水仙オフで谷沢水仙郷や津森山を歩いた時に通った道、なんとなく見覚えの所だなと思っている間に、横根峠から県道182に曲って北に向かった。下山地点の林道保田見線入口で運転手さんに迎え場所の打ち合わせをし、一寸行った左手に「山中温泉陽気の湯」の看板が見えた。地図に温泉マークがあったので、下山後の入浴に使うのかなあと期待していた温泉だが、小さな一軒宿でとても団体では入りきれそうになかった。志駒川沿いのくねくね道を「あれが房総アルプスよ」という幹事さんの説明を聞きながら更に北上して、10時半に登山口の林道鹿原線入口に到着した。

(コース)
    林道鹿原線入口10:40 ---- 11:10展望地 ---- 11:20登山口@11:30 ---- 11:40分岐 ---- 11:50愛宕神社(昼食)12:10 ---- 12:20分岐 ---- 12:35地獄覗き ---- 12:55無実山13:00 ---- 13:20水仙畑 ---- 13:50登山口A ---- 14:05内台観音堂 ---- 14:15林道保田見線入口
 始めは舗装道歩きなので準備運動は省略、軽くストレッチをして歩き始める。道はなだらかで歩きもゆっくりペースだが、標高差150mは結構な登り甲斐があった。周りに山も見えるが、房総の地理には疎くて何と言う山だか見当がつかない。 
(林道鹿原線入口)
(緩やかな登りが続く)

 九十九折を繰り返して峠越えて急に視界が開け、下に見えてきたのは林道の終点、鹿原の部落らしい小さな集落が見えていた。天気が良ければその向こうに東京湾が見えるのだろうが今日は何も見えない。
 さらに何回かのアップダウンをゆっくりと歩いて行くが、広葉樹の林が房総らしい雰囲気で気持ちがいい。
(峠を越えたら東京湾見える?)
(鬱蒼とした広葉樹林)

 ひとしきり下るとT字路に突き当たった。右に行けば鹿原部落(しっぱら)に通じる道で、左には房州アルプス登山口」の立札が立っていた。縦走路の間中に「房総アルプス」の名板はないとのことで、ここで全員集合の記念写真が撮られた。
 軽い準備運動をして房総アルプスの縦走路に入っていった。
(T字路)
(そこは房州アルプス登山口)

 歩きやすい広い遊歩道が続き、ところどころには水仙の花も咲いていた。
 入口から10分ちょっと歩くと、左の崖にパイプの構築物が現れた。ここは左奥の愛宕山(225)に向かう道の分岐で、この角の高みには祠があって展望もいいところなので、これへ登るための手製の階段が作ってあったが、老朽化で下の部分が壊れてそのままになっているというらしい。
(手入れの良いハイキング道)
(愛宕山分岐)

 愛宕山への道に入ってすぐのところに、角のピークに登る足場が作ってあったが、今日は展望もないのでそのままスルー。
 平らな道を歩いて行き、右に別れる踏み跡に入って登ると愛宕神社があった。神社に裏手から入ることになった。
(マテバシイの道)
(愛宕山山頂へ)

 愛宕神社は本殿と拝殿が別棟になっているが質素な造り、お参りして社殿の周りで風を避けながら弁当を広げた。
 昼食を終えて、神社の前を覗くと石段の下に狛犬さん、灯篭が立つ表参道が見えていた。灯篭下まで下って振り返ると、この勝手な行動を叱る和子の姿があり、ここで写真だけ撮って引き返した。
(山頂の愛宕神社)
(表参道から見上げる)

 往路を引返して、また縦走路を歩いて行く。
 小休憩があった時に、少し早めに歩き始めて前からの皆さんの姿を撮ってみた。私としては珍しい写真が撮れました。
(縦走路に戻って)
(時には前から写します)

 県道で見上げた房総アルプスはいくつものピークが連なっていて、登り下りの多さを心配していたが、縦走路はほとんどのピークは巻いて歩くように造られていて、楽ちんコースになっていた。
 少し下って登り返したところで一行が立ち止る。そこは「地獄のぞき」というところで、左側を覗きこむと切り立った岩の崖になっている。道が広いので恐怖感はないが、落ちれば地獄行きは間違いなさそうだ。
(地獄覗き)
(反対側から)

 崖の上からは房総の山々が見渡せ、高宕山方向と思われたが残念ながら山名同定には至らなかった。
(地獄覗きからの展望)

 地獄覗きからしばらくは、右や左に崖が続く。砂岩のような脆い岩肌で、この縦走路を切り開いた時に削られてできた岩壁のようだった。
 気持良く歩いて行くと、幹事さんがところどころで「下見の時には富士山が見えていたのよ」とおっしゃるが、残念ながらどこからも富士山はおろか東京湾も見ることが出来なかった。富士山が見えるというのが、このコースの売り言葉だったのだが残念至極だが、お天道様には文句が言えない。
(削られた砂岩の崖  )
(富士山見える?)

 縦走路を歩いて少し登ったところで、縦走路から右手のピークに導いて行った。そこには「無実山」の山頂標の前に二等三角点があった。ここは267mの今日のコースの最高地点、記念写真が撮られた。
 消えかかった説明板には次のような言い伝えが書いてあった。
    源頼朝がこの道を馬に乗って通過中、椎の実が頭に当たって激怒「花は咲いても実はなるな」と椎の木に八つ当たり、以来「みなしやまの椎は実がならなくなった」という伝説がある。椎の木は源頼朝を傷つける意図はなく無実であり、それ以降この山を「無実山(むじつやま)」と呼ぶようになったとか。 
 地形図には266.8のこの山には山名の記載はないが「、みなしやま」と呼ぶのか「むじつやま」と呼ぶのか、どっちが正しいのだろうか。
(一寸だけ登り)
(最高地点の無実山)

 最高地点も展望がないので、証拠写真を撮っただけで通過、急坂をずるずると縦走路に下り、それからもジグザグの道で急坂を下って行った。登りの楽ちん登りからは予想できない急坂だった。
(無実山からの下りは急坂)
(無実山からの下りは急坂)

 急坂を下りきると今度はやせ尾根、展望地に続いてトラバース道になった。急勾配の斜面に出来たトラバース道で、道幅が狭くて少々怖い。手入れされていて乾いていれば危なくはなさそうだが、今朝まで雨が降っていたので、粘土質の道は柔らかくなっていて、うっかりするとずるずると滑りそう。滑りはじめたら止まる手段はなく谷底まで転落間違いなし。慎重派の人は一歩踏み出しては戻るをくり返し、なかなか先に進まない。こんなところが何カ所も続いたが、お蔭様でうっかり坊主の私も無事通過することが出来た。
(痩せ尾根)
(ズルズルのトラーバース道)

 気持ちの良いマテバシイの自然林になり、下って少し登り返したところに一面白い水仙の花が咲いているところがあった。近くに民家もあり、水仙畑のようだった。民家から出てこられた奥さんに「綺麗な水仙を見せていただき有難うございました」とお礼言って次に向かう。
(マテバシイの原生林)
(水仙)

(水仙畑)

 水仙畑に続いてミカンの木などのある数軒の民家が続き、やが舗装された道に合流した。
 その合流点には「房州アルプス」の立札があった。鹿原林道にあった「房州アルプス」の立札が立っていたところからここまでが房総アルプスと言うことだった。
(ミカン畑)
(房総アルプス登山口)

 合流した舗装道は合流点からV字型に左に下るようになり、ところどころに民家が見え、右下の斜面には水仙の花が賑やかに咲いていた。 上から見下ろしたのではいい写真が撮ることが出来なくて残念。
 右手に観音堂があり、前庭に石の観音像と内台観音堂の石柱が立っていた。一寸お参りしたかったが、リーダの足が速くて付いて行くのがやっと。合流点でバスの運転手との携帯での連絡が付いたとのことで、その所為かペースが速足になっていた。
(林道保田見線)
(内台観音堂)

 道端には、水仙のほかにも、アセビの薄緑の花やツバキの花、ミカンの黄色い実がたわわに成っていたりして綺麗だった。
 これらの花など楽しみながら舗装道を快調に下って県道に出ると丁度バスが着いたところだった。リーダの絶妙のペース配分に感服。すぐ下の川床に下って泥んこの靴を洗ってバスに乗り込んだ。
(ツバキ)
(県道に出てthe end)

(往路バス)
    林道保田見線入口14:20 = 14:40東京湾フェリSC15:10 = 15:15富津金谷IC = 16:00宮野木JCT = 16:40成田IC =(一般道)= 17:25稲敷IC = 17:40つくばJCT = 18:05友部SA(夕食)18:35 = 18:45水戸IC = 19:10日水戸駅 = 20:00日立電鉄南営業所20:05 = 20:15自宅
 バスは国道まで往路を引返し、東京湾フェリのサービスエリアに立ち寄ってお土産漁りをしてから富津金谷ICで高速に入り、成田ICからR408で繋いで稲敷ICから圏央道に乗り、つくばJCTから常磐道に乗り換えて水戸に向かった。我家はこの圏央道を何度か使ったことがあるが、初めてだという仲間が多かった。
 帰りのバスが走り始めるとすぐに雨が降り出した。今日は丁度歩いている間だけ雨が止んでいたのだ。こんなラッキーなことはめったにあることではない。バスの中は水戸に帰るまで明るい話し声、笑い声でいっぱいでした。


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