D91.袋田の滝へ・ヘルスロード33

1.動 機
 新潟の姉から「袋田の滝は大雨の後はどうなるのでしょう」というメールが入って、台風の後同じ思いを持ったのに出不精で近場のウオーキングで済ませてしまったのが悔やまれてきた。茨城ヘルスロード一覧表に、自然の風景を楽しみながら袋田の滝を巡るNo.33があったので、早速出掛けることにした。大雨後3日になって少々遅ればせになったが、それでも観瀑台まで滝の飛沫が飛んでくるような迫力のある袋田の滝を堪能することができた。

2.データ
a)山域:袋田の滝
b)登山日:2016/09/02(金)晴
c)コースタイム:自宅9:40 = 10:45ヘルスロード駐車場10:50 ---- 10:55ふくろだ観瀑大橋11:00 ---- 11:10月居山登山口 ---- 11:15中間点 ---- 11:35料金所13:00 ---- 11:45第一観瀑台11:55 ---- 12:00第二展望台12:05 ---- 12:10吊橋 ---- 12:20滝見茶屋 ---- 12:40なかじまドライブイン13:20 ---- 13:30ふくろだ観瀑大橋 ---- 13:35ヘルスロード駐車場13:40 = 14:20水府直販所14:5 = 14:50自宅
d)同行者:和子
(ヘルスロード33歩経路)


3.山行記録
 我家を10時前に出て、常陸太田からの県道33からR461に繋いで峠を越えたところで袋田の滝への近道に入ると、間もなく右の歩道の外側に細長い空地が見えてきた。ヘルスロードのマップでは駐車場はこの辺りだが、駐車場にしては幅が狭いし、止っている車もいないので入っていいのかどうか悩ましい。細長い空き地の中ほどにヘルスロードの案内板が立っているのが見えたので、やっと安心して入って車を停めた。もちろん縦列駐車。
(ヘルスロード駐車場)
(ヘルスロードNo33案内板)
 駐車場の先にも車道沿いに広い歩道が続き、間もなくベンチがある休憩所があり、その先に長い橋があった。橋の欄干には「ふくろだ観瀑大橋」の名板があり、長い橋の途中にはでっぱりがあって、袋田の田園風景の上に奥久慈の山並みが広がっていい眺めになっていた。
 行く手には尖った山容の生瀬富士の手前に立神山から袋田滝崖上展望所へつながる断崖が見え隠れする尾根筋が見えていた。
(ふくろだ観瀑大橋)
(生瀬富士と立神山)
 橋を過ぎると、眼下の広場をクズの葉が我が物顔で覆い尽くしていて小憎らしいが、その中に紫色の花がチラホラ見えていて救われる。
 高い木に白い花がいっぱい咲いていて綺麗だった。花図鑑を見ても花の名前は分からない。エゴノキの花が近いように見えたが、ちょっと違うようでもある。
(クズの花)
(エゴノキ?)
 リンゴ園には色付いたりんごの実がいっぱいついていて綺麗だった。
 その先に右に別れる道があり、入口に月居山登山口の道標が立っていた。月居山には何度も登ったことがあるが、ここから入っていった記憶はなかった。
(リンゴ園)
(月居山登山口標)
 月居山分岐の近くには黄色い花の群落が見え、近づいてみるとキバナコスモスの花だった。大輪の花が綺麗に咲いていた。
 その先に小さな田圃があって、もう稲刈りをしている男性の姿があり、田圃の半分には刈り終えた稲束が横たえられていた。滝見物からの帰り道で見た時には、もう稲束を架けて干す棚木が出来上がっていた。
(キバナコスモス)
(稲刈り)
 県道324への合流点には「スタート地点へ0.9km袋田の滝0.9km」の道標が立っていた。片道1.8km、往復3.6kmのコースだ。
 中間点標識の反対側の角には大きなトイレがある休憩所になっていて、珍しい電話ボックスも立っていた。
(ヘルスロード中間点)
(休憩所トイレ)
 トイレのある休憩所の角で県道324に入って少し進むと、県道沿いの滝川を渡る橋があり、入口に「袋田滝への近道」と書いた立札が立っていたので渡っていく。
 滝方向に六角タイル貼りの道が伸びていて、左に土産物店が並び、右の滝側との間が小公園のようになっていた。
(滝川を橋で渡って)
(お土産物屋の通り)
 小公園に入るとくねくねとした遊歩道があり、緑のシャワーを浴びながら気持ちよく歩いていった。遊歩道沿いに「ぬぐいよ大子」と書いた旗が並んでいたが、「ぬぐい」とは故郷の広島では「ぬるい」?、大子ではあたたかいことを意味する言葉で温かいおもてなしの心だそうです。
 遊歩道の終わりで小公園を出ると土産物店が続き、中で近所同士でおしゃべりをしているぬぐい感じのお店もあった。
(川沿いに遊歩道)
(お土産物屋)
 土産物店街の中ほどに古い山門があって、これを潜ると石段の上に滝不動さんのお堂が見えていた。今日はお参りは止めて滝に向かった。
 ここからも店が続き、「あゆの塩焼き」の看板が目について昼食にはこれと決めた。
(滝不動)
(あゆの塩焼の看板)
 袋田の滝への観瀑トンネル入口にある料金所の真下まで来たが、石段はなぜか通行止めになっていて、綺麗な花鉢が並べられていた。
 ぐるりと遠回りする坂道を歩いて料金所で入場券を買ってトンネルに入った。料金所で黄門様のいばらきカードを見せたが、50円しか値引いてくれなかった。
(料金所の階段は通行止め)
(料金所)
 観瀑トンネルに入ると、奥から強い冷たい風が今まで体験したことのない強さで吹いてきて寒さに身震いするほどだった。
 10mほど入ったところにアルコール温度計を取付けた標柱が立っていて、温度計を見ると22℃を示していた。袋田の滝から送られてくる風と思われ、今日は四度の滝の勢いが強くて、滝の流れでひき起される冷たい風が吹きこんでくるのだろう。
(観瀑トンネル)
(温度計は22℃)
 今はトンネルの中にイルミネーションはなくて少々味気ない。
 途中の展望台への入口には胎内観音様が祀られていて、周りの壁にはべたべたとたくさんの願掛け紙が貼りつけられていた。
(イルミネーションなし)
(袋田の滝胎内観音菩薩)
 展望台開口部には、「恋人の聖地」の名板がある土台の上に可愛い対のモニュメントが置いてあった。
 今まで見たことのないモニュメントなので何だろうかと、右壁にかかる作者の説明文を見ると仲良し「オシドリ」を模したもので、今年の6月に作られたばかりらしい。
(作者のコメントをクリックすると、大子町の設置趣意書が出てきます)
(恋人の聖地モニュメント)
(作者のコメント)
 モニュメントの後に回って下の滝川を見下ろしたが、ほとんど草木で覆われていて、見えているのは大きな岩石が重なっているところだけ、水が流れるところは見えない。滝を流れる水量が心配になる。
 一つ先の分岐が第一観瀑台への入口。正面に見える袋田の滝には水が滔々と流れていて、その流れに乗ってきた冷たい風が吹きこんできていた。
(モニュメントからの滝川)
(第一観瀑台)
 展望台まで入ると、四段の大岩壁を落下する四度の滝が眼前に迫ってきて、いつ見ても迫力のある素晴らしい眺めだ。特に今日は滝のしぶきが風に乗って飛んできて雰囲気も凄い。今日は左右二筋の滝になっている二段目の岩壁にも間が黒く濡れている跡が見えるので、昨日や一昨日は2段目も滝で埋まる凄い光景になっていたものと思われた。この時眺めるには飛んでくる飛沫でびっしょりになる覚悟がいったことだろう。
(第一観瀑台から見る袋田の滝は迫力満点)
 手摺に近付くと下の四段目も目に入り、滝壺に流れ下るところまで四度の滝全体を一目で眺めることが出来た。
(第一観瀑台入口)
(第一観瀑台)
 四段の滝全体を写真に入れたいが、普通のカメラではとても無理。6枚に分割して写真に撮って無理やり合成してみた。
(全体合成写真)
 ベンチに座って滝をゆっくりと眺めて第一観瀑台を出て、出口にある四度滝不動尊にお参りした。お宮の柵、柱、、屋根の軒下といいところ構わず願掛け紙が貼り付けられていた。これはこれで神社を引き立たせているように見えた。
 エレベータに乗って第二観瀑台に上がった。テラスには「幸運のハートを探そう」という面白い張り紙があったが、滝のそれらしきところに見当をつけたが、今日は流れが覆ってハート形は見つけられなかった。50年も昔の恋人にはハート形は見付けさせてくれないようだ。
(四度滝不動尊)
(第二展望台からハート印を探そう)
 三段ある展望テラスの一番下の第一テラスからは、一段目の上に続く奥の滝まで見えていたが、第一展望台から眼前に見えた三段目の滝が樹木に隠れて見えなくなっていた。
 第三テラスまで階段を上がると三段目の滝まで見えてきた。
(第二展望台第1デッキから)
(第二展望台第3デッキから)
 エレベータで下りて第一観瀑台の下にある吊橋側料金所から外に出ると、四度の滝が斜め下から眺められる。4段目の滝も大きく見えていい眺めだ。
(吊橋入口から)
 滝を横から眺めながら吊橋を渡っていくと、右下に滝川が見えるが、河原にごろごろと転がっている岩を眺めるのも面白い眺めだ。前よりも大きな岩が目立つようになった気がする。
(吊橋)
(滝川に転がる岩)
 橋を渡った先に袋田自然研究路の鉄の階段への分岐があり、生瀬の滝展望台まで登ってみたかったが、凄い階段が続くので上り下りは無理だよ、と諌められて諦めてまっすぐ平らな遊歩道を進む。右手に展望台の道標が見えても通り過ぎたが、右上に引き返すところに滝見茶屋が見え、展望台に上がってみることにした。
 滝見茶屋前に上がった先の展望台からは、吊り橋と四度の滝の上に大岸壁が見えていていい眺めを作っていた。
 展望台の後の休憩舎脇に小山があり、昭和14年の「朝香宮鳩彦王殿下観瀑の地」と平成11年の「三笠宮崇仁親王殿下観瀑の地」の標柱が立っていた。鄙びたところにあるが、日本三名瀑の一つになっているだけに、戦前から皇室の人の訪問もあったようだ。
(滝川茶屋から)
(皇室の観瀑記念標柱)
 展望台からの眺めを楽しんで遊歩道に戻り、月居山への分岐を左に見送って、杉林の日陰の道を歩いて温泉街に出て、中間点の三叉路のところに店先であゆの塩焼きをしているドライブインの食堂があって、匂いに誘われて店内に入った。
 アユの塩焼き定食を注文したら、皿からはみ出すほど大きく太った鮎が二匹並んでいた。すぐに噛みつくと、まだ熱くて焼き立て、塩加減も絶妙でわたまで残らず平らげた。
(瀧川沿いの杉の道)
(鮎の塩焼き定食)
 アユの塩焼きに満足して往路に戻って登っていく。ふくろだ観瀑大橋の下の清流を見るとすぐに駐車場に着いた。駐車場に停まっているのは我が家の車だけ、ヘルスロード歩きでなければ、いくら無料でもこんなに離れたところに駐車する人はいない。
(ふくろだ観瀑大橋)
(駐車場には他の車なし)
 

 

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