D113.かかし祭りと県北アート(袋田の滝と大子町) 1.動 機 常陸太田市北部と日立市の境界近くの里美ふれあいランドでかかし祭りが行われるとの記事を見て、毎年見に行っている面白い行事なので出かけることにした。そこまで出かけるついでに、「D111.県北アート・常陸太田北部と大子の街」で見損ねた袋田の滝トンネルと、大子北部のアート展示場を見て回ってきた。 2.データ b)登山日:2016/11/10(木) c)コースタイム: 自宅9:30 = 10:15里美かかし祭り10:30 = 11:00袋田の滝(F-018)11:55 = 12:10上岡小学校(F-03,F-04,F-05,F-06)12:35 = 12:45初原小学校(F-02)13:05 = 13:10奥久慈茶の里公園(F-01、昼食)14:10 = 14:20浅川温泉(F-07)14:40 = 14:50森林の温泉(F-08)15:00 = 15:30竜ちゃんの湯(D-02)15:40 = 16:30スーパ16:45 = 16:55自宅 d)同行者:和子
3.山行記録 我家からR6に出て少し南下、右にR293沿いの近道に入ってR349に出て25kmも北上すると、右側にかかし祭りの会場があった。先客の多い駐車場に入ると、すぐ目の前の会場に色々なかかしが展示されていて、大勢の人が見て歩いていた。常陸太田市のHP 農家のシンボルであり、田んぼの守り神として古来より親しまれているかかし。「かかし祭」は、そのかかしをモチーフに、「さとみ秋の味覚祭」と同時に、大中町にある里美ふれあい館のイベント広場をメイン会場に開催されています。会場中を埋め尽くすかかしたちは、いずれも一般の方々よりコンクール形式で応募を募ったオリジナル作品。毎回、市内外よりオリジナリティ豊かで、面白い表情のかかしが数多く寄せられます。豊かな自然を誇る里美地区らしさが感じられる、どこか温かくて懐かしいイベントです。 目の前に、長い尾羽根を持った大きなおんどりが横木にとまってこっちを見下ろしていた。「里見の一番鳥」という作品でグランプリ賞を受けていた。
駐車場から滝川沿いを歩いていくと、真っ赤に紅葉したカエデがあって大喜びでシャッタを押した。袋田に来る道中の山肌も色付き始めていて何度もシャッタを押したが、ここに比べるとまだ地味だった。
袋田の滝へ向かうトンネルに入ると、すぐに本日一番のお目当てアートが見えてきた。蛇のようにくねくねとうねった光の線?束?棒?が奥に向かってどこまでも続いているように見えた。色は赤の時が多かったが、時に空色から紫色へと変化もする幻想的で美しい光景だった。 F-18:連鎖的可能性―袋田の滝 袋田の滝へ向かうトンネルに入ると、色が幻想的に変化する、うねるような形のアクリルの構造物が奥へと来場者を導きます。構造物は、滝やそれに続く滝川、久慈川の流れをモチーフとしています。トンネル内の広い空間では、うねりがダイナミックに展開し、見る側を圧倒します。袋田の滝は、約1500万年前に海底火山の爆発で噴出したマグマが固まってできたもので、多孔質の表面が複雑な水流を形成しています。1979年のトンネル開通まで、長く人々は滝川に沿うくねった小径を行き来していました。直線的に伸びるトンネルの中、ジョン・ヘリョンの作品は、自然の滝、滝に至る水の流れのダイナミズムや美しさを、アートとして私たちに体験させてくれます。
観瀑台に出て袋田の滝を正面から眺め、吊橋への出口まで出て斜めからも眺め、またトンネルに戻って光のうねりを楽しみながら駐車場に引き返した。
ここにはF-06を展示した部屋があったらしいが、記憶も写真も残っていない。色々なものが展示されて賑やかだった廊下の写真を代わりに付けておきましょう。 F-06:嘘つきだった子ども、大子で真実に出会う 旧図書室が、大子町を訪れた少年と、この地に住む老人にまつわる物語を紹介する資料館に変貌します。両親が不仲で学校にも居場所のない少年は、失意のうちに家を出て、やがて大子町にたどり着きます。妖怪や年配の人々に出会うことで、少年は心の傷を癒していくのです。棚には、家庭や学校、そして大子での少年を描いたピウス・シギット・クンチョローによるイラストに加え、物語にまつわる人形や物が置かれています。机には、少年の悩みに対するアドバイスとそれをくれた大子の人のポートレートが展示されています。歌声も聞こえます。リアルとフィクションを織り交ぜながら、大子町の文化や自然、そして人々の優しさが語られる作品です。
F-03:記憶装置 暗い空間に大子で録音された自然音や作業音が流れています。中央にはシートで覆われた立体物が置かれています。近づくとセンサーが感知し、内側から光が放たれ内部にある様々な事物のシルエット(校舎内にあったものや卒業生の思い出の品々)が幻想的に浮上します。同時に音は、この学校の卒業生が校歌を歌う声に変わります。ニコラ・シャルボニエ、ギオーム・レジェ、ジュリ・プロスト、南條俊輔フランソワ、クリストフ・K・グーセンスによるComposit。彼らは今も人々に愛され活用されているこの学校の記憶を再構築します。それは地域や年代を超え、訪れた人々に小学生の頃の自分に邂逅する機会を与えてくれることでしょう。
F-05:日渡の里プロジェクト 40人のクリエイターの40枚のポスター展「里山の人たちの暮らしがそこに在る。 米、リンゴ、蒟蒻などの栽培や収穫が行われる旧上岡小学校周辺は、中山間地域の大子町の中でも他の地域よりも日照時間が長いことから、「日渡の里」と古くから呼ばれてきました。旧上岡小学校の保存を続けるこの地域の人々の暮らしを、茨城デザイン振興協議会に所属する40名のクリエイターが見つめなおし、地元の方々の協力をいただいて完成した、プライベートポスターを教室内に展示します。里山で生きる人々の穏やかでやさしい笑顔から本当の豊かさとは何かを考えていただければ幸いです。
演台の上には、卵の形をした真っ黒い物体が周りの光を反射して綺麗に見えていた。説明板では「マリアの泪」とあり、不安定な形で逆立ちしている不思議なアートだ。上から吊られていたかどうか記憶が定かでなく、写真でも判定できない。 「漆黒の沼」を「マリアの泪」を後ろに置いて撮影すると、アートの趣旨をよく表現する写真になるらしいが、残念ながら私にはそんな目がなかった。 F-04:沈黙の教会、あるいは沈黙の境界 歴代の校長の肖像や児童の作品などが飾られた講堂に、静謐な世界が出現しています。床には漆黒の液体をたたえた《漆黒の沼》。ステージには黒い光沢のある卵型の立体と、その上から注ぐ光で構成された《マリアの泪》。それらは、互いに呼応するかのようです。田中信太郎が、ウレタン素地に強い臭いを放つコールタールをたたえた《無題》を発表したのは、1970年。道路舗装などで多用された石油由来の素材には、高度成長期である当時の社会批評が込められていました。46年後の再制作となる《漆黒の沼》(ウレタン素地に墨汁)は、自然豊かな大子の地であらためて人間と文明について考えさせます。タイトルの「教会」と「境界」の鮮烈な対比は、沈思黙考の沼で溶け合うかのようです。
運動場の一角にはキラキラと光る大きなリング状のオブジェがあり、近付いてみると、そこは正門入口の階段の上だったので、オブジェの輪を通して校舎を撮ってみた。PIRAL TNWというアートらしいが、これでアートの趣旨に合っていたかどうか? このリングを含め、学校全体が東京藝術大学の作品F-2の展示場だった。
部屋の真ん中には「大子町の彫刻(Rthe fountain)」という、針金で作られたアートが展示されていた。噴水かな。
外の廊下の天井から窓にかけて、細かい刺繍の様な模様を打ち抜いた白いアルミの造形が張り巡らされていた。この美しい細かい白いアートには「大子町の彫刻(Apperance The Serene Vibration)」の名前が付いていた。
別の部屋には53年3月製作と書かれた、卒業記念の自画像集が飾られていた。私には、こちらの方がアート作品よりも見ていて楽しい。
大子町の彫刻(cycling-go at-)」の説明板によると、人間の行為は殆ど一過性で廃棄されているが、排泄は自然の摂理で、生物にとって切り離せない行為です−−−
ここにも東京芸大による作品が展示されていた。 F:01:8days in daigo、Kindecoプロジェクト、ほか 藝大子アートプロジェクト 2015年に東京藝術大学が大子町の協力のもと「藝大子アートプロジェクト」として活動を始めました。タイ・シラパコーン大学、インドネシア国立芸術大学デンパサール校を招聘しての展開となりました。 本年は、タイ・シラパコーン大学、ベトナム美術大学を招聘し、写真や漆のワークショップの実施と、大子町各所において東京藝術大学油画チームによる展示、彫刻チームの屋内外での作品展示、漆芸チームによる作品制作展示、金工チームの金属による装飾展示等多種多様に展開いたします。 東京藝術大学漆芸研究室とベトナム美術大学の学生や教員の作品、また今回の中学生に対して行ったワークショップ作品を奥久慈茶の里公園和紙人形美術館ホールにて成果報告展覧会を行います。
多く展示されていた「沈金」という技法を良く知らなかったが、 内容:「沈金」大子町産漆を使用し、沈金技法で自由に表現する。 技法:漆塗りの面を削り、削った部分に漆を刷り込み、漆の定着力で金・銀を定着させる。
薪を使ったボイラーで人気だった浅川温泉跡地。ココでは日立駅舎をデザインし、ブルネル賞を受賞した妹島和世女史が足湯をデザイン!歩き疲れた足をほっこり癒してくれます。ロングドライブの疲れも、街歩きの疲れもほぐされて、現代芸術にほっこりされてください 坂道を登っていった温泉宿入口に受付があり、その上の藤棚には、大きな一本の樹から枝を張った藤があり、細長い大きな実がいっぱいぶら下がって賑やかだった。
F-07:Spring 大子町の旧浅川温泉は、山から久慈川へと続く緩やかな斜面の中程に位置し、県北の美しくのどかな風景の中にある。そこには温泉とともに古く大きな藤棚もあり、地域の人たちが長くこの地に集ってきた雰囲気を敷地からどことなく感じることができる。 敷地の入り口の急な坂道を登り切ると、目の前にその穏やかな風景とともに足湯が広がる。足湯は、直径10mの鏡面のアルミのお皿のような形をしている。白っぽく反射するアルミの面と緩やかに揺れるお湯の面にそれぞれ風景や空が映りこみ、不思議な風景の重なりが生まれる。訪れた人たちはその風景の重なりの中に入り、足湯を楽しむ。人とお湯と風景の新しい関係が生まれ、自然に人が集まることのきっかけとなってくれればと思う。 妹島和世 また、足湯の中央部分では本芸術祭参加アーティストの落合陽一による、川のせせらぎを用いたサウンドアート《空気のせせらぎ》が聞こえてきます。ぜひ併せてお楽しみください。
F-08:庭にて ー 風と森 II この森林の温泉と、竜神大吊橋に近い竜っちゃん乃湯(常陸太田市)の2ヶ所での増田聡子の展示は、同名タイトルが付けられています。1980年代半ばの絵画に「庭師」という言葉を使っていた増田が、あらためて「庭」という言葉を持つ作品を発表したのは2014年。植物をモチーフに、ダイナミックな色の塊が有機的性と謎めいた存在感を放つ絵画を描いてきました。「庭師」から「庭にて」という変化は、作家と自然との関係が、管理から自然に委ねるものへとシフトしたことを物語るかのようです。この会場では、県北産の西の内紙で作られた4曲一双の屏風(7.2メートル x 1.8メートル)に、大子の自然と大気感を表現します。屏風ならではの立体性を取り込んだ新作です。
D-02:庭にて ー 風と森 I この竜っちゃん乃湯と大子町の森林の温泉の二ケ所での展示は、同じタイトルになっています。1980年代半ばの絵画に「庭師」という言葉を使っていた増田聡子が、あらためて「庭」という言葉を持つ作品を発表したのは2014年。植物をモチーフに、ダイナミックな色の塊が有機的で謎めいた存在感を放つ絵画を描いてきました。「庭師」から「庭にて」という変化は、自身と自然との関係が管理から自然に委ねるものへとシフトしたことを物語るかのようです。この会場では、《三日月にしなって ー 橙(Daidai)》《Canary Grass ー 03》(いずれも2014)に加え、竜神峡の「しなる風」をテーマに、県北産の西の内紙に描いた新作を展示します。 「しなる風」は森林お湯で見た「風と森 U」に雰囲気が似た墨絵風の作品、「三日月にしなって」と「Canary Grass」は色付きで一見水彩画のようだった。こんな絵だと、安心して気持ちよく見ていられる。
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