F101-4.にっぽん丸でゆく秋の日本一周クルーズ
(4日目:隠岐西の島)

1.動 機 
 四日目の朝早くにっぽん丸は隠岐西ノ島の浦郷湾に入ったが、我が家はオプショナルツアー午後の部”国賀海岸と西ノ島”に参加した。にっぽん丸船中で昼食をとって通船で浦郷港に上陸し、まずはバスに乗ってガイドさんの説明を聞きながら赤尾展望台と摩天崖展望所を回って西ノ島を陸の上から展望し、そのあと浦郷港に戻って観光船に乗り、船引運河を抜けて日本海側に出て国賀海岸の奇岩絶壁が続く国賀海岸を海から眺めて黒島鼻を回ってにっぽん丸に戻ってきた。期待以上に面白い観光をすることができた。

2.データ
a)山域:隠岐
b)登山日:2018/10/04(木)
c)旅程:
 10月4日:にっぽん丸〜7:00浦郷湾・通船12:40〜12:50浦郷港・観光バス12:55〜13:10A赤尾展望所駐車場13:30〜13:50摩天涯駐車場14:15〜14:35浦郷港・観光船15:05〜15:15船引運河〜15:30摩天崖〜15:45屏風岩〜16:10黒島鼻〜16:20にっぽん丸
(4日目の隠岐西ノ島観光ポイント)

3.山行記録
 朝起きていつものように美味しい和食の朝食を頂いた。
 部屋に戻って7階デッキに上がって展望を楽しみながらウオーキング、もう朝のオプショナルツアー客のための船の準備が進んでいた。浦郷港は小さな港なので入港できず、にっぽん丸は浦郷湾に入ったところで錨を下ろしている。
(朝食7:11)
(朝組出発準備7:59)
 船の右、南東には、右端に焼火山などの西ノ島、その陰に中ノ島、日本海を挟んで知夫里島、と隠岐四島のうち3島が見え、そして西ノ島にもどって先端を黒島鼻とするのヒメヒマワリの丘の稜線が続いていた。写真は船首から船尾までカメラを180度回しながら撮った写真をパノラマ合成して平面にしたものなので、少し実感とは違っ感じがする。
(南東側:西ノ島の焼火山、中ノ島、日本海、知夫里島、西ノ島の黒島鼻〜ヒメヒマワリノ丘7:53)
 反対側に南方向には、西ノ島の赤ノ江漁港、緑の島根鼻を挟んで浦郷港、少し離れて波戸港、焼火山と繋がって西ノ島中心部が見えていた。
(東側:赤ノ江漁港、島根鼻、浦郷港、波戸港、焼火山7:55)
 今日午前中は面白いイベントもないので部屋のTVの旅情報を見たりして過ごし、午後のツアー客のために早めに用意された昼食を頂いた。
(昼食11:47)
(昼食11:47)
 食事が終わったらすぐに通船に乗って浦郷港に上陸し、待っていたバスに乗り込んだ。
(通船に乗って12:37)
(浦郷港上陸12:52)
 出発するとすぐの島根鼻に由良比女神社の大鳥居が見えてきた。漁業者には有難いお宮だが通過。
    「隠岐国一の宮」 延喜式神名帳に見える古社で漁業神、海上守護神として島内の信仰を集めています。
 島根鼻の次の入り江には小舟が繋がれた多くの乗り場があり、「イカ寄せ浜番小屋」の案内板が立ち、海中に石の鳥居と木製の番小屋が見えていた。
    鳥居が海中に立ち、その入江にイカの大群が押し寄せることで知られております。
    その昔、神社の前の海岸には毎年12月から正月にかけてイカの大群が押し寄せました。イカを「拾う」というのもこの地域だけで、カゴですくったり、手づかみでイカを取ったようです。
(由良比女神社12:57)
(イカ寄せの浜12:58)
 少し走って赤ノ江漁港のところから山に入る道に分かれくねくねと登って行った。下には浦郷湾全体が見渡せ、焼火山の手前ににっぽん丸が見えていた。
 登り路の傍には放牧されている牛や馬がこっちを見ている姿が見られた。
(浦郷湾13:05)
(放牧の牛13:08)
 さらに登ると日本海側が見えてきて、後で行く摩天崖の丘、手前に国賀浦、間に通天橋の穴も見えていた。
(赤尾展望台手前のバス車窓から國賀浦、通天橋、摩天崖13:11)
 赤尾展望所の駐車場に着いてバスを降り、ゆっくりと摩天崖方向の絶景を眺めた。高度が上がって、摩天涯の丘の向こうに隠岐四島の一つ、最大の道後島が見えるようになっていた。
(赤尾展望台駐車場から国賀浦:天上界、通天橋・摩天崖の向こうに隠岐の島13:28)
 合成前の左の国賀浦方面だけの写真を見ると、途中車中から撮った写真とあまり変わり映えがしない。
(赤尾展望台駐車場から国賀浦:天上界、通天橋・摩天崖13:28)
 丘の上に屋根付きの2階建て展望台が見え、遊歩道を歩いていった。
    赤尾展望所 AKAO
    隠岐を代表する世界一級の景勝地「国賀海岸」を一望できる人気スポットです。
    周辺一帯の放牧地では、牛馬がのんびり草を食む姿が見られます。
    約7kmにわたって粗面玄武岩の海蝕崖や海蝕洞が続き、大山隠岐国立公園に指定されている隠岐最大の景勝地、国賀海岸にある代表的な展望所です。
    この赤尾展望所は「日本の夕陽百選」に認定されています。
 展望台の下には方位版があって、南に松江、東に東京などあったが、北方向にはウラジオストック、西に北京、釜山と外国の地名が出てきた。
(赤尾展望所へ13:14)
(方位版13:17)
 展望台に上がって周囲の展望を楽しんだ。日本海方向には屏風岩の崖に繋がる丘、左の谷の向こうの岬の稜線に大神立岩が尖った一寸だけ頭を出していた。
(展望台から日本海方向13:18)
 右側の摩天崖のお手前には緑の丘がせり上がって国賀浦を隠していた。
(赤尾展望台から摩天崖方向13:21)
 赤尾展望所からの展望を楽しんでから、バスはいったん登ってきた道を浦郷浦まで下り、次の摩天崖展望台に向かってイカ寄せ浜のところから国賀浦に向かう県道に入った。下る途中の車窓からは浦郷湾の広い展望が広がり、中ノ島と知夫里島が見え、にっぽん丸が停泊しているのも見えていた。
(摩天崖への車窓から浦郷湾展望:にっぽん丸、麦山鼻、中ノ島、日本海、知夫里島・赤崎13:34)
 これから向かう摩天崖についての観光協会の説明。
      摩天崖 MATENGAI
    摩天崖巨大なナイフで垂直に切り取ったような海抜257mの大絶壁です。海蝕作用によって出来た崖では日本有数の高さを誇ります。周辺一帯の放牧地では、牛馬がのんびり草を食む姿が見られます。
 トンネルを抜けて国賀浦に出てから摩天崖への道を登り始めた。摩天崖が近くなると車窓から国賀浦が見えるようになり、その上に先ほどの赤尾展望所があり、その端にはこの後船から眺める切り立った断崖・屏風岩があった。
(国賀浦の向こうに赤尾展望所と屏風岩13:49)
 摩天崖の駐車場に着くと脇に「山本幡男の顕彰の碑」が立っていた。バスの中からも道や草地に馬や牛の姿がしばしば見られたが、ここでも数頭の馬が遊んでいた。
  バスを降りて展望舎が見える頂上に向かって、道のない草地の中を展望や草花を眺めながら思い思いに歩いて行った。
(山本幡男の顕彰の碑13:53)
(展望舎に向かって11:53)
 歩いているすぐ傍に草を食んでいる馬がいたので、おそるおそる近づいてみたりした。
 牛糞や馬糞が牛馬がいるあたりだけでなくあちこちに落ちていて足元注意! 風が強いのでハエなどの虫があまりないらしいが、落としたてのものもあったので足元にも気を付けて歩いて行った。
(おそるおそる14:06)
(落とし物注意14:00)
  半分歩いたところに「監視所跡」の立て札があり、屋根の部分を薄い岩で囲んであった。ここから展望すると屏風岩の右奥に大神立岩の島がぽつんと見えていた。
     この窪地は第2次世界大戦中に旧日本軍が使っていた監視所跡です。この場所は大変見晴らしがよく日本海を航行する敵船を監視するには 絶好の場所でした。建物は半地下式で窓だけが陸上部に出ており、屋根の部分は芝をおおってカモフラージュされていました。
(監視所跡から:赤尾展望台の屏風岩の先に大神立岩14:01)
 展望舎脇に柵に囲まれた「大山隠岐国立公園・摩天崖」の碑があり、ここが標高257m摩天崖の最高地点、柵の中に入ってナイスツーショット。
(摩天崖碑14:04
 (展望舎13:58)
 展望舎からは左に浦郷湾が見え、間に赤尾展望台からの稜線を挟んで右に国賀浦が対向して見える。右下に摩天崖の続きの断崖が見え、その下の海岸に乙姫御殿の岩屋や天上界の島々が見え正に絶景だった。
(頂上展望舎から:左に浦郷湾、右に乙姫御殿の崖越しに国賀浦、赤尾展望台の屏風岩14:02)
 摩天崖で展望を楽しんでから駐車場に戻り、バスに乗って浦賀港に戻った。西ノ島水産総合ターミナルビルの前ににっぽん丸歓迎のテントが張られ、多くの出店が並んでいた。目の前に目立つ「イワシみりんほしサービス」の張り紙が目に付いて有難くおいしく頂戴。
(浦郷港ターミナルでバスを降り14:34)
(屋台でイワシのみりん干し14:35)
 ターミナルビル内に入ると、土産物のほかに手の込んだ手工芸品や隠岐の名所めぐり案内書や写真などの展示などありゆっくり見て回る。
 西ノ島周遊観光船の出発時間になり、港の出て船に乗り込んだ。
(ターミナルビルの工芸品14:45)
(観光船15:02)
 浦郷港を出た観光船は左に旋回し、西ノ島大橋の下を通過して美田港に入った。西ノ島大橋は深く切れ込んだ美田港で隔てられた浦郷と総合公園の間をつなぐ重要な橋に見えた。
 美田港の奥に入ると船引運河があった。二つの島がこの300mほどの船引運河の部分でやっと繋がっていて一つの島になっている。観光船がやっと通れるほどの狭い運河を静かに進んでいった。
      船引き運河
    大正4年に総工費1万7千円で完成 西ノ島町の中央部の細くくびれたわずか300mの幅の地点に開削された運河。昔は船を陸上に引っ張り上げ外海に船を出したので「船引」という地名が付いたといいます。
(西ノ島大橋15:07)
(船引運河15:13)
 運河を出たところには防波堤で囲まれた外浦海水浴場があり、その出口にテトラポットの島に赤い灯台が作られていた。
 灯台を抜けて日本海に出て左の島沿いを進むと、島の端は断崖が続くようになったが、その中で草が全く生えていない白っぽい裸の崖が現れ目立って見えた。豆腐岩という名前が付けられている。
(外浜海水浴場出口15:17)
(豆腐岩15:17)
 続いて日陰になって暗い島をバックに目立って見える白い岩の島が洗われた。「亀島」の名前が付いているという説明。その気になってみると、二匹の亀が首を上に向けて泳いでいるように見える。
 断崖が角をつけて覆いかぶさるように聳えている見えるところは鬼ヶ城、その下の島が鬼ヶ島?
(亀岩15:20)
(鬼ヶ城と鬼ヶ島15:21)
 屹立した岸壁の荒れた面が鬼の顔に見えるというので「おにのめん」、そういえば上端近くが鬼の顔に見えるかな。その前に真っ直ぐ立っている島は、鬼につき物の「金棒岩」の名前が付いている。
(鬼が面と金棒岩15:24)

 島の周りをまわってくれたので金棒岩の写真をたくさん撮った。
(金棒岩15:24)
 いよいよ「摩天崖」の下を通過、高さ257mの絶壁が迫ってきた。
(257mの摩天崖15:27)
 摩天崖のすぐ先に岩壁から突き出た小さな岬に「乙姫御殿」という洞窟があいていて、観光船も通ることがあるらしいが今回は見ただけ、その先にも大きな洞窟がいくつもあいていた。
(乙姫御殿とこれに続く洞窟群15:27)
 摩天崖の先に開口部の高さが40mあるという「通天橋」、下を通過するのかなと思うほど近づいてくれた。橋の向こうに別の橋があるかのように見えた。
(通天橋15:31)
(通天橋15:32)
 通天橋から少し離れてから見た時の全体像の方が良さそうだ。
(通天橋全体像15:33)
 通天橋の先には天上界の島々が現れた。右端の尖った岩が観音岩。
(観音岩(ローソク岩)15:34)
 船が進んでいくと細長い岩に見えてきて「観音岩」でも「ローソク岩」でも合点がいく。
       観音岩(ローソク岩)
    「日本の夕日百選」に認定された。「国賀海岸 観音岩」にかかる夕陽 国賀海岸の奇岩の中でもひときわ細長く(海抜約40m)そびえ立っています。 海上からは、百済観音の姿にも見えることから「観音岩」とも呼ばれています。西ノ島町の陸上からは、日が沈むころに、火が灯ったろうそくに見えることから「ローソク岩」とも呼ばれています。
(観音岩(ローソク岩)15:36)
 摩天崖、観音岩を後にして、国賀浦をすっ飛ばして赤尾展望台が見える方に高速航行。
(観音岩を後に15:37)
(赤尾展望台の左下に岩屋が見える10:39)
 屏風岩が近くなると国賀浦方向に洞窟(岩屋)が見えてきて、国賀浦方向に旋回して洞窟にどんどん近づいていった。
 驚く間もなく観光船はこの洞窟の中に突っ込んでいった。出口の先に白い縦縞が滝のように見え、この洞窟を「滝見の岩屋」と名付けられたのに合点がいった。
(滝見の岩屋15:40)
(岩屋を通過10:39)
 滝見の岩屋を抜けて国賀浦に出た船は旋回して日本海に出てから、屏風岩の岸壁に向かって進んでいった。
(国賀浦を後にして15:40)
(屏風岩15:43)
 この岸壁はすぐ近くまで水深が深いようで、船は屏風岩のすぐ下まで近づいて進んでいくので、岸壁の迫力が凄く見事だった。
(屏風岩15:43)
 次の岩壁には赤い地層が表面に出て、流れるような美しい景観、見ようによってはちょっと怖いような景観を作っていた。「国賀の赤壁」と命名されている。
(国賀の赤壁15:44)
 次の岬・鯛の鼻の先端手前に大神立岩が見えてきた。この岩峰の島は摩天崖の上からも目立って見えていた。
 この大神立岩を岬の沖から眺めると、先端の尖りはきつくなったが、期待したほど目立っては見えなかった。後ろの鯛の鼻の右端には明暗の入口が口を開けていた。
(大神立岩15:45)
(大神立岩と鯛の鼻15:48)
 鼻の先端に回って明暗の岩屋の入口に向かって進んでいった。
      明暗の岩窟(あけくれのいわや)
    延長250mに及ぶ、自然が造り出した天然のトンネル(洞窟)です。
    狭い暗黒の世界を無事通り抜けると、そこにはコバルトブルーの海が迎えてくれます。 波と凪の具合で三回に一回位しか通り抜けられないと言われ、幸運にも通り抜けられると、強運で、金運・長寿に恵まれ、幸せになるとも言われています。
    イタリア・カプリ島にある青の洞窟≠ノ勝るとも劣らない洞窟といわれています。
(鯛の鼻の先端に明暗の岩屋15:48)
(明暗の岩屋入口15:49)
 岩屋の中は真っ暗、中に入ると観光船の前後の照明灯だけが頼り、手慣れた運転で狭い岩屋の中をすれすれに進んでいく。
 しばらくは後ろに入り口の明かりが見えていたが、一度岩屋が曲がると見えなくなる。
(狭い岩屋内15:51)
(入口を振り返る15:51)
 少し広い部屋があって、別の洞窟もあったが凄く狭い。船の進む方向にも狭いところがあって、船体をこすりそうになるところを見ることもあった。
(分岐もあり15:52)
(その先も狭い15:53)
 5分ほどで岩屋を通り抜けて出たところの海面は真っ青! 案内にイタリア・カプリ島にある青の洞窟≠ノ勝るとも劣らない洞窟とあった通りに素晴らしい眺めだった。8年前のイタリア旅行で見た青の洞門(X715 イタリア観光10日間(5) 6日目; カプリ島)を思い出した。
(出口15:53)
(青の洞門!?15:54)
 次の三度崎の間の岸壁にはたくさんの洞窟があいていた。数えてはみなかったが「矢走(ヤバセ)二十六穴」という名前が付いているので、洞窟は26個あるのだろう。
(矢走二十六穴と三度崎15:56)
 三度崎と次の尖った断崖の瀬脇崎との間には、三度漁港の防波堤と灯台が見えていた。
(三度漁港と瀬脇崎15:58)
 「デッキに出ている人も全員室内に入り、扉もぴっちり閉めてください。」とのアナウンスあり、船はものすごいスピードで進み始め、窓に飛沫が飛んで外がよく見えなくなった。
 西ノ島の最南端・黒島鼻を回り込む時は少しスピードがダウンしたので、黒島鼻は何とか写真に残すことができた。
(高速航行波16:06)
(黒島鼻16:09)
 黒島鼻を回り込むと遠くににっぽん丸が見えてきて、観光船は真っ直ぐにっぽん丸に接岸して、通船なしで直接にっぽん丸に帰ることができた。観光船の船長さん、楽しい船旅ありがとうございました。
(にっぽん丸が見え16:17)
(沖で直接乗換え16:20)
 一休み後着替えて2階のダイニングルームに入って、隠岐産のサザエなどの御馳走を頂いて今日も腹いっぱい。
(夕食前菜17:59
 (和食膳18:17)
 夕食後は上口龍生のマジックショーを見て楽しみ、お風呂に入って大満足でベッドイン。


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