今回は1976年12月のカナダ、1983年3月と12月の2回のメキシコの発電所への出張時の写真集です。
1.マイカ発電所
マイカ発電所はカナダブリティッシュコロンビア州にあり、最高落差183m、最大出力492MWの水車2台を受注した。当時としては高落差・大出力の記録品で、性能開発にもずいぶんと苦労した水車だった。
建設当初の受け入れ試験のために1976年11月29日から12月4日と出張している。バンクーバ空港近くで見た海岸近くの山も雪を被っていた。
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(日立フランシス水車の出力推移) | (バンクーバー空港到着) |
山奥までの交通手段は分からないが、発電所のダムの上も下も深い雪に覆われていた。さすが北国。
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(上ダムにて現地指導員と) | (下ダムレベルの発電所) |
ダムの上から下を撮った写真には、鉄管の放流弁を通して18気圧のものすごい勢いで下池に吐き出されるジェット噴流が写っている。
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(放流中) |
2.アミスタッド発電所一回目
アミスタッド発電所はメキシコとアメリカテキサス州との境を流れるリオグランデ河を貯水のために堰き止めて造られた、高さ77m総延長9.9kmの巨大なロックフィルダムに造られた。アメリカとの国境に造られたダムだが、所属はメキシコに決定していた。ここに設置される最高落差65.4m、最大出力38MWの水車4台を受注し、低落差フランシス水車の朝顔形のランナ開発に時間がかかった。
受け入れ試験の打ち合わせと必要な寸法測定のために、運転前の1983年3月22、23日に出張した。発電所は長いロックフィルダムの中ほどに造られた溢水用のコンクリートダムの脇に建っていた。
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(アミスタッドダム) |
大口径の鉄管の中に入り込んで、内径測定、側圧孔形状チェック等の作業をした。
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(入口鉄管の直径測定) | (側圧孔の点検) |
帰りにテキサスのアラモの砦に立ち寄っている。アラモの砦は、世界大百科事典 第2版によれば、
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(アラモの砦) |
3.アミスタッド発電所二回目
同じ年の年末、12月5日から10日、水車効率実測のためにアミスタッド発電所に再び出張した。今回は6日間の出張、前回よりゆとりがあり、現地指導員のアパートに押しかけてご馳走になったり、退勤後ゴルフを楽しむこともあったようだ。
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(Wさん宅) | (ゴルフも) |
ダムの上池(アミスタッド湖)は、大河リオグランデ川とヴィルヘルズ川との合流点を高さ77m総延長9.9kmの堰堤で堰き止めて出来た広大な人造湖、アメリカ側には「AMISTAD RECREATION AREA」の立て札が立ち、その前に立ってダム湖を眺めるとその広さに圧倒された。
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(アメリカ側からアミスダッド湖) |
ダムのコンクリート部分を前回よりも幅広く撮って貼り合わせパノラマ。
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(アミスタッドダム) |
ダム直下にある発電所へ入る道は垂直に切られた崖沿いに造られていて、車に乗せてもらっていても気味悪かった。
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(発電所への道 | (アミスタッド発電所) |
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ダムのセンタ辺りをアメリカとメキシコの国境線が通っていて、そこにはダムを共同で作った友好の記念した二つのモミュメントが立っていた。ピントがずれていて、拡大した左の写真を見ても何と書いてあるのか文字が読み取れない。メキシコ側には蛇がいるが---。
ダムを渡り切ったメキシコ側にも大きなモニュメントが立っていて、こっちは「TLALOC:雨の神様」と読み取れた。アミスタッドダムが作られた理由をはっきりと示している。 |
(国境の記念碑) |
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(国境の記念碑) | (雨の神様:TLALOC) |
ダムのメキシコ側の端からアミスタッド湖を写した下の写真を見ると、ダムは満水には程遠く、大河リオグランデを流れる水よりも消費量の方が多いのだろう。
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(メキシコ側から見たアミスタッド湖 |
アミスタッドからどのようにして移動したか記憶にないが、次にはサンフランシスコフィッシャーマンズワーフの写真が残っている。多分、サンアントニオ空港からサンフランシスコ空港まで空路移動して、乗り継ぎの空き時間に二階建てバスで移動してきたと思われる。NETによれば