G123.ベネズエラ出張・トルコ出張

 ベネズエラへの出張は1992年7月、当時建設中だったマカグア発電所と、すでに営業運転中だった世界最大級のグリ発電所、出張目的は不明。トルコ出張は1991年7月で、スルダム発電所の現地効率試験が目的だった。アルバムに1992年7月となっていたのでここに入れたが、和子の日記を見ると1991年だった。

1.ベネズエラ出張 1992/07/12〜24
 ベネズエラを流れる大河カルアチ川の包蔵電力は日本では考えられないほど巨大で、グリ、カルアチ、マカグアのダム3箇所で、大型の原子力発電所18基分に相当する電力を発電し、ブラジルにも輸出している。
 ベネズエラへの飛行の途中、乗り継ぎ地点のアメリカフロリダ州のマイアミに一泊したようで、観光絵葉書と翌朝撮ったホテルからの展望写真が残っている。
(マイアミビーチ)
(ホテルからの眺め)
 海岸線のカラカス空港からタクシーでカラカス市内に向かう時、ベネズエラの車道の広さにびっくりしたようで、先行する車の写真を何枚も撮っている。車幅の二倍以上ある。

(カラカス市内・広い車道)
(公園脇は一方通行)
(カラカスのホテル)
 ホテルから市内を展望したパノラマ写真がある。カラカスに市内には樹木が多く快適そうだが、向かいの小高い山並みには山頂近くまで住宅がびっしりと建ち並んでいる。ベネズエラは平野が広い国だと思っていたが、実際は結構な山国なのかな。
(ホテルからカラカスの市街展望)
  マカグア発電所の写真を見てもらう前に、水力発電所の構造を説明します。
 水力発電所は、ダムで堰き止めて水位を上げた貯水池の水を、水車ケーシングから渦巻き状の流れにし、その勢いで水車のランナを回転させ、ランナに直結された発電機を回転させて電気を起こすシステムです。今回のベネズエラの発電所はダムが厚く、送水管がダムの中に埋まっています。
(水力発電所の構造)
 出力21万6千kWの水車・発電機12台を有するマカグア水力発電所の内部です。水車、発電機の主要機器のほか、720トン天井クレーン、主要変圧器および周辺機器の据え付けを行います。
 工事期間は工事着手から営業運転まで約10年間の長い期間を要します。左の写真は私の出張した1992年7月17日の写真で、組み立て中のステーベーン、ケーシングなどが見えます。これらが地盤に強固に固定され、この上の階に頑丈な床が造られ、そこに発電機が据付けられつつある数年後の写真です。
(地階で組み立て中のケーシング)
(数年後:発電機組立て中の最上階)
 下の写真は、ランナーから出た水を通すドラフトパイプの組立現場を、私の出張時撮った写真です。直径10m近い巨大な鉄管を、成型された鉄板を溶接で繋ぎながら造っています。この後、コンクリートを流し込んでがっちりと固定できるように、パイプの外側にはアンカーが出っ張っています。
(ドラフトパイプ)
 右の写真は出力21万6千kWを発生する、最大径7.9m、高さ4.7mの水車ランナの荷揚げ状況です。水車ランナの重量は180トンにもなりますが、現場近傍の港には陸揚げ設備が無いため、クレーン付きのデリック船をチャーターし、日本から輸送します。
 左の写真は、ガイドベーン、ステーベーンを工場で仮組立した時の写真です。これは一体では大きすぎて輸送不能、工場で一旦バラバラにして輸送され、現地で再組立てされました。
(船積み中のランナ)
(工場組み立てされたステーベーン)
 完成後のマカグア発電所の写真がNETで見つかったので、参考までに載せてみます。発電所の上流側です。入口管が
(マカグア発電所入口側ダム)
 発電所の内部最上階です。
(マカグア発電所最上階)
 発電所の下流側の写真、一台当たり毎秒500トン近くの水が流れ出ている光景です。
(マカグア発電所の下流ダム)
 マカグア発電所の用件が終わって、次にはマカグア発電所の上流にあるグリ発電所にも行っている。マカグアよりも有効落差が高く、水車出力が一台で72万KWとマカグアの3台以上の出力がある。日立プラントのHPの記述
    グリ発電所
     ベネズエラ国カロニ河電力所(略称EDELCA)グリ第二発電所に世界最大級となる出力72万KWの水車を10台納入し、昭和59年2月から営業運転に入った。この発電所は、同国が進めている鉄鋼・アルミ産業などを含めたグアヤナ地区総合開発の一環として建設されているもので、805MVA水車発電機10台からなる世界最大級の水力発電所である。
 初めはダムを右手から撮った写真です。ダムの付け根に発電所がくっついています。一番手前は溢水路で、ダム水位が高くなりすぎた時、調整弁が開かれて溢れた水が流れ落ちます。 
(グリ発電所のダムと発電所を右端から)
 次の写真はグリダムを正面から撮ったものです。放水路のカロニ川は中ノ島を挟んで二つに分かれています。発電所から送電線が手前の変電所へ向けて伸びているのがはっきり見えます。
(グリ発電所のダムと発電所を正面から)
 下の写真はグリダムを左から撮った日立プラントNETのもので、溢流路から大量の水が流れ出して、空中に飛散している情景が綺麗に写っています。
(グリ発電所溢水路からの噴流)
 下の写真もNETから。左はダムの上から発電所を見下ろした、変わった視線で撮った写真です。
 右は発電所の建屋を放流ダム側から見た写真で、発電機から出た電流を屋上から変電所に送る前に小さくするため、一旦建屋外の変圧器を通して昇圧しているのだと思います。
(グリ発電所ダムの上から発電所)
(グリ発電所建屋)
 次の写真はマカグア発電所のすぐ隣の流れにあるラジョビズナの滝、落差は小さいがマカグアダムに負けないほどの幅のある迫力のある滝でした。
(ラジョビスナーの滝)
 滝をバックでの写真も撮ってもらいました。
 帰りはニューヨーク経由で帰国しました。
(ラジョビスナーの滝)
(ニューヨークヒルトンホテルから)

1.トルコ出張 1991/06/25〜07/10
 次はトルコ出張でベネズエラの前の年の事でした。アルバムにはベネズエラの次のページに貼ってあったので、この順序になったのですが、このページを書く前に和子の日記を確認してこの日取りだったことが分かりました。
 アルバムには出張の目的はスルダム発電所の現地効率試験と書いてあるのですが、カメラを忘れたのか自分で撮った写真は一枚もなく、絵葉書のような写真ばかりです。
 ※スルダム発電所の最高落差は96mで、日立から最大出力96600kWの水車3台を納入しています。
(アヤソフィア博物館)
(スルタンアフメット・モスク)
(地下宮殿、バシリカ・シスタン)
(グランドバザール)
 次は1993年6月に、25年勤続褒賞休暇を利用して9日間のカナダツアーに参加した時の記録です。年末はHP作りに手が出せそうにないし、名所めぐりで写真も多いので、カナダ観光の報告は来年1月近くになりそうです。またよろしくお願いします。


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