114.三王山と松倉山

1.動 機
「栃木の山120」に、県境の茂木近くに低い山がたくさん載っている。あらかた登ったが、一等三角点の松倉山にはまだ登っていなかった。「関東北部の山にも雪が降るかも」との天気予報が流れ、白い日光連山などを見たくなり出かけてみた。松倉山は展望が良くないかもしれないので、途中、御前山の三王山に車で登って、まずここの展望台から展望を楽しんでから茂木に向かった。

2.データ
a)山域:三王山(253m)、松倉山(345mm)
b)登山日:2004/11/13(土)晴
c)コースタイム: 
日立8:40 = 9:40三王山10:20 = 10:40甲部落10:50 = 11:00甲登山口 ---- 11:30 松倉山 10:45 ---- 11:55観音堂12:05 ---- 12:10 岩井戸口12:55 ---- 13:05 七曲 ---- 13:30甲部落
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「烏山」、「栃木の山120」No.82

3.山行記録
朝から雲ひとつない快晴、ゆっくり我家を出て1時間で御前山市街を通り過ぎて標高253mの三王山に到着した。新しくアクセス道路も整備されていて走りやすかった。山頂にはカエデが一本紅葉しており、ススキも綺麗にたなびいていた。赤い展望台の脇には三等三角点がある。
展望台は20m位ありそうで、最上階に上ると風が強くて寒く、ずい分と揺れるが、展望は360°思うがままである。見える山々の同定をするのに磁石を取り出したが、磁針があらぬ方向を指しながらふらふらする。とっさに取り扱い不良でまた壊してしまったと思ったが、落ち着いてみるとここは鉄製の塔の上、床や柱に引かれて磁石も困っていたのだった。間違いようのない日光男体山を目安に地図向きを合わせる。
北東に日光連山と高原山が綺麗に見えた。残念ながら雪はかぶっておらず、那須は雲の中に隠れて見えなかった。北東に八溝山、奥久慈男体山、高鈴山などが確認できた。南には那珂川の向こうに、御前山の山々、花香月山、仏頂山、高峰山、雨巻山など県境の山々がならび、その上に吾国山、加波山、筑波山などの高峰が僅かに頭を出していた。
40分ほど展望を楽しんで193号に下り、新那珂川橋の先で県道171を北上したが、三王山をぐるりと回っている。県道267へ下りればずっと近道だった。ナビばかり頼っていると時に損をする。
20分走って松倉山登山口の甲部落に着き、路肩に駐車する。取り付き点を探して歩いていると、小柄のおばあさんに出会って道を尋ねた。元気のいい方で、「登り口はすぐそこの2階建ての家のところにある。昔は馬で登った道だからいい道だよ。途中で下りになるがそこで引き返さないでね。すぐ先に松倉さん(観音堂)の階段があるからお参りしておいでよ、いいことがあるから。反対側の大木須から入ればすぐ近くまで車で入れるから楽なのにねえ。毎年1月17日には5体の御神体の御開帳があり、部落みんなで晴れ姿で出かけて振る舞いをするんだ。来年正月にいらっしゃい。」「同じ道を帰っておいで。脇道を下りるのは初めての人には危ないからダメだよ。」と話は尽きない。
お礼を言って登山口から登り始める。道は観音堂の参道なのでよく手入れされており、緩やかな登りで歩きやすい。途中500m位ごとの分岐点に指標が立っていて助かった。山頂近くに尾根に分かれる踏み跡があり、道標はなかったが、これを辿って三角点のある山頂に30分で到着した。山頂には小さな祠があり広く刈り払われているが、周りは立木に囲まれていて展望はない。紅葉の向こうに奥久慈男体山だけが確認できた。三角点にタッチして、山部さんの山名板をバックに証拠写真を撮る。
北向きの踏み跡に入って元の参道をあわせる。合流点は少し崖になっていてロープが張ってあった。ここには松倉山の小さな指標もぶら下がっていた。
少し下ると階段が見えてきて、これを登ると「有形文化財松倉山観音像五躯」の石柱が立っていた。その先の石段の上に観音堂の建物はあった。立派な建物だが、前庭にススキなどが茂って、幽霊でも出てきそうな雰囲気だった。格子の間から覗いてみたが、観音像は木戸の中にしまってあって見えなかった。1月17日に登ってこないとお目にかかれない。
下りで同じ道を歩くのはつまらないと思って、おばあさんの忠告に逆らって、岩井戸入口の立札のところから地形図の破線を信じて左に入った。しばらくはっきりとした道が続いたが、大きな岩に出くわして道が途絶えた。踏み跡自体は岩の先に伸びている。地形図ではこの先は断崖になっているはずだが、地図の見間違いかと思って、苦労して大岩を乗越えて痩せ尾根を下ってみたが、やはり断崖の上に出てしまった。せめてもの慰めに大岩の上で展望を楽しんでから、もとの大岩の下に戻った。地形図の破線はここから右に下る尾根に伸びているのだが、うろうろしてもよく分からない。奥様はこんな藪に入り込むのはごめんだとお冠になる。
次に七曲の立札のところに左に下るしっかりとした道があった。奥様はもう脇道はごめんと参道を下る。ここから別行動になり一人で脇道を下ってみたが、急坂に七曲の道がしっかり付いていた。谷に下ったところで雨水に洗われて道は消えてしまったが、ここで引き返してはなんと言われるか分からないので、沢のような所をしばらく難航するとまた道に出ることが出来た。
そのまま下って車道に出て5分歩いて駐車場所に戻った。奥様は3分後に帰って来たが、途中大嫌いな蛇に出会って、しばらく震えていたとのこと。
今日は土曜日なので真岡線にSLが走る。時間を合わせて天矢場駅近くの踏み切りでシャッタを切って、近くの茂木道の駅で暖かい食事をいただき、御前山のダチョウのいる販売所で野菜を買い込んで帰宅した。



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