123.前日光の忘年登山
(二股山、鶏鳴山−笹目倉山、かまど倉山)

1.動 機
下山学校の忘年会は、小来川温泉(おころがわおんせん)の2泊5食1万円ぽっきりの温泉宿を使って行うことになった。登る山は、この温泉を基点に登ることとし、近くの前日光の山に限定して希望が募られた。我家は「栃木の山120」の中でまだ登っていない、二股山、鶏鳴山−笹目倉山、羽賀場山を希望し、幸いにもこれが採用された。現地の天気事情から、羽賀場山はかまど倉山に変更された。参加者は7名だったが、殆ど人に出会うことのなかった静かなコースを賑やかに歩きました。

2.データ
a)山域:二股山(570m)、鶏鳴山(961m)、笹目倉山(800m)、かまど倉山(557m)
b)登山日:2004/12/13(月)晴、14(火)晴、15(水)曇
c)コースタイム: 
13日: 日立6:40 = 7:50茂木道の駅8:00 = 9:50下沢登山口A 10:00 = 10:20下久我岩の下林道@ 10:30 ---- 11:20 二股山北峰11:25 ---- 11:40 南峰 ---- 11:50 展望台(昼食) 12:20 ---- 12:35 南峰12:45 ---- 13:45 下沢登山口A 13:55 = 14:15下久我岩の下林道@ 14:25 = 14:55 小来川温泉
14日: 小来川温泉7:00 = 7:10 一の宮登山口C = 7:20小来川温泉、
  小来川温泉B 8:15 ---- 9:15林道終点9:20 ---- 10:20稜線10:25 ---- 10:30 947m峰 ---- 10:55 鶏鳴山南峰(昼食)11:45 = 11:50鶏鳴山北峰12:05 ---- 12:10 南峰12:15 ---- 12:30 947m峰 ---- 12:55 840m峰 ---- 13:30 643m 13:40 ---- 14:00笹目倉山14:10 ---- 15:00 一之宮登山口C 15:10 = 15:30小来川温泉
15日: 小来川温泉8:10 = 8:45川化林道D 8:50 ---- 9:15 林道終点 9:20 ---- 9:40 #221鉄塔9:50 ---- 10:00 北東展望台10:10 ---- 10:15 かまど倉山頂 10:20 ---- 11:25南展望台 10:35 ---- 10:45 #221鉄塔 ---- 11:05 林道終点 11:10 ---- 11:25川化林道D 11:30 ---- 12:00ロマンチック村(昼食)13:00 = 馬頭道の駅 = 美和道の駅 = 16:00日立
d)同行者:下山夫妻、小林啓、三澤、浪野、和子
e)地形図:1/25000「文狭」、「今市」、「栃木の山120」No.67、68、69、70、71

3.山行記録
a)計画
下山先生が格安の小来川温泉の一軒宿を見つけ出し、2連泊で岩山*、二股山、かまど倉、羽賀場山、笹目倉山、鶏鳴山、古賀志山*、赤岩山、石裂山*(*印は先生の登った事のある山)など近くの山を歩こうと提案あり、希望の山を申し出るようメールが入った。
下山先生の登った*のついた山は我家も登ったことがあったので、車が2台ないと行きにくい縦走になっているルートを重点に選定して即日返信した。
1日目:二股山(縦走)
2日目:笹目倉山から鶏鳴山へ縦走する
3日目:羽賀場山(一等三角点)
曲折あったが、幸いにも全部採用された。後日検討して、1日目の二股山は軽すぎるからかまど倉を追加することを提案したが、初日は足慣らしなので軽くすべしと却下された。3日目の羽賀場山はお天気山への縦走を提案して採用されそうになったが、前夜の天気予報で当日午後の降雨確率が高くなり、午前中に確実に下山できるかまど倉に急遽変更した。
縦走路を歩くため、車は下山車(7人乗)、小林車(5人乗)、川本車(5人乗)の3台で出かけて、下山口に下山車をデポして、残り2台で登山口に向かうことにした。
b)ポケットナビ
啓ちゃんが高価なポケットナビを購入したが難しくて使えないでおり、上手く使う方法を調べるよう指示されて預かった。車のナビは、これなくしてはドライブできないほど使い込んでいるので気楽に受け取ったが、このナビはそんなに簡単な代物ではなかった。取説を読んで勉強し、家の近くを歩いて実習して、現在位置の緯度経度高度を30mぐらいの誤差で表示できることと、歩行後その軌跡も表示できることを確認した。予定歩行ルートをインプットして表示することもできるが、地形図の表示が粗っぽくて、ナビの地図上でルートを設定する事は不可能なことが判った。とりあえず、ナビを確実に使うために、各山の山頂と歩行ルートの分岐点の緯度経度と、地形図上の10秒ごとの経度線と緯度線を、インターネットの国土地理院HPから検索して記入して出発した。ところが、現地に行って見ると、前日光の山は杉や檜の植林地が多くて衛星信号を受信できず、ナビは殆ど機能しなかった。また、見晴らしの良い山頂で使ってみても、表示される現在位置はインターネットで調べた緯度経度と10秒(300m)以上ずれており、とても実用になったとは言えなかった。難しい宿題が残ってしまった。
c)二股山
(下沢部落から二股山のキレット)
13日朝8時に茂木道の駅に集合、10時前に下山口の下沢集落に到着した。二股山のキレットが目の前に見え、反対側にかまど倉の岩頭も見えていた。ここに下山車をデポして、2台の車で山の向こう側の下久我登山口に向かい、二股山登山口の道標のところから林道に入り、車の底を打つような悪路の林道を5分ほど走って路側に駐車した。そばに乱雑に廃棄されたシイタケ原木が転がっており、これに立派なシイタケが10個ばかり生えているのを治子さんが目敏く見つけ有り難く収穫する(全部我家で頂戴してしまっ た)。
10時25分に林道を歩き始め、林道終点につくと結構な急登になったが、登山道はジグザグにしっかりついており、50分で北峰の山頂に登頂した。ここで今日初めてで最後の先客のご夫婦に出合った。東側の展望が開けており、近くに古賀志山のでこぼこの山並みが目立っており、遠く筑波山と加波山がくっきりと浮かんで見えていた。
北峰と南峰の間はキレットになっており、まず岩場を岩肌にしがみつきながら下り、今度は根っこに掴まりながら攀じ登って南峰に登り返した。三角点を通り過ぎて少し南に下った展望台に12時前に着いて、前日光の山並みを眺めながら銘々に持参した昼弁当を食べた。昼食後、目の前の山の同定をして三角点に戻り、ここからは男体山などの日光連山を堪能できた。


下山は一旦キレットの谷間に下りて、東の谷筋に植林の中の道なき斜面を下っていったが、ここもすごい急坂で、30度以上ありそうな急斜面を立木を頼りに下っていった。傾斜が緩くなると道ははっきりしてきたが、今度は間伐中の杉の倒木が延々と転がっており、これを乗越えながら歩くことになった。1時間ほど苦行して農家が見えてくると、すぐに駐車している下山車が目に入った。車で大関橋まで戻って、二股山と、男体山・羽賀場山・かまど倉の展望写真を撮って、登山口の車を回収して小来川温泉に向かい、40分で宿に到着した。
d)小来川温泉
15時前に着いたのは県道14号沿いにある2階建ての一軒宿、おじいさんと若夫婦で切り盛りしている宿だった。部屋数は結構ありそうだが、端境期でもあろうが2日間の宿泊者は我々7人だけだった。温泉は綺麗で気持ちよく、料理も暖かい天婦羅や山菜の品々が並び、食べきれないほどの量ではないのが熟年者には嬉しい。行者にんにく、しし肉鍋、うずらの焼き鳥、湯葉の刺身、稗ご飯など珍しい料理があり、二日間一つとして同じものは並ばなかった。部屋も広く、男女別の寝室、食事室と談話室も用意され、楽しい夜を過ごすことが出来た。これで2泊5食10000円也にとても嬉しくなり、また、ここを基点にした登山を考えたいと下山先生と話し合った。宿の名前は福寿荘、電話は0288−63−3008。
e)鶏鳴山から笹目倉山
朝食は通常8時からと言うのを7時30分にしてもらった。7時に下山車と川本車で、今日の下山口である笹目倉山の一宮登山口に車のデポに出かけた。日立よりずっと冷え込みが厳しく、車の窓はカチカチの霜で覆われており、温泉の湯で溶かしてからやっと発車できた。
朝食後8時15分に宿から歩きはじめて、宿のおじいさんの教えてくれた、すぐそばの林道を登っていった。途中日光連山の展望地もあったが、植林のなかを1時間歩いて林道終点についた。ここからの登り道がおじいさんの言う通り定かでなくなった。色々考えて、一番確実そうな、右手の支尾根に取り付いて鶏鳴山から笹目倉山への主稜線へ登ることにした。支尾根への登りは45度を越す道なき急斜面、支尾根も3回ほど急斜面を繰り返し、1時間以上苦戦しながらやっとの思いで稜線に出ることが出来た。一日の大部分のエネルギーをここまでで使い果たした。小休止後947m峰まで登り、ここから鶏鳴山までは60m下って登り返したのだが、急登で疲れた足には100m以上の上り下りに思われた。もう一つ北側の林道から登ったほうが楽だったのだろう。
(鶏鳴山北峰から日光連山)
11時前に鶏鳴山の三角点に着くと樹間に日光男体山を見ることが出来た。ここで宿特製のおにぎりで元気をつけた。立派な山名板の前で記念撮影をしてから、ザックを置いたまま下山先生のお奨めで北峰まで足を伸ばした。ここは日光連山の素晴らしい展望台だった。鳴虫山や薬師岳、夕日岳を前に置いて、男体山から女峰山の日光連山、足尾から桐生の山々が遮るものなく広がっていた。みんな大喜びでしばらくは山名同定とシャッター押しに夢中になった。
この素晴らしい展望で鋭気を取り戻し、正直なもので947m峰までの登下降もちっとも苦にならなかった。笹目倉までの1時間半のゆっくりとしたアップダウンの尾根歩きは笑い声が絶えなかった。ガイドブックには尾根道ははっきりしないので迷い易いと書いてあったが、踏み跡はしっかりとついており、分岐には指導標も立っていて悩むことなく歩き通せた。朝の登りの時はしきりに嘆いていた浪野さんも先頭を快調に飛ばして歩き、ついて歩くのが大変だった。815m峰の先には、鹿防除の柵をした幼木の植林帯があり、笹目倉山までの尾根道を眺めることが出来た。
笹目倉山へは高度差180mの最後の急登、それでも踏み跡がしっかりしているので朝の藪漕ぎ急登よりはずっと楽に歩くことが出来た。 山頂には小さな古びた社殿があり、山名板もぶら下がっていたが、展望はなかった。ここからの下りが急坂、この社殿まで町の人たちが登ってくる慣わしらしいが、大変だなあと話し合った。途中分岐があり、左「天地大王天神神社登山口」右「一之宮登山口」の指導標があり、我々は右に下ったのだが正に転げ落ちるような急坂だった。左に行けば少し楽な道なのかもしれない。山頂から1時間下って3時過ぎに車道に出ると、朝デポしておいた下山車が待っていた。
f)かまど倉山
朝8時過ぎに小来川温泉を川本車を先頭に3台の車が連なって発車し、かまど倉登山口の川化部落に向かった。前日の笹目倉からの下山口を通過し、登る予定だった羽賀場山を右手に見ながら走り、東部日光線の手前で右折して板荷駅の先で右折して日光線を越え橋を渡ったら、人家の庭に入り込んでしまった。飛び出してきた家の主人に道を教えていただいて軌道修正した。少し早く右折してしまったのだった。やっと川化林道にたどり着いて入口に駐車した。前夜、林道中間まで車で入ろうと打ち合わせていたのだが、道を間違えて動転して度忘れしていた。
ここから25分の林道歩きだったが、分岐点が沢山あり、ガイドブックの地図が頼りになった。#221と#222鉄塔の分岐点からさらに林道を5分ほど#221方向に進むと、急斜面になった。ここから鉄塔点検路がジグザグに作ってあり、これを15分登って#221鉄塔の草地に着いた。シノダケ越しに羽賀場山が形のいい山容を見せていた。
歩きやすい点検路はここまでで、ここから踏み跡の登山道、まずシノダケのトンネルを潜って通過し、植林の急登を攀じ登った。とは言え10分ほどで北東展望台に着いたので、昨日の鶏鳴山への登りに比べれば何のことはない。ここからは北東の雲海の中に沢山の山々が美しく浮いていた。更に登るとまた展望台に到着し、東方向の展望が開け、古賀志山や岩山が見えて嬉しかった。
そのすぐ先が三等三角点と山名板があるかまど倉山頂だった。駐車場から1時間30分たっていた。証拠写真を撮って、その先の岩場に下りた。ここが山名のもとになっている かまど岩の絶壁の上だった。目の前に二股山が迫っていたが、こちらから見ると双耳峰に見えないので少々不満だった。
(かまど倉南展望台にて)

鉄塔のところから川化山まで足を伸ばすことを提案したが、明るいうちに家に帰着したいとの声が強く却下され、往路を忠実に引き返して駐車場所に50分歩いて11時半ごろ到着した。すぐに近くのロマンチック村に揃って向かい昼食を食べ、直販所で野菜を物色した。大きなヤーコンが4個入って100円という超安値(一桁値札を間違えたのでは?)の袋を見つけて購入した。下山夫妻と浪野さんのひたちなか組はここで入浴して帰ることになり、日立組はR293を使って帰ることになった。我家は途中馬頭道の駅と美和道の駅で野菜の物色をしながら帰り、16時に帰宅した。


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