H15.会津駒ヶ岳

1.動 機
 ヤマケイの「福島県の山」には、会津駒ヶ岳は「展望の稜線を辿り、花咲き乱れる名峰を訪れる山旅」とあったが、コースタイムは9時間以上かかるしアクセスは遠いしで個人的には近寄りがたかった。同期会ハイキングで登る山の希望を募られた時に、希望地の一つにこの会津駒ヶ岳を出していたのだが、今回(2001年7月)行事として採用してもらえた。山小屋一泊で案内が出され、参加者は会津駒に登ったことがあった下山夫妻と小林夫妻だけだったが、ベテランに一緒に歩いて貰って初めての避難小屋泊まりを楽しく過ごすことができた。
 我が家は小林夫妻と誘いあって前日出発し、駒止湿原と尾瀬の上田代を散歩し、翌朝ミニ尾瀬公園も散歩して、花の会津駒ヶ岳と合わせて花いっぱいの嬉しい山旅になった。

2.データ
a)山域:会津駒ヶ岳(2133m)、中門岳(2060m)、駒止湿原(1122m)、上田代(1600m)、ミニ尾瀬公園(970m)
b)登山日:2001/07/08(日)〜10(火)
c)日程:
07/08:日立自宅 6:30 = 久米(小林さん待合せ) = もみじ谷大吊橋 = 駒止湿原 = モウカケの滝 = 御池ロッジ(泊) ---- 上田代往復
07/09:御池ロッジ 7:50 = ミニ尾瀬公園 = 9:25 林道終点登山口 ---- 会津駒山頂 ---- 中門岳 ---- 16:45 駒の小屋(泊)
07/10:----駒の小屋(駒ヶ岳山頂ご来光) 6:55 ---- 大津岐峠 ---- 12:10 キリンテ登山口 = 燧の湯(入浴) = もみじ谷大吊橋 = 馬頭道の駅(解散) = 17:30 日立自宅
d)同行者:下山夫妻、小林夫妻、和子
e)地形図:「会津駒ヶ岳」「会津山口」

3.山行記録
(アクセス)
日立自宅 6:30 = 6:55 久米コンビニP(小林さん待合せ) 7:05 = もみじ谷大吊橋 = 10:20 駒止湿原駐車場

 会津駒が登山口10時半出発予定で、下山夫妻は当日早朝に自宅を出発するが、我が家は小林夫妻と語らって前夜泊することにし、前日桧枝岐への途上駒止湿原を歩いてみることにした。早朝日立を出発してR293上のコンビニで待ち合わせして弁当も調達した。その先、塩原温泉入口のもみじ谷大吊橋にも立ち寄ってから、R400で山越えし,R121を北上して田島の町でR289に入って駒止峠に向かい、駒止湿原の駐車場へ向かった。駒止湿原は盛りの季節の日曜日ということで、登山口の駐車場や道路はバスを含めて車で一杯、駐車場所を見つけるのに苦労した。

(駒止湿原)
駒止湿原駐車場 10:30 ---- 駒止湿原散歩 ---- 13:00 駐車場

 駒止湿原は大小のたくさんの湿原からなり、駐車場近くから、大谷地、白樺谷地、水無谷地の大きな湿原が連なっている。最奥の水無谷地まで木道を歩いて、帰りは大谷地湿原の農道を歩いて駐車場所に戻った。
(駒止湿原入口)
(ワタスゲ)

 ワタスゲ、ニッコウキスゲ、ヒオウギアヤメ、トキソウ、サワラン、ツルコケモモ、ウラジロヨウラクなどが満開で可愛く、2時間半の嬉しい湿原散歩でした。
(ニッコウキスゲ)
(ヒオウギアヤメ)

(トキソウ)
(ウラジロヨウラク)

 
(上田代)
駒止湿原駐車場 13:10 = 14:10 モウカケの滝 4:25 = 14:35 御池ロッジ 15:30 ---- 上田代散歩 ---- 17:20 御池ロッジ(泊)

 駒止湿原から出てR289に戻って西走しR401、R352をつないで南下して桧枝岐村に入り、七入から御池へ向かった。途中、モウカケの滝展望台から滝を眺めてから予約してあった御池ロッジに入った。一休みしてから小林夫妻と連れ立って上田代のお散歩に出かけた。
(モウカケの滝)
(御池ロッジ)

 上田代は夕方に歩いたので、既に人影まばらで静かな散歩を楽しめた。ここはワタスゲがきれいで、上にはベニサラサドウダン、下にはゴゼンタチバナやモウセンゴケが沢山咲いていた。先月の安達太良で満開だったレンゲツツジまで咲いていた。
(上田代)
(ワタスゲ)

(ベニサラサドウダン)
(モウセンゴケ)

(ゴゼンタチバナ)
(レンゲツツジ)

 宿の夕食は、珍味はっとうに始まって、ウドなど山菜の天ぷら、イワナの木瓜焼き、舞茸御飯など珍味が並んで、食事も満足いっぱいの前夜泊だった。

 はっとうとは、その昔、檜枝岐地方が凶作にあった時、調査に来た役人が現地を訪れ、食べたところ、あまりのおいしさに「贅沢な品なので、普段の日に作ってはいけない。ただし、晴れの日(祭やお祝いの日)に限り食べることを許す。」と言い渡したそうです。 それ以来、御法度(ごはっとう)となったことからはっとう(はっと)と名付けられたという面白い由来があります。そば粉ともち米を良く練って延ばし、ひし型に切ったものをゆでて、じゅうねん(えごま)やきな粉につけて食べます。(福島県HPより)

2日目、3日目:ミニ尾瀬公園と会津駒ヶ岳

07/05:御池ロッジ 7:50 = 8:05 ミニ尾瀬公園 9:20 = 9:30 林道終点登山口 9:50 ---- 11:45 水場(昼食) 12:20 ---- 14:25 駒の小屋 14:50 ---- 15:05 会津駒山頂 ---- 15:50 中門岳 ---- 16:45 駒の小屋(泊)

07/05:駒の小屋 4:30 ---- 4:50 駒ヶ岳山頂(御来光)5:10 ---- 5:30 駒の小屋(朝食) 6:55 ---- 8:55 大津岐峠 9:25 ---- 12:10 キリンテ登山口(登山口の車回収) = 燧の湯(入浴) = もみじ谷大吊橋 = 馬頭道の駅(解散) = 17:30 日立自宅

(ミニ尾瀬公園)
 2日目朝食を済ませてから会津駒ヶ岳登山口に向かって出発、時間にゆとりがあったので、途中にあった「ミニ尾瀬公園」に立ち寄ってみた。余り広い公園ではなかったが、思いがけずたくさんの高山植物が花開いていて、時間を忘れて写真を撮りながら歩き回った。
(ミニ尾瀬公園)

(クガイソウ)
(クリンソウ)

(コマクサ)
(トキソウ)

(キンコウカ)
(タマガワホトトギス)

(ミヤママンネングサ)
(オオバギボウシ)

(カワラナデシコ)
(ノアザミ)


(会津駒ヶ岳)
 明日の下山時の車回しのためにキリンテ登山口に小林車をデポして、川本車一台で登山口に向かった。出発予定時刻よりも早めに到着したが、着いたら下山夫妻はとっくに到着していて首を長くしてお待ちかねであった!!申し訳ないやら、心がけの違いを見せ付けられた一幕でした。
 山頂の山小屋は素泊まり専用の山小屋、食事と水は担ぎ上げなければならない。避難小屋泊りは初めての経験、一応バーナ食器食材も車に積んでは来たが、会津駒の登りはきついと聞いていたので、大事をとってコンビニ弁当だけ持って登った。水を含めて5kgぐらい軽くなったはずで、お蔭で何とか無事に登頂することが出来た。

 登山道入口の階段を登り、ブナの大木も見られる樹林帯の急坂をジグザクに登ると、休み休み2時間ほどで水場入口の広場に到着した。水場で水を交換し、昼弁当を食べて大休止。
(林道終点登山口)
(水場で昼食)

 水場から先は少し道が緩やかになり、所々に木道が現れ少し楽になってきた。木々の間から、なだらかな山頂部分が見え隠れする様になり、やがてその先に駒の小屋が見えてきて一安堵。小屋に着くとすぐ目の前に駒ヶ岳の山頂が見えていた。
 小屋で一休み、水だけ持って駒ヶ岳山頂へ向かって木道を歩き始めた。緩やかに登った会津駒ヶ岳山頂には立派な山頂標柱と一等三角点があった。記念写真を撮って、北方に見えている中門岳に向かった。
(駒の小屋から会津駒)
(会津駒山頂、一等三角点)

 駒ヶ岳山頂からは中門岳へのなだらかなルートが見えていて、雪渓も結構残っているのが見えていた。
 中門岳まではなだらかな道が続き、水場までの急登の苦労はすっかり忘れて、雪渓や池塘など素晴らしい景色を楽しみながらルンルン気分で歩いて行った。。
 どこが頂上かわからないようなただっ広い中門岳に到着すると、中門岳の山頂標柱に(この一帯をいう)と注意書きがしてあった。
(中門岳へ)
(中門岳山頂)

 中門岳山頂の中門池の周りを一回りして、駒の小屋へ引き返した。一番見たいと思っていたハクサンコザクラが沢山可愛く咲いて出迎えてくれ、感激して夢中になって写真を撮っているうちに、眼鏡が邪魔でどこかで外して忘れてしまった。この時は小林さんに見つけてもらって無事落着した。
(池塘)
(ハクサンコザクラ)

 小屋について、小屋の前のテーブルベンチで賑やかな夕食。下山夫妻が全部担いで登っていて、暖かいコーヒや紅茶を振る舞っていただいた。小林さんのザックからは全員の缶ビールが出てきて「かんぱーい!」
 翌朝は我々の冷たくなったおにぎりを下山さんのバーナで雑炊を作って貰って、熱くて美味しい朝食を頂いた。
(駒の小屋)
(楽しい夕食)

 翌朝もいいお天気みたいで、会津駒山頂で日の出を拝むように暗いうちに小屋を出て山頂に向かった。山頂で日の出を拝み、朝日に燃える山頂標柱の前で記念写真を撮った。 
(日の出)
(会津駒ヶ岳山頂)

 小屋に戻って朝食を食べてから、キリンテ登山口へ下るよう大津岐峠へ向かう富士見林道に向かった。林道といっても尾根筋の狭い登山道、少し歩くと突然視界が広がった。ガスが広がって遠くの山は見えなかったが、・1996mらしい尖ったピークが目立っていた。
 ゴツゴツした岩の多い細尾根。やっと生き延びてきたらしいねじ曲がった松の老木が印象的だった。
(富士見林道尾根)
(松の老木)

 小さなアップダウンを繰り返しながら大津岐峠に着いて一休み、意外に立派な標識が立っていて記念写真を撮った。
 大津岐峠を後にしてキリンテへの下りにかかった。右手に薄く燧ヶ岳の双耳峰が見えてきた。富士山が見えた時のような嬉しい気分になった。
(大津岐峠)
(燧ヶ岳)

 間もなく樹林帯になって展望は消えるが、道は整備されていてつづら折りで余り斜度を感じさせない。・1588ピークからは等高線が詰まっているが、山頂直下同様つづら折りで歩きやすい。主尾根を離れてキリンテ沢に向かってもつづら折りが続いて徐々に高度を下げていった。
 やがて沢の音が大きくなり、キリンテ沢に着いて沢沿いの道を歩いて登山口に出ることができた。お蔭様で念願の会津駒ヶ岳に登ることができて、下山、小林両夫妻に感謝!感謝!
 キリンテ
 いままでチングルマは花の散った後の果穂しか見たことがなかったが、初めて真っ白なきれいな花を見ることが出来た。シラネアオイを見たくて5日前に奥白根に登ったが既に散っていたのが、ここで清楚な姿にお目にかかれて嬉しかった。白いイワイチョウなどはじめて見るたくさんのお花の名前も教えてもらい、見事に咲いた白いシャクナゲや黄色いミヤマキンバイなど、いろいろきれいな花に出会えた本当に嬉しい山歩きでした。
(チングルマ)
(イワイチョウ)

(イワハゼ)
(ハクサンチドリ)

(タテヤマリンドウ)
(サンカヨウ)

(シナノキンバイ)
(シラネアオイ)

(ハクサンシャクナゲ)
(ヤマオダマキ)

 下山途中では、下山夫人がブナの立ち枯れと倒木にウスヒラタケをめざとく発見し、三所帯分のお土産をたっぷり収穫したおまけまでついた。
(ムラサキヤシオ)
(ウスヒラタケ)

 キリンテ登山口で男性群は小林車に乗って登山口の下山車と川本車の回収に出かけ、女性群はその間ミニ尾瀬公園のお花見物で時間をつぶしていた。
 車回収後、蕎麦屋で桧枝岐蕎麦を味わい、燧の湯で汗を流してから帰路に着いた。途中、塩原温泉のもみじ谷大吊橋で遊んで馬頭道の駅でお土産を買って解散になった。




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