H18.北アルプス表銀座
(燕岳・大天井岳・常念岳)

1.動 機
 山登りを始めた以上、北アルプスには登ってみたい。尻込みしたくなるような高い山でもツアーに参加すれば安心して登ることができるが、ツアーに参加して雨にたたられた経験が何度かあって、お天気に関係なく出発するツアーはこりごり。お天気のいい日を狙って登るためには勉強して個人的に登るしかない。いろいろ調べてみると、燕岳・大天井岳・常念岳と歩く表銀座縦走路は、槍ヶ岳や穂高岳の展望を楽しみながら歩ける素晴らしいコースらしい。登り始めの合戦尾根を頑張って登ってしまえば、後は割合アップダウンが小さく危険なところも少なくて初心者でもなんとかなりそうだ。先月谷川岳を案内してもらった常北山岳会の人に相談に乗ってもらって覚悟を決め、どうせなら蝶ヶ岳まで足を延ばす積りで山小屋3泊(燕山荘、常念小屋、蝶ヶ岳ヒュッテ)とし、アクセスは麓の町までマイカーで走って登山口まではタクシを使う予定にした。天気予報を睨んで日程を決めて、山小屋とタクシの予約を入れて9月12日に出発した。9月になれば混雑で有名な北アルプスの山小屋も空いているだろうとの読みもあった。
 
2.データ
a)山域:燕岳(2763m)、大天井岳(2922m)、常念岳(2857m)
b)登山日:2001/9/12(水)〜15(土)
c)日程:
9/12 アクセス:森山自宅 5:45 = 日立南IC = 談合坂SA(朝食) = 豊科IC = タクシ会社 = 10:20 中房温泉
9/12:中房温泉 10:35 ---- 合戦小屋 ---- 15:30 燕山荘(泊) ---- 燕岳往復
9/13:燕山荘 6:55 ---- 大天井岳 ---- 15:30 常念小屋(泊)
9/14:常念小屋 7:00 ---- 常念岳 ---- 常念小屋 10:25 ---- 14:15 一ノ沢登山口 ---- タクシ = タクシ会社 = 常念坊(泊)
9/15:常念坊 5:40 = MAXシアタ=満願寺=道祖神巡り=わさび園
9/15 帰途: 豊科IC 14:35 = 更埴JCT = 甘楽PA = 伊勢崎IC = 20:05 森山
(燕岳・大天井岳・常念岳周回ルート)

d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「槍ヶ岳」「穂高岳」「信濃小倉」

3.山行記録
(9/12):晴:中房温泉までのアクセス
森山自宅 4:45 = 4:55 日立南IC = 5:50 三郷料金所 = 6:45 八王子料金所 = 7:20 談合坂SA(朝食) 7:50 = 9:15 豊科IC = 9:20 タクシ会社 9:30 = 10:20 中房温泉

 朝食を食べないで5時前に我が家を出発して首都高を渋滞前に通過、中央道に入って談合坂SAで朝食を食べ昼弁当を買い込んだ。で、長野道に入って豊科ICで高速を下りてタクシ会社に9時20分到着した。打ち合わせ済みだったので話は早く、我が家の車を預かってもらってタクシに乗ってすぐに出発できて、登山口の中房温泉には10時20分に到着した。
 道中、車のラジオにニューヨークで何か大変な事件が発生したとのニュースが繰り返し流れていた。山行中は事件のことは一切分からなかったが、帰宅後911テロ事件の詳細を聞いて強烈な衝撃を受けたことを昨日のように思い出す。

1日目(9/12):晴:中房温泉から燕山荘、燕岳往復
中房温泉 10:35 ---- 11:10 第一ベンチ 11:15 ---- 12:15 第二ベンチ(昼食) 12:40 ---- 13:10 富士見ベンチ 13:20 ---- 13:50 合戦小屋 14:05 ---- 14:25 合戦の頭 14:30 ---- 15:30 燕山荘 15:50 ---- 16:20 燕岳 16:25 ---- 16:50 燕山荘(泊)

 登山口で登山届けを提出して綺麗なトイレを使わせてもらい、登山口の標識前で記念写真を撮って歩き始めた。登山口の標識には標高1462mとあり、2680mの燕山荘まで標高差1200m以上ある。覚悟を決めて北アルプスの3大急登を登って行った。
 合戦小屋まで第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチと具合よく休憩用のベンチが用意されている。樹林をジグザグに急登してほどなく第一ベンチ、一休みして次の第二ベンチで丁度12時を過ぎ談合坂の弁当を広げて昼休み。
 次の第三ベンチはパスして登り続けたが、その先でいよいよ急登が始まって岩っぽい道になり、急な段差をハシゴで越えたりジグザグに登っていってやっと富士見ベンチに到着、ゆっくりと休憩。
(中房登山口)
(第二ベンチ)

 次に登りついた合戦小屋、8月のうちなら名物のスイカをほおばる登山者で混雑するらしいが、9月の半ばになるとシーズンオフ、人影もなかった。
 合戦小屋で一休みして次の合戦の頭まで上がると和子の調子が悪くなってきて頭が痛いと言い出した。ここの標高 は2489mあり、富士山で初めて味わった高山病がここでも出てきたようだ。幸い登山道の勾配も緩やかになり、始まったばかりの紅葉を眺めながらゆっくりゆっくり歩いて行ったが、燕山荘に15時半に到着、中房温泉から登り始めて5時間、大体標準タイムだった。
(合戦小屋)
(合戦ノ頭)

 燕山荘に到着してそのまま燕岳に登る積りだったが、具合の悪い和子が「小屋で休んでいるので一人で行っておいで」という。燕山荘もこの時期の平日、意外に空いていて部屋にザックを置いて、二人で小屋の近くの展望所に出てしばらく展望を楽しんだ。
 はじめガスっていたが、やがて花崗岩のオブジェと白砂に覆われた燕岳がすっきりと姿を現し、向かいに槍ヶ岳の尖った山容も姿を現した。
(燕岳)
(槍ヶ岳)

和子に見送られて一人燕岳に向かった。砂礫の登山道を歩いて行くとイルカ岩の辺りで槍ヶ岳が見えていて一枚パチリ。
尾根に上がると反対側は真っ白なガスの世界、夕日を受けてブロッケンが出ていてまた一枚。
(いるか岩と剣岳)
(ブロッケン)

 岩を縫うようにして山頂まで登ると、若いご夫婦がお休み中だった。お邪魔ついでに証拠写真のシャッタを押して頂いた。
 遠くの展望は利かないが、すぐ南には奇岩の向こうに燕山荘が見えていた。一向にガスは晴れそうにもないので、すぐに燕山荘に帰った。
(燕岳山頂)
(燕山荘を俯瞰)

 燕山荘に帰ってしばらくすると、西の空が夕焼けに燃えてきた。明日は予想通りにいいお天気になりそうだ。
 夕食後、知らせがあって広間に集まったら、アルペンホルンの演奏会があった。長ーいアルペンホルンが物珍しく、響き渡るその音色が印象的で、その音色を初めて聞いた1997年のスイスのメンリッヘンでの光景を思い出しながら聞き入っていた。
(夕焼け


2日目(9/13):晴:燕山荘ー大天井岳ー常念小屋
燕山荘 6:55 ---- 7:30 蛙岩 ---- 7:55 大下りの頭 8:05 ---- 9:35 切通し岩 9:45 ---- 10:05 槍分岐 ---- 10:20 喜作新道引返し ---- 10:30 槍分岐 ---- 11:05 大天荘 11:10 ---- 11:20 大天井岳 11:30 ---- 11:40 大天荘(昼食) 12:15 ---- 13:25 東大天井岳 ---- 14:25 横通岳 ---- 15:30 常念小屋(泊)

 翌朝、どこから撮ったのか、白み始めて日の出まで5時16分から28分まで7枚の写真が残っている。デジカメ写真よりもフイルム写真の方が綺麗だった。
 朝食後、北アルプスに朝日が当たるようになり、小屋前からの撮影会が始まった。立山、燕岳をバックにした奇岩オブジエが面白かった。
(日の出)
(燕岳)

 正面にはアルプスの名峰がずらりと並んでいて、それらの山の名前を地図を片手に推量していった。いつかあんな山にも登れる日が来るのかなあ。
(穂高−槍ヶ岳−笠ヶ岳−樅沢岳)

 和子は朝になると機嫌がよくなっていた。撮影会を終わって、身支度をして縦走コースに向けて出発。燕山荘前の分岐から、いよいよ、表銀座コースのはじまりです。すぐに蛙岩(げえろいわ)という変わった名前の二つの別れた岩頭が見えてきて、このあたりまで来ると槍ヶ岳がますます近づいてきた。。
(蛙岩と槍ヶ岳)

 蛙岩に登って間を通過するとなだらかな道になり、展望の良い大下りの頭になった。
 大下りのざれ場を下るとまたなだらかなルンルン尾根道になる。
(大下りの頭)
(ルンルン尾根道:右端大天井岳)

 大下りの頭からは、左の大天井岳と右の燕岳との間に北アルプスの名峰が遮ぎるものなくずらりと並んでいた。
(為右衛門吊岩・大天井・東大天井・常念)
(燕岳・東沢岳)

視界は燕山荘からよりももっと広くなっていて、右に剣岳や針ノ木岳まで見えていた。
(穂高・槍・笠・三俣蓮華・水晶・野口五郎・立山・剣岳・針ノ木)

 大下りのざれ場を下ってなだらかな上り下りを繰り返しながら尾根を歩き、少し登り返して稜線をいくと西側・砂礫の斜面にはコマクサが点々とピンクの花を咲かせていた。
 為右衛門吊岩を過ぎて次のピークを越えて歩いていくと切通し岩の岩場に着いた。慎重に鎖場を下って梯子を下る。
 その少し先の大岩の壁には小林喜作さんのレリーフが取り付けてあった。ここから槍ヶ岳へ通じる喜作新道を切り開いた人らしい。
(切通岩)
(喜作レリーフ)

 小林喜作さんのレリーフを過ぎると、大天井岳の手前に分岐があった。左は大天井ヶ岳の東裾を巻いて大天井岳の向こう側に回り込んでから大天井岳へ登る道、遠回りに見える。茨城の低山歩きの感覚で、右の道を行けば途中どこかに大天井に登れる踏跡があるだろうと読んで喜作新道に向かった。ところが行けども行けども分岐があるわけもなく、だんだんと険しい岩場のトラバースになって引き返すことになった。30分近いロス。
 分岐に戻って結構な急登を35分も頑張って大天荘に着き、ザックを置いて大天井岳の山頂に登った。山頂からは今までよりもさらに広い展望を楽しんだはずだが、風景写真は一枚も残っていない。大天荘に下ってから燕山荘謹製の昼食を食べて常念小屋へ向かった。
(大天荘前)
(大天井岳山頂)

 東天井岳で少し休憩を取って常念小屋に向かった。ここから横通岳にかけても稜線漫歩が続きコマクサやイワツメグサも見えていた。
(東大天井ヶ岳)
(横通岳裾)

 展望も素晴らしく、槍ヶ岳から大喰岳、中岳、南岳、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳の3000mを超す峰々が目の前に並んでいて、こんな山に自分たちが登れるとは夢にも思っていなかった。8年後に仲間に連れられて縦走することになろうとは。
(横通岳裾からの展望)

 どんどん歩いていくと、眼下に常念小屋の赤い屋根が見えるようになり、その上に明日登る常念岳がでっかく聳え ジグザグの登山道がはっきり見えていた。
 15時30分、常念小屋に到着。ここも空いていた。
(常念小屋が近づいた)
(常念小屋)


3日目(9/14):曇一時雨:常念小屋ー常念岳ー一ノ沢登山口ー安曇野
常念小屋 7:00 ---- 8:20 常念山頂 9:00 ---- 10:00 常念小屋 10:25 ---- 11:05 水場 ---- 11:45 烏帽子沢 ---- 14:00 山の神 ---- 14:15 登山口 ---- 14:30 タクシ乗場 = 15:15 タクシ会社 15:20 = 常念坊(泊)

 前線が予想外に南下してお天気は下り加減、朝時々パラパラと雨音もしていた。これでは蝶ヶ岳で向かうのは止めた方が良さそう。小屋主人に相談して色々と連絡を取っていただいた。今日のうちに常念岳往復後一ノ沢に下山することにしてタクシを予約、蝶ヶ岳ヒュッテの宿泊を取消してもらって麓の安曇野に宿を取ってもらった。常念坊という宿で常念小屋と知り合い、嬉しい割引料金だった。話を聞いていた静岡のご夫婦がタクシに同乗することになりタクシ代負担が半分になって助かった。
 朝食後、雨も止んだのでご夫婦と一緒に空身で常念岳に向かった。常念乗越まで上がっても昨日は絶好だった槍穂高の展望も、今日は駄目。
 乗越から急斜面をジグザグひたすら登った。それでも背中が軽いので楽ちん。和子は今日もお元気だ。
(常念乗越:今日は展望不良)
(もうすぐ常念山頂)

 1時間20分で常念岳山頂着。立派な360°の山名方位盤があったが、残念ながら展望はなし、お日様も雲の中。それでも、そのうち視界が晴れないかと期待しながら、ご夫婦と山談義をしながら40分ほど山頂で過ごした。
(常念岳山頂)
(山名方位盤)

 展望は回復せず、記念写真を撮ってから常念小屋へ戻り、昨日注文していた弁当を受け取って下山にかかった。
 常念乗越からの下りは直ぐに樹林の中へと入り、足場の悪い狭い登山道を下ると水場。そこからも丸太の階段があったり急斜面のトラバースがあったり、気が抜けない。ご夫婦の奥さんの方は岩場が好きだと言って、ぴょんぴょん跳ねるように下りていく。
 そのうち雨も降りだして雨具を付けることに。だんだんと沢の流れの音が近づいてきて沢を渡渉して左岸に出た。
(シシゴヤの頭分岐)
(雨が降り出した)

 沢沿いの道はお花畑となっていて、色々な花が咲いていてシャッタ押しに忙しくなった。同行の御夫婦をお待たせすることもあって申し訳なかった。
 沢も下りきると小さな祠がある山の神に出て無事下山のお礼参りをした。登山口に着いたがタクシの姿が見えず、少し下の駐車場まで歩いてタクシに乗ることができた。
(七ツ小屋山)
(一の沢登山口)

 駅に向かうご夫婦よりも先にタクシ会社の前で下車し、保管してもらっていたマイカーで宿の常念坊に向かった。

4日目(9/13):曇安曇野遊覧
常念坊 5:40 = IMAXシアター = 満願寺 = 道祖神巡り = 大王わさび農場

 せっかく安曇野までやってきてまっすぐ帰っては勿体ないので、常念坊のご主人にいろいろ教えて貰って安曇野を観光して歩いた。
 まずは穂高アイマックスシアタという映画館に入って、縦20m、横28mの日本最大級という大スクリーンで、長野の大自然や人々の生き様、長野オリンピックの感動シーンなど1時間ほど楽しんだ。
 満願寺では参道入口で六体の赤いちゃんちゃんこを着たお地蔵さまの出迎えを受け、屋根つきの微妙橋を渡って境内に入った。ツツジの名所で廻遊式のツツジ園が広がっていたが今は季節外れ、美しい庭園を一回りした。
(栗尾山満願寺)
(微妙橋)

 安曇野は道祖神の宝庫といわれ、宿で貰った地図を頼りに車で走り回って、辻辻に立っている風情のある道祖神を見て回った。男女が遠慮がちに寄り添って立つもの、何気なく手を握るもの、堂々と腕を組むもの、愛をこめてぐっと抱きしめるものなど、その姿態はさまざまでした。
 わさび農場にも行ってわさび園を見学しお土産を買い込んだが、途中、あちこちにソバ畑があって一面に白い花を咲かせている風景が綺麗だった。
(道祖神巡り)
(ソバ畑)


4日目(9/13):帰途
豊科IC 14:35 = 15:00 更埴JCT = 16:00 甘楽PA 16:15 = 16:40 伊勢崎IC = 20:05 森山

 安曇野の観光にも満足して豊科ICから帰途についた。帰りは首都高を敬遠して更埴JCTから上信越道に入り、北関東道の伊勢崎ICで高速を下りて、あとは延々と一般道を走って日立に帰ってきた。

(花写真)
 9月半ばになると花の時期は御仕舞だと思っていたが、思いがけずたくさんの花花に出会うことができた。撮った写真は風景写真よりも多かったが、プリントしてアルバムに張ってあった18枚だけをスキャンしてご紹介する。



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