N91.那須の山巡り
(南月山−白笹山、朝日岳−三本槍岳)

1.動 機
 定年になって夫婦二人の山歩きを始め、とりあえずヤマケイ「茨城県の山」54座完登を目標にしてせっせと県内の山に登っていたが、時には少し遠くまでと那須まで足を伸ばすことにした。計画は一泊二日とし、会社の保養所になっていた明雲荘に宿を取り、一日目は沼原湿原から姥ヶ平、牛ヶ首、南月山、白笹山と周回し、二日目に峠の茶屋から朝日岳と三本槍岳と往復してきた。これらのコースは翌年茨城新聞社から発刊され、夫婦二人の山歩きの目標になった「茨城と近県の山」にも出ている。(夫婦ふたりの「茨城と近県の山」完登記

2.データ
a)山域:南月山(1776m)、白笹山(1719m)、朝日岳(1896m)、三本槍岳(1917m)
b)登山日:2000/09/28(木)小雨、29(金)曇後晴
c)日程:
9/28(木):日立発=道の駅みわ=沼原P----姥ヶ平----南月山----沼原P=明雲荘(泊)
9/29(金):明雲荘=峠の茶屋----朝日岳----三本槍岳----峠の茶屋=日立
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「那須岳」
(那須の山巡りの歩行コース)

(南月山の歩行高低差)
(三本槍岳の歩行高低差)

3.山行記録
1日目:姥ヶ平・南月山・白笹山
「茨城と近県の山」には「湿原、ササとシラカバの林、展望の尾根道を静かにのんびり歩くコース」とある。

日立発6:05 = 6:55道の駅みわ7:15 = 9:00沼原駐車場9:15 ---- 10:50三斗小屋分岐 ---- 11:10姥ヶ平11:30 ---- 11:50牛ヶ首 ---- 12:15姥ヶ平(昼食)12:45 ---- 13:20日の出平13:22 ---- 13:40南月山13:42 ---- 14:15白笹山14:20 ---- 15:35沼原駐車場15:50 = 16:15明雲荘(泊)

 早起きして我家を6時に出発し、登山口の沼原湿原の駐車場に9時に到着した。後に南月山と白笹山が聳え、前には沼ッ原調整池が見えていた。
沼ッ原調整池は下の深山湖との500mの落差を使って世界最初の500m揚水発電所を作るために作られた人造湖だ。入社時にここの心臓部になる超高揚程ポンプ水車の開発にも携わり、試運転時に何度も通ったことのある発電所なので思い入れがあるところ、しみじみと眺めていた。
(沼原駐車場から白笹山)
(沼ッ原調整池))

 トイレを使って身支度をして歩き始め、緩やかに下って沼ッ原湿原を周回してから三斗小屋温泉に向かって登って行く。日の出平経由茶臼岳への分岐を過ぎて更に登って行き、少し下ったところに三斗小屋温泉分岐があり、右手の牛ヶ首の道標に従うと姥神様の像があり、立派なレリーフのある姥ヶ平の広場に出た。足元にはリンドウやシラタマノキが目を楽しませてくれるが、上の茶臼岳はガスで隠れ気味、そこから上がる噴煙は強風で真横に流されている。
 まだ昼食には早いので、牛ヶ首でと思って急坂を登ってみたが、強い風で食事どころではない。風を避けるために姥ヶ平に引返してから、ゆっくりと弁当を広げた。
(姥ヶ平から茶臼岳)

 昼食後牛ヶ首に登り返し、ここから南月山に向かう。少し下って急斜面を登り、途中で振り返るとガスの中に茶臼岳の全容が見えてくる。登り切ってなだらかになった道を歩いていくと日の出平、大きな案内板があり記念写真を撮っただけで南月山に向かう。
(牛ヶ首)
(日の出平)

 日の出平からは、黒い火山土の稜線を気持ちよく歩いていくと雨が降り出した。石の祠がある南月山の山頂に着いたが、天気が良ければ360°の大展望らしいが、残念ながら今日は視界ゼロ、証拠写真だけ撮って次に向かう。
 鞍部に降りてまた登り返すと白笹山。展望はないがあとは下るだけ、一休みして樹林帯の中をひたすら下って沼原調整池が見える駐車場に戻った。雨具の始末などして一休みして、予約してあった明雲荘に向かった。
(南月山)
(白笹山)


2日目:朝日岳・三本槍岳
「茨城と近県の山」の朝日岳には「ニセ穂高と呼ばれる険しい岩稜。岩場の連続するスリルと展望のコース」とある。

明雲荘7:37 = 7:55峠の茶屋8:00 ---- 8:48峰の茶屋8:55 ---- 9:28朝日の肩 ---- 9:40朝日岳9:55 ---- 10:02朝日の肩 ---- 10:10熊見10:15 ---- 10:35清水平 ---- 10:45北温泉分岐 ---- 11:10三本槍岳(昼食)11:40 ---- 12:03北温泉分岐12:05 ---- 12:14清水平 ---- 12:44朝日の肩 ---- 13:18峰の茶屋13:35 ---- 14:15峠の茶屋 = 馬頭道の駅 = 道の駅みわ = 18:00日立自宅

 他に宿泊客がなかったので朝食を特別に早く用意してもらえ、8時に峰の茶屋から登り始めることができた。
 峰の茶屋からの登り道は、整備された火山礫の広い登山道で、右手に鬼面山、やがて朝日岳の荒々しい岩峰が迫ってき、左手には茶臼の黒い火山礫の岩肌が現れ、紅葉とのコントラストを楽しみながら峰の茶屋に向けてゆっくり登っていった。
(峰の茶屋への登り:朝日岳)
(峰の茶屋:剣ヶ峰と朝日岳)

 峰の茶屋から茶臼、剣が峰、朝日岳の眺望を楽しんで朝日岳へ向かったが、剣が峰の巻き道をリンドウを愛でながら行くと朝日岳肩近くには絶壁に作られた狭い岩道があり、クサリ場もあり、対向者とは譲り合いながらの交互通行だった。
(剣ヶ峰巻道)
(朝日岳のガレ場道)

 今日は昨日とは打って変わった好天気、朝日岳肩からも朝日岳山頂から三本槍方面の展望が広がっていた。そこにザックを置いて朝日岳山頂に登ると、山頂からの眺望はまさに360度の大展望。茶臼、三本槍、赤面山など那須連山を間近に見え、遠くに会津、日光、秩父の山々が全部目の中に飛び込んできた。これだけで今日の登山は満足なものになった感じ。
(朝日の肩)
(朝日岳)

 肩まで引返し、清水平を経て三本槍岳に向かった。北温泉分岐から三本槍岳に向かう下り道が、雨水に流され深い窪みやドロドロのぬかるみが多い苦労の道だった。
三本槍岳山頂も360度の大展望で、福島方面の山が更に近くなった感じで、旭岳、二岐山、子白森山の向こうに猪苗代湖も見渡せた。南方には那須連山がずらりと並び、西方に流石山三倉山の連なりが美しかった。ここで展望を楽しみながらゆっくりと昼食を食べて、帰りは往路を引返した。北温泉に下ってみたかったが、下山口から車を置いてある峰の茶屋までの足の見通しがたたず諦めた。
(清水平)
(三本槍岳)

(三本槍岳から:小野岳〜旭岳〜二岐山〜小白森〜大白森)

(三本槍岳から:朝日岳・茶臼岳・南月山・白笹山)

(三本槍岳から:流石山〜大倉山〜三倉山)





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