P91.石裂山(関東百名山)

1.動 機
 ガイドブックには「石裂山は江戸時代から信仰の山として崇められ、日光連山や足尾の山々の展望台になっている。」と魅力的な案内が続く。登ってみたくなったが「低山であるが、ハシゴやクサリ場が多く、転落事故も発生しているので、初心者だけの山行は避けたい。」とも書いてあり逡巡する。近年、福島の山やニュージーランド山行など度々一緒に歩いている同期のベテラン登山家啓ちゃんに声をかけると、快く同行してもらえることになって、日程調整して石裂山登山が実現した。天気は余りよくなくて展望は利かなかったが、何度も繰り返される岩場の登り下りのスリルをたっぷりと味わい、初秋の花々も愛でることが出来て充実した山行になった。

2.データ
a)山域:石裂山(879m)
b)登山日:2002/09/12(木)曇
c)日程:日立自宅 6:00 = 7:00 道の駅茂木(朝食) 7:30 = 9:00 加蘇山社務所 9:05 ---- 9:10 加蘇山神社 9:20 ---- 9:45 竜ヶ滝 ---- 9:50 千本桂 ---- 10:10 中宮 ---- 10:25 奥宮 ---- 11:00 東剣ノ峰 11:05 ---- 11:20 西剣ノ峰 11:25 ---- 11:40 石裂山(昼食) 12:05 ---- 12:20 月山 12:25 ---- 13:20 竜ヶ滝 13:25 ---- 13:40 加蘇山神社 14:00 = 17:00 日立自宅
d)同行者:小林啓ちゃん、和子
e)地形図:1/25000 「古峰原」
(石裂山周回歩行コース)
(石裂山周回歩行コースの高低差)


3.山行記録
早朝、啓ちゃんが我が家まで車で来て、我家の車に同乗して出発。途中、茂木道の駅で朝食をとり、石裂山登山口の加蘇山神社の駐車場に車を入れた。身支度をして神社のお参りは後回しにして歩き始める。
 案内板の写真をクリックすると案内板が拡大されて出てきます。
(駐車場の案内板)
(加蘇山神社)

 沢沿いの道を30分近く歩くと分岐があり、下に竜ヶ滝が見えていた。真直ぐ方向は「月山1.2km」とあり帰りに下ってくる道で、登りは左の「千本桂0.1km、奥ノ宮0.6km」へ向かう。
 曲ってすぐのところの沢沿いに、栃木県天然記念物の「千本桂」があった。たくさんの幹が一本の木のように身を寄せ合っている姿を見ると「千本桂」のネーミングがぴったりだ。
(竜ヶ滝)
(千本桂)

 沢沿いを20分緩やかに登って行くと中ノ宮の道標があり、「ここから先は、登山コースです。急斜面、くさり場等危険個所がありますので、ご注意ください。」の看板が立ち、奥ノ宮まで15分とあった。
 早速「行者帰しの岩」の難所になり、梯子の先に苔むした岩の崖が立ちはだかっている。鎖はぶら下がっているが、我家だけでは逡巡しそうな急な崖だ。鎖がなければ行者だって引き返したくなっただろう。啓ちゃんが事もなげにスルスルと登って行くと、後から付いて行く者は何とかなるものだ。
(中ノ宮跡)
(行者帰しの鎖場)

 次には岩に刻んだ階段と長い梯子がかかった奥ノ宮への「石裂岩」が待っていた。傾斜がきつくて慎重に登る。梯子の脇には鎖がぶら下がっていたので、梯子が出来るまではくさり頼りに登っていたのだろう。
 「石裂岩」の上は洞になっていて、鳥居の奥に小さな祠が祀ってあった。これからの安全をお祈りした。
(長い梯子)
(奥ノ宮)

 奥ノ宮から梯子を下って「石裂岩」の下まで戻って先に向かう。狭いトラバースの先にまた急斜面、今度は木の根っこがむき出し、これを掴みながら登って行く。登りつめて木の階段などで補強された道の先に「髭すり岩」。梯子が付いていて助かった。
 登り切ると「東剣ノ峰0.3km、石裂山0.7km」の道標があり、やっと落ち着いて歩ける尾根道になった。
(根っ子の急坂)
(尾根道)

 目の前に東剣ノ峰を見上げながらゆっくりと登って行ったが、頂上には「転落注意」の看板があり、これから先にまた難所が続くことを示していた。
(東剣ノ峰?)
(東剣ノ峰頂上)

 東剣ノ峰からの崖の下りには梯子が付いていたが、何しろ長くて傾斜が急で少々怖い、しっかりと捉まりながら慎重に下る。下り切るとまた西剣ノ峰へ急登を登る。
(東剣ノ峰からの梯子)
(西剣ノ峰)

 西剣ノ峰には展望台があって、天気が良ければ日光連山も見えたのだろうが写真が残っていない。目の前に本日の目標地点の石裂山が見えていてパチリ。
 西剣ノ峰からは東剣ノ峰に負けない急傾斜の長い梯子下り、一人づつゆっくりと下る。下り切った鞍部には「御沢峠」の表示があり、左の分岐を下れば粟野町に出るらしい。
(石裂山)
(梯子を下る)

 御沢峠から急坂を一登りすると左に石裂山への分岐があり、一寸歩くとすぐに石裂山の山頂。3人そろって証拠写真を一枚。三角点の写真も撮ってあるが、展望写真は残っていない。
(急登)
(石裂山)

 分岐に戻って稜線上の道を行くと今回の最高地点900mの月山山頂に着いた。山頂には鳥居や月山神社があるはずだが、写真は残っていない。展望写真もない
(月山山頂)

 月山からは地形図にある竜ヶ滝への破線の道を下って周回コースになった。
 登りでは通過した竜ヶ滝の河床にも下って一休み、加蘇山神社の境内にも上がって無事に登り終えたお礼のお参りもした。
(竜ヶ滝)
(加蘇山神社)

 この時期、石裂山自慢のカタクリやヤシオツツジは望むべくもなかったが、初秋の花が色々咲いていて目を慰めてくれた。この頃は一生懸命に花の名前を覚えようとしていた時期で、沢山の花写真が残っている。
(キバナアキギリ)
(タマアジサイ)

(ガンクビソウ)
(ツリフネソウ)

(クワガタソウ)
(ホトトギス)

(ラショウモンカズラ)
(ギボウシ)





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