Q70.櫛形山

1.動 機
花の百名山「櫛形山」は魅力的な山だが、遠くて車でも電車でも自力ではなかなか出かけるのが億劫だった。そんな時、旅行社に日帰り山行の案内があり参加してみることにした。池の茶屋林道から伊奈ヶ湖林道までビューポイントを要領よく縦走するコース取りがとられ、櫛形山から裸山にかけてのお花畑を存分に楽しむことができた。

このHPを開く7年以上前(2003年以前)の山行の写真を開いてみていると、素晴らしかった展望や楽しかった思い出がよみがえってきて、この思い出を記録に残しておきたくなってきた。雨で外に出られない時などに、記憶を辿りながらボチボチと山行記を纏めていくことにしました。

2.データ
a)山域:櫛形山(2052m)、裸山(2003m)
b)登山日:2003/07/5(土)、曇り
c)コースタイム:
日立自宅 3:30 = 3:45 計算センタ前BS = 4:50 水戸IC = 5:35 守谷SA 5:45 = 7:35 談合坂SA 7:45 = 8:25 白根IC = 8:30 道の駅 8:40 = 9:10 県民の森(タクシ乗換) 9:15 = 9:45 池の茶屋登山口 9:55 ---- 10:40 櫛形山 10:45 ---- 11:50 裸山 9:40 ---- 12:20 あやめ平 12:30 ---- 13:40 みはらし台 13:45 ---- 14:30 北尾根登山道入口 ---- 14:50 県民の森 = 15:30 やまなみの湯 16:10 = 須玉IC? = 17:40 石川PA(夕食) 18:10 = 19:30 守谷SA 19:40= 20:25 水戸IC = 21:30 計算センタ前BS = 21:40 日立自宅
(櫛形山縦走ルート)

(櫛形山縦走ルートの標高差)

d)同行者:ツアー参加者15名、和子
e)地形図:1/25000 「夜叉神峠」「小笠原」



3.山行記録
深夜の内に起きだして身支度し、近くのバス停からガイドさんに挨拶して旅行社のバスに乗り込んだ。各地で15人ほどの人が乗り込んで水戸ICから高速に乗って常磐道、首都高、中央道を走って開通したばかりの中部横断自動車道の白根ICで一般道に下りて、道の駅に立ち寄ってから櫛形山登山口の県民の森に到着した。ここから登り始めるのかと思ったら、短時間で楽に山頂に登れるように裏側の池の茶屋までタクシが運んでくれた。池の茶屋登山口は標高も1850mあるので登りの標高差は200m程、ガイドさん有難う。

池の茶屋登山口には広い駐車場があり、アヤメの季節なので多くの車がびっしりと停まっていた。休憩舎の壁に大きな櫛形山案内図がかけてあり、歩くコースの勉強をした。

小屋の横のカラマツ林の登山道を登りはじめると、道沿いにグンナイフウロやミヤマオダマキなどが見られるようになり嬉しい山旅の予感がする。
しばらくジグザグに登って行くと今度はくねくねと曲がりながら育った老木が見られる森になってきて、いい雰囲気になってきた。
(出発点・池の茶屋登山口)
(巨木の森を登る)

老木を過ぎると最初のピークにたどり着き、ここには三角点だけがあった。ここが櫛形山かと思ったが、何の標識もないので、櫛形山の山頂はまだ先だった。あとで調べたら三角点名は奥仙重だった。
少し下って緩やかにまたカラマツ・コメツガ・ブナなどの木々の間を緩やかに登って行くと広場のような場所になった。
(櫛形山三角点)
(原生林)

ここには「山梨百名山櫛形山」の標柱が立っており、本当の櫛形山の頂上です。展望のない山頂で、その前で証拠写真だけ撮って次に向かった。
山頂を後にしてキンポウゲ、マイヅルソウ、カニコウモリ、ギンリョウソウなどを愛でながら裸山方面に進んで行くと”やまなしの森林100選”の標識があって、一帯には立派なカラマツが多く見られた。二股に分かれてどっかりと太い根を地面に張ってた見事な老木が立っていて、推定樹齢300年のカラマツ(幹周:8.1m、樹高:25m)とのこと。
(櫛形山山頂)
(コメツガの大木)

森林百選から下るとバラボタン園というロープが張られた草原に出て、お目当てのアヤメの群落が紫の花を開いていた。結構賑やかで綺麗なのだが、東洋一のアヤメの群落というふれこみに物凄い大群落を期待していたので、少し肩すかしの感がぬぐえない。
バラボタン平

バラボタン園にはアヤメのほかに、グンナイフウロ、ミヤマオダマキやキンポウゲ、ボケ、ヤグルマソウ、テガタチドリなどが賑やかに咲いていた。
(グンナイフウロ)
(ヤマオダマキ)

アヤメ平との分岐点があり、裸山に登っていった。天気が良ければ富士山などの展望が利くところらしいが、今日はガスで何も見えなかった。
裸山の下の巻道に戻り、草原の花をもう一度楽しんでからアヤメ平に向かった。
(裸山山頂)
(裸山のお花畑)

アヤメ平に到着したが、「手折られし アヤメの花のあわれさよ 君にも命のあるものを」の名句の看板が立っていたが、今はもう時期を過ぎたのか、アヤメの花はほんのちらほらだった。
(アヤメ平)
(アヤメ平)

アヤメ平からは下るだけ、しっかり踏まれて整備された道を下っていくと、カラマツの大木を大量のサルガセオが覆いかぶさっているところがあり、幽玄というか何とも不思議な感覚を覚えさせてくれた。アヤメの花だけが売り物ではないようだ。
(サルガセオ)
(サルガセオ)

道をどんどんと下ると目の前に富士山が見えて来た。気分良くして下って行って櫛形山林道と交差する所に来ると、見はらし平と呼ばれる展望台があり、 田中澄江さんの詩が組み込まれた記念碑があった。
ガスの晴れ間に南アルプスや富士山の姿が印象的で、記念碑との組合せをいろいろ変えて何度もシャッタを押した。
(田中澄江記念碑と南アルプス)
(富士山)

再び山道に入ってひたすら下り続けると、やがて檜の植林帯になり、そこを抜けると伊奈ヶ湖林道に降り立ち、右に歩くと1kmほどで森林公園の駐車場に辿り着いた。
待っていたバスに乗って櫛形山を眺めながら走り、やまなみ温泉に入って汗を流し、帰途の高速SAで夕食を取って、日立には21時半ごろ帰着した。アヤメは少し期待外れだったが、なかなか充実感のある長ーい一日でした。。
(終点・伊奈ヶ湖林道)
(麓からの櫛形山)





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