Q71.鳳凰三山

1.動 機
前年の北岳登山からの帰りのバスの中から鳳凰三山のオベリスクが見え、今度はこの鳳凰三山に連れて行ってほしいと希望を出した。早速願いが叶ったわけで、これだけでも嬉しい今回の山行でした。前夜発、二泊三日の山行は、始めは雨模様だったが、日を追って天気は回復し肝心のオベリスクの日には晴れ渡り、素晴らしい展望と可愛い花々を楽しむことができました。

このHPを開く7年以上前(2003年以前)の山行の写真を開いてみていると、素晴らしかった展望や楽しかった思い出がよみがえってきて、この思い出を記録に残しておきたくなってきました。雨で外に出られない時などに、記憶を辿りながらボチボチと山行記を纏めていくことにしました。

2.データ
a)山域:薬師ヶ岳(2780m)、観音ヶ岳(2840m)、地蔵ヶ岳(2764m)
b)登山日:2003/07/19(土)〜21(月)、前夜発
c)コースタイム:
1日目(7/18〜19)日立自宅 20:00 = 20:10 日立電鉄南営業所 = 20:40 勝田駅 20:50 = 水戸駅 = 21:40 水戸IC = 5:15 松本IC(タクシ乗換) 5:20= 6:00 夜叉神登山口 6:20 ---- 7:35 夜叉神峠 7:55 ---- 9:20 杖立峠 9:40 ---- 11:30 苺平 11:50 ---- 12:25 南御室小屋(泊)
2日目(7/20)南御室小屋 6:20 ---- 8:00 薬師岳 8:30 ---- 9:05 観音岳 9:30 ---- 11:10 地蔵岳 12:00 ---- 13:00 鳳凰小屋(泊)
3日目(7/21)鳳凰小屋 6:30 ---- 7:30 五色の滝 7:45 ---- 8:15 白糸の滝 8:25 ---- 9:15 鳳凰滝 9:30 ---- 10:00 南精進ヶ滝 10:10 ---- 12:00 青木鉱泉 12:15 =マイクロバス= 16:10 武川の湯 17:10 = 18:35 須玉IC = 0:00 水戸IC = 0:20 水戸駅 = 0:35 勝田駅 = 1:00 日立電鉄南営業所 1:05 = 1:15 日立自宅
(鳳凰三山縦走ルート)

(鳳凰三山縦走ルートの標高差)

d)同行者:水戸アルパイン会員17名(男9、女8)、和子
e)地形図:1/25000 「夜叉神峠」「鳳凰山」

3.山行記録

(1日目:出発−夜叉神登山口−南御室小屋)
前夜出発してバスの中で睡眠をとりながら常磐道、首都高、中央道と走って、翌朝松本ICに到着、タクシーに乗り換えて夜叉神峠の登山口まで入った。1日目は生憎の雨模様、半分雨を覚悟の服装で歩き始めました。
展望のない中を1時間程ひたすら歩いて夜叉神峠に到着しました。
(夜叉神の森で下車)
(夜叉神峠)

それでも、登山道脇には雨粒を滴らせたヤマオダマキやテガタチドリ、クガイソウなどの花がとても綺麗で気持ちを和ませてくれた。
(ヤマオダマキ)
(クガイソウ)

夜叉神峠で一休みして、杖立峠の先までは眺めのない黒木の樹林帯が続きました。途中富士山が見えるという場所もあったが、今日見えたのは見事な雲海だけでした。
黒木の樹林帯
(見えるのは雲海)

杖立峠に到着すると、丸鋼を積み重ねて作った面白い形のケルン(?)の道標があって記念撮影。この一風変わった道標は、甘利山分岐の先の苺平にも同じものがありました。杖立峠と苺平の間にはハハコグサやウスユキソウなどが咲いていて目を楽しませてくれた。
苺平から15分ほどで今夜の宿舎、南御室小屋に到着。小屋の近くにもたくさんの花が咲いていて、時刻もまだ昼を過ぎたばかりだったので、昼食を食べてから色々な花の写真を撮りながら小屋の周りを歩きまわった、
杖立峠
(南御室伽に到着)

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(2日目:鳳凰三山縦走−鳳凰小屋)
2日目は打って変わった好天気。「肝心な展望の日をこんな良い天気にするなんてさすがはMACの神通力よ」と言いながら薬師岳−観音岳−地蔵岳と気持ち良く歩き、オベリスクを晴天の下で拝むことが出来とても幸せでした。

朝6時過ぎに南御室小屋を出発して樹林帯の急登を登って行くと、おぼろげながらも富士山が見えてきた。「今日はいけるぞ」と元気が出る。
巨岩が散在し、ざらざらとした砂地を砂払岳に向かうと薬師岳、観音岳の姿も見えるようになってきた。
(富士山)
(薬師岳と観音岳)

足元にはキバナノコマノツメ、ツマトリソウ、コケモモ、ミヤマコゴメグサ、シラネニンジン、タカネビランジ、ミヤマナズナなど色とりどりの高山植物の花が咲いていて、こっちの撮影も忙しい。
砂払岳から花崗岩のざれ場を少し下り、薬師岳小屋の前で一休みし、少し登って鳳凰三山最初の薬師岳に登頂。山頂を隠した北岳を入れて記念撮影。
(キバナノコマノツメ)
(薬師岳山頂)

薬師岳2780mは、真砂の上に岩石群が並ぶ広場で、ピークといった感じがしない.
(広い薬師岳山頂部)

薬師岳から観音岳に向かっては、岩がゴロゴロするザレ場が続くが、なだらかな尾根道が続いて快適だ.天気がよくて展望がもっと良ければ申し分ないが、贅沢というものだろう.
観音岳2840mは鳳凰三山の最高地点である.岩が転がるだけで、岩の間に三角点の標石がおかれている.岩の上に立つと北岳、千丈がもう少しで頭を出しそう、稜線の先にあのオベリスクが突っ立っている.
(観音岳への尾根道)
(観音岳山頂)

観音岳から地蔵岳へは、ザレた急坂を下り、大岩を乗り越え、変化があって面白い。足元にはタカネビランジ、シャクナゲ、ヨツバシオガマ、ドウダンツツジ、イワオウギなど賑やかだ。
(観音岳を下る)
(大岩も乗り越えて)

北岳、千丈ヶ岳、金峰山が時々雲間に姿を現すがぱっとしない。それだけ目の前真正面に見える地蔵岳のオベリスクが強烈な印象で迫って来る。
白砂のザレ場を登ったり、ロープ場を下ったりしながら歩きにくい岩陵を歩いていくと、目の前に岩山が現れた。高嶺と地蔵岳との分岐点アカヌケ沢の頭だ。
(鞍部へ)
(アカヌケ沢の頭)

アカヌケ沢の頭まで来るとオベリスクが間近に迫って来る。鞍部に下っての賽ノ河原まで来るとオベリスクの眺めは最高潮、聳え立って見えました。このオベリスクを晴天の下で拝むことが出来て本当に幸せでした。
(賽の河原からオベリスク)

タカネビランジやクルマユリ、グンナイフウロ、ミヤマハンショウヅルなど綺麗な花がいっぱい咲いていて、花を前景にしたオベリスクの写真撮りにみんな一生懸命。
(タカネビランジ)
(クルマユリ)

(グンナイフウロ)
(ミヤマハンショウヅル)

集合写真と個々の記念写真を撮ってからオベリスクの真下まで移動、みんなで登り口を探します。女性群も中段まで登ってハイチーズ! 男性陣も途中まで頑張ったが、オベリスクのてっぺんまで攀じ登ったのは池谷さんただ一人、MACを代表してバンザイしてくれました。
(オベリスクてっぺんの勇者)
(一般人はオベリスク中段で)

賽ノ河原に引き返してから鳳凰小屋への下りは、しばらく砂の急斜面のジグザグ下りが続きました。樹林帯に入ってしばらくしてやっと鳳凰小屋が見えてきました。
鳳凰小屋の前にはテーブルと丸太の椅子が置かれ、この日は中村豊子さんの誕生日、前庭で誕生祝いの宴が賑やかに模様されました。こんな日に誕生日を迎える人はきっと普段の行いがいいんでしょう。
その後、近くに富士見岩というところがあったので一人で出かけてみたが、富士山は全く見えず、代わりにアツモリソウ、エゾシオガマ、カイタラコウ、ムカゴトラノオ、ヤグルマソウ、トリアシショウマなど色とりどり咲いていて、野の花めぐりになりました。
(鳳凰小屋へ下る)
(鳳凰小屋:翌朝撮影)


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(3日目:ドンドコ沢ー青木鉱泉−帰宅)
3日目はドンドコ沢を下って青木鉱泉まで。

朝早く再度富士見岩に出かけて富士山を眺めて満足。青木鉱泉への途中、五色ヶ滝、白糸ノ滝、鳳凰の滝、南精進ヶ滝と綺麗な滝が4つ続き、シャッタを押すために一つづつ立ち寄ったが、登山道は急坂続き、滝までの脇道も歩きにくくて結構なアルバイトになりました。
(五色ノ滝)
(白糸ノ滝)


(鳳凰ノ滝)
(南精進ヶ滝)

小武川河川敷に下りた時に、大株のシナノナデシコがあちこちに咲いていて嬉しくなったが、ここから青木鉱泉までの河川敷の道は平地なのにとても遠く感じられたのでした。
(ドンドコ沢の河床)
(カワラナデシコ)

青木鉱泉から武川の湯までマイクロバスで送ってもらい、入浴してから茨城に向かいました。武川の湯の前に何をして過ごしたか全く記憶がありませんが、入浴が16時と遅くなった分、茨城に着くのが遅くなり、自宅に到着したのは午前1時を過ぎていた。




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