S34.高川山(富士山展望の山)

1.動 機
高川山は富士山を眺める山として有名であり、水戸アルパインの1月例会として計画され、楽しみにしていたのだが悪天候のため中止された。諦めきれず、その後個人で行くことを計画したが、これも寒さが厳しそうだと和子に拒否されて実行できなかった。今回は3度目の正直、寒さも和らいだ好天の休日、週末フリー切符(5600円)を使って大甕駅を一番列車で出発し、禾生駅から登り田野倉駅に下りるコースを歩いて、やっと憧れの富士山を真正面から眺めることができた。

2.データ
a)山域:山域:高川山(976m)
b)登山日:2005/03/12(土)曇時々晴
c)コースタイム: 
大甕駅5:38 = 7:24 日暮里7:25 = 7:47 新宿駅 8:14 = 9:50 禾生駅 10:05 ---- 10:15 古宿集落 ---- 10:40シラノ沢分岐 10:45 ---- 10:55林道終点 ---- 11:45 高川山(昼食)12:50 ---- 13:40 むすび山13:45 ---- 14:10登山口 ---- 14:30田野倉駅14:49 = 14:55 大月駅15:03 = 16:06 新宿駅16:15 = 16:40 上野駅17:00 = 18:23 大甕駅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「大月(南西)」


3.記 録 
高川山には、中央線初狩駅から登って富士急行田野倉駅に降りるコースが多く取られているようだ。大月駅から初狩駅までの接続が悪く40分のロスが出るので、今回は逆コースを歩く積りで出発した。
朝寝坊の我家には辛かったが大甕駅5時38分発の電車に乗り、日暮里経由で新宿8時14分発のホリデー快速河口湖に乗った。列車は思いがけず空いていた。この時期、多くの人はホリデー快速奥多摩に乗って吉野梅郷に向かうようであった。列車は大月駅を出て富士急行線に入り、次の田野倉駅に近づいて下りる準備をしていた。乗っていたのは最後部の1号車だったが、停車直前になって「1号車から3号車はプラットホームから外れてドアが開かないから、4号車より前から降りてください」と放送された。慌てて移動を始めたが、4号車に着いたときはすでにドアは閉まっていた。やむなく次の禾生駅で降りて、ここから歩いて、もう一つの登山口の古宿から登ることにルート変更をした。
禾生駅近くのおにぎり屋で昼食用の海苔巻きを買って、道順を訊いて歩き始めた。山道に入るまで長い舗装された車道と林道を歩いたが、要所に「高川山」の看板が立っていて、迷うことなく歩くことが出来た。「最近熊が出たとの情報があるので注意」の立札も一緒に立っていて脅されたが、多少声高に話をしながらそのまま歩いた。古宿部落への上り坂からは、富士山が大きく見えて嬉しくなり、早速シャッタを押した。道端にはオオイヌフグリの青い花があちこちに群落を作って綺麗だった。
古宿部落からの林道は植林が多く、暖かい空気の中でスギ花粉は既に舞っていて、鼻はズルズル、目はチカチカ苦戦した。実は雪道を予想してアイゼンなど用意してきたが、こんなに暖かいとは予想だにせず、迂闊にもスギ花粉の対策は忘れてきたのだった。地形図の実線の林道が大きくUターンするところから「シラノサワ」のコースが分かれていたが、こちらは90分、林道の方は70分となっており、もちろん林道を歩いた。実線の終点でやっと登山道らしくなり、だんだんと急坂になり、ついには九十九折の道になり汗をかくことになった。1時間ばかり急坂を登って稜線に出ると、田野倉からの道に合流した。下って来る男性に「もう一寸ですよ」と励まされて、一頑張りしたら山頂はすぐだった。
山頂直下が凍っていて、足を滑らして手をついて泥んこにした。泥を落とすのももどかしく山頂に登ると、山頂には一匹の犬がおり10人ばかりの先客が昼食中だった。その先に憧れの富士山が、遮るものもなく、雪を纏った美しい姿を見せていた。去年、三つ峠山から見たよりも少し小ぶりに見えるが、やはり富士山を間近に見るのは嬉しい。早速、場所を変えながら写真を何枚も撮った。
富士山の姿を楽しんで、やっと落ち着いて昼食にした。くだんの犬が近づいてきてじっと見ている。お行儀が良い大人しい犬で、決して気分を害するほどは近寄らないし、声も出さない。こちらの食事が終わって片付けると、諦めて離れていって富士山を眺めていた。登山者がどんどん下りて行ってもそのまま居残っていたので、登山者に連れられて登ってきたのではなく、一人で(一匹で)登ってきたようだった。
昼食を終わって、落ち着いて周りを見ると360°の展望が開けており、眼下にリニア実験線の直線が延びているのが印象的だった。ところが期待した白い山並みは殆ど見えない。1000mに届かない高川山は、自分よりも高い山々に周りを囲まれていて、遠くの雪山は見えないのだった。黒い山の間から、唯一間ノ岳から甲斐駒の間の南アルプスだけが白く見えていた。三つ峠山以外にはそれと分かる山はなかったが、立派な山名方位盤を見ると、雁ケ腹摺山、扇山、陣場山、倉岳山、高畑山、御正体山など登りたい山の名前が並んでいた。一つ一つ同定しながら楽しんだ。

(北西方向のパノラマ)
<BR> 登山者の話で初狩駅へのルートは凍っているところがありそうなので、予定を変えて田野倉駅へ下りることにした。一旦禾生コースの合流点まで引き返し、少し尾根を行くとこちらもジグザグの急坂になった。急坂を下ると地形図の破線の道とは異なり尾根上に道がついていた。禾生コースには石ころ一つなかったが、こちらの道は登山口まで殆ど岩交じりの道だった。雪が凍っているといやらしい。尾根を行くと「雨乞いの池」への分岐の次に、「むすび山」の標識の分岐があったので寄道してみたが、期待した展望は殆どなかった。そこから馬頭観世音や弁慶岩を眺めながら登山道を30分下りて登山口に出たが、ここから田野倉駅までは20分の長い車道歩きが待っていました。



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