S51.いわきの山ピークハント
(閼伽井嶽・水石山・一本山毛欅山・良々堂山・差塩湿原)


1.動 機
((三角点位置map)
近くの山を歩くのに、新ハイキング社「阿武隈の山を歩く」をしばしば参考にしている。このp110に、4つの三角点を一日で踏んでいる記述があり、ピークハントが好きな我が家には魅力的だった。どの山も磐越道いわき三和ICに近く、車で山頂近くまで入ることができるので一日で十分に歩ける。あまり知られていない山なので、山菜も期待できそうに思え、この時期に歩くことにした。これに、かねて行ってみたかった差塩湿原を組み入れて、展望、花、山菜と三拍子そろった山行を楽しんできた。

2.データ
a)山域:閼伽井嶽(605m)水石山(735m)一本山毛欅山(668m)良々堂山(619m)
b)登山日:2005/05/05(木)晴
c)コースタイム: 
森山9:55 = 10:25 日立北IC = 10:55 三和IC = 11:05薬師堂P 11:10 ---- 11:15 常福寺11:25 ---- 11:50閼伽井嶽11:55 ---- 12:30薬師堂P = 12:40 水石山P ---- 12:50水石山(昼食)13:30 ---- 13:40水石山P = 14:20 乾草供給センター ---- 14:30一本山毛欅山 ---- 14:45乾草供給センタ = 15:00良々堂参道入口 ---- 16:10良々堂山16:15 ---- 16:40良々堂参道入口 = 16:55差塩湿原 17:05 = 17:25三和IC = 18:00 日立北        IC = 18:35森山
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「水石山(南西)」、「上三坂(南東)」

3.記 録 
a)閼伽井嶽
(常福寺のシロヤシオ)
朝10時頃ゆっくりと出発し、高速料金を節約しようと日立北ICで高速に乗った。日立もR6をはずして裏道を走ると意外と時間はかからない。11時前に三和ICを下り、水石山の山道に入った。新緑が真っ盛り、緑のトンネルが気持ちいい。最初の閼伽井嶽には水石山側からも登れそうだが、閼伽井嶽薬師を参拝してから登ることにする。
路側の薬師の駐車場には先客は一台だけだった。下の薬師様への階段を下りると大きな駐車場があり、こちらにはたくさんの車が停まっていた。閼伽井嶽薬師は正式には常福寺といい、さすが1200年の歴史を持つ東北屈指の古刹だけに参拝者が多い。境内にはツツジやシャクナゲなど花が多かったが、大きなシロヤシオの木がもう満開の花をつけていたのには驚き喜んだ。
駐車場所にもどり、見当をつけて尾根の薄い踏み跡をたどって登って行ったが、途中からその踏み跡も完全に消えてしまった。30分ほど笹薮を漕いだら三角点のある山頂に着いた。 山頂は立ち木に囲まれていて展望はなかったが、若葉の緑が綺麗だった。ここからは水石山方向と薬師方向へと2本の踏み跡があり、薬師方向に下った。踏み跡はしっかりしていたが、ずいぶんと回り道になっていて登りよりも時間がかかった。下り着いたところは、薬師本殿脇の鐘楼の上だった。

        b)水石山
(水石山展望台と二等三角点)
今日は子供の日、水石山の駐車場は家族ずれの車が多くほぼ満車だった。山頂は平らな草原状になっていて気持ちよく、アンテナや水道タンクの設備が林立していたが、子供連れがポニーと遊んでいたり、家族団らんの輪ができたり賑やかだった。山頂が僅かに盛り上がっていて、立派な展望台が建っている。三角点は二等三角点で入口のすぐ前にあった。展望台の上からは360°の展望が広がっていた。残念ながら春霞で安達太良などの雪山は見えなかったが、東にいわきの街と太平洋、北西に大滝根山、羽山、矢大臣、蓬田岳など阿武隈の山々が峰を連ねていて、同定に忙しかった。誰も登ってこないので、展望台の上で弁当を広げて展望を楽しみながら昼食にした。

c)一本山毛欅山(いっぽんやまぶなやま)
(乾草供給センタの巨岩)
水石山から一旦R49に下り、県道66号の九十九折の峠超え道を走って、永井の部落を過ぎ、乾草供給センタの指標を見て磐越道の下をくぐると細い道になり、牧草地の中を走ると間もなく乾草供給センタだった。ガイドブックではここから歩き始めているが、さらに車で一本山毛欅山方向に入ると、大きな岩が重なりあっているのが見えてきた。牧草地の柵が切れて車道が入っていたので、牧草地に入り込み岩の近くに車を停めた。
岩の上に上がってみると、水石山や大滝根山が見えてなかなかの展望だった。牧草地は一本山毛欅山の山肌を削り取って作られたらしく、岩の重なりもこの削り残しであり、山頂近くの尾根も道路の法面のような崖になっていた。崩れやすい急な崖をよじ登ったらすぐに三等三角点があった。下りは踏み跡を辿って尾根道を下った。
                  
d)良々堂山(ややどうやま)
(塩良々堂三十三観音参道入口)
乾草供給センタまで引き返し、来た道の先にどんどん進んで山を下りると、差塩の車道に出て右折した。そこには差塩良々堂三十三観音参道入口と書いた立派な道標と、由来を書いた石碑が立っていた。これによると、西国の三十三観音と同じ形の観音像を3kmの道に配して、遠路の旅をしなくても三十三観音参りができるようにしたものらしい。
路側に駐車して、広い参道に入るとすぐに観音堂の指標があり、右の尾根に上がる登山道が分かれていた。観音堂の脇に巨岩があり、その上に20体ばかりの石仏がずらりと祀ってあったが、このような大きな岩があちこちに見られる歴史を感じさせる登山道だった。珍しいシロバナエンレイソウや鮮やかなミツバツツジを愛でながら歩いた。
やっと登りついた石仏が奉納され三角点のある山頂からは、先ほど登った一本山毛欅山の下の巨岩が目の前に見えていた。下りは東に向かう尾根を歩き始め、途中北の谷に降りる踏み跡があったので、この踏み跡に従って急坂を下っていくと、上に石仏が祀られた大きな岩が現れ、第二観音の札が付いていた。ここからの道は登り始めの参道の延長であり、歩き続けると参道入口に出た。

e)差塩湿原(さいそしつげん)
(一面のミツガシワ)
差塩湿原はいわき市観光協会の「いわき花めぐり」に出ていて、以前から訪れて見たかったのだが機会がなかった。良々堂山のすぐそばなので立ち寄った。近くで農作業中の男の人に道を尋ねると「300mの先の道傍だよ。遠くの人はよく来るが、近くの人は興味ないね。花は咲いているかなあ。」
湿原に着くと、ミツガシワの花が丁度真っ盛りだった。小さな池は、ミツガシワの白い花と緑の葉と水に映る空の青とのコントラストが見事で美しかった。思わず歓声をあげてシャッタを何度もきった。湿原は小さいが立派な木道がめぐらしてあり、ゆっくりと一回りした。池のそとの湿原にも、枯れ草に隠れて目立たないがミツガシワは一面に咲いていて、なかなか見事だった。案内板によれば、ミツガシワのほかにも、ミズドクサ、サギソウ、トキソウ、ミズチドリなども咲き四季楽しめるとのこと。



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