S65.赤岩滝と西ノ湖とクリンソウ
1.動 機 62会の6月例会は、(1)中禅寺湖を一周ハイクして千手ケ浜のクリンソウを鑑賞する計画と、(2)奥日光の秘滝・赤岩滝を眺め、西ノ湖を訪れる計画の2案から選択することになった。赤岩滝は中禅寺湖に注ぐ柳沢川の上流にある多段型の滝で、アクセスが難しいために日本の滝百選からは漏れたが、落差100メートルを越すそれは見事な滝らしい。滝直下まで入れるが、途中の沢登りが結構大変そうなので、我家は先生に先導してもらわなければ行けそうにもない。(2)を選択し、評判のクリンソウの鑑賞も付け加えてもらった。 2.データ a)山域:赤岩滝(1600m)千手ケ浜(1270m) b)登山日:2005/06/27(月)曇一時雨 c)コースタイム: 中禅寺湖民宿7:25 = 7:40赤沼車庫P 7:50 = 8:15西ノ湖入口8:20 ---- 9:20柳沢川河原---- 10:15 赤岩滝 10:40 ---- 11:20柳沢川河原 ---- 12:15西ノ湖分岐 ---- 12:25 西ノ湖 12:40 ---- 13:20 千手ケ浜 ---- 13:25 クリンソウ園 13:45 ---- 13:55千手ケ浜バス停14:10 = 14:45 赤沼車庫 15:05 = 17:40 常陸太田18:10 = 18:30森山自宅 d)同行者:下山夫妻、小林啓夫妻、和子 e)地形図:1/25000 「男体山(南西)」 3.記 録
林道に入ると「山の神」の鳥居があったので、まずは安全を祈願した。コースは途中から柳沢川を左下に見ながら歩くよ うになり、ところどころ落石があったが、オダマキやマタタビ、ウツギの花などを見ながら気持ちよく歩いた。先生が倒木に珍しいタモギタケの見事な株が数株生えているのを見つけたので、品評会をしながら一休みした。採取は帰りにして歩き始めると、間もなく大きな石がごろごろ転がっている柳沢川の河原に出た。ここまで2.5kmは快適な林道歩きだったが、これからの渡渉は予想以上の苦難だった。
地図には道の表示がないが、踏み跡を辿ると早速の渡渉になった。飛び石の間に細い丸太を数本渡しただけの怪しげな橋が架かっている。手つかずの自然の川で流れはきれいだが、落ちたら冷たそうだ。足を乗せると丸太は大きく撓むし転がりそうで、渡るのには勇気がいる。岩や川底にストックを突きながらこわごわ慎重に渡った。こうゆう時に親切な啓ちゃんがまず渡って、ストックを伸ばして後続をサポートしてくれた。達子奥様のときには、手をがっちり繋いで支えて、仲のいいところを見せていただいた。 対岸に渡ると右手に曲がり、すぐに広い河原をかすかな踏み跡をたよりに道を失わないように進むと、再び細い木々の林立する林の中を歩くようになった。ここで「ショウキランだ!珍しい!」と治子さんの声が上がった。葉のない茎に薄紫の綺麗な花が咲いており、みんなでシャッタを押した。綺麗な滑滝を過ぎると柳沢川の本流をまた細い丸太の橋を渡ることになった。丸太が不安定でここが一番怖かった。私も足を取られてぐらっとしたが、危ういところを啓ちゃんに支えてもらった。
滝は梅雨の雨を集めて4段になって豪快に流れ落ちており、特に一番上の滝の流れが美しい。いろいろアングルを変えてシャッタを押してみるが、実感する滝の豪快さは表現できそうにない。ここで、滝を眺めながら民宿で作ってくれたおにぎり弁当を頂戴した。 食後、滝をバックに集合写真を撮り、また見に来ることはなさそうな豪快な滝をゆっくりと眺めて、柳沢林道の入口まで往路を戻った。何回渡っても丸太の橋はやはり気持ちが悪かった。一番下のの橋のところで、男性二人が渡り損ねたのか、靴を履き替えていた。我々は橋を踏み外すことなく、もちろん、タモギタケの収穫も忘れないで西ノ湖へ向かった。
西ノ湖を後に、2.1km先の千手ヶ浜に向かった。ミズナラやハルニレの原生林の中に、整備された遊歩道があって歩きやすいが、平地は今日すでに赤岩滝まで往復8km、昨日の志津林道を10kmの長い平地歩きをしていたので食傷気味だった。西の湖を出発して40分で千手ケ浜に近づくとマルバタケブキの大群落があった。鹿も食べないほどまずい植物らしいが、8月末ごろの開花の時期は一面まっ黄色になって見事だろうと思われた。 湖岸に出ると、クリンソウの群生地はすぐだった。バスや観光船で簡単に来れることもあって、観光客がぞろぞろと歩いていく。群生地に入ると、一面に広がる白、紫、ピンク、色とりどりのクリンソウに圧倒された。これほど広くて美しいとは思わなかった。遊歩道を順路に従って歩きながら、何度もシャッタを押した。
綺麗な花をゆっくりと堪能して千手ケ浜バス停に向かって歩くと、急に雨が降り出した。あまり濡れないうちにバス停に着き、乗り損ねた10人ほどの観光客を残した満員のバスに揺られながら赤沼車庫へ戻った。赤沼でお開きになって、みんな満足顔で夫々に茨城に戻ってきました。 |