S71.ニッコウキスゲと赤薙山

1.動 機
うっとうしい梅雨が続き、昨日の62会ゴルフもサボったので、身体は運動不足を訴え、和子もいらいらしている御様子。そんな中で、霧降高原のニッコウキスゲが見頃だよとの情報を得て見たくなり、9日土曜日は雨が降らないとの予報を信じて、混雑するのを覚悟して出かけてみた。キスゲは丁度満開で見事だったが、鹿食害防止の柵で囲まれているのでリフトの上からしか見ることができなかった。ピークハントした赤薙山と丸山はリフトを降りてすぐだった。

2.データ
a)山域:赤薙山(2010m)丸山(1689m)
b)登山日:2005/07/09(日)曇
c)コースタイム: 
森山自宅5:15 = R293 = 7:10徳次郎IC = 7:25日光IC = 7:45霧降高原第3リフトP 8:00 = 8:20第3リフト8:25 = 8:35 第4リフト8:40 ---- 8:45小丸山 ---- 9:25 焼石金剛 ---- 10:05赤薙山 10:30 ---- 11:00焼石金剛 ---- 11:30 分岐 ---- 11:45 丸山山頂12:15 ---- 12:30 分岐 ---- 12:45第4リフト乗場12:55 ---- 13:10第3リフトP 13:30 = 15:30 三和15:50 = 17:15森山自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「日光北部(北東)」

3.記 録 
朝5時15分に我家を出発して、今回はR293を走り、馬頭を通って、徳次郎ICから日光道路に入った。このルートは街を走らないので、前回の宇都宮外環道を通る女峰山(S64)よりも気分が楽だった。8時前に霧降高原第三リフトの駐車場に到着したが、駐車場は既に50台以上の車であらかた埋まっており、整理員が汗を流していた。道路には、8時30分以降路上駐車可の立札が立っていた。
霧降高原のニッコウキスゲは鹿の食害で一旦激減したが、柵で囲って保護し最近復活してきたという。リフト乗場付近にも綺麗にキスゲが咲いていたが、ハイキングルートに入るとルートは柵の外を通るので、ニッコウキスゲを見ることはできなくなる。リフト乗場の係員に「柵内を歩くルートはありませんか」と聞くと、「中に入れては商売にならない。人が入ると悪いことをしてキスゲが駄目になるので立ち入り禁止です」とそっけない本音丸出しの御返事だった。やむなく、800円也を払って、第3、第4リフト通しの片道切符を購入した。
リフトに乗ると、リフトの下から雑木林にかけて黄色い花がじゅうたんを敷き詰めたように咲いており壮観だった。ゆっくり眺めていたい風景だが、リフトに乗っている間だけしか見ることができない。写真も撮っておきたいので、シャッタを押すのにも忙しい。カメラを落としたら回収不能になるので気も使う。あっという間に降り場に到着した。
リフトで登るキスゲ平は一面黄色のじゅうたん

第3リフト降場と第4リフト乗場との間に遊歩道があり、保護区域内のようでキスゲの群落が広がっていた。ヒヨドリバナやギボウシなどの花も咲いている。ゆっくり鑑賞して、撮影も心置きなくできる。大勢の人がそぞろ歩きをしており、三脚も立っている。ここにはハイキングルートからも入ってくることができるので、下山時にもう一度立ち寄って見ることにして、第4リフトに乗った。
第4リフトからの眺めは、キスゲ平の広い草原全体にキスゲの花が広がっており、さらに壮観だった。今にも降り出しそうな曇り空なので、まっ黄色に染まったキスゲ平の広い草原の遠くの方は霞んで見えていて、なかなか風情があった。(晴天のもとに太陽に輝くキスゲを見ることができなかった負け惜しみかな)
つかの間の風景を楽しんでリフトを降り、シュロソウやヒメシャジンなどの名札を見ながら5分歩いた小丸山にはキスゲ平展望台1935mの標柱が立っていた。ここは小広い広場になっていて、お天気が良ければ、日光の山々、関東平野と好展望が開けるところだが、今日は何も見えない。数人ずつがたむろしていたが、これから山に登ろうという出で立ちではなかった。リフトで登ってきた殆どの人は第4リフトから折り返し、ここまで歩いて来た人もここで引き返してやはりリフトで下りていくようだ。
ここからまた5分歩くと分岐点になり、丸山・八平ケ原と赤薙山・女峰山と書いた立派な道標がたっていた。まず、左の赤薙山方向への登山道に入った。笹の茂った緩やかな斜面に登山道があちこちに分岐合流しながら伸びており、見える花はコメツツジやマルバシモツケの白い花が多い。足元にもミネウスユキソウ、オノエラン、ネバリノギランなど白い花ばかり。「時には色のついた花も見たいね」といっていると、突然一株だけハクサンチドリが鮮やかに咲いているのが見えた。
(コメツツジ)
(マルバシモツケ)
(ミネウスユキソウ)

(オノエラン)
(ハクサンチドリ)
(サラサドウダン)

岩のごつごつした焼石金剛を過ぎて樹林帯に入ると、勾配が急になり樹木の根っこがむき出しになって歩きにくい登山道になった。足の置き場に気を使って下を向いて登っていくと、サラサドウダンの花が一面に落ちているのに気づき、上を見上げるとサラサドウダンの大木だった。見渡すと、サラサドウダンやウラジロヨウラクの真っ赤な花があちこちに咲いていた。途中、3組のグループと出会ったが、皆赤薙山から引き返すところだという。女峰山への途中の山と思っていた赤薙山も結構登山の目標になっているようだった。
急坂を登り切って赤薙山山頂に着くと、赤薙神社の小さな祠と鳥居があり、その前に三等三角点と山名板があった。すぐ後に来た単独行の男性は奥社跡まで登って来るといって先へ行ったが、今日は展望もなさそうなので、我々はここで引き返すことにした。別の御夫婦は何も見えないと言って降りて言ったが、念のためと下山前に祠の後から見渡してみると、丁度雲間が開いてきたところで、女峰山−大真名子−男体山の山並みが見えていた。大喜びでシャッタを押した。すぐに雲が出てきて視界が利かなくなったので、まさに一瞬の出来事でラッキーなことでした。
赤薙山頂男体山−大真名子−女峰山

丸山山頂は寒かった
たくさんの花々を愛でながら、往路を丸山分岐まで戻ったが、数組の登山者とすれ違った。丸山への登山道に入ると、こちらの登山道は広くて整備されていた。道標に丸山まで550mとあるのに誘われたか、いろいろ登山者らしくない賑やかなグループも歩いていたが、山頂近くの急斜面にかかると、不規則な階段に苦労していた。丸山の山頂についたときは晴れ渡って、赤薙から女峰への山並みも見えていたが、すぐに掻き曇って霧が立ち込め寒くなってきた。ヤッケを羽織って昼食にし、小丸山へと引き返した。
小丸山からはハイキングルートを下ったが、急坂なうえぬかるんでいて滑りそうで歩きにくかった。第4リフト乗場でキスゲをゆっくりと鑑賞してから、ハイキングルートに戻って下り始めると、後から来たツッカケを履き手提げバッグを手にした御婦人が「大変な事になっちゃった」と言いながら私達を追い越していった。登山靴を履きストックを持っている私達にも追いつけそうにもない速さだった。よくも転ばないで歩けるものだと感心しながら見送った。
ロックの独演会
第3リフト乗場に近づくと、ロックのリズムに低音の歌声が響いてきた。リフト乗場の前で一人の中年(老年?)男性が、ドラムやシンバルを背負ってエレキギターを抱えて独演をやっていた。なかなか迫力のある演奏と歌声にしばし聞きほれて駐車場に向かったが、こちらにも今夕のライブのための舞台つくりが進行していた。ここは登山口ではなく、観光地なのであった。 土曜日のこととて、午後1時半になってもまだ駐車場に入ってくるバスや車があり、道路にも路側駐車の車が列をなしていた。



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