S83.裏那須

1.動 機
毎年8月末の土日、常北山岳会のファミリー登山のお誘いが来る。今年は「歴史の道・温泉・展望、三拍子そろった山行」と銘打って、沼原湿原から麦飯坂を下って三斗小屋宿跡を経て三斗小屋温泉泊、翌日姥ケ平から牛ケ首に登って温泉神社まで下るルートで募集され、3年ぶりに参加した。この山行では、たくさんの山歩きの話が聞けて和やかで楽しい酒の2次会が行われる宿の夜も大きな魅力だ。前日の台風通過で湯の川の増水が心配になり、1日目の麦飯坂廻りは取り止めとなり、峠の茶屋から三斗小屋温泉に入るルートに変更された。平凡なルートになったが、お馴染みの山岳会員の人たちに暖かく迎えられて、楽しい2日の山行になった。
(歩行ルート)


2.データ
a)山域:茶臼岳(1915m)
b)登山日:08/27(土)晴れ後曇り、28(日)曇り一時雨
c)コースタイム: 
8月27日:計算センタ前バス停6:45 = 7:30芝内バス停 = 8:00里美道の駅8:10 = 大子道の駅 = 9:45黒羽道の駅10:00 = 11:20峠の茶屋駐車場 12:00 ---- 13:10峰の茶屋 13:30 ---- 14:10茶臼岳 14:15 ---- 14:55峰の茶屋15:10 ---- 16:25三斗小屋温泉煙草屋(泊)
8月28日:三斗小屋温泉 7:00 ---- 8:25沼原分岐8:35 ---- 8:50姥ケ平9:10 ---- 9:50牛ケ首10:10 ---- 12:05大丸温泉分岐12:15 ---- 12:55高雄温泉 14:10 = 14:10黒羽道の駅 14:55 =大子道の駅 = 17:00里美道の駅17:10 = 18:40計算センタ前バス停  
d)同行者:山岳会会員(12)、一般(男20、女9)、和子
e)地形図:1/25000「那須岳」

3.記 録 
8月27日
10分前に計算センタ前バス停に出てバスを待つ。定刻6時30分になって財布を忘れたのに気づいて我家に走って帰り、山に登る前から汗を掻いた。15分遅れたが、バスも12分遅れたので余り不評を買わないですんだ。バスは日立市内を走り回りながら参加者を乗せる。小学1年を最年少に子供4人、80歳近い人もあり参加者43名は色々だ。
全員揃ったところでコース計画変更の説明があった。下見したところ、麦飯坂を下った先の2箇所の橋が丸太橋になっており、前日の大雨で増水して流されている恐れもあるので、沼原湿原から麦飯坂コースには入れない。沼原駐車場に行くのは止めて、峠の茶屋駐車場から歩き始めて三斗小屋に入るという。希望者は茶臼岳に登るというが、何度も歩いたことのあるコースになって少しがっかりする。
(峠の茶屋からの広い登山道)
本山を越えて里美、大子、黒羽の道の駅に寄りながら11時20分に那須の峠の茶屋駐車場に着く。駐車場から5分歩いたところの広場で昼食を取って、準備運動をしてから登山開始。夏休み最後の土曜日のこととて、峰の茶屋までの広い登山道を登る間、下ってくる人と絶え間なく出会う。ほとんどスニーカ、ロープウエーで登ってここを下る人が多いように思えた。
30分毎ぐらいに頻繁に休憩をとる。いつもの自分のペースと違うので少し戸惑う。道傍には、シラネニンジン、ウラジロタデ、アキノキリンソウなどが咲き、青空に聳える朝日岳や那須岳を仰ぎ見ることが出来た。
1時間ほどで峰の茶屋避難小屋前に到着して一休み、30人ほどで茶臼岳への登りにかかった。ウラジロタデがいっぱいの登山道を登るうちにだんだん視界が開けてきて、朝日岳・鬼面山の向こうに赤面山、流石山から大倉山の山並みが見え出した。もう少し展望が開けてからパノラマ写真を撮ろうと思っているうちに、急に雲行きが怪しくなってきて、40分で山頂についた時にはほとんど視界ゼロになっていた。残念!。祠の前で証拠写真を撮って早々に下った。火口を一回りして峰の茶屋避難小屋前に着き、三斗小屋温泉への急坂を下る。ザレた登山道をお互いに気をつけながら下った。途中、延命水の冷たい水で喉を潤す。そばに大株のトリカブトが見事な花をつけていた。
(三斗温泉煙草屋)
煙草屋に16時半ごろ着いて、クールダウンの体操をして温泉に入る。この時間、評判の露天風呂は女性専用、和子はそそくさと出かけた。男性専用の時間になるのを待ってはおれず、内湯に飛び込んだ。湯船は3つに別れ、熱い源泉(45℃?)、ぬるい湯(39℃?)、中間湯とあった。皆一度に入ったので芋の子を洗うようだったが、ぬるい湯でゆっくりする。熱い源泉もトライしたが、とても長くは入っておれなかった。
缶ビールが付いた夕食を終えると、早速、2次会が始まった。幹事の配慮で、離れの部屋を会員宿泊用に借り切っていて、気を遣わないで飲むことが出来る。幹事準備や差し入れのアルコールがたっぷりあり、消灯時間の21時近くまで愉快な話に花が咲いた。常北山岳会は厳しい登山技術を磨くのが伝統で、設立以来女人禁制だった。昨年から女性も受け入れることになったが、まだしっくりいかないとの話も聞いた。
部屋は6畳に2夫婦、ゆっくり眠った。
8月28日
朝5時前に起き出してみると、外は小雨模様。展望もないので、露天風呂は諦めてゆっくりとパッキングなどしながら、6時からの朝食を待った。
準備運動をして、7時に三斗小屋を出発する。前日の峰の茶屋へのルートを引き返し、分岐して急坂を下ったところで雨が強くなり、皆で雨具をつけた。色とりどりのカッパの花が咲いた。ここからは難所もないので我家は傘で間に合わせた。沼原湿原からの道との合流点あたりで雨が小止みになり、やっと雨具から開放された。
(ひょうたん池)
姥ケ平への道に入るとリンドウやシラタマノキなど花が多くなり賑やかになった。姥地蔵の前にザックを置いてひょうたん池まで歩いてみたが、茶臼の噴煙が写らないと変哲もない池だった。ここへの木道脇に、ホツツジが綺麗にいっぱい咲いていたのが救いだった。
姥ケ平から急坂を登って牛ケ首に登りつくと、小雨模様に風が強く吹いて寒くなった。展望もないので早々に通り過ぎたいが、ここで20分の休憩指示。煙草屋特製のおにぎりをほおばったりしながら時間を潰す。
ここから殺生石への下りが、今回一番の苦行だった。それほどの急坂ではないのだが、ごろ石を重ねたような道は、足元を見てステップを選びながら歩くので気が疲れる。3年前に歩いたときはそれほど感じなかったのだが、今日はいつまで歩いてもごろ石の道は終わりにならない。飯盛温泉跡を過ぎ、スキー場分岐を過ぎたあたりでやっと普通の登山道になった。広い車道にでて高雄温泉に入ると、新築間もない「おおるりホテル」が見えてきてほっとする。
ここの温泉に入ったが、男30人が入ると洗い場はいっぱい。ゆだるまで温泉の中にいたので、十二分に汗を流した。
ここで待っていたバスに乗り込んで往路を戻り、何本も出されるビールを飲みながら、幹事団の那須の歴史など色々な解説を聞き、道の駅ごとに休憩したが、暗くなる前に日立の街に帰りついた。



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