S101.南会津の山(八総佐倉山・大嵐山)

1.動 機
(909m峰・中央アンテナ峰・右端八総佐倉山)
南会津の舘岩村に八総佐倉山と大嵐山という山がある。八総佐倉山は舘岩のマッターホルンと言われる標高1073mの急峻な岩山、魅力ある山なのに短時間で登頂できるので、会津の山へ登りに行くときのついでの山として毎年計画に入れていた。大嵐山は湯の花温泉奥の標高1635mの会津らしい奥深い山であるとガイドブックにある。下山先生が下見をしながら水戸アルパインの10月例会として一泊二日で計画されたので、紅葉や展望を楽しみに参加した。秋雨前線が居座っていたが大した雨にはならず、楽しく賑やかな山行を楽しむことができた。

2.データ
a)山域:八総佐倉山(1073m)、大嵐山(1635m)、湯ノ倉山(1343m)
b)登山日:2005/10/15(土)小雨後曇、10/16(日)雨後曇
c)コースタイム: 
10月15日: 計算センタ前4:50 = 5:30勝田駅5:40 = 5:55水戸駅 = 9:50佐倉山東登山口10:05 ---- 10:50アンテナのピーク(昼食)11:10 ---- 11:55八総佐倉山12:15 ---- アンテナのピーク手前鞍部 ---- 13:10北登山口 ---- 13:25東登山口13:35 = 14:30キララ289(入浴) 15:30 =16:00よしもとや(泊) 
(八総佐倉山の登山ルート)

10月16日: よしもとや7:20 = 8:10湯の花温泉8:20 ---- 8:40林道終点8:45 ---- 8:55湯の倉山分岐 ---- 10:15湯の倉山合流点10:20 ---- 10:40稜線 ---- 11:25大嵐山(昼食)12:00 ---- 12:40湯の倉山合流点 ---- 13:20湯の倉山13:30 ---- 14:45しらかば広場14:50 =15:00湯の花温泉(入浴)15:50 =水戸= 21:45計算センタ前
(大嵐山の登山ルート)

d)同行者:水戸アルパイン30名(男16女14)、和子
e)地形図:1/25000 「松戸原(南東)」「湯の花(北西)」

3.記 録 
10月15日(土)
朝4時50分、いつもの計算センター前バス停で一番乗りの乗客になる。今日の参加者は総勢32名、久しぶりの大型バスである。東海、勝田、水戸、那珂町で仲間を乗せて美和道の駅で休憩、塩原を抜けてR121の田島道の駅で休憩、R352を走って10時前に国道沿いの井桁のコンビニ駐車場に到着した。この近くには駐車場がないので、下山先生が下見のときに手配しておいたとのこと。なんとなくの小雨模様、雨カッパを身に着けて32名が行列を作って出発した。色とりどりで綺麗だった。
佐倉山の登山口は駐車場のすぐ近くにあり、立派な登山口標識とルートの案内板が立っていた。登山道はのっけから急登である。大きな屏風岩のそばを歩き、さらに登って20分ほどで909mのピークに着いた。急登を登って汗をかき雨もやんできたので、ピークを下ったところでみんな揃ってカッパを脱いだ。やがてなだらかになったが、小さなピークを超えるとまた急登になった。登りきったところがアンテナのピークだった。目の前に急峻な山が立ちはだかっている。佐倉山の山頂はその向こうだという。時刻はまだ11時前だが、早立ちだったのでここで昼食になった。また小雨が降り出し、アンテナ塔の下が格好の雨宿り場所になり半数がこの中に陣取った。半数は外で、小雨を気にせずにおにぎりにぱくつく。
(佐倉山へは急登でした)
やがて雨もやんだのでまたカッパを脱いで下ったが、次のピークへの登りから本格的な急登になった。何箇所にもロープも張ってあったが全部新品だった。下山先生が下見のときに、今日32名を引き連れて来る事を村役場に知らせておいたとのことで、その効果だろうと思われた。岩交じりの急登である。立った姿勢のまま四つん這いだと冗談も出るほどの急登だった。「この先岩場のため、足元に十分注意してください」の看板も立っている。急登のピークはいくつも連なっていた。これを登れば山頂かと思いながら頑張って岩場をこなしてピークに立つと、またその先にピークがある。「今日の山は明日の大嵐山の足ならしだ」とのリーダの話だったが、とんでもない。何度もだまされて、最後の岩場を登りきって12時前にやっと佐倉山の山頂に登り着くことが出来た。
陽の光はなかったが、東に会津駒ケ岳、三岩山、窓明山、北東に七ケ岳から台鞍山の山並み、東遠方に那須連山、南東に荒海山、南西に近くには明日登る大嵐山も大きく見えていた。ゆっくり山名同定をし、集合写真を撮って20分ほどで下山にかかった。
(会津駒ケ岳−三岩山−窓明山)
(荒海山)

急坂の下りは、登り以上に神経を使い、時間もかかり汗もでてきた。全員無事にアンテナのピーク前の鞍部に下りついて、ここから北の尾根への分岐に入ると道は緩やかに歩きやすくなった。道はやがて谷筋になり、キノコの目になる人もあったり、気持ちよく下って森戸近くの車道に出た。この北登山口には標識がなかったので、登りに使うには大変だろう。車道を歩いて上郷小学校を過ぎ井桁の部落に入ると、天狗岩参拝口の鳥居があった。ここから佐倉山に登る道もあるようだ。
今夜の宿舎のよしもと屋は台鞍山の向こうの針生にあり、R401へ出てR289へとバスで1時間以上のドライブだ。よしもと屋の風呂は小さいので、途中「きらら289」の日帰り温泉に入ってゆっくりと汗を流した。 よしもと屋は32名のグループで貸切、ビールとお酒で乾杯して、山菜、キノコ、岩魚、宿自慢の美味しい料理に舌鼓を打った。差し入れの日本酒が残っていたので、4人でちびりちびりやりながら、10時頃まで山談義に花を咲かせた。外では雨が降り出して、トタン屋根を打つ雨音を聞きながらぐっすりと眠った。
10月16日(日)
朝5時過ぎに起きると雨はまだ降っていた。「雨なのでゆっくり出発しようよ」との声も出たが、天気予報は雨のち晴、予定通り6時半朝食、準備出来次第出発となる。たくさん並んだ朝食をいただいて、受け取った弁当の包みが随分と大きい。おにぎり3個にデザートやお茶が付いている。二人で一包みで十分と一つはバスにおいていくことにした。
(滝沢沿いの登山道)
7時20分によしもと屋を出発し、大きな湯の花温泉の案内板が立つ石湯前バス停から8時20分に滝沢林道を歩き始めた。舗装された林道を20分歩いたところから山道らしくなったが、登山道は沢沿いに延びており、ゆっくりとした勾配を気持ちよく登っていった。沢を何度か渡り返し、湯ノ倉山への分岐を過ぎ、沢を右に見送ったあたりから登山道はやや勾配を増してきたが、昨日の足慣らしも利いたのか、みんな快調なペースでどんどん登っていった。まだ紅葉には少し早いが、ところどころにコシアブラやナナカマドの葉が色づいていて目を楽しませてくれた。
湯ノ倉山からの道と合流するあたりから、登山道は谷筋から急勾配の斜面に向かい、尾根に出るまでジグザグに切ってあった。前方に会津駒の雄姿が広がっていることを期待して尾根まで頑張ったが、残念一面雲の中で、何も見えなかった。一本の大きなカエデの木が真っ赤に紅葉した葉を霧の中に浮かび上がらせていた。
(霧に霞む紅葉)
(大嵐山山頂の証拠写真)

ここから山頂まで痩せ尾根や、急な登りもあり、ガイドブックには危険と書いてあるが、昨日の佐倉山のことを思えば何のことはない。全員快調に歩き続けて稜線に出てから45分ほどで山頂に着いたが、残念!周り360°が全部真っ白な世界だった。山頂は細長く広く、皆で思い思いに陣取ってよしもと屋特製の弁当を広げた。食後も証拠写真を撮ったりしながら30分ほど待ったが展望は開けず、集合写真を撮って、12時丁度に下山にかかった。
稜線を引き返し急坂を下って、湯ノ倉山への分岐に入って稜線を歩くと、周りは一面イワウチワの群落に埋め尽くされていた。その季節に登ればさぞかし美しい光景が待っていることだろう。湯ノ倉山から振り返っても大嵐山は雲の中に隠れており、反対方向に大博多山方向の山がかすかに見えていた。ここから登ってきた滝沢林道には向かわず、バスの待つしらかば公園方向に下っていった。はじめのうちは藪っぽい道を歩き、先頭を歩く下山先生はよくも迷わないで進めるものだと感心しながら付いていった。途中から急に手入れされた登山道になり、キノコの目になってビニル袋の中にどんどん収穫していく人が出てきた。水戸アルパインにはキノコ博士も多いが、我家はさっぱりわからないので、キノコは帰りの道の駅で購入することにしてゆっくりと歩いていった。昨日に比べると道はずっと歩きやすい道だったが、距離は2倍も歩いたので結構きつかった。麓に近付いたところに東屋があり、真ん中に大きなスズメバチの巣がぶら下がっていた。近くを数匹飛んでいたので写真も撮らずに退散した。
下山口のしらかば公園からバスに乗り、湯の花温泉の共同浴場で汗を流して元気を取戻した。共同浴場は浴槽が小さいので二組に分かれて入った。我が家が入った湯端の湯は200円也を集金箱に投入して勝手に入るようになっていて、浴槽が村湯、男湯、女湯と分かれていた。熱いお湯がたっぷり流れ込んでいて、芯まで温まることが出来た。
途中田島の道の駅でキノコを買って無料サービスの美味しいキノコ汁をお代わりしながらいただき、馬頭道の駅で夕食をとって、水戸を回って日立に帰ってきたのは夜10時前だった。



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