T52 竜神鯉のぼりと破線の道

1.動 機
62会ハイクの3月例会で、竜神ダムの北側の尾根に上がって410.1mの「高久保」三角点を踏んでふるさと村まで縦走した時、稜線上からダム湖まで下りる破線の道が分かれるところで、「この破線の道が今歩けるかどうか確かめるよう」宿題を仰せつかっていた。5月の連休中は竜神ダムの上に1000匹の鯉のぼりが泳ぐので、これを眺めるのを励みに、この破線の道を歩いてみることにした。破線の道は少し問題はあったが全線破線通りに歩くことが出来、3月例会の時歩いた北尾根の展望台と、去年の年末に寺入沢まで歩いたときに教えてもらった南尾根の展望台と両方から鯉のぼりを眺めることができて、大満足の一日を過ごした。


2.データ
a)山域:高久保三角点(401m)
b)登山日:2006/05/05/04(木)晴
c)コースタイム:
日立自宅 8:45 = 9:25竜神ダム駐車場 9:40 ---- 9:50 登山口 ---- 10:15 北展望台 10:20 ---- 11:15 分岐点 ----(破線の道)---- 12:15 湖岸遊歩道 ---- 12:35 竜神ダム駐車場(昼食) 12:55 ---- 13:10 売店13:15 ---- 13:30 南展望台13:35 ---- 13:45 売店 13:55 ---- 14:05 竜神ダム駐車場 14:15 = 15:00 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000「大中宿(南東)」

3.記 録 
大吊橋の下の竜神ダム駐車場に9時半頃到着した。ここの駐車場には軍隊のようなカーキ色の制服と制帽をつけた係員が数人いて、幸い何台かの空きが残っていて、指示に従ってダム脇に駐車することが出来た。ダムは放流中で、鯉のぼりとの組み合わせが嬉しい。3月と同じく300mほど引き返して、コンクリートの階段から上り始めた。
しばらく登って階段道から左に分かれ、最初の柵で囲まれた展望台に行ってみたが、若葉が茂ってきていて、展望はほとんど利かなかった。次の絶壁上の展望場所に行くと、ここからは、大吊橋と竜神ダムの展望が邪魔するものも無く素晴らしかった。今日は休日、大勢の人が橋を渡っているのがよく見える。ゆっくり展望を堪能し、写真をとってから次に向かった。
(ダム駐車場から見上げる)
(北展望台から見下ろす)
ここで気がついたが、ヘリコプターが頭上をガーガー爆音を轟かせながら旋回していて、うるさくてしょうがない。最初は、観光写真用の撮影隊かと思ったが、いつまでも止まらない。観光客には迷惑な騒音だ。「我家がどこかで事故るのを待っているのかな」など冗談を言い合ったが、遊歩道に下りて観光客に聞いたところ、遊覧飛行をやっているとのことだった。
尾根伝いの登山道は、やがて行く手が崖のような急な斜面に突き当たってはっきりしなくなったが、3月の経験で迷わないで無事痩せ尾根まで下りることができた。我家だけで初めてここに来たのだったら、地形図を睨んでもとても前進は出来ないところだ。
ここからの痩せ尾根には、陽射しのもと、随所に山ツツジが真っ赤に咲いていて目を楽しませてくれた。最後の岩場の急斜面から振り返ると、大吊橋と鯉のぼりが、先ほどの北展望台からとは違った角度でよく見え、シャッタを押した。
(真っ盛りのヤマツツジ)
(尾根から振り返る)
(フデリンドウ)
次のピークを超えた鞍部から、問題の破線の道が分かれている。和子はまだ渋って文句を言っているが、かまわず破線の道に入ると、早速難関が現れた。急斜面にはっきりとしたトラバースの踏み跡がついているのだが、崩れそうな土の急斜面、手で確保する立木も岩もない。土が崩れたら急斜面を何十メートルもまっ逆様に滑り落ちてしまう。一歩一歩確かめながら進む。その途中にフデリンドウが2株花を咲かせていた。危なっかしいが、何とかシャッタを押した。
尾根に着くと、尾根筋にはしっかりとした道が続いていて、時に岩っぽいところがあったりしたが、ほとんどハイキング気分で歩ける。途中に現れた植林への脇道に逃げ込みたい誘惑を排除して、距離で1km、高度で150mほどいくつかのピークを超えながら下った。湖畔近くの小ピークに近づくと、下の遊歩道から人声は聞こえるようになったが、同時にものすごい笹藪になった。踏み跡は残っているので潜り込んで進むと、すぐに遊歩道の上に出た。そこは滝のような湿った崖の上だった。コンクリートの擁壁ではないので何とか下りられると判断し、岩の出っ張りに足をかけながら無事遊歩道に下りることが出来た。これで、今日の目標はほぼ達成できた。いろいろ気を使って疲れたが、気分が良かった。
(最後は藪漕ぎ)
(遊歩道上の崖にでました)
あとは駐車場所まで1.5kmの遊歩道をのんびりと歩いたが、今日は休日、亀ケ淵まで歩くたくさんの家族連れやカップルに出合った。白いタネツケバナ、黄色いヤマブキの花が咲いていて目を楽しませてくれた。
駐車場に戻ってパンの昼食をとり、ダムの堰堤上を渡って対岸の長い階段道を登って売店前まで上がった。階段は300段ぐらいあって、結構きついが、小さな子供がパパママに連れられて元気よく上り下りしていた。広場には随分多くの人がいて、吊橋への入り口に行列を作ったり、鯉のぼりの写真を撮ったり、ソフトクリームを舐めながら休んだり、大変な混雑だった。駐車場の案内人に尋ねると、今日は県道まで、駐車待ちの車が数珠繋ぎになっているという。
去年の年末に教えてもらった南の岩峰上の展望台に登るべく、目星をつけていた売店裏に回ると、入口が板垣とロープで通せんぼされていた。諦める気になれず、垣根の横をすり抜けて通行止めを超えると、登山道に沿って鯉のぼりを釣るワイヤが張ってあった。ワイヤに触って固定金具を壊しでもしたら、鯉のぼりが全部落っこちてしまうのだから通せんぼは当然だった。ワイヤから離れたところを注意して登り、T字路をダム側に進んでみると、そこから鯉のぼりのワイヤが対岸に向かって伸びていた。ここからの眺めも、鯉のぼりが間近に大きく見えて悪くない。
反対側に引き返して少し登っていくと、すぐに絶壁の岩頭の上に出た。直角に切れ落ちた絶壁上は緊張するが、それだけに展望は満点だ。鯉のぼりが泳いでいないのが少し残念だが、いい眺めである。朝歩いた北尾根の稜線や破線の尾根も良く見えていた。
(ロープ固定場から)
(南展望台から)
下りは売店の表側に向かう踏み跡があったのでそちらに向かうと、その踏み跡は売店のところでコンクリの擁壁の上に出た。擁壁の表面がぎざぎざに加工してあるので、滑りにくくはなっているようだが、万一滑ったらどんなにか痛いだろうかと逡巡した。 売店でソフトクリームを買って鯉のぼりをゆっくりと眺めながら一休みした。ダムへの階段道を下ると、多くの人が上り下りしている。小さい子供、太ったおばさん、若いカップル、みんな元気で楽しそうだ。
帰る頃には、ダム側への道にも路側駐車している車が多かった。大吊橋への道には、午後2時になるのに、まだ登っていく車が絶えないようで、駐車場に入る順番を待つ車が県道にまであふれ、県道にも30台ぐらいの行列が出来ていた。



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