T72 雨中の行軍・高松岳

1.動 機
水戸アルパインの7月例会で、「雲上のオアシス虎毛山と高松岳登山」と銘打って前夜発温泉一泊の山行が計画された。計画では、二日目は高松岳から山伏岳まで歩く周回登山の予定だったが、朝から雨が降り出したので、高松岳往復登山に変わった。高松岳への登山道は急坂が多く、その上一日中雨に降られっぱなしだったので、滑らないように気を使い、さながら雨中の耐久登山の様相であった。
(高松岳登山ルート)

2.データ
a)山域:高松岳(1348m)
b)登山日:2006/07/02(日)雨
c)コースタイム:秋の宮温泉 6:30 = 6:40湯の又温泉登山口 ---- 7:10林道終点 ---- 8:00水場 ---- 8:30コル8:35 ---- 9:25高松岳山頂 ---- 9:35 高松岳避難小屋(昼食)10:00 ---- 10:10高松岳山頂 ---- 10:50コル ---- 11:10水場 ---- 11:40林道終点 ---- 12:00湯の又温泉登山口 = 12:10秋の宮温泉(入浴)13:10=15:10古川IC =東北道 =磐越道= 常磐道= 19:30那珂IC= 19:55水戸駅前= 20:40日立電鉄南営業所
d)同行者:水戸アルパイン18名(男8、女10)、和子
e)地形図:1/25000「秋の宮(東部)」

3.記 録 
朝食前に雨が降り始め、高松岳−山伏岳周回ルートの再検討が行われ、多数決で時間の短い高松岳往復登山に変更実施することに決まった。和子は一人不参加の意思表示をしたが、宿で一人で待っているのもつまらないと出発間際に参加することに心変わりした。食事を終えて雨具をつけて、昨日と同じく宿で用意された車に分乗して6時半に出発した。
車で湯の又温泉入口まで送ってもらった。林道はまだ先まで伸びているが、落石があるとの情報があるとかで、今日はここまでだった。色とりどりの雨合羽をつけて、湯の又温泉を下に見ながら林道を歩いていった。何度も立派な橋を渡ったが、それぞれに公募された「ときめき橋」とか「夢と希望の橋」などと気の利いた名前が付いていた。
高松岳は元来岩の山で、岩の上に表土が乗っているだけだという。川底も一枚岩なので、滑滝のようになって綺麗な流れを見せていた。沢を歩くと気持ち良さそうに見えた。
流れは一見綺麗に見えたが、硫黄分が多くて魚は棲まない川だと後で車の運転手から教わった。
30分歩くと林道は登山道らしくなってきたが、ここからも何度も木の橋を渡った。橋の板は雨に濡れて滑りやすく、気をつけながら渡る。全体的に手入れが良かったが、一箇所だけ腐って今にも落下しそうな橋があり、渡る時気持ち悪かった。
この辺の沢は硫黄の匂いがしていたが、これが下流の川に流れていって魚を棲めなくしているらしい。
最後の沢には綺麗な水が流れていて、「水場」の表示があった。今までの沢とは違う水のようなので手で汲んで飲んでみたが、汗をかいて渇いた喉にとても美味しかった。
水場を過ぎると登山道は急にものすごい急登になってきて、みんな汗を流すことになった。
麓の人たちが清掃登山をやりながら手入れされているらしく、登山道は急登なところも足場やロープを張って歩きやすくはなっていた。
要所にはロープを張ってあるが、足元が泥んこになっていて滑りやすいところもあって、みんな苦労した。
尾根に上がってもまだ鼻こすり尾根という急登が続いた。「頑張って!」とか「滑らないように注意!」の看板を脇目に黙々と登っていった。
山頂近くのなだらかな登山道になると、周りに少ないながらも色々な花も現れてきて、雨の中を苦労するみんなを慰めてくれた。
ハクサンシャクナゲ
ゴゼンタチバナ
マルバシモツケ
ウラジロヨウラク
カラマツソウ
ニッコウキスゲ
高松岳山頂の標識は地形図の表示場所より手前にあり、風雨の中、カメラマンが苦労しながら集合写真を撮った。めいめいの証拠写真を撮る人はなく、すぐに歩き始めて最高地点まで登山道を覆う煩い雑木の下をしばらく歩いていった。
山頂地点には虎毛山のものと同じ作りの立派な避難小屋が建っていた。こんな雨の日には本当に有難さを痛感する。麓の人たちがボランテアで手入れされていることもあってか、内部は綺麗になっていて気持ちよかった。
雨のため、途中でもゆっくりとは休憩できなかったので、全員小屋の中に入って、宿が用意してくれたおにぎり弁当を頂きながら休憩した。

休憩中にも雨は止むことはなく、かえって強くもなってきた。下りは登りよりももっと滑りやすいので、草付の中を選んで下っていった。途中、「あーっ、大丈夫か!」の声が飛んで心配したが、一人が枯れ木を踏み抜いてもんどりうって斜面に転がったらしい。幸い大事に至らなかったが、一層慎重に下ることにした。迎えの車の約束もあるので、登山口まで休憩なしで一気に下った。足の調子の悪い人が一人いて、この人と一緒に皆から遅れて5人の最終集団でゆっくりと歩いたので、慌て者の私も一度も尻餅をつかないで歩くことが出来た。
登山口に到着すると、早く着いた人達はすでに迎えの車で出発済だった。湯の又温泉のすぐ下にある展望台まで下って「湯の又大滝」という雄大な滝を眺めてから車に乗って秋の宮温泉まで送ってもらった。
宿で靴を脱いで靴下を絞ると、水が出るほどびしょ濡れになっていた。新調したゴアテックスの登山靴は、今回の耐水試験には不合格であったようだ。次は防水スプレーをしっかり吹き付けて歩いてみよう。
宿の温泉でゆっくりと汗を流して、バスに乗り込んで帰途に付いた。途中のコンビニでビールやさくらんぼなどのお土産を買い込んで、古川ICから高速に乗って鶴巣SA、安達太良SA,中郷PAで休憩しながら茨城に帰ってきた。



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