T73 大真名子山・小真名子山

1.動 機
7月始めから雨続きやお仕事で、水戸アルパインの7月例会で虎毛山と高松岳に登って以来、山には登れないでいた。3週間も山にご無沙汰していると体調も悪く気分が悪くなる。天気予報で久しぶりに雨マークが消えたので、普通なら出かけるほどの好天気ではないのだが、とにかく出かけてみた。行き先は日光の山でまだピークハントが済んでいない大真名子山・小真名子山だったのだが、雨にも降られず、意外に多くの花にも迎えられて嬉しい山行になった。
(大真名子周回登山ルート)

2.データ
a)山域:大真名子山(2375m)、小真名子山(2323m)
b)登山日:2006/07/22(土)曇後晴
c)コースタイム:日立自宅 4:45 = 7:25赤沼車庫7:30=7:45志津峠(朝食)8:10 ---- 10:00大真名子山10:15---- 11:00鷹ノ巣 ---- 11:45小真名子山 (昼食)12:35 ---- 13:15富士見峠 ---- 14:20 馬立分岐14:25 ---- 15:25志津峠15:35 = 16:35やしおの湯(入浴・夕食)17:50= 20:00日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000「日光北部(西部)」

3.記 録 
久しぶりに早起きしたが、空模様は今にも降り出しそうな雲行きだ。天気予報も気になったが、天気が悪くても山行をやめる積りはないのでTVもつけない。朝食も取らずに5時前に我家を出発して日光に向かった。空模様は段々と怪しくなり、いろは坂を登り始める頃には、濃霧で前照灯を点けての走行になった。ところが、泣き言を言い合いながらいろは坂を登り切ると突然視界が開けてきて、女峰山も姿をあらわし、中禅寺湖もすっきりと見えていた。

気分を良くして赤沼車庫まで走って休憩、周りの山の写真を撮った。奥白根方向はまだ雲の中だが、男体山、太郎山その間に今日登る大真名子山と小真名子山が仲良く並んで見えていた。思いがけないお天気に大喜びで花盛りのシモツケソウと一緒に写真に収め志津峠に向かった。

志津峠に着くと先客は意外と少なく6台だけ、安心して駐車した。目の前に迫る大真名子山の急登を眺めながら、ゆっくりと朝食をとって、身支度を整えて歩き始めた。 峠の駐車場のところに道標があり、大真名子山への登山道は笹薮の中に大真名子山に向かってまっすぐ踏跡が伸びていた。昨日までの雨で笹が濡れているので、スパッツを付けないズボンはすぐにびっしょりになった。

しばらくシラビソの林の中の笹の登山道を進むと、多くの石碑が立ち、岩の上には恐ろしげな表情の鬼神がこちらを睨んでいた。立っている名板によるとこれが「八海山神像」らしい。昔の修験道の雰囲気満点である。ここからジグザグの急登が始まった。

針葉樹の間を縫うように急登を黙々と登っていくと、ところどころ視界が開けて、後に男体山が見えてきた。振り返る度に男体山がガスに覆われてくる。いろは坂で遭遇した霧が段々と上に上がってきているように思え、視界が利くうちに山頂に登りたいと気が急いてくる。梯子や鎖が張られた岩場があったりで暑くて汗はかくし、久しぶりの登山で足は重いしで、ゆっくり登るしかない。
それでも、登るにつれて登山道脇には色々な花が見え始めて、気分を慰めてくれた。ハクサンシャクナゲ、マルバシモツケ、コメツツジ、ゴゼンタチバナ、ミヤマニガナ、オトギリソウ、ミヤマダイコンソウなどなどと意外にたくさんの花が咲いていた。


途中の展望台からは男体山と戦場ヶ原がよく見える。ガスではっきりしなかったが社山や奥白根らしい山も見える。ここから5分も登ると千鳥返しの岩場に着く。鎖と鉄梯子が整備されているのでたいしたことはなかった。ここを登りきると小さな祠とその後ろに座王権現の銅像が立つ大真名子山頂だった。ガスで視界が悪いので証拠写真を撮って下りにかかった。

銅像の後から緩傾斜の踏跡に入ると、コメツガの幼木で覆われ、ハクサンシャクナゲの多い下りが続いた。シラビソ(?)の枯れ木が林立して異様な雰囲気もあった。肩から登山道は突然急傾斜になり、目の前に小真名子山や帝釈山がまた姿をあらわした。足場を気遣いながら下りきったところに「鷹ノ巣」の道標が立っていた。女峰山と帝釈山が樹間にわずかに見えていた。

小真名子山への登りは標高差200mほどだが、きつい急登が続いた。ガレかけた登山道はあちこちで脇道が出来ており、10m横を下ってくる単独行の男性を見つけて、今日始めて出合った登山者に嬉しくなって大きな声をかけた。振り返ると、今下ってきたばかりの大真名子山の尾根筋が見え、その向こうに男体山や中禅寺湖が見えていた。

小真名子山頂には山名標が立っているが、南側以外は立ち木に囲まれて展望はあまりよくない。すぐ先の大きな反射板が立つところは展望が素晴らしく、岩があちこちに出ていて座るにも都合いいので、ここで弁当を広げた。ガスの動きが早く、周りの山が見え隠れを繰り返す。

食事しながら現れてくる山の山名同定をゆっくりと楽しんだ。東に帝釈山、女峰山、赤薙山、西に太郎山、南東に広がる戦場ケ原や小田代ケ原の上に奥白根山。日光にも登った山が多くなってきた。太郎山の右手にはガスがなかなか抜けないが、時々、燧岳など尾瀬や会津の山が見え隠れしてやきもきさせた。

小真名子山からの300mの下りはのっけから急坂だった。始めはまだコメツガの幼木もあり、草も生えていたが、しばらくすると全くのガレバになってきた。踏跡はあちらこちらに下っているが、黄色いペンキのマークに従って下った。一歩一歩落石を起こさないように気を使う。和子はここで一番疲れたという。

富士見峠まで降りてほっとしたが、ここからは2時間の長い長い単調な林道歩きが待っていた。去年、女峰山から下ってきた時もうんざりしながら歩いたのを思い出し、愚痴りあいながら歩いた。車止めのところで女峰の下見に来たという矢板のご夫婦に出合って、山の話に花を咲かせながら歩くと志津峠までがとっても近かった。賑やかなのはいいことだ。
志津峠で車に乗り、やしおの湯まで降りて汗を流し、ついでに夕食をとってから、今日の好天の幸せを話し合いながら我家までゆっくりとドライブした。




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