T101 台風にたたられた焼石岳

1.動 機
水戸アルパインの10月例会は焼石岳縦走と栗駒山だった。焼石岳には2年前の花の時期に尿前から往復登山をしたことがあったが(夫婦二人の山歩きNo.66)、今回は秋田側から登って金明水避難小屋に一泊して夏油温泉まで縦走する計画だった。歩いていないルートでもあり楽しみにして参加したが、出発直前に茨城に接近した台風16号から変わった熱低が東北沖で停滞してしまった。先ず、大雨のため秋田側からの沢道を敬遠して尿前から登ることになり、途中の銀明水避難小屋で一泊した。次の日も強風は収まらず山頂まで登るのも諦めて、そのまま引き返してつぶ沼に下りることになった。避難小屋での賑やかな夕食や、下山時に収穫した大量のキノコで作られた美味しいお汁が嬉しい山行だった。
(計画ルートと実行ルート)

2.データ
a)山域:焼石岳(1548m)、栗駒山(1627m)
b)登山日:2006/10/6(金)〜 10/9(月)
c)日程:
10/6(金):日立電鉄南営業所=水戸駅 =那珂IC =
10/7(土): = 水沢IC = 水沢駅 =(マイクロバス)= 中沼登山口 ---- 銀明水避難小屋(泊)
10/8(日): 銀明水避難小屋 ---- つぶ沼登山口 = 北上西IC = 一関IC = 須川温泉(泊)
10/9(月):須川温泉----栗駒山----いわかがみ平=(シャトルバス)=いこいの村=若柳金成IC=那珂IC=水戸駅=日立電鉄南営業所
d)同行者:水戸アルパイン会員(男性11名、女性9名)、和子
e)地形図:1/25000「焼石岳」「栗駒山」

3.記 録 
10月6、7日風雨:夜行バス
10/6(金)日立電鉄南営業所 19:55 = 21:30水戸駅 = 22:30那珂IC = 10/7(土) 水沢IC = コンビニ(朝食)= 6:10水沢駅6:25 =(マイクロバス)= 7:30中沼登山口

丁度台風16号が熱低に変わって茨城沖を通過、午前中いわきの学校の講義から帰宅途中、強風のためJRがストップし、3時間車中で待ったが動かず、バスに乗り換えて帰宅した。家に帰ると、カーポートの屋根はガタガタと鳴り、スチール物置もぐらぐら揺れていて、和子が一人で気をもんでいた。このお天気ではもしや山行は中止になるかと電話がなるたび期待したが、結局、19時から夕食を食べて南営業所に車を走らせた。
バスは定刻に出発したが、途中の道が混んでいて、段々と遅れが増して、最後の那珂町では予定よりも40分も遅れた。強風と雨の中で待っていた仲間は大変だった。土浦に出勤していた一人がJR不通の影響で参加できなくなり、22名を乗せたバスは夜10時半過ぎに那珂ICから常磐道に乗った。避難小屋での食事の材料や行動食、鍋とバーナ、万一のためのテントなどが配られて、それぞれ体力に応じて分担分をリュックに入れた。「山頂での強風が心配なので、山頂を通過しなければ小屋に入れない秋田側からの入山は止めにして、岩手側の尿前林道奥から登る。状況が良ければ山頂を越えて金明水小屋まで入るが、風が収まらなければ山頂前の銀明水小屋に泊まることにする。」と計画変更の説明があった。
中郷SAで休憩し安達太良SAでも休憩したのをおぼろに覚えているが、目覚めた時にはバスは水沢駅近くのコンビニ前に着いていた。ここで朝食を取って時間調整をした。尿前林道は大型バスが入れないので、水沢駅前で土地のマイクロバスに乗り換えて登山口に向かった。巨大なダム湖が出来つつある胆沢ダムの建設現場までは広い道を快適に走ったが。ここから林道に入ると未舗装の狭いガタガタ道になった。1時間ほどで広い駐車場のある登山口に着いたが、途中で対向車が来た時は、一方が大きく後退しなければならないので大変だった。

10月7日 雨一時曇:銀明水避難小屋まで
10/7(土):中沼登山口7:40 ---- 8:30中沼 ---- 9:00上沼 ---- 10:00 銀明水避難小屋(泊)

中沼登山口で一緒になった土地の男性は、月に数度焼石に登っているということだが長靴姿。「雨続きなので、この登山道も沢みたいになっているよ。」とおっしゃる。嫌なご教示。
(水に浸かった登山道)
(中沼の紅葉は綺麗だった)
雨具を付けて登山道に入ると、はじめから水溜りの中を歩かされる。やがて木道になったが、ところどころ水溜りに沈んで道脇の土手を歩かされる。丸太の階段道を過ぎて谷筋の道になると、言葉通りに沢登りの様相だった。お化けになったミズバショウの葉っぱやリュウキンカの葉を横に見ながら1時間ばかり石伝いに登ると中沼に着いた。
2年前には沼の向こうには焼石の稜線が見え、湖面に逆さ焼石も見えていたが、今日は周りの木立は紅葉真っ盛りだが、上部は雲の中、湖面も波立っている。水位も上がっていて湖畔の道も一部沈んでいていた。再び30分登って上沼、更に1時間登って銀明水に着いた。少し高みに上がったところに銀明水の避難小屋はあった。
(避難小屋から山頂を仰ぐ)
(肉鍋の準備)
昼食のおにぎりをほおばっている内に少し空が明るんできて、外に出ると黄葉した山頂の稜線が綺麗に見えていた。期待させたが、すぐにまた雲の中に隠れていった。
くだんの男性が登り道で収穫したキノコを使ってキノコ汁を作ってくれて、みんなに振舞ってくれた。我がグループも夕食の準備が始まった。分担して持ち上げた道具と材料で、お肉たっぷりの肉鍋が出来上がった。熱湯でもどしたα米と暖かいお汁で美味しい夕食だった。食後は何もすることがない。6時にはみんなシュラフに潜り込んだ。外では、夜中中雨が屋根を打ち、風が木立を抜ける音が唸っていた。

10月8日 雨後曇:銀明水避難小屋から下山、須川温泉までドライブ
銀明水避難小屋8:00 ---- 8:30 中沼分岐 ---- 10:15金山沢分岐 ---- 11:20つぶ沼登山口12:00 = 12:40 瀬美温泉入口(昼食)13:15 = 13:40北上西IC =13:55前沢SA 14:15 = 14:25一関IC = (スーパ) = 17:00須川温泉(泊)

風が弱まれば山頂に登って夏油温泉まで縦走する予定なので4時に起床し、用意された野菜サラダと配布のインスタントスープとフランスパンの朝食を取って5時出発の準備をした。予定の時刻になっても外の天気が良くならないので夏油温泉は諦めて、もう少し待って風が収まれば空身で山頂までピストンすることになって、しばらく様子見をした。雨がやんだと喜んで、サブザックを担いでいざ出かけようとみんな揃って玄関に出るとまた雨が強くなり、山頂までのピストンも取りやめになった。やむなくここから撤退することになり、大型バスでも入ることが出来る「つぶ沼」登山口に下りる事になった。
(沢になった登山道を高巻き)
(流れの中の石を踏んで)
8時になって雨の中の下山が始まった。昨日の道を30分ほど引き返すと、つぶ沼ルートへの分岐に入った。昨日の中沼ルートよりも緩やかだが、水溜りは多かった。登山道脇に、ナラタケやブナハリダケなどのキノコがたくさん見つかった。私には手も出せないがプロ並みの鑑定眼を持つ人が多いので、次々に収穫されてビニル袋が次々いっぱいになった。
(ナラタケ)
(ブナハリタケ)
渡渉したり泥濘を渡ったり3時間歩いてつぶ沼登山口の駐車場に着くと、電話で連絡しておいたバスが待っていた。雨でずぶ濡れの雨具や泥んこの登山靴を洗って、バスに乗った。昼食は夏油温泉に予約してあったので、それを受け取りに県道37号を北上して夏油温泉への分岐のところで待った。受け取った弁当を早速開いてぱくついた。おなかが空いていたのもあってなかなかの美味だった
(さんさ踊り)
(虹)
食後高速に乗って前沢SAで休憩したが、丁度お祭り中。美しい女性と可愛い子供とのさんさ踊りを楽しんだり、名物の麩のお汁やうどんの試食を頂いたり、アンケートに答えてペットボトルを貰ったり存分に楽しんだ。一関ICで一般道に下りると、今度は綺麗な虹が迎えてくれた。
収穫したキノコでキノコ汁を作ろうと、スーパに立ち寄って、ねぎや茄子、豆腐などの材料やアルコールを仕入れた。
須川温泉へのR342は国道だが、真湯温泉を過ぎると九十九折の狭い道になり、大型バスは対向車がくると大変だ。日立電鉄の運転手は狭い道も慣れているようで平気だったが、すぐ前をいくバスはあまり上手でなく、何度も停滞して後に長い車の行列を作ってしまった。
(キノコの選別をするプロ達)
(鍋の準備も忙しい)
17時に須川温泉のホテルに着いて、自炊室を借りてキノコ汁の準備が始まった。プロが安全なキノコの確認と選別をし、女性陣がそれをつかってお汁を作ってくれた。お邪魔をしながら、名前や特徴を教えて貰ったが、間違えたら命取りなので、やはり一人でのキノコ狩はとても無理である。
ホテルの風呂は気持ちの良い温泉だ。一度入って汗を流して気持ちよくなってから、ホテルの豪華な夕食で宴会をし、その後部屋で美味しいキノコ汁をいただきながら2次会を楽しんだ。



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