T113 奥竜神峡の上流遡上

1.動 機
竜神峡の中武生から上武生までの沢登りである。亀ケ淵から中武生までは2度歩いたことがあり、水戸アルパインの仲間とも一昨年4月に歩いた。中武生から上の部分は今年4月に計画されて楽しみにしていたが、雨続きで沢の水が多くなりすぎて中止された。今回はじめて歩くルートだったが、崖のへつりや厳しい高巻の連続で、しかも歩く人が稀らしく確保する手がかりが殆どなくて緊張の連続だった。指導標は全くないコースで、今回のリーダ75歳のIdさんが一人で下見してコースを確認してから案内されたものだが、お元気さにも驚くが、一人での下見の苦労のほどは計り知れない。

2.データ
a)山域:奥竜神渓谷
b)登山日:2006/11/26(日)曇
c)コースタイム:日立自宅7:10 = 7:40常陸太田8:00 = 8:50中武生一軒家9:15 ---- 10:00竜神峡出合10:10 ---- 13:00ピーク13:10 ---- 14:30 伝六淵 14:40 ---- 15:20武生林道15:40 = 15:50中武生一軒家16:00 = 16:50常陸太田17:00 = 17:30日立自宅
d)同行者:水戸アルパイン(男性7、女性2)、和子は不参加
e)地形図:1/25000「大中宿」
(奥竜神上流部沢登りの歩行軌跡)

3.山行記録 
「沢に転落して全身ずぶ濡れになることを覚悟して、着替えをビニル袋でパックして持参のこと」との注意書きの付いた募集要項におそれをなして、今回の参加者は10名。バスではなくて自家用車2台を使ってのアクセスだった。常陸太田で拾って貰って武生林道の中武生の一軒家のところまで運んでもらった。車と運転者は更に歩行終点の上武生まで入って、一台をデポして帰ってきた。一軒家はIdさんのお知り合い、入口に駐車させていただいて歩き始めた。
駐車場所から武生林道を少し北に歩いたところから左に下る分岐があった。一昨年、亀ケ淵から竜神峡の沢登りをした時に登って来たところだ。竜神峡の流れまで山道や小沢を真っ盛りの紅葉を眺めながら高度差200mを下った。
竜神峡まで下りると、幸いにも流れの水量は少ない。それでも沢のところどころは深い淵になっていて、今回履いた長靴でも水中歩行は無理だった。早速、崖淵のへつりが始まったが、手がかりがほとんどなく、足元の石のわずかな出っ張りだけが頼りのトラバースが始まった。落ちたらずぶ濡れだ。みんな緊張して歩いていった。
崖のへつりも無理なところは崖を攀じ登って高巻くことになる。登ったらそれだけ下らなければならない。リーダは要所にはロープを張って安全を図ってくれた。
高巻きを無事済ませてせると、しばらく河床を歩くことが出来たが、間もなく大岩の乗り越えが現れ、やがてまた行き止まりになる。何度も高巻を繰り返したので、ナビ図の軌跡は重なり合って真っ黒になってしまった。
岩の乗り越え、高巻きを何度も繰り返し、今回の登山は脚力だけでなく、腕力も随分と使ったので、帰宅後腕にも筋肉痛が残っていた。
上流になると浅瀬が多くなって、長靴で歩けるようになった。10m上の斜面まで登ったり、崖に必死でしがみついている仲間を横に見ながら、沢の中をザブザブとショートカットするのは気分良かった。気分を良くし過ぎて深みに足を入れてしまい、長靴の中に水を入れてしまった。登山靴の皆さんは注意深く歩いたので、靴下を濡らした人は殆どいなかった。
最後の高巻きは高度差50m、崖や滑りやすい急坂を汗を絞られながら必死で登った。本日初めてで最後の展望の良いピークに登りついた。ピークからは周りの山々が紅葉真っ盛り、本日唯一の登山に満足いっぱいになり、しばらく疲れを忘れて展望を楽しんだ。
急坂を潅木や笹を頼りに滑るように下って、また沢筋を歩いた。それでも、まだ難所は残っていて、崖をへつったり涸れた丸太をおそるおそる渡るところもあった。
崖や高巻から開放されてやっとゆとりが出来、周りの紅葉を楽しみながら河床を歩いて行って、鉱泉跡だというところに着いた。石垣と大きな鉄釜のある廃墟を過ぎると、すぐに綺麗な滝が流れる伝六淵についた。竜神川源流の持方まではまだ先は長いが、今日はここまで。一人も怪我することなく、ここまでたどり着いたことを喜び合って集合写真を撮ったが、一番ほっとしたのはリーダのIdさんだったろう。感謝、感謝。
渡渉を2度して、40分ほど登り下りながら武生林道まで登り返し、半分の人はデポした車で中武生まで送って貰う。残りは林道をぶらぶら歩いて、引き返してきた車に乗せて貰った。



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