U11 亥年の初登山
(白猪森・木幡山と羽山)

1.動 機
今年も新年の間は孫のお泊りがあって賑やかだったが、帰って行ってしまうと淋しくなり、しきりに山が恋しくなる。今年は亥年、初登りには“猪”のついた山が良かろうと考え、日立に近い猪の山を探すと、福島県の二本松市に白猪森という714mの山が見つかった。いかに縁起の山とはいえ、わざわざ福島まで出かけて、この低山一つでは時間もガソリンも勿体無い。近くの展望のいい口太山(843m)にも登る積りで出かけたが、登山口への林道が凍結していて、スノータイヤもスリップして進めなくなり退散。近くの国道沿いに木幡山(666m)の看板を見つけて登山口の隠津島神社まで行くと羽山(613m)の看板があって、この二つの山にも登ってきた。

2.データ
a)山域:白猪山(714m)、木幡山(666m)、羽山(613m)
b)登山日:2007/01/05(木)晴
c)コースタイム:日立自宅 7:40 = 8:10 日立北IC = 8:55 小野IC = 9:50 北戸沢小学校裏 10:10 ---- 10:55 白猪森 11:05 ---- 11:35 北戸沢小学校裏 11:45 = 12:00 林道笹ノ田大沢線 = 12:10 木幡山分岐 = 12:20 隠津島神社P(昼食)13:10 ---- 13:35本堂 ---- 13:50 経塚山 13:55 ---- 14:10 木幡山 14:15 ---- 14:30 羽山 14:40 ---- 14:50 羽山神社 14:55 ---- 15:40 隠津島神社P 15:50 = 17:05 小野IC = 17:55 日立北IC = 18:30 日立自宅
(登った山の位置”ガイドブックにほんまつ”より)
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000「川俣」

3.山行記録 
ナビで白猪森までの最短距離で検索すると、日立北ICで高速に乗って小野ICで下りるETC通勤割引になるコースを推奨してくれた。8時前に我家を出発して指示通りに走って、R349沿いの“道の駅ふくしま東和”で休憩した。ここで貰った観光地図「ガイドブックにほんまつ」があとで大いに役立った。

(麓から白猪山を見上げる)

道の駅の先で国道から右の地方道に入ると、目の前に白猪森が見えてきた。なかなか格好が良くて登頂欲を掻き立てる。北戸沢小学校に着くと、林道のような道が山のほうに登っており、これを更に走って駐車場所を探した。広くなったところに駐車して身支度していると、近くの家からご夫婦が現れたので、登山道を尋ねた。「今年はこの山に登りに来る人が多い。昨日も原ノ町の団体を案内して登ったばかりだ。車でも走れるが、この道を登っていくと、「白猪山」の道標がある。昨日歩いたばかりだから、そこからも踏跡が残っていて分かると思うよ。」と教えていただいた。

(白猪山への案内板)

広い道を登っていくと「北戸沢小学校PTA分収林」の看板があり、このあたりの植林が学校の教育に使われていると書いてあった。20分足らずで「白猪森山頂」への立札のところに着き、ここから山の手に軟らかい雪の中に踏跡が登っていた。
少し登ると視界が開け、すぐ目の前に羽山(麓山)が大きく見えており、その左肩に日山、右に移ケ岳がピラミダカルな姿で控え、更に右手はるかに、二股山と那須連峰も見えていた。登ったことのある山が見えると嬉しいものだ。
(白猪山中腹からの展望:手前は麓山、左日山、右移ケ岳)

(白猪山山頂にて)

雑木からまた檜の植林に入ると、枝打ちをした枝が散乱していて歩きにくかったが、50m格闘すると歩きやすくなり、歩き始めて45分で山頂に着いた。山頂には白猪森の色紙をビニルで包んだ間に合わせの山頂標が松の木に巻きつけてあり、三角点の前にはお神酒とみかん、お餅が供えてあった。亥年の応急処理と思われた。周りは立ち木で遮られていたが、樹間から次に登る積りの口太山が見えていたが、証拠写真を撮って直ぐに下山にかかった。

(R349沿いの口太山案内板)

車に戻って口太山に向かった。南面の夏無沼から登るのが雪が少ないだろうと思い、口太山トンネルの手前から広い林道笹ノ田大沢線に入った。高度が増すに従い段々と雪が多くなってきた。やがて踏み固められてテカテカに光りだして、スノータイヤも滑って空回りをはじめ、前進不能になった。この先を歩いて登ることも考えられたが、状況確認のため車から降りたときに凍った雪面に足を取られて、その気もなくなってしまった。何とかUターンしてそろそろと走って、無事国道まで出たときには心底ほっとした。

(R349からの木幡山)

口太山は諦めて、代わりにR349を車で北上中に見えていた木幡山に登ることにした。ガイドブックによると、古い経塚があったりして、隠津島神社とともに歴史のある山のようであった。

(R349沿いの木幡山案内板)

国道沿いに「木幡山、隠津島神社」の立札があり、ここから西側の道に別れ、直ぐに林道に入った。こちらの林道にも雪が残って凍っていたが、坂が緩やかなので助かった。
峠に隠津島神社の立派な駐車場があり、トイレや水場もあったので、ここでバーナを出してラーメンと餅の鍋を作って暖かい昼食を取った。
駐車場には4つの看板があり、隠津島神社の案内図、木幡山三十三観音の一覧表、木幡山の案内図、それに羽山へのコース図だった。ここに羽山があるとは初めて知った。来合わせた青年二人に羽山までの道のりを聞くと「1,2時間と聞いたことがあるが、今時止めといた方が良いよ。」と年寄りを気遣ってくれた。
(羽山ハイキングルート図)
神社の石段を登って行くと東屋があり、東の展望が開けていた。その上に階段の分かれ道があり、青年からは「脇道には入るなよ」と言われていたが、「展望台へ」の道標があったので登ってみた。安達太良連峰から吾妻連峰まで雪を頂いた山並みが並んで綺麗だった。
(隠津島神社展望台からの安達太良・吾妻連峰の展望)

(木幡の大杉)

しばらく展望を楽しんでから更に登ると、門神社の古びた堂宇があり、その脇に大きな杉の木が立っていた。「昭和18年天然記念物指定、木幡の大杉」と掘り込んだ立派な石柱が立っており、胴回り16m、樹齢800年の古木であった。

(隠津島神社の三重の塔)

いくつかの古びた石碑を見ながら、そのまま進むと本道と合流し、社務所下を過ぎたところに三重の塔が立っていた。平安時代の創建という立派な建物で、明治時代に改修されたとあるが、福島県重要文化財とあった。
三重の塔からまた石段になり、その上に本堂があったが、これまた立派な建物で、屋根下に色々な彫刻がされていた。縁起書によると奈良時代(770年)とあった。
本堂の左の道を行くと、三十三観音のいくつかと、4つのお堂が道沿いに並んでいた。歴史の長さを感じさせる境内であった。

(経塚山入口の石柱群)

経塚の道標があり、ここからは山道になった。登山道は広く、よく歩かれているようで踏み固められた雪が凍っていて少々危ない。途中からアイゼンをつけた。
本堂から15分で経塚山に着いた。入口に花崗岩の石柱が数本たち、山頂には経塚の土饅頭が6基一列に並んでいた。12世紀のものと推定され、出土品のいくつかは奈良の国立博物館に展示されているという。
更に15分歩いて最高峰木幡山666mに到着したが、木立で展望は薄かった。山名標に羽山まで500mとあったので、証拠写真を撮ってから足を延ばしてみる事にした。
一度急坂を100m下ってから登り返して15分で羽山山頂に着いた。地形図では標高613mとなっているが、山名板には607mとなっていた。山頂からは安達太良、吾妻の眺めがよく、蔵王まで何とか見えそうなのでタラボの林を掻き分けてシャッタを押した。
(木幡山山頂にて)
(羽山山頂にて)
羽山山頂の案内板には羽山神社まで200mとあったので、更に歩く気になった。少し下った肩のところから蔵王までの展望が見事に広がっていた。ここには羽山神社の小さな祠があり、反対側の登山口まで20分の立札があった。
(羽山神社からは蔵王連峰も見えていた)
解けた雪が凍らないうちに帰りたいと急いで神社の駐車場まで引き返し、林道は青年が安全だよと教えてくれた来た道と反対方向に車を走らせ、東和支所のところでR349に出て、後は朝と同じ道を走って夕方18時30分に無事我家に帰ってきた。



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