U12 八溝山から猪集へ

1.動 機
テレビ報道で八溝山の近くに猪集(ししあつまり)というピークがあると知り、地形図を調べると、八溝山の北東稜線上に破線の道に沿って猪集の文字があった。どのピークが猪集という山かは分からなかったが、車道からは5kmと随分入るし、藪山ではないかと敬遠していた。下山先生が亥年の山としてここへ行くとの話しが入ったので、先生の案内なら安心だとついて歩いてきた。当初は、入山まで車で入る予定だったが、林道の路面の凍結を心配して八溝山から歩き始めたので、往復15kmのロングコースになった。それでも尾根通しの道は起伏が緩やかで、良く整備もされていたので快適な新春ハイキングを楽しむことができた。

2.データ
a)山域:八溝山(1022m)、鬼ケ煩(870m)、猪集(701m)
b)登山日:2007/01/10(水)晴時々曇
c)コースタイム:日立自宅 7:15 = 8:25 大子道の駅 8:35 = 9:20 八溝山頂駐車場 9:30 ---- 9:50 A茗荷分岐 ---- 10:20 B大梅分岐 ---- 11:05 鬼ケ煩 11:20 ---- 12:25 猪集(昼食)13:00 ---- 13:55 C鬼ケ煩分岐 ---- 15:20 八溝山頂駐車場 15:55 = 16:30 大子道の駅 16:40 = 17:50 日立自宅
(猪集の位置と歩行ルート)
d)同行者:下山、和子
e)地形図:1/25000「八溝山」

3.山行記録 
久しぶりに早起きして待合わせ場所の大子道の駅に着くと、下山先生はすでに到着済みだった。道を話し合って出発し、蛇穴から入って八溝山頂に向かってくねくね道を登っていくと、ところどころ雪が残って凍結している。山頂まで慎重に登ったが、ここから入山までの北面の道は相当な積雪だろうと予想され、山頂に車を置いて、ここから歩き始めることになった。歩程は往復5kmほど長くなるが暗くはならないと判断した。
歩き始めた高笹山への登山道は、冬でも歩く人が多いらしく雪を踏んだ足跡が多い。高く成長した霜柱が凍っていて、時に崩れてブスブスと崩れて少々歩きにくい。この霜柱が解ける頃は泥んこで大変だろう。落葉した雑木林の中を上り下りしながら、お日様を受けて茗荷の分岐まで下った。いつもはここから高笹山方向に歩くのだが、今日は初めて矢祭町方向に曲がった。
(山頂付近の霜柱の立つ登山道)
(茗荷分岐で矢祭方向に曲がる)

(林道から大梅への別れ)

入山の手前で、左手の林道に出てこれを歩いた。林道を700mほど歩いたが雪や凍結は予想したほどではなく、車で来ても大丈夫そうだった。左手に分岐があり、道標に「大梅八溝嶺神社登山口へ12km」とあった。地形図の破線の道であり、これに入った。道は稜線の南側斜面を辿っており、広くてなだらかな道で気持ちよく歩けた。直ぐ下に山頂から佐々草への林道が走っており、時折車も通った。向かいの八溝山から高笹山への稜線を眺めながら、お日様を受けて一休みした。

(三角点鬼ケ煩)

道が稜線に上がると尾根通しの道と左に下る道と二手に別れた。迷わず稜線の道を選んだが、猪集や大梅へ行くには、帰りに歩いた左の方が整備された歩きやすい道だった。この先で、右に分かれて869.8mの三角点峰鬼ケ煩に立ち寄った。他にもここまで歩いてくる気まぐれな人もいるようで、雪を踏んだ足跡はたくさん残っており、足跡はさらに大笹山方向へも伸びていた。山頂は広く、樹間からだが、大笹山や高笹山が眺められ気持ちの良いところだった。ゆっくり休んでから、少し来た道を引き返して次の猪集に向かって稜線を進んだ。
稜線上の道をツツジの枝に悩まされながら歩き、途中右の南面に踏跡を見つけてこれに入ったが、その先で急斜面をトラバースすることになり、危なっかしいのでまた稜線まで攀じ登り返した。738m峰の手前で、左下に広い登山道を見つけてこれに下りたが、下りるところの斜面にはイワウチワの葉が足の踏場もないほど群生していた。春に来れば見事だろう。続く登山道は広くてなだらかな道であり、気分良く歩いた。

(猪集の手書き名板を持って)

先生の調査によると、国土地理院では701.3mの三角点に猪集の名前を付けているとのこと。地形図に猪集と書いてあるところもかまわず過ぎて、三角点峰の直下に来ると笹の中に踏跡が登っていた。ここを上がると直ぐに三角点の標石が見つかった。目的地に到着したので、弁当を出して昼休みにした。周りの木が数本伐採されてはいるが、三角点標石以外に山名板など猪集を示すものは何もなく、ここで亥年の縁起を担ぐ人は少ないようだった。手書きの山名板を作って、これを持って証拠写真を撮って帰途についた。

(奥久慈男体山)

帰りは738m峰の先でも尾根に戻ることはせず、そのまま広い登山道を快適に歩いた。15時半前に八溝山頂に戻り、100円払って展望台に登って360°の展望を楽しんだ。残念ながら那須や安達太良の雪山は雲に隠れていたが、南東に奥久慈男体山、北に大滝根山、蓬田岳、日山などの阿武隈の山々が綺麗に見えていた。展望台には東京から来た、茨城の山にも良く来るという若者がいて、色々と話が弾んだ。
(福島の阿武隈山群)
若者を乗せて下る下山車と山頂でお別れし、大子道の駅で小休止して18時前に我が家に無事帰ってきた。
今回の山行は15kmと距離は長かったが、アップダウンが少なく、意外に道も整備されていて、気持ちの良いハイキングになった。特に、地形図の八溝山から大梅への破線の道は今でも良く歩かれているようで歩きやすかった。猪集だけを目標にするなら、八溝嶺神社がある大梅から登ってみるのも面白そうだった。



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