U13 越前岳(富士山を間近に展望)

1.動 機
越前岳は富士山のすぐ南にある愛鷹山塊の最高峰で、富士山を15kmの近距離から眺めることが出来る富士展望の山である。水戸アルパインでは毎年1月に富士展望の山行を行うのが慣わしだが、今までは毎年北から眺めてきたので、今年は趣向を変えて南側から眺めてみようと計画された。1週間前からの天気予報ではこの日だけが雨の予報になっていてヤキモキさせられたが、直前に予報が少し好転したので、諦めと期待半々で参加した。実際には富士山が見えたり隠れたりし、見えるときは全身を現し、みんなで大騒ぎしながらシャッターチャンスを待つ楽しい山旅になった。

2.データ
a)山域:越前岳(1504m)
b)登山日:2007/01/21(日)曇時々晴、前夜発
c)コースタイム:日立電鉄南営業所 20日20:40 = 21:50 水戸IC = 22:35 守谷SA 22:45 = 21日0:40 足柄SA 6:30 = 裾野IC = 7:00 愛鷹登山口 ---- 7:15 山神社駐車場 7:30 ---- 8:10 愛鷹山荘 8:15 ---- 8:25 富士見峠 ---- 8:55 鋸岳展望台 9:05 ---- 8:15富士見台 8:15 ---- 11:05 越前岳(昼食)11:30 ---- 12:00 展望所 12:05 ---- 12:40 馬の背12:50 ---- 13:10十里木展望台 ---- 13:20 十里木高原駐車場 13:30 = 13:50 ヘルシーパーク裾野(入浴)14:50 = 裾野IC = 16:15 海老名SA 16:25 = 18:30 水戸IC = 19:15 日立電鉄南営業所
(富士展望の越前岳歩行ルート)
d)同行者:水戸アルパイン会員16名(男10、女6)、和子は不参加
e)地形図:1/25000「愛鷹山」

3.山行記録 
前日夜22時40分日立電鉄南営業所発のバスに乗り、東海、勝田、水戸と同行者16名が乗り込み、おなじみの顔が揃い、今年もよろしくの挨拶を交わした。バスは定員44名の大型なのでゆったりと座席を取ることが出来た。天気予報は若干好ましい方向に変わってきたとはいえ、「越前岳まで出かけて、富士山が見えなかったらどうするかね」と顔つきは明るくない。
守谷SAで小休止して22時45分に発車して、ぐっすりと眠り込んだところで皆さんの動きに起こされた。時刻は0時40分、足柄SAに着いたのだった。再び眠りについて、朝5時30分に起きだし、朝食をとって山支度を整えてから6時30分に発車した。

(定番のグッパー体操)

裾野ICで高速を下りて日本ランド方向に走ると、左手の車窓に大きな富士山が見えてきて歓声を上げた。これから登る越前岳は雲に隠れているが、ここで大きな富士山を見たから今日はもう満足の雰囲気。杉林の中の道になり、愛鷹山登山口に停車してここで下車した。ここは狭かったので直ぐに歩き始めて林道をしばらく歩くと山神社の広い駐車場に着いた。駐車している車は1台だけ、ここで準備運動をして山登りが始まった。
鳥居を潜って植林の中を登りはじめると暑くなってきて一枚脱いだ。やがて雑木の森になり、すぐに小さな愛鷹山荘に着いた。定員6名の本当に小さな小屋で、銀明水という水場があった。一休みして急勾配を頑張ると黒岳との分岐点の富士見峠に着いたが、向かいに見えるはずの富士山の姿は見えない。やっぱりなとは思うが、「そのうちに見えることもあるだろう」と励ましあって先へ進んだ。ダンダンと自衛隊演習場からの砲声が盛んに聞こえていた。


鋸山展望台に着いたが、こちら側もガスっていて鋸岳も雲の中だった。ここで一休みしている間に、樹間から富士の白い頂が時々姿を現しているのが伺えた。時間も短く、枝も邪魔するので写真にはならない。
登るに従い、富士が姿を現す頻度も増えてきてみんなを喜ばせ、反対側に綺麗に樹氷をつけた鋸岳も姿を現した。


やがて急登になると、登山道は凍った雪道になり、富士山が見えても脇見をするゆとりがなくなってきた。それでも、木立が途絶えた所でタイミングよく富士山が姿を現すと、入れ替わり立ち代りシャッタを押した。
富士見台では全身を現した富士山をバックに集合写真を撮ったが、まだ雲は流れてきてしょっちゅう富士を隠すので、整列してカメラを構えてもシャッタを押すタイミングを待つ間が長く、カメラマンも写される皆も我慢を強いられた。待つ間に色々な冗談が飛び交うのが、和気藹々の雰囲気を作って面白かった。
ここでアイゼンを着けたが、アイゼンの威力は凄く、越前岳山頂まで快調に登った。もっと早く着ければ良かったなと皆の感想だった。越前岳山頂に近付くと近くの木々には樹氷が付いてきらきらと光って美しかった。
山頂に上がると向かいに太平洋が見えており、南アルプスの峰峰が雲の上に白く輝いていた。北岳は雲の中だったが、登りたい塩見岳から荒川三山、赤石岳、去年歩いた聖岳から上河内岳、光岳までずらーと見えていて嬉しい。山頂には真新しい山名板が立っていて、富士山と合わせて証拠写真を撮った。ここで昼食になったが、雪が解けで泥んこになっており、立ったままでパンをかじった。
(南アルプスのパノラマ展望)
下山は十里木登山口に向かって下りたが、こちらは急坂の連続で登るにはきつそうだった。それでも距離が短いのが魅力なのか、登ってくる人が多くて交差が大変だった。中には小学生風の子供づれや、高校野球部の訓練登山の集団にも出会った。道は常に目の前に富士山を見ながらのくだりになる。やはり木立が邪魔をするが、30分も雪の急坂を下ると、木立が切れて展望台風なところが出てきて、目の前に大きな富士山が広がる。距離は15km足らず、本当にでっかい富士山である。飽きず眺める。
ここからは雪も少なくなるので、アイゼンをはずして下った。登山道は雨で現れて深くほれていて歩きにくく、脇道を歩く。あちこちに踏跡が出来ていた。先ほどの展望台の上で交差した野球部の高校生達が下ってきて、元気良く挨拶しながら追い越して行った。行儀の良い若者は気持ちが良い。

(馬の背で一休み)

馬の背という展望台に着くとベンチもあり、またゆっくりと休憩した。ここからもまた深く掘れた泥んこ道を気を使いながらしばらく下ると立派な十里木展望台が立っていた。十里木高原の最高部にあり、高原の向こうにゴルフ場やスキー場などの上に富士山がある絵のような風景が広がる。ここからは階段道だが、やはりぬかるんでいる。10分下って、十里木登山口の駐車場にたどり着いて今日の登山は終わりになった。登山者も多いこちらの駐車場には車も多かった。

(ヘルシーパーク裾野)

トイレ前の洗い場で泥んこの靴を洗ってバスに乗り、愛鷹山登山口の先にあるヘルシーパーク裾野に立ち寄って汗を流した。帰りは首都高も渋滞なく通過し、綺麗な富士山の夢を見ながら気持ちよく走って、予定よりも2時間も早く茨城に帰ってきた。



戻る

inserted by FC2 system