U25 境界尾根の岩下三角点

1.動 機
盛金富士の北、桧沢口の上に、大子町と旧山方町を分ける北西に伸びるはっきりとした尾根筋がある。その上の馬放平三角点からの男体山の眺めが良いよという話を下山先生から聞いたことがあり、久慈川近くの神社マークのところから取り付く積りで、天気のいい冬晴の一日、フキノトウ狩がてら出かけてみた。

2.データ
a)山域:岩下三角点(257.9m)
b)登山日:2007/02/27(火)晴
(歩行ルート)
c)コースタイム:日立自宅 9:00 = 9:40 下小川駅 10:30 = 10:35 下小川キャンプ場 10:40 ---- 11:00 N0.1ピーク 11:05 ---- 11:20 N0.2ピーク ---- 11:30 N0.3ピーク ---- 11:40 N0.4ピーク ---- 11:50 N0.5ピーク(曲がり角) ---- 11:55 N0.6ピーク ---- 12:00 N0.7ピーク(岩下三角点)12:05 ---- 12:15 N0.8ピーク 12:30 ---- 13:00 岡平 ---- 13:20 下小川キャンプ場 13:25 = 16:00 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000「小中宿(南西)」

3.山行記録 
あちこちからフキノトウの話が聞こえてくるが、今年我家はまだ味わっていない。奥久慈の群生地に出かけてみることにし、ついでに大子町と旧山方町を分ける境界尾根筋を歩いて、奥久慈男体山の展望を楽しむことにした。一旦下小川駅に駐車して近くを歩いて何箇所かでフキノトウを物色したが、すでに採られた後のようで空振りだった。

(国神神社参道前)

フキノトウを諦めて、車に乗って富士フイルムの工場の前を通過して橋を渡ると、下小川キャンプ場の駐車場があったので、ここに駐車した。すぐ近くに国神神社の真新しい鳥居があり、古めかしい石段が登っていった。90段の石段を登ると本殿があり、その奥の石段20段を登ると奥の院があった。この右に踏跡があり、ここから登り始めたが、すぐ右下にはキャンプ場ロッジの屋根が見えていた。

(最初のピークからの男体山)

ブッシュは茂っていないので邪魔するものはないのだが、植林の斜面はすごい急坂、踏跡も崩れてはっきりしない。小さな山なので山頂の方向ははっきりしているので、立ち木に掴まりながらしゃにむに攀じ登った。
ピークに登り付くと東側の展望が開け、評判通りに男体山の岩稜が綺麗に見えてきた。下には久慈川の清流も見えていた。何枚もシャッタを押した。
ここが最初のピークかと思ったが、少し先にもっと高いピークがあった。更に下って登り返したところが二つ目のピークかと思ってナビの地図を覗いたら、まだ地形図の最初のピークの範囲内だった。三つのピークは10m以内の高度差に過ぎなかったのだ。最初の急坂の登りで疲れ果てて、歩いた距離を長く感じるようになっていたのだろうか。

(南郷街道の石塔)

最初のピークから後は雑木の稜線歩きで、展望も開けていて気持ちが良かった。二つ目のピークを越えて下った鞍部には広い道が横切っていた。下山後に県道を歩いている時に見た立札によると、この道は江戸時代の南郷街道の名残で、水戸から棚倉へ至る重要な輸送路だったらしい。峠には小さな祠と江戸時代や明治時代の供養塔やお地蔵さんが数体立っていた。
ここから稜線を巻いた歩きやすそうな道が西に伸びていて魅力を感じたが、祠の裏の植林にも薄い踏跡が上がっていた。予定通り尾根筋を歩き通そうと思い直して、尾根筋の急坂の中の踏跡に踏み込んだ。
尾根筋は下草刈りをしたばかりで、贅沢を言えば切り口が地上20cmばかり飛び出ていておっかなかったが、藪漕ぎはなくて助かった。展望を楽しみながら何回もピークを上り下りして、やっと岩下三角点の石標を見ることが出来た。4等三角点だった。
ここまで来ると、真下に採石場が見え、男体山の展望がさらに良くなってきた。ゆっくり昼食にしたいが、ところかまわず飛び出している切り口が危なっかしくてそのまま先を急いだ。
(岩下三角点)
(採石場と男体山)

次の282mのピークに上がると展望は更に広くなり、下には広い採石場が広がり、向かいには、茨城21峰、月居山、長福山、男体山、鷹取岩、篭岩山、アンテナの山、熊の山とずらりと並んで気持ちが良い眺めだった。おやつを食べながら一休みした。
(282m峰からの展望、熊の山を入れ損ねた)

予定では、更に378.2mの馬放平三角点峰まで稜線を歩いて行こうと思っていたのだが、ここから先は刈り払いがされていなくて、急に藪が濃くなってきた。これを見ると歩き通す気力が萎えてしまい、今日はここまでにして、先は日を改めて歩くことにした。
下山は杉の植林を下った。手入れの良い植林は急斜面でも藪ではないので何とかなる。ずるずると滑るように下っていくとトラバースする踏跡のような道があった。この道はどんどん進むと、岩下三角点の下の枝尾根に曲わり込んだ。この枝尾根の道が良く踏まれた道だったので、これで下の県道まで何とか下れる自信が出てきた。どんどん下って県道直前で、左の沢に下りると塩ビパイプで水を引いた水溜めがあり、これからはホースで下に水を引いていた。ここから沢沿いの道を下ると、道は再び左に登っていた。県道が目の前に見えたので、そのまま沢筋の薄い踏跡を通って下ると、県道への出口には孟宗竹2本でとうせんぼしてあった。
かまわず跨いで県道に出て、岡平の集落をフキノトウを探しながら20分歩いて駐車場所のキャンプ場に戻った。今日のフキノトウの収穫はテンプラだけなら十分だが、フキミソも作りたい。我家への帰途、別場所に立ち寄ってやっと十分な収穫ができたのでした。



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