U31 加波山縦走

1.動 機
(加波山縦走ルート)
加波山連山には、北の御嶽山から南のきのこ山までいくつもの山が連なり、関東ふれあいの道が敷かれて縦走路になっている。一つ一つの山には今まで何回か登ったことがあるが、歩きたいと思いながらも一度も縦走したことがなかった。今回、大矢さんご夫妻の協力が得られて、車2台を使って、足尾山から御嶽山まで縦走することが出来た。きのこ山から足尾山までの車道歩きを敬遠して今回はきのこ山を割愛し、標高の高い足尾山から御嶽山へ下るルートにした。

2.データ
a)山域:山域:足尾山(628m)、丸山(576m)、加波山(709m)、燕山(701m)、雨引山(409m)、御嶽山(231m)
b)登山日:2007/03/04(日)晴時々曇
c)コースタイム:日立自宅 7:30 = 9:00 御嶽山登山口 9:05 = 9:40 足尾山駐車場 9:50 ---- 9:55 ハングライダ 10:00 ---- 10:15 足尾山 ---- 10:35 一本杉峠 ---- 10:55 丸山 11:05 ---- 11:15 小公園 ---- 11:45 加波山神社中宮(昼食)12:15 ---- 12:25加波山神社親宮拝殿 12:30 ---- 12:50 燕山 12:55 ---- 14:30 雨引山 14:40 ---- 15:20 御嶽山 ---- 15:25 不動滝 15:30---- 15:35 御嶽山登山口 = 16:10 足尾山駐車場 16:15 = 18:00 日立自宅
d)同行者:大矢夫妻、和子
e)地形図:1/25000「加波山(北西)(南東)」「岩瀬(南東)」

3.山行記録 
集合場所の岩瀬駅に向かって、常陸太田から笠間へ向かう県道61号をトラックの後について走っていると、後から見慣れた車が追いついてきた。信号待ちで確認すると、やはり奥さん運転の大矢さんの車だった。岩瀬駅まで行くこともないので、途中の大型店の駐車場で今日の打合せをした。下山してくる御嶽山登山口に向かったが、踏切を渡るのを一つ早まってあらぬ方向に走ってしまった。我家はナビに表示されない細い道には弱い。引き返して岩瀬駅の近くまで走り、そこで道を尋ねて富士フイルムの看板で路地を曲がり、狭い踏切を渡ってやっと見覚えのある道に出ることができた。500mほどでトイレのある駐車場に着いた。
ここに大矢車を置いて、川本車で県道41号、7号と走って、上曾峠で北筑波稜線林道に入った。くねくねと曲がりくねった林道を登り、きのこ山を過ぎ、足尾神社の鳥居の少し先の駐車場所に車を置いて歩き始めた。
鳥居の登山口まで引き返すと、今日は日曜日、すぐ目の前のハングライダの離陸点では10人ほどがカラフルな機体の組み立て中だった。離陸の様子を見ようかと思ったが、「まだしばらくかかるよ」との話なので諦めて歩き始めた。
(色とりどりのハングライダ)
(足尾山登山口)

(朽ちかけた足尾神社)

こちらの登山道は参道であり広くて歩きやすい。すぐに大きな鳥居があり、その奥の石組みの中に供養のために納めたらしい靴や義足などの履物がいっぱい積み重ねられていた。私が履いているものよりも立派な登山靴もあった。その奥の社殿は屋根の左端が崩れ落ち、随分と朽ち果てた感じになっていていた。この朽ちた社殿の中にもたくさんの松葉杖や義足が立てかけてあったのが痛々しい感じがした。


(足尾神社奥宮)

左の苔むした石段を登っていくと石垣で四角く囲われた山頂である。葦穂山と書いた石の祠があり、ここにも草履が飾ってあった。
今日は筑波山は雲の中だったが、丁度飛び立ったばかりのハングライダーが上昇気流に乗って上へ上へと舞い上がっているのが見え、とても気持ち良さそうだった。

(一本杉)

証拠写真を撮ってから北に向かって下った。こちらの道は笹原の中の踏跡程度で参道ほどの広さはないが、冬場なら歩くに邪魔するものはない。登山道は2回林道と合流したが、その都度登山道に戻った。入口出口には仕切りがありMTBへの「立ち入り禁止」の立札があった。ここでバイクに煽られてはたまらない。
一本杉峠に着くと、大矢夫人が「これが一本杉なのね」と見上げている。何回もここに来たのに、ここに一本杉が立っているのに初めて気がついて、写真に収めた。
大塚に下る道には「工事中」「前面通行止」があり、そのうち広い道になるのだろうか。白井に下る道には「車両通行不能」と立札が立っていた。大塚への道と稜線林道の間の斜面に見つけた踏跡が破線の道で、ここを登った。

(丸山山頂の風車)

破線の道は丸山は巻いている。途中から尾根に向かって藪の中に踏み込んで、丸山山頂に向かって登っていった。あまり人は歩かないようで、踏跡は薄く、立ち木を掻き分けたりしながら適当に登るとすぐに山頂だった。目の前に2機の風車が回っており、その向こうに加波山が削り取られた痛々しい山肌を見せていた。
お八つを食べながら小休止して、風車に向かって下ったが、いばらの茂みが痛かった。風車のところには子供連れの家族が遊んでいた。ここまで車で来れるのだ。
風車から下ったところが「自由の魁」記念碑がある小公園になっており、登山者を乗せてきたのかバスも停まっていた。ここから眺望台までの階段道が長かった。どこまで登っても終わりにならない。
記憶にないと言うことは、以前登った時にはそれほど苦労と思わなかったのだろうから、歳をとったということなのだろう。今日は気温も高くて、汗が噴き出してきて、冬なのに汗を拭きながらの登山になった。振り返ると、足尾山の山容がどっしりとして立派に見える。あんな高いところから下ってきたのだという感慨が救いだった。
(自由の魁記念碑)
(長かった階段の道)

(旗立石)

汗を拭きながらやっと眺望台の看板のあるところまで登ったが、ガスで視界は利きそうになく、休むとかえって疲れも出そうなので岩の展望台に立ち寄るのもやめにした。その先の笹の道を自衛隊機墜落の殉職碑を通り過ぎ、そのまま旗立石まで歩き通した。ここで下ってくる団体さんと出会い、これ幸いと団体をやり過ごしながら一休みした。旗立石の岩の上に登って記念写真を撮った。
ここから少し登ってすぐに加波山神社本宮拝殿に着いて、まずお参りをした。時は昼食時間に近付いたが、大矢さんは「このあたりは薄暗くて気持ちが良くない」とおっしゃる。ここからはおおくの記念碑や幣束を祭った大岩が並び、おどおどしい禅定道が続く。昭和6年建立だという明るい中宮の社殿まで歩いて昼食にした。眼下に真壁の町並み、社殿の裏にこれから向かう燕山を展望しながら、ゆっくりと弁当を広げた。
中宮からたばこ神社、親宮本殿を通って、親宮拝殿の前で 二礼四拍手一拝(祝詞3回繰返し)のお参りをして、きらびやかな社殿の前で記念写真を撮った。
(石碑の並ぶ暗い禅定道)
(きらびやかな親宮拝殿)

(燕山山頂)

ここから少し林道を歩いてから尾根道に上がるとNTTの大きなアンテナ塔に着き、その先の休憩舎で「これから雨引山へ向かい、降りてから羽田山にも登る積り」とおっしゃる元気な団体さんと入れ替わった。一休みしてから燕山に登って、山名標柱の前で、休憩中のご夫婦に4人揃った証拠写真のシャッタを押していただいた。
歩き始めてすでに3時間近くになり、もう今日は十分だと言いたくなる感じだが、雨引山ははるか彼方に見えており、まだ道半ばだ。気を取り直して次に向かった。

(燕山からの下りはきつかった)

燕山からは350m一気に下る。丸太の階段がどこまでも続き、段々と膝に効いてくる気配を感じて、途中で膝サポータを取り付けた。大矢御夫妻は毎日テニスで鍛えているだけにお強い、それにスキーの滑降の名手だけに滑りそうな下り道も得意だ。平気ですいすいと下っていく。その後を我家が懸命に追いかける構図がしばらく続いた。下りなのに汗をかいた。
下ったところからは雨引山がまた高いところに見えて参ったが、足元にスミレが咲き始めていて気分を慰めてくれた。
最後の階段道を登り返して雨引山の山頂に出ると、アンテナ山で会って、ここまでの道中でも追い越し追い越された団体さんが休憩中だったので、4人の証拠写真のシャッタを押してもらった。
展望は広く、燕山、加波山、さらにその向こうはるかに足尾山まで、歩いてきた山々が全部見渡せた。よくもこんなに歩いてきたもんだと驚いた。視界も少し良くなり、筑波山も見えていた。
(雨引山山頂)
(雨引山から来た道を振り返る)

(松の木の墓場)

雨引山から階段道で下ってアンテナ設備の周りを回ってから、しばらく檜の植林を歩いて振り返ると雨引山が見えてきたが、周りに松食い虫に犯された松が重なった松の墓場のような山になった。階段道を下って沢を橋で渡り、また階段道で登り返すと、広い砕石場が金網の向こうに見えていた。御嶽山の稜線に入るとここにも松の墓場が待っていた。これだけ枯れて倒れた松が重なっていると気持ちが悪くなる。

(不動滝の水で喉を潤す)

前に登った時には御嶽山の三角点を確認していなかったので、笹薮の中の踏跡を辿って探してみた。2本目の踏跡の先に4等三角点の標石が見つかった。御嶽神社を横目で見て、展望台もやり過ごして、急坂を下ったところに不動滝があった。木製の樋から流れ落ちる人工の滝で、柄杓とコップが置いてあった。汲んで飲んでみると乾いた喉にはなかなか美味しかった。
ここからすぐの駐車場所に到着したのは、歩き始めて5時間半、17kmのロングコース、予定よりも大分早く着いた。
大矢車で足尾山まで引き返したのはまだ16時だったが、ハングライダの離陸点には強い風で雲が巻き上げられてきていて、飛行を諦めて機体を片付けて帰る用意をしている人たちがいた。



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