U33 奥多摩展望の山(日の出山・川乗山)

1.動 機
時には離れた土地の山へ出かけたくなり、数年来行きたいと思いながら行けないでいた奥多摩の「日の出山」と「川乗山」に登ることにした。奥多摩は結構遠いはずなのだが、高水三山、大岳山、倉戸山などと何回か出かけていると、身近に感じられて気軽に出かける気になってしまうのだ。初日、御岳ロックガーデンを歩いて日の出山に登り、吉野梅郷へ降りる。二日目は川乗橋から歩き始めて川乗山に登って大ダワに下り、本仁田山に登り返して奥多摩に下る計画だった。初日は中央線の事故遅延でロックガーデンが消え、二日目は鹿食害防除工事で本仁田山が消えてしまった。それでも好天気が2日続いて、盛りの梅やロウバイも観賞でき、綺麗な富士山や奥多摩の山々の展望できて、久しぶりの遠出登山は満足な山行になりました。
(日の出山登山ルート)
(川乗山登山ルート)

2.データ
a)山域:山域:御岳山(929m)日の出山(902m)三室山(647m)川乗山(1363m)
b)登山日:2007/03/12(月)晴、13(火)晴
c)コースタイム:
大甕駅 5:48 = 7:37 日暮里駅 7:40 = 7:50 東京駅 7:55 = 8:55 立川駅 9:02 = 9:45 青梅駅 10:00 = 10:20 大岳駅 10:25 =(バス)= 10:35 滝本駅 10:42 =(ケーブル)= 10:50 御岳山駅11:00 ---- 11:10 富士峰園地 11:20 ---- 11:45 御岳神社 11:55 ---- 12:00 長尾平 (昼食)12:35 ---- 12:45 神代けやき ---- 13:30 日の出山 14:05 ---- 14:45 梅ノ木峠 ----15:10 三室山 15:15 ---- 15:30 梅郷ゴルフ場 15:35 ---- 16:00 吉野梅郷 ---- 16:25 日向和田駅 16:35 = 17:10 奥多摩駅(泊)
奥多摩 8:10 = 8:20 川乗橋8:35 ---- 9:20 細倉橋 ---- 10:05 百尋の滝 10:15 ---- 11:00 分岐点 ---- 11:20 足毛岩 11:40 ---- 12:10 川乗山 13:05 ---- 13:55 舟井戸 ---- 14:20 大ダワ ---- 15:00 大根の山の神 ---- 15:30 分岐 ---- 15:35 熊野神社 15:40 ---- 15:50 鳩ノ巣駅 15:56 = 16:20 青梅駅 16:46 = 18:05 神田駅 18:10 = 18:20 上野駅 18:30 = 20:06 大甕駅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000「武蔵御岳」「奥多摩湖」

3.山行記録 
(一日目;日の出山) 
早起きして、大甕駅5時48分発の電車に乗り、日暮里で乗り換えて定刻に東京駅に到着すると、人身事故で中央線の快速は運転見合わせだという。最短の電車を繋いで奥多摩の御岳駅に着いたのは予定よりも30分遅かった。これではロックガーデンを歩いていると忙しい思いをしそうなので、代わりに御岳神社と長尾峠に寄り道することに計画変更した。
駅前から10分ほど満員バスに揺られて終点で下車、滝本駅までひと登りして、丁度発車時間のケーブルカーに乗車、570円で御岳山駅まで430mを運び上げてもらった。駅前の案内板を眺めていると、近くの売店の親切な女主人が出てきて、付近の案内マップを手渡してくれながら、上の展望台まで歩いて上がるコースを教えてくれた。

(富士峰遠地のロウバイ)

展望台に上がると、目の前に高水三山が目を引き、これから歩く日の出山から三室山への山並みも見えていた。眼下には関東平野が広がり、霞み加減ながら東京都心の超高層ビル群や筑波山も伺えた。 展望台から御岳神社へ向かうと、数本のロウバイの木が鮮やかな花を咲かせていた。

(御岳神社の石段と随神門)

ビジターセンタを経て宿坊の家並みの中を石段下まで歩き、入り口の随神門から250段の石段を登った。石段脇には全国各地の講が寄進した石碑が林立しており、信仰の歴史を感じさせた。 権現造りの拝殿・幣殿と、神明造りの本殿にお参りした。
参拝してから石段を下り、近道との道標があった坂道を下るとすぐに長尾平の入口についた。長尾平に入ると、あちこちにベンチとテーブルがあり、日の出山から三室山への山並み、奥の院峰、大岳山が目の前だった。昼食をとってから先まで歩くと東屋もあり、数人の人が食事しながら展望を楽しんでいた。関東平野が眼下だった。

(長尾平からの、これから歩く日の出山、三室山の眺め)
引返して宿坊街に入り、神代けやきのところで、日の出山の道標に従って曲がった。しばらくは宿坊が続き、やがて植林の山道になったが、道は関東ふれあいの道として整備されていて歩きやすかった。養沢への分岐が何箇所か出てきたが、左が岩っぽい道を登るとトイレと山荘があり、木の階段を登るとすぐに日の出山山頂だった。
(ふれあいの道沿いの宿坊)
(整備された関東ふれあい道)
山頂は広く、三角点石、展望方位盤、山名標柱、関東ふれあいの道標石、ベンチ、ルート案内板、とたくさん並んでいた。日の出山の名前に恥じない360度の大展望だ。関東平野が広く、近くは奥多摩の山々、南方はるかに丹沢、道志の山々も見えていた。残念ながら富士山は確認できなかった。
山頂にいた土地の人に証拠写真のシャッタをお願いしたら、写真を撮るのが大好きだと言って、立つ場所を変えさせながら何回もシャッタを押してくれた。
(山名表示磐、後は雲取山)
(大山−丹沢山-桧洞山−大室山)

(オニオンクラック)

話好きなこの人とは、吉野梅郷に下りるまで一緒に歩くことになった。足早に先に下っては、ポイントを選んでは待っていて、色々と説明を加えてくれた。積層岩が露出したところで立ち止まって、地学が好きなんだと言いながら渦巻状の「オニオンクラック」の成因を教えてくれ、梅ノ木峠を越えた三室山では、眼下の関東平野に広がる町並みや、谷筋の川の名前を一つ一つ指差しながら教えてくれた。
断崖絶壁の上に建てられた琴平神社では、狭い神社前の柵に身体を押し付けながら、なんとか形になる写真を撮ろうと苦労していただいた。
ここからは崖のような斜面に切られた九十九折の坂道を下ったが、途中、坂道の下に放り出されている大きなバイクが見つかった。木の根で滑って車体ごと放り出されたのだろうと話し合った。人の姿はなかったので、本人は無事に下ったのだろうが、無謀なライダーがいるものだ。
坂の終点に来るとグリーンでゴルフをしている姿があった。梅ノ木ゴルフ場というショートコースのゴルフ場だった。ここにも琴平神社の鳥居があり、日の出山の登山口になっていた。ここで最後のシャッタを押してもらって、くだんの男性とはさようならをした。

(満開の吉野梅郷)

少し歩くと、見覚えのある吉野梅郷公園の入口だった。平日なのに、多くの観光客がそぞろ歩きをしており、カメラを構えたり、ポーズをとったり、満開の梅を楽しんでいた。もう夕暮れ近いので入園はしなかったが、周りを通り過ぎるだけで十分にその美しさを味わうことが出来た。
日向和田駅まで歩くと、大勢の人が電車を待っていた。駅も単線なので、登りも下りも同じホームで待つ。下り電車が来ても、乗車した人は少なく、殆どが上りの東京方面の人だった。

(作ってもらって満足な食卓)

奥多摩駅につき、10分歩いた川向こうの国民宿舎に入った。小じんまりとした宿だが、隅々まで綺麗に掃除されていて気持ちよく、水琴窟などを飾った談話室も品が良かった。清潔な温泉風呂に入って汗を流した後の夕食も、贅沢ではないが手の込んだ料理が並んで美味しかった。、山登りにも理解があり、朝食も早めに準備してもらえた。

(二日目:川乗山)
余談だが、前日奥多摩駅に着いた時、「奥多摩の山には熊が出没するので鈴を付けて歩いてください」の注意書があり、和子が心配するので、鈴の代わりにステンレスカップを二つぶら下げてガラガラと鳴らしながら歩くことにした。

(多摩川の河原から)
早めに朝食を作ってもらい、バス停も宿のすぐそばにある事を教えてもらったので、出発まで時間ができた。多摩川の河原まで下りて散歩道を歩いてみたが、清流と両岸の断崖、役場などの白い建物、横切る橋、聳える山が織り成す風景を見上げる気分はなかなか良かった。
奥多摩駅から定刻にやってきた鍾乳洞行きのバスに乗り、日原街道を川乗橋まで入った。乗客は登山者と釣人で、殆んどが川乗橋で下りた。皆さんはすぐに歩き始めたが、私は深い谷間なのでGPS信号が十分に受信できず、ポケナビの調整に手間取った。受信を諦めて歩き始めたが、ここで始めてストックがないのに気がついた。バス停留所に置き忘れたようだ。和子の追及が耳に痛い。4人の学生達も何か準備に手間取って、一緒に歩き始めた。登山コースについて教えてもらおうと思ったが、あまり詳しくなかった。礼儀正しい学生達は歩くのは速いが、休憩時間が長い。兔と亀の競争みたいに、山頂まで我家と追い越しては追い越されを繰り返しながら登った。 細倉橋まで2.5km、川乗林道の舗装道路が続いた。入口にゲートがあり、一般車は走れない。「落石注意」の看板が随所にあり、落石が多いための安全処置らしい。

(細倉橋)

途中は眼下に川乗谷の岩を食む清流を見下ろしながらの歩きだし、何度か小さな滝も見えたり、道傍にはスミレやダンコウバイの花が咲いていたり、ツララが光っているのがあったり、その都度立ち止まっていると退屈しない。
細倉橋からは登山道になるが、入口に鹿食害防除と昨年の崖崩れの対策工事のために、本仁田山あたりを3月末まで通行止めにするとの看板があった。急遽、下りは鳩ノ巣駅に下りることに計画変更した。体調からみてこれで丁度良かった。
登山道は要所に橋を作ったりと手入れが良くて歩きやすかったが、百尋の滝に近付くと急斜面の崖を横切る道になり、滑ったらおしまいになりそうで神経を使った。落ち葉が深く積もったところは、絨毯を踏むようで感触はいいのだが、下に何があるか判らず気持ち悪かった。
(登山道は良く整備されていた)
(落葉が10cm以上積もったところも)
途中にも、小さな綺麗な滝がいくつもあり、その都度シャッタを押しながら歩いたが、百尋の滝についた時には滝壺まで下りてみた。見上げて見る滝は落差20m、静かな滝壺に筋のように落ちる流れは神々しいまでの美しさがあり見応えがあった。
(小さな滝がいくつもあった)
(美しい百尋の滝)
百尋の滝から上はしばらく絶壁に切ったジグザグの道を、足を滑らさないように気を使いながら慎重に登る。登りきってなだらかな道をしばらく歩いていると、右手に富士山の山頂が頭を出しているのが見えて、元気付けてくれた。
やがて日向沢の峰と足毛岩の肩との分岐になり、学生さんたちは左の日向沢に向かったが、我家は足毛岩からの展望がいいのではないかと期待して右手の道を選んだ。道は一旦沢に下り、緩やかに足毛岩に向かって登り返した。樹林の中の道で展望はないが、道は歩きやすく整備されており、樹木もカラマツの林で気持ちが良かった。新緑や紅葉の時期には一段と綺麗になりそうだった。肩の分岐点に着いてザックをおいて、足毛岩の肩まで50m歩いてみたが、残念ながら樹林は切れず展望なし。がっかりして、少し腹ごしらえをして山頂に向かった。ここから山頂までは雑木の林、防火帯なのか広く切り払われていて気持ちよく登った。
(富士山が頭だけだが見えた)
(川乗山山頂近くの気持ちのいい登山道)

(富士山が見えた!!)
最後の急登をこなして川乗山の山頂に上がると、素晴らしい展望が待っていた。富士山は裾野まで見えており、左に丹沢までの山々、右に三つ峠山から黒岳、大菩薩峰と連なり、近くに目立つ山は、雲取山、鷹巣山からの石尾根、三頭山、御前山、大岳山と同定を楽しんだ。
山頂は平になっており、全面霜解けでぬかるんでいて、移動するたびに靴が泥んこになった。三脚で証拠写真を撮るのにも苦労した。 登った時には、山頂にいるのは学生達だけだったが、どんどんと人が増えてきたので、下山してベンチを譲ることにした。

(川乗山山頂からの南方展望)
舟井戸までなだらかに下ったが、このまま鳩ノ巣まで単調に下るのでは面白くない。尾根に上がる踏跡があり、これに入って鋸尾根を歩いた。はじめは変哲もない尾根歩きだったが、三つ目あたりのピークから、下りの道がざれていたり、岩場だったり、変化が出てきて面白くなってきた。後で言えば「面白かった」だが、歩いている時には随分と神経を使って疲れた。
(鋸尾根は岩場の連続)
(鋸尾根のざれたトラバース)

(川乗山から鋸尾根の稜線)

大ダワまで下ると、目の前に本仁田山が立ちはだかっていた。鋸尾根で疲れた身体には、とても登り返せそうにもなく、本仁田山への道が立入禁止になっていて助かった。
鳩ノ巣への道を進むと、巻き道と合流した先で樹木の切れたところがあり、川乗山から鋸尾根の稜線が見えていた。良く下ってきたもんだと感慨ひとしおだった。
道は杉の植林の中に入り、どんどん歩いていくと工事関係者の車が駐車している林道駐車場があり、ここを過ぎるとすぐに小さな祠がある大根の山ノ神に着いた。

(熊野神社と大公孫樹)

舟井戸からの一般道と合流して、石ころが転がる道を下ると分かれ道があり、どちらも鳩ノ巣駅へいけるが、右手の熊野神社径由の道を選んだ。急な坂道を下ったところの熊野神社は歴史を感じさせる神社で、大きな公孫樹の木が名所になっているようだった。
鳩ノ巣駅には「ここの標高310m」の表示があった。山頂1363mから1000m以上下ってきたらしい。久しぶりの大下りだった。
丁度上り電車が到着し、汗もあまりかかなかったので、日帰り温泉を探すのも止めにしてそのまま乗り込んだ。青梅駅の駅そばで腹を満たしてから帰ったが、帰りの電車は快調に走って、予定よりも早めに無事我家に帰りついた。




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