U51.アカヤシオを求めて(袈裟丸山)

1.動 機
水戸アルパインの二つ箭山への山行記録が届いて、綺麗なアカヤシオの写真を見せられた。我家は4月22日にネパールから帰ってから、山菜採りや孫の来訪を楽しんだりしている間に、アカヤシオを今年まだ目にしていなかった。無性にアカヤシオを見たくなり、慌てて色々情報を集めてみたが、近場の低山ではもう盛りを過ぎていた。シモンさんに袈裟丸ならこれからだよと薦められ、少々遠出になるが出かけることにした。以前袈裟丸に登った時には前袈裟丸までだったが(kk54)、今回は同じ折場登山口から弓の手コースを登り、少し頑張って後袈裟丸まで歩いてきた。シャクナゲはまだ硬いつぼみ、シロヤシオもミツバツツジもまだ姿をみせず、アカヤシオオンリーの山旅だったが、真っ盛りのアカヤシオを見ることが出来、お天気が上々で展望も良く、十分に満足して帰ってきた。


(真っ盛りのアカヤシオを満喫しました)
(袈裟丸登山ルート)

2.データ
a)山域:後袈裟丸(1908m)、前袈裟丸(1878m)、小丸山(1676m)
b)登山日:2007/05/14(月)晴
c)コースタイム: 
日立5:15 = 7:15日光口PA 7:30 = 8:35折場登山口8:50 ---- 9:30つつじ平9:40 ---- 10:00賽の河原 ---- 10:20雨量計の山 ---- 11:00 鞍部(避難小屋)---- 11:45前袈裟丸(昼食)12:20 ---- 12:50後袈裟丸13:15 ---- 13:45前袈裟丸 ---- 14:20 鞍部(避難小屋)14:25 ---- 14:40 子丸山14:55 ---- 15:40 賽の河原 ---- 16:15折場登山口16:30 ---- 17:30日光口PA = 20:00日立
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「袈裟丸山」

3.山行記録 
我家を5時15分に出発し、御前山から宇都宮に入り、日光宇都宮道路の日光口PAで休憩して、その先のコンビニでおにぎり弁当を買って朝食にした。日足道路を南下し、草木湖の北端の沢入から「寝釈迦へ」の道標を見て林道西山小中線に入り、くねくねとした林道を高度差700mほど登って、折場口登山口に8時35分に到着した。休日でもないのに、すでに多くの車が入っていて駐車場は満杯、峠を越えたところの路側に駐車した。
標識の脇から丸太の階段が始まり、すぐに健脚コースと一般コースに分かれるが、右手の一般コースを選んだ。ミツバツツジが咲いていて欲しいところだが、まだ蕾も小さく、シロヤシオもまだだ。アカヤシオは散ってしまっていて、端境期に来たのかとぼやきながら登っていったが、展望のいい草原の尾根道を登ると、袈裟丸山が見え始め、左に赤城山が大きく見えてきた。このあたりからやっとアカヤシオがちらほらと見え始めて、足取りが軽くなってきた。
(折場登山口から歩き始めた)
(草原の尾根道は気持ちがいい)

空に群馬県警のヘリコプターが舞い始め、「神奈川県の○○さん、あなたを探しています。気がついたら、ヘリコプターに分かるように大きく合図してください」と呼びかけながら、1時間ばかり飛び回っていた。夕刻には、消防署のメンバーが巡回に登ってきたが、昨日の悪天候で遭難者がでたのだろうか。
ツツジ平まで登るとアカヤシオの花が多くなり、袈裟丸連峰をバックにしたり、カラマツの新緑と組み合わせたり、シャッタを押すのに忙しくなった。賽の河原から風速計のピークあたりに盛りのアカヤシオが多く、何人も花を愛でながら休んでいた。
(アカヤシオと袈裟丸連山、左から2番目の後袈裟丸まで歩きました)

(アカヤシオのトンネルのようでした)
(カラマツの新緑とのコントラストも綺麗でした)

アカヤシオの花に誘われるままに、小丸山は巻き道を歩いた。かまぼこ型の避難小屋がある鞍部から登ったピークからは、向かいに前袈裟丸が立ちはだかり、その右手に、皇海山、鋸山の山並み、その向こうに日光白根山の白い峰が見えていて申し分のない展望だった。更に右には、太郎山、男体山、黒檜山、社山など日光の山々も広がっていた。
(皇海山・鋸山・奥白根山、庚申山、太郎山、男体山、黒檜山、社山)

一旦下ってから急斜面を攀じ登って、一等三角点のある前袈裟丸の山頂に立った。山頂標の前で証拠写真のシャッタを押してもらった。
開けた南面は残念ながらガスっていて山頂からの視界はなかったが、少し先に進むと北面が開けて、目の前に後袈裟丸、その左手に至仏山、武尊連峰、谷川連峰が白く輝いていて、気持ちよかった。
標高は袈裟丸連山の中では低い方だが、一等三角点があるからだろうか、一般にはここが主峰とされている。最初はここで引き返す積りだったが、弁当を食べると元気が出てきた。「前袈裟丸と後袈裟丸の間に八反張のコルは風化が激しく危険につき、後袈裟丸への進行禁止します」との東村の注意書きが立っていたが、「自己責任で慎重に歩け」と読み直して、もう一つ先の後袈裟丸まで足を伸ばすことにした。
(前袈裟丸山頂にて)
(谷川連峰、武尊連峰、笠ケ岳、至仏山)

シャクナゲの茂みの急斜面を八反張の鞍部まで下ると、コルの斜面は草木がなくなって丸裸になりザレた砂だけの斜面になっていた。うっかり足を滑らせたら、崖の下まで転げ落ちて一巻の終わりだ。両側を杭と鎖で保護してあるが、杭はしっかりとは固定できないようで、ぐらぐらだった。これでは自治体が通行禁止にしたくなるわけだ。鎖や杭を頼りにしないように、一歩一歩足元を確認しながら慎重に通過した。
(前袈裟側からの八反張の下り)
(後袈裟側から八反張を振り返る)

危険な八反張のコルを越えても、後袈裟丸への登りはすごい急斜面を直登するので大変だ。うるさいシャクナゲを避けながら攀じ登った山頂には、立派な山頂標兼案内標が立っていた。自慢のシャクナゲはまだ硬い蕾のままで、数も少なく、開花にはまだ日数がかかりそうだった。
ザックを山頂に置いて、中袈裟丸方向の踏跡を少し辿ると視界が開け、右手に日光の山々が見渡せ、正面に中袈裟丸、奥袈裟丸から鋸山への稜線が続いている。中袈裟丸まで20分だというが、袈裟丸連山は一つ一つに200mの急斜面の上り下りが付く。急登はもう沢山だと言い合って山頂に引き返し、証拠写真のシャッタを押してもらって下山にかかった。ここにも「前袈裟丸への進行禁止」の注意書きがあったが、引き返さない訳にはいかない。後袈裟丸に登るには郡界尾根を登ってくるのが正道のようで、こちら側に下るご夫婦もあった。
(後袈裟丸山頂にて、後は前袈裟丸))
(中袈裟丸、奥袈裟丸への稜線、向こうに鋸と奥白根)

帰りに前袈裟丸から下るところで、明るい顔で登ってくる20人のツアーの団体さんと行き交った。平日に山歩きが出来る我家と同年代の元気な幸せそうなな人達ばかりだった。
避難小屋を過ぎてから、帰りは小丸山にも登った。山頂のアカヤシオはまだ蕾が多く、まだまだ一週間はアカヤシオも楽しめそうだった。展望も袈裟丸連峰、皇海山、奥白根、庚申山、日光の山々と第一級だった。
(小袈裟丸山頂にて)
(アカヤシオと皇海山・鋸山・奥白根山、庚申山)

登山口までの下りでも、左右のアカヤシオを楽しみながら歩いた。午後にはアカヤシオが逆光にきらきらと輝いて、とても綺麗に見えて何回もシャッタを押した。

日立までのドライブは通勤渋滞に会うこともなく快調に走り、途中、スーパでおつまみを買い込んで、我家で美味しいビールでアカヤシオに乾杯したのでした。



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