U63.一等三角点の山・子持山

1.動 機

好きなツツジ探訪のためとはいえ、はるばる群馬の荒山・鍋割山まで来たからには、日帰りで帰っては効率が悪い。一泊して次の日に登る手頃な山を探していたら、一度、62会で計画されて果たせなかった子持山があった。子持山には一等三角点があり、屏風岩やしし岩が有名だが、5号橋から周回すれば距離はわずか6kmほどだ。名前の「こもち」から受ける易しそうなイメージを持って気軽な気持ちで登ったのだが、大変な急坂や岩場が続いて、なかなか手強い面白いコースだった。

2.データ

a)山域:子持山(1296m)
b)登山日:2007/06/05(火)曇
c)コースタイム: 
みちの駅こもち 6:00 = 6:25 五号橋 6:45 = 7:00 奥の院 7:05 ---- 7:10 登山口 ---- 7:15 屏風岩 7:20---- 8:30 しし岩 9:15 ---- 9:55 柳木ケ峯 10:00 ---- 10:30 子持山 10:55 ---- 11:10 柳木ケ峯 ---- 11:30 おおたるみ ---- 12:00 浅間山 12:10 = 13:00 五号橋 13:20 = 14:10 富士見温泉 15:40 = 19:50 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「鯉沢北西」「金井北東」「沼田南西」「上野中山南東」
(子持山登山ルート)

3.山行記録
昨日、荒山・鍋割山のツツジを楽しんで道の駅「こもち」で車中泊し、早く眠りに着いたので目覚めも早い。濃いガスがかかっていて、残念ながら子持山は見えなかった。トイレで洗顔を済ませ、隣接のコンビニで朝食と昼食の弁当を買って、屋外テーブルで朝食を済ませてから子持山の登山口、5号橋に向かった。赤い大きな鳥居を過ぎて細い道を走って行くと、1号橋の標識が目に入った。順番に8号まで名前が付いているらしい。5号橋の手前の駐車場に一番乗りで車を停めた。車道は7号橋の先の登山口まで伸びているが、今日は周回ルートで浅間から5号橋に降りてくる予定なので、ここから歩きはじめた。
林道をゆっくり登っていくと、6号橋の駐車場の先で屏風岩が杉林の上に頭を出した。見上げるように高い岩に期待が膨らむ。やがて赤城神社の道標があり、赤い鳥居の奥に奥の院の社が鎮座していた。その先が広い駐車場になっており、登山カードの投函箱があり、中に登山ルートの詳細な地図があった。地図を貰いカードを出して、ここから屏風岩まで板敷きの道が続いた。
屏風岩の基部に着くと、覆いかぶさってくる高い高い大岩は迫力があった。写真に収めたいが一枚の写真には納まらず、2枚を繋いだのでは覆いかぶさってくる迫力が出てこない。欄干の付いた太鼓橋を渡って、標柱の前でポーズをとって証拠写真にした。
屏風岩を過ぎると登山道が始まった。はじめは杉林の中の道で、すぐの円珠尼歌碑のところに「屏風岩」の道標が出てきた。屏風岩に登攀するプロのための道だろうか。ちょっと寄り道してみたかったが、和子に拒絶された。

「屏風岩」分岐から急坂になり、気温は昨日ほどではないがしっかりと汗を搾られた。
途中、左手に小さな岩場があり、寄り道してみた。この岩は尖っていて頂上には立つ気がしなかったが、しし岩のいい展望台だった。目の前に大きく屹立しているが、この岩も大きくて、今日は上のほうは霞んで見える。天気が良ければ岩肌もはっきり見えてもっと迫力があるのだろう。それでもあの上に登るのだと思うと緊張が走る。

(きつい登りで汗を搾られた)
(しし岩手前のとんがり岩)⇒

汗をかきながら先に進むと6号橋からの道と合流して尾根道になった。突き当たりに「しし岩」の道標が出てきたがガレバの登りなので敬遠して巻き道を歩くと、また「しし岩」の道標が出てきた。今度は安全そうな道に見えたのでこれに踏み込んだ。すぐにガレバの道と合流して急坂になり、何度か岩場をこなしてしし岩の基部に登りついた。立派な「天然記念物獅子岩」の標柱が立っており、岩の裂け目に鉄の吊梯子がぶら下がっていた。多少揺れるが、丈夫に見える梯子なので怖さはない。
(とんがり岩からのしし岩)
(吊梯子を登る)

吊梯子を登りきると次には短い鎖が待っており、この鎖を登ってやっとしし岩の頂上だった。頂上の上の小岩の上に八海山神社の石柱が立っていて、記念写真を撮った。この岩に登るのも一仕事なので、ツーショットという訳には行かなかった。
ガスが濃くて展望がほとんど利かない。ガイドブックによればここからの展望が一番らしいので、45分もガスの晴れるのをじっと待っていた。柳木ケ峯がわずかに見えたことだけで諦めて次に向かった。
(一番てっぺんの八海山神社)
(ガスで展望なし)

鎖と梯子を下り、子持山の道標の方向に向かったが、柳木ケ峯までの間、急な崖の下りや登りに緊張を強いられた。
(崖を下り)
(また崖を登り)

柳木ケ峯の中腹から振り返ると「しし岩」が空中に聳えていた。確かに獅子頭の形をしており、口髭まで生えているのが面白かった。
(しし岩を振り返る)

柳木ケ峯に登りつくと三叉路の道標があり、小さな祠があった。小休止して子持山に向かうと、ヤマツツジがちらほらと見えてきた。樹間から岩の山が見えてきて、これが山頂かと思いこんで、危なっかしい踏跡を辿って岩頭に上がってみたが、どこにも一等三角点は見つからなかった。子持山はもう少し先だった。
(柳木ケ峯)
(子持山直前の岩頭)

岩場を降りて崖を登るとすぐに一等三角点の山、子持山の山頂だった。ヤマツツジもたくさん咲いていた。山頂標の前と十二山神の石碑の前で、小峠側から登ってきた男性組に記念写真のシャッタを押してもらった。
昼食をとっている間に、小峠側から大勢の賑やかな小学生達が登ってきた。みんな元気だ。先生に先導された学校の集団登山だった。小峠からの道はどんな道なのだろうか。
ここでも展望がないので早々に下山にかかった。
(子持山山頂にて)

柳木ケ峯まで引き返し、浅間方向に下るとものすごい急坂の下りだった。滑らないように歩くのに緊張して汗をかいた。「おおたるみ」まで下ると、浅間までなだらかな尾根道になり、気持ちよく歩いた。
柳木ケ峯からの下り始めは凄い急坂)
(浅間山までなだらかな尾根歩き)

可愛い(牛の?)顔の石碑がある牛十二の分岐をすぎ、浅間山に付くと、山名板がぶら下がり、富士浅間皇大神と書いた石碑や小さな祠が並んでいた。証拠写真を撮って下りにかかると、ここも結構な急な下りだった。柳木ケ峯から5号橋まで立木に遮られてほとんど展望のない道だが、数箇所からしし岩を眺めることが出来た。
(浅間山には祠や石碑がありました)
(南面から眺めたしし岩)

5号橋まで無事下りついて、昨日も入った富士見温泉みはらしの湯で汗を流し、中のレストランで地粉そばを頂いてから帰途についた。500円(65才以上300円)の料金で、広くて清潔な温泉に入り、リーゾナブルな値段の美味しい料理も気に入って、少々遠回りだったが立ち寄った。帰りは急がないので渋滞も覚悟して、和子の運転でR50を走ったが、どこにも渋滞がなく気持ちよく日立まで帰りついた。




inserted by FC2 system