U64.遠藤ケ滝

1.動 機

シモンさんのパソコン通信仲間と安達太良山にネマガリのタケノコを採りに出かけ、麓のコテージ「アットホームおおたま」で持ち寄りの料理とお酒がいっぱいの楽しい一夜を過ごした。翌朝、皆さんは安達太良山や和尚山に登ったり新潟の山に出かけたりしたが、我家は実益重視、近くでフキ採りをすることにした。そのついでに、目に付いた道標に従って遠藤ケ滝まで歩いてみたが、思いがけず綺麗な滝に出会えた。あまり知られていない滝と思い、この山行記で紹介することにした。


2.データ

a)山域:遠藤ケ滝(780m)
b)登山日:2007/06/10(日)曇一時雨
c)コースタイム: 
アットホームおおたま9:30 = 9:45相応寺駐車場9:50 ---- 10:00相応寺 ---- 10:25遠藤ケ滝10:30 ---- 10:45相応寺10:50 ---- 11:00相応寺駐車場11:10 = 12:40本宮IC = 13:00阿武隈高原SA 13:10 = 14:00日立北IC = 14:40自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「安達太良山南東」
(遠藤ケ滝遊歩道)

3.山行記録

コテージでパソコン仲間と楽しく賑やかな朝食を頂き、山登りに出かける皆さんを送り出してから、近くの道傍にいっぱい生えているフキの採取を始めた。ところが、車で通りかかった土地の人が、「ここは県民の森の一部なので植物を採るとしかられますよ」と教えてくれた。ここでのフキの採取は諦めて、近くの道路脇にあった「遠藤ケ滝」への道標に従ってこの滝を見に行くことにした。「遠藤ケ滝」の名前は聞いたこともなかったが、早朝散歩している時にこの道標を見つけて行って見たくなったのだ。
岳温泉方向に走ると道は細くなったが、舗装道が続いた。分岐で「遠藤ケ滝」の道標にに従って左に分かれ、安達太良温泉を通過してどんどん登っていくと、トイレや遠藤ケ滝遊歩道の標識がある広い駐車場に着いた。バス1台とマイカーが数台停まっていた。
(駐車場にあった遊歩道の標識)

滝までたいした距離もないだろうと予想して、何も持たないでカメラ片手に歩き始めた。すぐに橋があり、これを渡れば滝は間近だと思って沢筋の踏跡に踏みこんでみたが、すぐに踏跡は消えてしまった。丁度小さな子供二人を連れたハイキング姿の若夫婦が通りかかったので道を尋ねると、まだまだ先とのことだった。ここから若夫婦の後ろについて歩いた。
10分も歩いたところに立派なお寺があった。このお寺は東北三十六不動尊霊場 第三十一番札所の相応寺といい赤不動とも呼ばれる。大玉村HPによれば、「法相宗の高僧・徳一大師が大同二年(807年)眉岳に開基し、永禄三年(1563年)実弁法印の代に現在地へ伽藍を造営したといわれる。遠藤ヶ滝不動尊の名前は平安時代の遠藤武者・盛遠が、若い頃、安達太良山中の瀑布において気を養ったことから冠して、遠藤ヶ滝と称するようになった。」と言う。大師や上人の像のほか、周囲には多くの方から寄進された小さな不動明王の銅像がずらりと並んでいてこれも壮観だった。
今年が開祖1200年にあたり、溝の一行が本堂に集まってお経を聞いていた。
(開祖徳一大師の像)
(中興文覚上人の像)

お寺から遊歩道への入口にロープが張られ、「倒木のため通り抜け出来ません」の札がかかっていたが、子供連れご夫婦は無視して進むので、その後について歩いていった。岩を食む杉田川清流を見下ろしながら結構岩っぽい道を歩いたり、3回木の橋を渡たったりしたが、二人の子供さんが元気にはしゃぎながら歩くので後を歩いていても気持ちが良かった。幼稚園生と小学生低学年と思われたが、育て方ではこんなにも元気な子に育つのだと感心させられた。
ご夫婦は途中で沢に下りたので、そこから先は案内無しで歩いた。道は整備されており、何人ものカメラマンや老夫婦に出会い、土地では評判のハイキングコースのように思われた。
(岩を食む杉田川の清流)
(木の橋を3度渡った)


まもなく綺麗な形で流れ落ちる滝が現れた。「三日月滝」と言う滝で落差は4mほどだが、丸い岩を流れ落ちる流水の形が球型になっていて美しい。写真写りの良い滝だった。
いままでパラパラと降っていた雨が強くなってきた。丁度「石室」という岩屋があったので、ここに入って雨が小止みになるまでしばらく雨宿りした。、文覚上人もかつてこの石室にこもり、日夜滝に打たれる修行を続けたと伝えられる。
そばの鉄の階段を登ると、目の前が大岩の間から落ちる遠藤ケ滝だった。「沐浴斎戒の不動滝」とも呼ばれ、周りに祠もあって修験場の雰囲気があるが、滝自体には期待したほどの迫力はない。
(写真写りのいい三日月滝)

(雨が降ってきて石室で一休み)
(不動滝)


遊歩道はここから山の中に登っていて、一回りして相応寺に帰ることが出来るらしい。入口にあった「倒木あり」の注意書きはこれから先のことと思われ、また、まだ雨も降りそうだったので、少し休んでから相応寺まで往路を引き返した。
駐車場に引き返し、車で本宮ICに向かったが、途中、道傍のフキを少し収穫して帰ってきた。
(相応寺にあった遊歩道案内図)




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