U83 唐松岳・五竜岳縦走

1.動 機
絶好の好天気のもとHESCO亀楽会のお二人と唐松岳・五竜岳縦走をして、雄大な展望と可愛い花々を存分に楽しんできた。当初は唐松岳頂上山荘と五竜山荘の山小屋に2泊し、上り下りにゴンドラが使えるのでゆっくり歩ける計画だったが、2泊目の五竜山荘が大混雑と告げられ、急遽その日のうちに大急ぎで遠見尾根を下った。
(唐松五竜縦走ルート)

2.データ
a)山域:唐松岳(2696m)五竜岳(2814m)八方山(1974m)大遠見山(2106m)
b)登山日:2007/08/24(金)晴一時曇、25(土)晴、26(日)晴
c)コースタイム:
8月24日*森山自宅 4:25 = 4:40 堂平 = 4:50 城南町 = 5:00 日立中央IC = 6:40 三芳PA7:00 = 8:25 東部湯の丸SA8:40 = 9:00 長野IC = 10:10 白馬山麓駅 10:35 =(ゴンドラ・リフト)= 11:00 八方池山荘 ---- 11:40八方山ケルン(昼食)11:55 ---- 12:20 八方池 ---- 13:30扇雪渓 ---- 13:55 丸山ケルン14:05 ---- 14:40 唐松岳頂上山荘15:00 ---- 15:20 唐松岳山頂 15:40 ---- 16:00 唐松岳頂上山荘(泊)
8月25日*唐松岳頂上山荘 6:50 ----9:10 五竜山荘 9:25 ---- 10:15 キレット分岐 10:30 ---- 10:35 五竜岳山頂 10:45 ---- 11:35 五竜山荘11:55 ---- 12:00 白岳 ---- 13:05 西遠見山13:15---- 13:40 大遠見山 -------- 14:10 中遠見山 14:15 ---- 15:10 地蔵の頭15:15 ----15:30 アルプス平駅15:40 =(テレキャビン)= 15:50 とおみ駅 16:00 =(タクシ)= 16:15 白馬山麓駅駅16:20 = 16:30 白馬スキー館(泊)
8月26日*白馬スキー館8:30 = 9:45 長野IC = 10:30 SA10:45 =12:10守谷SA(昼食)12:40= 13:30 日立中央IC = 森山自宅 14:15
d)同行者:亀楽会員2名、和子
e)地形図:1/25000「白馬町」「神城」

3.山行記録 
(アクセス)
当初、大型バンを借用する予定で計画され6名の参加予定だったが、バンが借りられなくなりJR利用に変わった。自由度が減る上、費用もかさむこともあり参加者が4名に減ったので、我家の愛車に乗り合わせて出かけることにした。
我家を4時半前に発車し、堂平と城南町の亀楽会会員を乗せて丁度5時に日立中央ICから常磐道に乗った。東京外環道を6時過ぎに通過し、三芳PAで朝食をとり、運転者も交代して、関越道、上信越道と繋いで長野ICに9時に到着した。オリンピック道路を走って白馬村に入ると、多少ガスがかかって白馬岳あたりは隠れていたが、今回歩く唐松岳から五竜岳の稜線が目の前に広がっていて喜ばせてくれた。


(県道33号路側から)

今日は平日なのに人出は多くてゴンドラの白馬麓駅の駐車場は満車だったが、すぐ近くの駐車場に入ることが出来た。3日間の料金1500円を払って身支度を整えてゴンドラに乗った。

(一日目;唐松岳)
 ゴンドラで620m稼ぎ、更にリフト2基を繋いで更に450mを稼いで、標高1840mの八方池山荘前まで登った。家族連れなど大勢の観光客が上に向かって歩いており、すでにリフトで下りる人もいた。八方池までさすが人気のハイキングコースのようで、期待が膨らむ。

(リフトから見た八方尾根、大勢の観光客やハイカーの姿が見えた)

観光客と混じって階段を登っていくと、なだらかな巻道と健脚向きの尾根道とに別れ、展望を期待して石がごろごろしている尾根道を登っていった。八方池までのすべての道の両側にはロープが張られて、周りの高山植物を保護してあった。ガスが晴れず展望は今ひとつだったが、道傍には色々な花が咲いていて目を楽しませてくれた。マツムシソウ、ウメバチソウ、ヒメシャジン、ワレモコウ、イワショウブ、ハッポウアザミ、アキノキリンソウ、シモツケソウ、オヤマリンドウ、ハッポウウスユキソウ、イブキジャコウソウ、カライトソウなど色とりどりだった。


登っていくと立派なケルンが建つ八方山に着いた。残念ながら視界は利かないが、周りは花だらけ、花を愛でながらゆっくり昼食をとった。道なりに進むと、息ケルン(第二ケルン)、八方ケルンと次々とケルンが現れ、展望写真の張られた高台に立ったが、ガスの晴れ間からわずかに白馬鑓の鋭鋒が見えるだけだった。
ここから階段道を下って八方池に下りてみたが、水面に写る白馬三山の写真を撮ることはかなわなかった。
(息ケルン、左上に八方ケルン)
(八方池、ここに白馬三山が映るはず)

ここからは人も減り、道も少し登山道らしくなり、尾根道からダケカンバのトラバース道を歩くと扇雪渓が現れた。雪渓の横をジグザグに登るとケルンのある高台に着いた。今度は、目の前にゴツゴツとした迫力のある岩峰群が現れた。白馬から唐松に向かう時に通るキレット群(不帰嶮の3峰と天狗の頭)とのこと、その右には白馬鑓と杓子も頭を出していた。
(丸山からの展望:不帰ノキレット、天狗の大下りを展望、右端に白馬三山)

気分をよくして次に向かうと、八方の頭を巻くトラバース道になり、ところどころ岩場やガレバが現れた。要所には山側に鎖やロープが張ってあるが、少々気持ちが悪かった。
唐松岳山頂山荘に近着くと、左手には剱、立山の連峰が見えて嬉しい展望だった。山荘は3棟あるが手前はまだ建設中、真ん中の山荘に入って2階の部屋を指定される。今日は8畳に12名とのこと、2畳に3人でまずまずだ。(2名がキャンセルして10名になった)
場所取りだけして、空身で目の前の唐松岳に向かった。
(唐松岳山頂山荘手前のガレバ)
(頂上山荘から唐松岳)
登り口にはキキョウやコマクサが咲いていた。写真に収めて山頂に立つと、朝からのガスが残っていて遠くは見えないが、360度の大展望である。証拠写真を撮ってから山名同定にかかった。
正面下に不帰嶮から白馬へのキレット群、後に明日歩く五竜岳への稜線が見え、槍穂高、薬師、立山、剱までも見通せ、その手前に来週水戸アルパインで歩く予定の読売新道が見えているのを教えてもらった。
(唐松岳山頂:後は五竜)


(唐松岳山頂からの展望:不帰ノキレット、天狗の大下りを展望、右奥に白馬鑓、左に清水岳)


唐松岳山頂からの展望:五竜岳への稜線、右奥は針の木蓮華、その上に槍穂高
(この合成写真では槍穂高は消えてしまった)

(二日目;五竜岳)
外では夜の間中強い風が吹き荒れていた。朝食前にもう一度唐松岳山頂に登って朝の展望を楽しむ積りだったが、この強風では危なそうなので止めにして、山荘の裏から日の出を拝んだ。日の出前に東方向の山並みが姿を現してきた。雨飾、火打、妙高、高妻、戸隠、奥白根、四阿、浅間、八ケ岳、富士山、南アルプス、全部見えてきた。日が昇って少したつと、突然ガスが登り始めて何も見えなくなった。代わりに西側にブロッケンが出てきた。

(戸隠山、飯綱山の間に日の出)


(日の出直後にブロッケン)

朝食をとっている間に、風も少し穏やかになったようなので、ガスで視界は利かないが歩き始めることにした。ここの水は自動販売機で購入する。1本300円也の0.5Lを2本買い足して出発した。
山荘前から左の登山道に入ると、すぐに牛首の岩場の上り下りの道になる。巻道は今はない。ストックは仕舞って慎重に足を運んだ。岩場を大きく下って暫くなだらかなザレ道を歩き、再び岩場を下ったあたりでガスが晴れ始めた。目に前に五竜岳が大きく聳え、右手に立山、剱、毛勝三山が意外と近くに見えていた。再び岩場を登って大黒岳に上ると素晴らしい展望だ。少し下ったところで展望を楽しんだ。

(大黒岳への登り)


(展望を楽しみながら休憩する4人)
また少し下るとハイマツやザレのいくつかピークを越えながらの尾根道になり、しばらく五竜、薬師、剱を眺めながら気持ちよく歩いた。
(五竜、薬師、剱を前にして気持ちのいい尾根歩き)

大きく下って白岳に登り返し、山頂近くは巻道を進むと、眼下に今日の宿泊場所、五竜山荘が見えてきた。山荘入口には「本日は大変な混雑が予想され、1畳に2〜3名になります。間に合う人は今日中に下山して、オーバステー緩和にご協力お願いします」の張り紙があった。
山荘前にザックを置いて、少し休んでから空身で五竜岳山頂に向かった。登山道にはトウヤクリンドウが陽を受けて花開いており、アキノキリンソウが黄色く光っていた。東側の展望が開けており、妙高、から富士山、南アルプスの山々が雲海の上に浮かんでいた。更に登ると鹿島槍の双耳峰も見えるようになった。

(登山道途中から浅間山)
(山荘前から五竜岳)
山頂が近付くと岩山のようになり、下ってくる人と交差できずやり過ごすようになった。
(山頂近くは岩の重なり)

(五竜岳山頂、万歳!!後は唐松)
山頂手前に鹿島槍の北尾根キレットへの分岐点があり、ここで展望を楽しみ、昼食を食べながら一休みした。休んでいる間にも、キレットに向かう中高年、キレットからやってきた大きなザックを背負った若者、多くの人たちがキレットに挑戦していた。
5分先の山頂まで登って証拠写真を撮った。展望を楽しんでいるうちに剱あたりにガスが出始めると、記念写真をとるのに大騒ぎを始める人もでる。展望が悪くなってきたので下山にかかった。
(五竜山頂から:鹿島槍、槍、水晶、赤牛、薬師、立山、剱)
(五竜山頂から:唐松岳からの尾根道、向こうに白馬鑓と白馬岳、手前に五竜山荘)
五竜山荘に降りるとまだ正午前だった。しっかり歩けば4時15分のテレキャビンには間に合いそうなので、宿泊をキャンセルしたら感謝された。
ここの水は水栓から1L100円でもらえる。暖かい水だが仕方ない、二人で1Lを追加して歩き始めた。
12時前に出発し、白岳に登り返し、山頂手前の分岐から山頂経由遠見尾根への道に入った。初めは気持ちのいい尾根道の下りだったが、西遠見山を過ぎたあたりから急な岩場のくだりになった。この時間登ってくる人が多くなってきて、やり過ごす間にどんどん時間がたっていく。
それにしてもこちらの登りの急登は厳しい。こちらから登る人は大変だ。
(白岳へ上り返す)
(西遠見山辺りの尾根道)
(急坂を振り返る:右の尾根から中心へ)

西遠見山の急坂を下ったところで1時間を過ぎ、コースタイム以上だった。ここからペースが上がった。
(中遠見山からの展望:爺、鹿島槍、五竜、唐松)

地蔵の頭まで下ると、テレキャビン平駅まであと20分の立札がある。時刻はまだ3時10分だ。ゆっくりと休む。急いで歩いたので足ががくがくしている。すぐ下のリフトが運転していたので乗ろうとしたが、係員が「これに乗ると下りすぎて、平駅まで少し登り返す。このまま歩いたほうか良いよ」と親切に教えてくれた。区画割して色々な花を咲かせているお花畑の中の遊歩道を下ってテレキャビン駅に到着して、今日の山行はやっと終わりになった。
サービスの冷たいお絞りを貰ってキャビンに乗り込み、駅で買った冷たいジュースが美味しかったこと!、

(地蔵の頭で一休み、あと少しだ)


(テレキャビンでらくちん)

とおみ駅に降りて観光案内所で白馬での宿の斡旋をお願いしたが、縄張りが違うので出来ないと断られ、白馬の観光案内所の場所を教えてくれた。
タクシーで白馬ゴンドラの麓駅に向かい、我が愛車に乗り換えて観光案内所に向かった。斡旋された「白馬スキー館」は本日貸切、4時半に到着したら、奥さんが大慌て中で、部屋に通した後、「温泉はあと20分、食事は6時半から」と言い置いて買い物に出て行った。
まずは冷たいビールで乾杯し、広い風呂場でゆっくりと汗を流し、手作りの美味しい夕食をいただき、8畳に二人のゆっくりとした部屋で至福の夜を過ごした。遠見尾根を急いで下ってきた甲斐が大有りだった。

(三日目;帰宅)
朝起きると今日もお天気がいい。思い立って7時過ぎに外に出ると、残念ながら山並みはガスに隠れていた。それでも近くを散歩してみると、色々な花が植えられていて綺麗だった。早めに出かけていれば、山頂も綺麗に見えたかもしれないが、悔やんでも後の祭りだった。

(宿の近くで、向日葵と遠見尾根)


(そばの花と五竜)

ゆっくりと美味しい朝食をとって、8時半に宿を出て帰途についた。途中アルプスの展望地に回ったが、ガスで駄目だった。車中から見えたそば畑が綺麗だったので写真を撮りに寄り道した。
9時45分に長野ICで高速に乗り、横川SAで休憩して運転交代し、東京を混雑前に通過したので、守谷SAで昼食を食べても日立中央ICには13時半に着くことが出来た。

**遠見尾根の下りの影響はこの日の夕方出初め、翌日27日には階段の上り下りに不自由になった。28日発の5泊6日の読売新道を歩く自信がなくなり、キャンセルも考えてリーダに相談したが、大丈夫、大丈夫と励まされてお仕舞い。足の調子は今日28日朝にはほぼ回復していた。

ー花写真は整理中ー




inserted by FC2 system