U93.宝永山の噴火口

1.動 機
下山先生のパソコン仲間が、ここ数年富士山の麓でキノコ狩をするキノコオフをしている。今年は富士山の南麓が選ばれたが、参加者は下山夫妻と幹事のDさん夫妻と初参加の我家の6名と例年よりも少なかった。幹事さんが山歩きが好きな下山・川本両家のことを慮って下さり、宝永火口を覗くおまけ付きのコース設定がされた。我家はキノコにはまるで素人だが、4人はベテラン、キノコも色々なものが採取され、表富士グリーンキャンプ場のロッジで、美味しいキノコ汁とキノコご飯が作られて楽しい宴が開かれた。
先日の窓明山では残念な思いをしたので、我家もこれをきっかけにキノコの勉強をしようと話し合っている。

(噴火口下から見上げた宝永山)


2.データ
a)山域:宝永山(2683m)
b)登山日:2007/09/22(土)晴、09/23(日)曇
c)コースタイム: 
9月22日:日立自宅 3:20 = 3:30 日立南IC = 5:10 海老名PA 5:30 = 5:55 足柄SA 6:25 = 6:30 御殿場IC = 7:05 水ケ塚PA 8:10 ---- 8:20 鉢ノ木PA 8:25 = 8:40 新五合目PA 8:50 ---- 9:10 6合目雲海荘 9:25 ---- 9:35 宝永山火口縁 9:40 ---- 9:50 火口底 9:55 ---- 10:00 宝永山火口縁 ---- 10:25(昼食)10:45 ---- 11:30 水ケ塚分岐 ---- 16:00 高鉢PA(車回収)16:40= 17:00 表富士グリーンキャンプ場(泊)
9月23日:表富士グリーンキャンプ場 9:00 = 9:20 御殿場口五合目PA 9:50 ----(キノコ採取)---- 10:50 御殿場口五合目PA 11:05 = 12:15 鳴沢キノコ屋 12:35 ---- 12:45 ほうとう屋 13:55 ---- 14:00 河口湖IC = 大月JCT = 15:00 八王子JCT = 藤岡JCT = 15:55 大泉JCT = 16:30 三郷JCT = 16:40 守谷SA 16:50 = 17:30 那珂IC= 18:20 日立自宅
d)同行者:Dさん夫妻、下山夫妻、和子
e)地形図:1/25000 「富士山南東」「天母山北東」「印野北西
(キノコオフ歩行ルート:足柄SAの案内図を撮影)

初日は水ケ塚PAに集合し、高鉢PAに一台デポして富士宮口新五合目まで車で上がって歩き始めた。宝永山火口の縁で広大な火口を眺め、キノコの採取を楽しみながら水ケ塚への道を下り、途中から高鉢PAに向かって曲がり、ガラン沢を越えて高鉢PAに戻った。表富士グリーンキャンプ場に宿泊後、翌日は御殿場口の五合目PA近くを徘徊してキノコを物色した。

3.山行記録
深夜割引を使うべく日立南ICから高速に乗ると車は少なく、常磐道も首都高も快調に走って5時過ぎに海老名SAに到着して朝食休憩し、次の足柄SAで展望を楽しみにしたがガスで展望はなかった。集合場所に早く着き過ぎそうなので、ここで30分の時間調整をしながら休憩した。通勤割引で御殿場ICから一般道に下りると、空が晴れてきて富士山が目の前に大きく見えてきた。富士山が見えると嬉しくなって、コンビニの駐車場や富士山スカイラインの陸上自衛隊の演習場入口などに車を停めてシャッタを押した。
集合時間の1時間前に水ケ塚駐車場に到着すると、富士山が目の前に大きく迫り、宝永火口が目の前に大きく口を広げていた。こんな富士山を見るのは初めてだ。数人のカメラマンが三脚を構えていたが、足柄SAで時間調整などしなければ朝焼けの富士山が見えたかもしれないと悔やんだがあとの祭りだった。
(自衛隊演習場前から)
(水ケ塚駐車場から)

間もなく幹事のDさんが現れ、下山さんもやってきてコースの説明があった。当初はキノコ重点のコースだったが、今日は天気がいいので宝永火口まで上るとの嬉しい説明だった。高鉢駐車場に一台デポし、新五合目駐車場まで車で上がったが、三連休の初日、駐車場はほとんど満車状態だった。一番下のほうに空場所を見つけて駐車した。
階段を登り、宝永山への緩やかな広い砂利道を歩くと、富士山へにジグザグ道が見え、数箇所の山小屋も見えていた。白い建物が目立つ山頂が意外と近く見え、2,3時間もあれば十分に登れそうに見える。横巾が広大なので縦方向も短く見える錯覚なのだろう。
太ったDさんが遅れ気味で、6合目の山荘前で一休みした。ここから富士山への登山道には×印がついていたが、多くの登山者がどんどんと登っていった。この時期にまだ山頂まで行くのだろうか。
(駐車場の階段から登りはじめ)
(富士山を仰ぎながら)

山荘からも緩やかな登りが続いて、10分で火口縁に着いた。荒涼とした広大な火口原が広がり、その上に宝永山が聳えていた。宝永山への登山道は火口原の中を横切り、トラバース気味に緩やかに向かいの火口縁まで登って、それから宝永山山頂に登るようになっている。
下山さんと二人で向かい、4人はここで待つということになった。
(宝永火口縁にて;左が富士山頂、右が宝永山)

10分で岩がゴロゴロする火口の底に着いた。周りの火口壁のパノラマは迫力があった。宝永山にも登りたかったが1時間ぐらいかかりそうで、皆さんを待たせるわけには行かず、ここで万歳をして引き返した。
(火口底に向かって:目の前が宝永山)
(火口底到着:後は富士山)

火口縁に戻って、縁を下り切ったところで昼食をとった。ここから水ケ塚への道を下りながら周りの樹林の中にも踏み込みながらキノコを物色し、途中から西の高鉢駐車場に向きを変えて道なき道に入り込んだ。色々なキノコが見つかり、4人の口からはハナイグチ、ヌメリササダケ、アカハツなどと今まで聞いたこともない名前が飛び出す。私が見つけたキノコを見せると「これはやばいよ」と言ってほとんどが一蹴されてしまう。
途中には倒木帯があったり深い沢を渡ったりと苦労もあったが、高鉢駐車場に近付くと道はまた良くなった。あちこちに踏跡が分かれており、このあたりがキノコ狩の人が良く歩く場所のようだった。
(ハナイグチ)
(すさまじい倒木帯)

高鉢駐車場から運転者だけで新五合目駐車場の車を回収してきてから、富士スカイラインの先の表富士グリーンキャンプ場に向かった。キャンプ場は広く多くのロッジが建っており、どのロッジにももう若い人たちが入って賑やかになっていた。予約してあったロッジは木の香も漂う真新しい建物だが、炊事は外の共同炊事場で行い、食事もテラスで持参の椅子を並べてとる。トイレもキャンプ場の中で一箇所だけと、部屋の中に何でも揃っている茨城のロッジとは少し様子が違う。
採取したキノコを並べると新聞紙いっぱいになった。「今年は不作の年と言ううわさだったが、6人の目で探せば結構採れるもんだ」とDさんも驚いていた。キノコに詳しい4人で鑑定が始まる。図鑑を調べても確信の持てないものは別にしておいて、後でキノコ屋さんで鑑定してもらうとのこと。ベテランでも命にかかわることだから慎重だ。我家は周りから覗き込んで勉強。
ハナイグチ、ヌメリササダケなど美味しそうなキノコが選ばれて、綺麗に洗ってからキノコ汁になった。Dさん持参のヤマドリタケモドキ、ムラサキヤマドリという名前のキノコでキノコご飯が準備された。キノコご飯のスイッチを入れて、揃って車で「天母の湯」という日帰り温泉に出かけて汗を流した。さっぱりして、みんなで持参したお酒と料理も入って豪華で楽しい晩餐会が何時までも続いた。この集まりでは、山菜やアカヤシオなど色々あるが、どのオフでもこの晩餐会が一番の楽しみだ。
(キャンプ場)
(キノコ汁)

広い部屋でゆっくりと眠って、翌日は日の出の時間ごろにゆっくりとおきだした。はじめは富士山の山頂が見えていたが、だんだんと曇ってきた。朝食では、昨夜のキノコご飯とキノコ汁が一緒になっておじやになったが、これもしっかりと味が出ていて美味しかった。
部屋を片付けてから、揃ってガスの中を御殿場口の五合目まで車を走らせて、ここの駐車場の周りを散策しながらキノコの採取をした。砂礫の地が多くてキノコは少なかったが、フジアザミやオンタデなど富士山の花がまだ賑やかだった。
(ガスの中を歩き始める)
(フジアザミ)

1時間ほどキノコ狩りをしてから、東富士道路を走って河口湖側に回り、Dさんお馴染みの鳴沢のキノコ屋に立ち寄って、持参したキノコの鑑定をお願いした。店主は気持ちよく引き受けてくれて、親父さんと一緒に危ないキノコを弾き出してくれた。
下山夫妻とはここで別れ、Dさん夫妻とは美味しいことで評判だと言うほうとう屋に案内してもらった。野菜やキノコいっぱいで美味しいホウトウを一緒に頂いてから、今回のお礼を言って別れた。河口湖ICから高速に乗り、中央道と関越道で30分づつ渋滞があったが、通勤割引のため那珂ICで高速を下り、我家には6時過ぎに無事帰着した。その日の夕食にはお土産に貰ったハナイグチ、ヌメリササダケ、アカハツ、アミハナイグチ、ナラタケなどが入ったキノコ汁が出てきた。




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