V12.鹿狼山と野手上山
(福島の山ピークハント)

1.動 機
年始めにヤマケイ分県登山ガイド「福島県の山」(1999年版)を開いたら、登っていない山が12座だけ残っていた。メジャーな山は色々と連れて歩いて貰って、残った山は殆どマイナーな山で、それもアクセスに時間がかかる山ばかりだった。それでも我家のピークハント癖が頭をもたげ、「12座なら今年のうちに登ってしまおう。」と決まった。
海岸線の山なら1月でも雪無しで登れるだろうと、手始めに鹿狼山と野手上山に出かけてきた。
(登っていない「福島県の山」)


2.データ
a)山域:鹿狼山(430m)、野手上山(629m)
b)登山日:2008/01/06(日)晴後曇一時雨
c)コースタイム:
日立自宅 7:10 = 7:40 日立北IC = 8:30 富岡IC = 9:40 鹿狼山登山口 10:00 ----(眺望コース)---- 10:35 鹿狼山 10:50 ----(樹海コース)---- 11:20 鹿狼山登山口 11:30 = 12:10 真野ダム(昼食)12:55 ---- 13:35 野手上神社P 13:40 ---- 14:15 野手上山 14:25 ---- 14:35 分岐 ----(ケヤキの森コース)---- 15:00 ダム ---- 15:10 野手上神社P 15:25 = 16:40富岡IC = 17:40 日立北IC = 18:10 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「丸森」「小宮」


3.山行記録
1)鹿狼山
7時過ぎに我家を出発して、日立北ICから常磐道に乗り8時30分に富岡ICで下りた。距離は96kmで通勤割引に丁度の距離だった。ここから県道35号は空いているとはいえ距離は長く、途中、鹿狼山らしき山並みを眺めながら走って、鹿狼山の登山口に到着したのは9時40分だった。
(鹿狼山の山並み、中央が鹿狼山)

駐車場には大きな案内板があり、予定の地形図の破線の道(眺望の森コース・樹海の森コース)のほかにもケヤキの森コースや真弓清水コース、蔵王眺望コースなどが表示されていた。土地の人の話では他のコースの登山口には車で移動が必要のようだった。
(鹿狼山のハイキングルート)

下の駐車場はほぼ満車状態だったが、もう下山してきたグループもあり、空いたスペースに駐車した。駐車場には綺麗なトイレがあり、すぐ脇には鹿狼の湯という日帰りの湯もあった。
登山道は鹿狼の湯の脇から始まり、すぐに石の鳥居をくぐる。
(登山口の駐車場)
(大鳥居から出発)

鳥居からすぐに「眺望の森コース」と「樹海の森コース」の分岐になる。登りは「眺望の森コース」をとったが、手入れされた登山道で、多くは石段で補強されていた。周りはヤマザクラやヤマモミジなど落葉樹で囲まれて樹間から太平洋が望まれ、展望を楽しみながら登っていった。色々な野鳥の説明板が並んでおり鳥見の楽しみも有りそうだし、カタクリの説明板もあったので季節には可愛い赤紫の花も楽しめるのだろう。山頂からの360°の展望だけでなく色々な楽しみもあるので、大勢の人が押しかけくるのだろう。
(分岐)
(眺望の森コースを登る)

35分歩いて登りついた山頂にも石の鳥居があって、足尾神社と鹿狼山神社があり、それぞれにお参りした。三角点の前にはテーブルやベンチがあり、立派な山頂標石の前で証拠写真をとった。
(山頂の神社)
(立派な山頂標石)

山頂からはまさに360°の展望で、太平洋側には新地町の街並み、相馬共同火力、松川浦、相馬市の街並みが広がり、遠くは牡鹿半島まで望まれた。
(太平洋側のパノラマ)

反対側には山並みが広がっていたが、安達太良や吾妻の雪山あたりは天気が悪いのか雲に隠れており、残念ながら確認できたのは霊山ぐらいだった。
(南西側のパノラマ)

(樹海の森コースを下る)
山頂には北に向かう「連絡コース」の道標があったが、今日は蔵王も見えないのではつまらない。山頂でゆっくりと展望を楽しんでから、「樹海の森コース」で下りにかかった。「樹海の森コース」というので、深い樹林帯を下るのかと思っていたが、石段ではなく九十九折にきった登山道なのが登りと違うだけで、周りは同じようにクヌギ、イヌブナ、クマシデなど落葉樹の森で、太平洋を眺めながら下った。途中にはベンチがあったり、休憩舎のある展望台も作られていた。こちらから登ってくる人も多かったが、道が広いので道を譲るのに立ち止まる必要もなかった。30分で駐車場に下りついた。
駐車場に下りると駐車場の車は更に増えており、上の駐車場までも満車に近かった。もちろん鹿狼の湯には入らないで次に向かった。空には大して雲はないのに、チラチラと雨粒がフロントガラスに跡を残した。今日は一日好天の天気予報だったのにどうしたことか。

2)真野ダム
車のナビに野手上神社を指定して出発すると、途中、はやま湖のほとりが公園になっており、真野ダム管理事務所の脇でバーナを出して昼食にした。昼食の間に厚い雲が出てきて嫌な雲行きになっていた。
野手上山は思ったよりも奥深いところにある山だった。途中の山道では残雪が残ったところが多く、カーブを回るたびにひやひやしながら慎重に運転した。
(真野ダムで堰き止められたはやま湖)

3)野手上山
地形図には野手上山に登る道はなかったが、野手上ダム湖岸の神社下駐車場に、野手上山がうつくしま百名山の一座であることや、野手神山神社の由来などの説明板があり、遊歩道の大きな案内板もあった。色々なコースが表示されていたが、「野手上山コース」で山頂を越え、向かいから「ケヤキの森コース」で山麓を回って帰ることにした。
(野手上山の遊歩道案内図)

駐車場には山形から来たという人達が登り終わって引き上げるところだった。湖畔からは石段が大鳥居の下を通って伸びており、その先に野手上山が見えていた。雨も小止みになってきたので、我家も歩き始めることにした。空身で歩き始め、石段を上がると神社の社殿があるのかと思ったら、物置のようなプレハブの建物だった。
その脇を通って手入れの行き届いた歩きやすい登山道が伸びており、ところどころに「野手上コース」の標柱が立っていた。始めは落葉したカラマツ林で、新緑や黄葉の季節には綺麗だろうと思われた。次いで杉の植林になり、それを過ぎると明るい雑木林になった。
(野手神山神社の大鳥居)
(整備された登山道)

急登の階段を登ると、そこには黄金山大神の石碑があり金華山というピークらしい。山頂は一度小さく下って更に長い階段道を登ったところだった。まわりはコナラの木で、落葉を踏んで気持ちのいい道だった。雨を警戒して急ぎ気味に登ったが、駐車場から山頂まで35分だった。
(金華山、バックが野手上山)
(山頂近くは階段の急登)

山頂は細長い尾根状になっており、神社の社があり、その脇に三等三角点と真新しい山名標柱があった。標柱には「野手神山」とありがたい山名になっていた。その先に立派な展望台があったので上がってみたが、雨は止んでも視界は利かず、知っている山も太平洋も見えなかった。
証拠写真をとって向かい側の登山道で下りにかかった。こちらも急坂だが、階段ではなくジグザグに切った道になっていた。落葉を踏みしめながらで気持ち良いが、滑らないように気を使いながら下った。
(真新しい山頂標)
(下りはジグザグ道)

10分も下ると分岐になり、左方は「サワグルミの森」右方は「ケヤキの森」となっており、「ケヤキの森」に進んだ。「ケヤキの森コ−ス」の標柱のある道は、野手上山の山麓を回りながら緩やかに下る道で、本当に気持ちの良いハイキングコースだった。
25分ほどで下りきると、目の前にダムの堰堤があり、ここから湖畔を巡る広い道を歩いて10分で駐車場所に帰りついた。賑やかだった鹿狼山にくらべ、野手上山は静かな山で、歩いている間は誰一人出合うことがなかった。
(ケヤキの森コース)
(湖岸を歩く)

駐車場からは、また車のナビに従って走ったが、平地に出るまで雪の残るカーブ道を走るのに神経を使った。高速に入ってからはまた快調に走ることが出来たが、無事我家に帰り着いたときは、何時になく疲れを感じていた。今回は山歩きよりも車の運転に疲れた山行だった。




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