V17.富士山展望の山・御坂黒岳

1.動 機
(笠雲の富士山)

水戸アルパインクラブの一月例会は、毎年富士山を展望する山行が企画され、富士山が大好きな我家には嬉しい限りだ。今年の山は、河口湖を挟んで富士山と対峙する御坂山塊の最高峰・
黒岳になった。怪しげな天気予報が前日まで流れていて、富士山が雲に隠れてしまうのではないかと心配していたのだが、当日の実際のお天気は、朝は晴れ、下山時は曇りとだんだんと変化したので、幸いにも色々な表情の富士山を楽しむことが出来た。

2.データ
a)山域:黒岳(1793m)、破風山(1674m)
b)登山日:2008/01/20(日)晴後曇(前夜発)
c)コースタイム:
19日:日立自宅 20:30 = 20:40 日立電鉄南営業所20:45 = 21:30 水戸駅 = 21:55 水戸IC = 22:30 守谷SA 22:40 = 0:00? 談合坂SA
20日:談合坂SA 6:00 = 6:25 河口湖IC = 6:40 登山口 7:10 ---- 8:45 御坂峠 8:55 ---- 10:00 御坂黒岳(昼食)10:50 ---- 11:15 すずらん峠 ---- 11:30 破風山11:35 ---- 12:00 新道峠 ---- 12:50 林道 12:55 ---- 13:50 大石 14:05 = 14:10 日帰り温泉天水 15:05 = 15:20 河口湖IC = 15:50 談合坂SA 16:00 = 17:30 守谷SA 18:00 = 18:45 水戸IC = 19:50 日立電鉄南営業所 19:55 =20:05 日立自宅
d)同行者:水戸アルパイン会員19名(男性7名、女性12名)和子
e)地形図:1/25000 「河口湖東部」「河口湖西部」
(御坂黒岳歩行ルート)


3.山行記録
富士山を眺めに行く山行だから、お天気が良くて展望がなければつまらない。日程が近付くにつれて当日の天気予報が悪くなり、前日の土曜日には、その日はピーカンのお天気なのに、翌日の日曜日は曇後雪という予報になった。やきもきしながら、いつもの電鉄南営業所からバスに乗った。途中19名の参加者も乗ってきて水戸ICで高速に乗り、守谷SAで休憩したあと、首都高に入ったあたりからは夢うつつ、談合坂SAで仮眠をとった。
翌朝5時に起こされて朝食をとり、6時に発車すると河口湖IC近くで夜が明け始め、目の前に富士山が浮かび上がってきた。一般道に入ると右車窓に明るくなった富士山が綺麗に見え出し、「これだけ綺麗な富士山が見えれば、今日の山行はもう満点!」と喜びの声が上がった。走行中にシャッタを押せる明るさではないので、信号待ちを狙って一枚撮った。
大きく蛇行するR137を御坂トンネル入口まで登った三つ峠入口が今日の登山口で、ここから旧道に入ったここでバスを下りた。「旧御坂トンネルまで入ってから歩きはじめ、御坂山を経由して歩く方が高度差が少なくて楽なのだが」とも思うが、最近の水戸アルパインのメンバはみんな元気で、ルートの厳しさは気にしない。身支度を整えて、準備運動をして歩き始めた。
(信号待ちのバスから)
(登山口で準備運動)

谷会いの広い砂利道を10分も歩くと急坂になり、ジグザグに切られた登山道を歩くようになった。30分も頑張ったあたりから、樹間に富士山が見えるようになり、しょっちゅう立ち止まってはシャッタを押した。はじめは雲のない裸の富士山だったが、登るにつれて山頂に笠をかぶってきた。気温は低いが暖かい陽が当たり、風もないので最高の陽だまりハイクだ。長い登りだが、展望を楽しみながら歩くと疲れは感じない。春になって木々が茂ってくると展望がなくなるので、このコースは辛くなるだろう。
(富士山が見える)
(樹間から)

急坂を頑張って御坂峠まで登ったが、覚悟していた風もなく、暖かい峠でゆっくりと休憩した。峠には廃屋のような休業中の御坂茶屋があり、少し上に神官の石像が祭られた祠があり、その更に上には扉が壊れたニイハオトイレがあった。
(御坂峠)
(祠)

御坂峠からは、雑木林の中をなだらかな気分のいい尾根歩きが続いた。右手に白い八ヶ岳連峰、金峰山から国師ケ岳、甲武信岳などが立ち木の間から見え隠れしていた。
(八ケ岳連峰)
(金峰山−奥北千丈岳・国師ケ岳−甲武信岳・三宝山)

中ほどから少し急坂になり、ところどころ岩っぽいところも出てきた。風がなく陽が当たるので身体は暖かいが、気温は低い。路面が凍っているので、足を滑らさないように気をつけながらゆっくりと登っていった。黒岳の山頂に近付くと、周りの樹木に樹氷が見え出し、灌木には色々な氷の花が咲いていて綺麗だった。

黒岳山頂には一等三角点があり、いろいろな山名標柱が立っていた。ここは樹木に囲まれていて視界が利かないので、証拠写真だけとってすぐ近くの展望所に移動した。展望所からは、眼下の河口湖の上に富士山が大きく見えていた。その左手は霞加減だったが、右手には破風山の向こうに節刀ケ岳、鬼ケ岳、が重なって見えていた。その右に南アルプスの白い峰々が見えるのだが、残念ながら木の枝が邪魔をして写真にはならなかった。
(黒岳山頂にて)
(黒岳展望台)

目の前に富士山を眺めながら、ゆっくりと弁当を広げた。富士山が見えたので、みんな上機嫌で話も弾む。美味しいお手製の沢庵や干し芋が回ってきた。
(黒岳展望台から)

山頂に引き返して山名標柱の前で集合写真をとってから、次の破風山に向かった。下りもしばらくは急坂で、ところどころ凍っていて気を使った。目の前に南アルプスが見えているのだが、やはり木々の枝の間だ。脇に入りこんでシャッタを押したが、ゆっくりと山名同定するゆとりはなかった。
(南アルプス・白峰三山あたり?)

急坂を下ると緩やかな尾根道になり、破風山を見上げながら気分良く歩く。左手の富士山にはだんだんと雲が出てきて、破風山の山頂に着いた時には山頂は見えなくなっていた。ここには太陽光発電パネルを持った「富士山定点観測画像伝送システム」のカメラが設置されていて、携帯電話を持っている人が情報を受信できるかと色々と試みたが成功しなかった。
(破風山への尾根歩き)
(破風山山頂から)

破風山から新道峠までは緩やかな下りだったが、ここから左に曲がると転げ落ちるような急坂になった。ジグザグに切った道が嫌になるほど続いた。中沢林道に合わさると急になだらかな道になり、沢沿いの車道をどんどん歩くと大きな砂防ダムがあり、すぐに別荘地に入った。急斜面にできた別荘地には、5m以上もある高い鉄骨の基礎の上に瀟洒な家を作ってあり、まだ鉄骨だけの敷地も沢山残っていた。道は別荘地周りを大きく回っており、犬に吼えられたりしながらゆっくりと歩いた。
(新道の急坂下り)
(別荘地歩き)

河口湖畔の大石の街まで下ると、富士山の山頂は完全に雲の中に隠されていた。待っていたバスに乗って、日帰り露店風呂の天水に立ち寄って汗を流した。寒い季節に温泉は身体の芯まで温まって有難かった。
(湖畔からは富士山頂は見えず)
(日帰温泉で温まる)

暖房の効いたバスに揺られて、河口湖ICで高速に乗り、談合坂SAと石川PAで小休止、首都高を順調に走って守谷SAで夕食をとって、水戸には予定よりも2時間近くも早く帰ってきた。




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