V21.日影山と東堂山
(三角点サイクル探訪)

1.動 機
先日亀楽会で矢大臣山に登った時、目の前に見えたまだ登ったことがない日影山や東堂山が格好よかった。資料(新ハイキング社・阿武隈の山を歩く)を見ると、日影山は二等三角点、東堂山は四等三角点なので、三等三角点の湯ノ岳、一等三角点下神白の三崎公園を一緒に巡ってサイクル登山をしたとあった。サイクル登山のアイデアが面白いので真似しようと思ったが、湯ノ岳と下神白が面白くない。近くの蓬田岳(一等)と袖山(三等)をくっつけてサイクル登山を目指したが、時間が足りなくなり、一等三角点は三崎公園になった。

2.データ
a)山域:日影山(879m)、東堂山(668m)、袖山(539m)、三崎公園(47m)
b)登山日:2008/02/02(土)晴
c)コースタイム:
日立自宅 7:55 = 8:25 日立北IC = 9:15 小野IC = 9:25 牧場駐車場 9:40 ---- 10:45 日影山 11:00 ---- 11:30 牧場駐車場 11:35 = 11:45 東堂山駐車場 ---- 12:15 東堂山 ---- 12:40 東堂山駐車場(昼食)13:30 = 13:55 県道46路側 ---- 14:15 袖山14:20 ---- 14:45 県道46路側 15:00 = 15:10 小野IC = 15:35 湯本IC = 15:55 三崎公園駐車場 16:40 = 17:05 勿来IC = 17:25 日立中央IC = 18:00 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「田母神」「小名浜」
(三角点サイクル探訪の山)


3.山行記録
忙しい山歩きと分かっていても、我家の出発はやはり8時ごろになってしまう。日立北ICから小野ICまで走り、ナビに従って登山口の臨床研究牧場の近くまで来ると、左手の林道分岐に「日影山登山道入口」の道標が見つかった。駐車場所を探して研究所入口まで進むと、「事故防止のため牧場駐車場に駐車してください」の看板があった。駐車場に入って身支度を整え、少し引き返してさっきの標識のところから登り始めた。「山頂まで2.3km」とある。牧場脇を過ぎると牧場からの道と合流した。駐車場すぐのところから山に向かっても良かったようだ。
道は杉や桧の植林の中の雪が積もった林道になり、雪面は犬を連れた一人の人が往復した靴跡があるだけで、新雪が積もったようななだらかな道を気分良く歩いていった。
(登山道入口の道標)
(雪の林道を歩き始める)

「山頂1.3km」あたりからやや傾斜が増してきてジグザグの道になり、熱くなってきて一枚脱いだ。登山道の周りは樹木が茂っているが、時々、大滝根山から矢大臣あたりの山並みが見え、安達太良あたりの雪山もわずかに見ることが出来た。「山頂250m」から掘れた山道になり、これを頑張るとすぐに山頂だった。山頂には小さな祠と、古びてはいるが大きくて立派な「日影山山頂879米」の標柱があり、近くに二等三角点があった。早速、証拠写真を撮った。
(山頂近くなって山道になる)
(二等三角点)

山頂も木立に囲まれており、北側だけが開けていた。大滝根山は隠れており、羽山から、矢大臣山、二ツ箭山、水石山、湯ノ岳までの山並みが広がっていた。東や西に進めば、白い雪山も眺めることが出来たかもしれないが、積もった雪に踏み込むことには躊躇された。
(日影山からの展望:羽山−矢大臣山−二つ箭山−水石山−湯ノ岳)

下りもアイゼンは付けなかったが、坂もそれほど急でもなく路面も凍っていないので滑る恐れがなかったので、雪を踏みながら気持ちよく下った。下りでは牧場内の道に入ったが、牧場からは大滝根から矢大臣の山並みが綺麗に展望できた。
(牧場からの展望:大滝根山−羽山−矢大臣山)

牧場駐車場で車に乗って来た道を少し引き返し、大名内の集落で右折すると、大きく湾曲する登り坂の道が凍結していて時々タイヤが空回りして肝を冷やした。「県立公園東堂山」の道標を見て雪が積もっている右の道に入ると、心配するほどのこともなく広い駐車場に着いた。駐車場には満福寺境内の案内図や、野鳥の森の案内図があり、町民の憩いの場になっているようだった。
満福寺は807年に坂上田村麿利仁が悪王退治の祈願成就にあたり徳一大師作の観音、不動、毘沙門を安置したのが始まりといわれる古刹であるが、境内のあちこちに昭和羅漢と言われる一般から寄進された沢山の羅漢像があるので有名らしい。駐車場脇にも米俵を担いだ農協寄進の羅漢様など10体ばかりが並んでいた。
石段を登ると「ふくしま緑の百景東堂山のスギ」があり、そこから右に曲がると俳句の歌碑がならび、沢山の苔むした羅漢様が並んでいた。 泣いたり、笑ったり、怒ったりの一体一体の表情を見ていると面白く、時間が経つのを忘れさせる。やがて(1756年)建立の仁王門をくぐる石段道になった。
(東堂山満福寺駐車場)
(仁王門)

羅漢像に挟まれた石段を登ると、大岩の上に立派な造りの鐘撞堂があった。その上は広場になっており、杉の木立がなければ南東向きの展望が良さそうだった。鐘楼のほかにも、ここには観音堂や毘沙門堂 など由緒ありそうな古びた建物が建っていた。
「ふれあいの森公園」の道標に従ってここを回り込むと、上の大岩に不動様が彫ってあり、その前におびただしい羅漢像が並んでいた。ネットでは300体とあったり、五百羅漢と言ったりするようだが、数え切れない像は表情が色々あるだけでなく、真新しいものや苔むしたものがあり壮観だった。
(鐘楼)
(岩不動と五百羅漢)

観音像が尽きるところに立ち入り禁止のテープが張ってあった。岩っぽい遊歩道に雪が積もっていて、観光客に注意を喚起したもののように思え、脇を通って先に進んだ。やがて東屋が現れるとなだらかな遊歩道になり、どんどん歩いていくと、左手の山に登る踏跡が見つかった。踏跡はジグザグに山頂に向かい、途中、右から来る踏跡と合流して間もなく山頂に着いた。
山頂には四等三角点だけがあり、周りは木立に囲まれて視界は利かず、わずかにさっき登った日影山の山容がうかがえた。三角点の前で証拠写真を撮ってさっさと下山にかかった。
(遊歩道は山道になる)
(四等三角点)

下りはさっきの合流点を直進し、しばらく藪っぽい踏跡を下ると遊歩道に出た。合流点には「ふれあいの森公園560m」とあったが、右に曲がって駐車場に向かった。手入れされた杉の植林の中の遊歩道を下り、どこまで行くかと心配になったころに右に別れる道があらわれ、すぐに駐車場に戻ることが出来た。
(ふれあいの森公園)
(遊歩道を回って駐車場へ)

満福寺駐車場に戻って、うどんと餅の昼食を作って食べて、次の袖山に向かった。途中の道から東堂山と日影山が並んで見える場所があり、車を停めてシャッタを押した。
(東堂山と日影山)

県道65号に出て、出会わせたご婦人に「裏の袖山」の登り口を尋ねた。袖山は三角点の名前で、地形図には表示がないので心配だったが「こんな山に何があるのかねえ。この辺からは藪ばかりで大変だよ。この先の石屋さんあたりが袖山と言う部落で、その奥が牧場だった。登り易いと思うが、今は変わっているだろうから石屋さんに聞いてみな」と教えてもらえた。
駐車場所を探して石屋さんの先まで走ると県道の右に水準点の立札があり、地形図の474.3mの地点だと思われた。広くなった路側に駐車して石屋さんの所まで引き返して、ポケナビを見れば道を聞くまでもないだろうと、山の手に入る細い道に入った。小さな田圃が重なる谷間になり、何箇所か別れがあったが地形図の一番右の谷間に入っていった。
なんとなく踏跡があるようなないようなところを上に向かって攀じ登って尾根に出ると、はっきりとした道に出た。尾根道を北に向かい、右のピークに上がってみたら、小広く刈り払われたところに三等三角点があった。展望もなにもないので、証拠写真だけとって下山にかかった。
(袖山登山口)
(右から登って左から下ってきた)
(三等三角点)

藪道を引き返すのでは面白くないので、尾根道を北に向かってみた。途中には大滝根山が良く見えるところもあったが、どこまでも北に向かうので心配になり、適当なところで左の谷に下ることにして斜面をやみくもに下った。下ったところには福島県林業公社の「袖山」の表示があった。
登りに歩いた田圃道に出て、県道に近付いたところの分岐で、右に登る林道を振り返って見ると、尾根道をもう少し北に歩けばこの林道に合流して楽に下って来られたかなあと思われた。途中出合った、犬と散歩中の男性に尋ねると、「昔は向こうの部落に抜ける道があったのだが、今はどうなっているかねえ。昔は山ノ神もあったがね」とのお話だった。
(大滝根山)
(袖山の名前もあった)

車に戻ると、もう15時に近い。これから蓬田岳に登ると日が暮れてしまいそうなので、一等三角点は新ハイキング社と同じ下神白に行くことにした。
小野ICから湯本ICまで高速を走り、一般道を延々と走って三崎公園の駐車場に入った。公園の案内図によると、三崎公園は岬全体が広い公園になっていて、自然探勝ゾーン、海浜樹林、わんぱく広場など多くの遊び場があり、一日遊んでいても面白そうなところのようだった。
三角点はマリンタワーの前のレストランの広場にあった。三角点の証拠写真を撮って、レストランでお持ち帰りの弁当を注文してから、320円の入場料を払ってマリンタワに登ってみた。

(一等三角点)

(みさき公園のマリンタワ)

エレベータでタワーの最上階に上がると、更にその上の屋上展望台まで上がる階段があった。屋上は吹きさらしで寒かったが、正真正銘の360°の大展望だった。太平洋の眺めも素晴らしいが、どうしても山並みの眺めが気になった。
(マリンタワからの展望1:小名浜漁港と阿武隈の山、花園山、仏具山など)
(マリンタワからの展望2:湯ノ岳ー水石山ー二ツ箭山ー石森山)

ゆっくり展望を楽しんでから、勿来ICから高速に乗って18時に我家に帰ってきた。ラクチンな山歩きだったはずなのに、雪道を歩いたり運転したりした所為か、結構疲れを感じていた。お風呂で身体を温め、お土産の弁当を食べてから早々に寝床に着いた。蓬田岳は諦めたのは正解だったようだ。




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