V22.高帽山

1.動 機
テレビでマウントあかねの福寿草が見頃だと放映され、早速鑑賞に行くことにした。福寿草を見るだけでは物足りないので、登っていない近くの山を調べると、磯原に高帽山があった。地形図を見ると、高帽山には三角点がなく道もないが、その南の三角点峰にはアンテナ印があり東から破線の道が登っている。地形図を見ると、先ず三角点峰(南高帽山と命名)に登り、東の林道に下りて北上すればなだらかな尾根から高帽山に登れそう、そこから東の尾根を下って登り口に下りて来る周回コースが取れそうだった。

2.データ
a)山域:高帽山(431m)、南高帽山(404m)
b)登山日:2008/02/08(金)晴一時小雪
c)コースタイム:
日立自宅 10:10 = 11:25 マウントあかね 12:00 = 12:35 工業団地駐車場 12:40 ---- 12:50 沢道分岐 ---- 13:30 尾根道 = 13:55 林道 ---- 14:05 南高帽山(昼食)14:30 ---- 14:40 林道---- 14:55 鉄塔分岐 ---- 15:20 高帽山 15:35 ---- 16:20 一軒家 ---- 16:30 工業団地駐車場 16:40 = 18:50 日立自宅
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「川部」
(高帽山周回ルート)


3.山行記録
朝10時に電話連絡の約束があり、出発が10時過ぎになった。R6を北上して磯原から花園川方向に入り、途中から「マウントあかね」の道標に従って新しい専用道路を走って「童謡の森ふれあいパーク」の広い駐車場に11時25分に到着した。ガラス工房シリカで実演中のガラス細工を見学してから、福寿草園に入った。福寿草園は広くてロープで歩経路を作ってあり、ちらほらある株は花盛りだが花数は少々淋しい。一巡しながらめぼしい株を選んでシャッタを押していると、大型カメラを持ったお役所風情の人がやってきて、写真を撮るための観光客のモデルを頼まれた。「今年は気温が低くて花が淋しいらしい」とのことだった。
(マウントあかねの福寿草園)
(盛りの株もありました)

「マウントあかね」から県道に下り、R10を走って登山口の関本A工業団地の先の富士ヶ丘小学校に向かった。先ずは高帽山の展望写真を撮ろうと小学校の校庭を狙ったのだが、今時の小学校は金網に囲まれていて自由に入ることが出来ない。塀の上に攀じ登ると、プールの向こうにとんがった高帽山とその南にアンテナが立つ南高帽山が並んで見えていた。金網越しにシャッタを押した。
工業団地に引き返す途中にも高帽山が綺麗に見えるところがあり、途中下車してシャッタを押した。火の見櫓の先に池があり、水面に写る高帽山が綺麗だった。
(小学校からの高帽山)
(火の見櫓からの高帽山)

広い道を工業団地の奥まで入り、細くなった道で団地を抜けて小川を渡ると、小川沿いに車がたくさん停まっていた。工業団地に勤める人の駐車場のように思えたが、ここから先に走るとすぐにダートの道になったので、バックで引き返して空スペースに駐車させてもらった。
身支度を整えて道なりに歩き始めると、すぐに植林の中に入っていった。沢沿いのよく歩かれた道だった。福寿草園では陽が照っていたのに、にわかに厚い雲が出てきて小雪はちらほら舞い始めた。
10分も歩くと地形図の三叉地点になり、南高帽山への破線の道はちょろちょろと水が流れる沢を登る道だった。踏跡らしい跡はあるが道とは言い難く、流れを渡り、石を踏み越えながら登った。その上倒木も多くて、これを避けるのにも柔軟運動を強いられ、滝のような急坂のところでは脇の滑りやすい土手に追い出された。石は苔むしていて滑りやすく、もっと気温が低くて凍っていたら撤退していただろう。距離は僅かだったが、30分以上も苦労させられ、小雪の中で汗を搾られた。
(始めは整備された道)
(沢道は荒れ放題)

急な沢がなだらかになったところで左に入る踏跡を見つけ、地形図の尾根道に繋がる道と思って入り込んだ。あまり定かでない踏跡をたどって尾根まで歩くと、植林が切れて明るくなったが、そこには刈り払われた雑木の山があった。最近尾根全体の雑木を切り倒したようで、植林の中も切り倒したままの伐採物がところかまわず散乱していて、これを除けながら登って行かなければならなかった。高いところで切ってある切り株は30cmもありそうで危険を感じさせるし、斜度が増した林道手前では、倒木を避けると雪の積もったずるずると滑る急斜面を登るしかない。いい加減な作業をのろいながら登っていった。
(尾根道へトラバース)
(尾根は伐採物で通せんぼ)

尾根を登る途中では、雪のために展望がなかったが、林道に上がるころには空が晴れてきて、林道からは広い太平洋が見渡せて気持ちが良かった。
地形図にはここから山頂までまっすぐな破線の道があるが、向かいは崖で登れる筈がない。少し迷ってから、高帽山方向に林道の終点まで歩くと、そこに山頂に向かう階段があった。
(林道を終点まで)
(階段がありました)

足を滑らせないように気を使いながら階段を上りきると、アンテナのある山頂だった。民放共同の北茨城中継放送局とNHKの建物があり、その上の高みに三等三角点があった。
証拠写真をとってすぐに昼食をとった。距離は1kmほど30分もあれば登れるだろうと思っていたので、昼食を後回しにして歩き始めたのだが、朝食が遅かったと言えお腹が空いていた。
(アンテナの南高帽山山頂)
(三等三角点)

三角点の高みからは、北東方向の展望が開けていた。勿来からいわきにかけての海岸線が綺麗に見えていた。
(三角点からの展望:勿来、いわき方面)

道がなければ階段を下る積りだったが、三角地点から北西に伸びる尾根にはっきりとした踏跡があった。これを辿って雪の道を歩くと、ほどなく何箇所にも丸太を積んである林道が見えてきた。林道への下り口をそのまま下り続ければ、急坂を下ってまた急坂を登り返して、高帽山に最短距離で行けそうだった。積雪ではこの急坂はとても歩けそうにないので林道に出て、轍のある広いくねくね林道を歩いていった。
(東に伸びる尾根道)
(しばらく林道歩き)

やがて「阿武隈線45号に至る」の立札が左にあり、右の高帽山方向にも道があった。この道に入ってから先で尾根にあがると、植林の中に道があり、何か大型の動物の足跡が続いていた。その足跡は山頂の近くの急坂で消えたが、頑張って登ると樹間だが展望があり、南高帽山のアンテナも見えていた。
標石のほか山名板もなにもないので、手書きで「高帽山」の名前を書いた紙を持って証拠写真を撮った。
(尾根には道が)
(高帽山山頂)

ここから東の尾根にも踏跡が続いていたので、そのまま東に下ることにした。始めは凄い急坂で、木を掴んだりしながら苦戦したが、やがて歩きやすい尾根道になった。あまりに気持ち良いので、下るべき分岐を無視してどんどん歩いていると、・249の方向に下っていた。このまま下ると、県道27号に出てしまい、駐車場所に戻るのが大変になる。
予定の尾根にもどる積りでトラバースを始めたが、尾根に上がるところ一帯にアオイの群生が茂っていた。通過に苦労しそうだったので、予定を変えて谷底を下っていった。多少藪のところもあったが、やがて作業道に出合い、それを下って平地に出ると一軒家があった。
(西への尾根道)
(アオキの藪がありました)

一軒家には数頭の犬が飼われていて賑やかに吠え立てられ、放し飼いの子犬が吼えながらまといついて来て参った。子犬に追い立てられるように生活道路を歩いて駐車場所に帰ったが、付いてきた子犬は、お爺さんに迎えにこられてやっと帰っていった。
駐車場所に戻ったのは、もう16時半を回っており、磯原富士山と呼ばれる・206峰が夕日を受けて綺麗に輝いていた。時間があればこの富士山にも登ってみたかったが、これからだと日が暮れそうなので諦めた。
一般道を走って久しぶりに日立の渋滞を味わい、スーパーで夕食材料を買い込んだりしたので我家に帰り着いたのは19時に近かった。
(駐車場所からの磯原富士山)






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