V34.鍋足山(猪の鼻峠から)

1.動 機
鍋足山は、シモンさんに連れられてコースを変えながら何度も歩いたことがあるが、猪の鼻峠からのコースはまだ歩いたことがなかった。同じコースを引き返すピストン登山が好きでない我が家は、誰かと組んで縦走しようかと考えているうちに、機会がないまま伸び伸びになっていた。先日の権現山山頂で、Fuさんが「猪の鼻峠からのコースは変化があって面白いコースだった。ピストンする価値あるわよ。」と薦めてくれたので、早速出かけてみることにした。ここのところ藪山歩きが続いていたので、久しぶりに手入れの行き届いたコースを歩き、展望と変化の鍋足山山行は期待以上に充実した山歩きだった。

2.データ
a)山域:鍋足山(529m)、鍋足三角点峰(552m)
b)登山日:2008/03/11(火)晴
c)コースタイム:日立自宅 9:35 = 10:30 猪の鼻峠 10:55 ---- 11:40 三角点峰 11:55 ---- 12:25 谷間 ---- 12:45 鍋足山(昼食)13:23 ---- 13:30 U峰 ---- 13:40 V峰 ---- 14:30 三角点峰 ---- 15:05 猪の鼻峠
d)同行者:和子
e)地形図:1/25000 「大中宿」「袋田」
(猪の鼻峠から鍋足山へ)


3.山行記録
我家をゆっくりと出発して、R349を北上、県道22に入ってくねくね道を登って猪の鼻峠に着いた。峠を越えたところにある一里塚ロードパークは水洗トイレ付きの舗装された広い立派な駐車場で、半分は凍っていたが乾いているところに駐車した。
トイレ脇の赤い「山火事用心」の垂れ幕の下に「鍋足山へ」の道標があり、ここから登山道がはじまった。手入れの良い登山道が桧の植林の中に伸びており、小さなピークを越えて歩いていくと、左手に「小中宿へ」の分岐があった。こんなところにも登山道が上がってきているのだと驚く。
(猪の鼻峠一里塚ロードパーク)
(始めは植林の中)

やがて雑木の林になり、南西の展望が開けて武生から奥久慈にかけての山々が展望できた。展望の峰からロープとワイヤが取り付けられた岩場を下ると痩せ尾根になり、鍋足山らしい様相になってきた。
(岩場を下り)
(痩せ尾根を渡り)

急坂を登ると標高551.7m、三等三角点があるこのルートの最高峰に立つ。三角点名は笹原入だが、ここにも鍋足山の山名標が立っている。さすが展望が良く、正面にこれから歩く鍋足三峰、右にシモン山や奥久慈男体山、左に風車が回る里美牧場あたりの山々が展望できた。ベンチに座って展望を楽しみながらしばらくコーヒータイム。
下りはまた岩場だったが、この山の岩場は集塊岩というのだろうか、小石を固めたような岩肌なので滑りにくく、ロープも取り付けてあるので問題ない。
(三角点峰)
(岩場を下る)

その先も小さなピーク越えながら痩せ尾根歩きが続き、戸隠の蟻の戸渡りを思い出す。だんだんと鍋足三峰が近付くと、岩峰の岩肌も見えてきて、いよいよ鍋足山にやってきた気分になってきた。
(痩せ尾根が続く)
(向こうに鍋足三峰)

V峰の手前で正面にV峰の絶壁を眺め、左の巻き道を進む。途中右上に上がる踏跡があったが、「鍋足山へ」の道標は直進方向を示している。右手はお奨めではないルートだ。道標に従ってそのまま左の道を進むと、ジグザグにどこまでも下って行くので、登り返しを思うと嫌になってきた。
下りきったところの右手に「鍋足山へ」の道標がり、V峰とU峰との谷間のザレた急斜面にロープが何段にも取り付けてある。ざらざらと崩れる長い斜面をロープや立ち木を掴みながら攀じ登った。
(V峰の巻き道)
(一旦下ってザレバを登る)

尾根に登り着くと、V峰側には今でもロープを張ってあり通行止めの看板があった。U峰を巻いた道を進むと、足元が狭くて少し気持ちが悪いところもあったが、本峰の直下にくると先ほど休んだ三角点峰が形の良い山容を見せていた。後を振り返るとU峰、V峰がゴツゴツした岩肌を見せており、コントラストが面白い。
(U峰の巻き道)
(鍋足本峰から三角点峰)

山頂に上がると、材木を組み合わせた古い山名板は取り払われ、新しいものが松の木に取り付けてあった。展望がいいのでここで昼食にしたかったが、風が強くて寒くてしようがない。陰に入って弁当を広げた。
(本峰からU峰とV峰)
(鍋足本峰山頂)

下山時には巻き道からU峰の山頂にも上がって、本峰の断崖を間近に眺めた。下りはV峰方向に下ろうかと思ったが、ロープのない崖なので用心して上がってきた踏跡を下った。
狭いところまで来ると、谷側に数本のダンコウバイの木が黄色い花をほころばし始めていた。来る時には危なげな足元ばかりに目がいって花には気がつかなかったのだ。
(U峰山頂)
(ダンコウバイ)

V峰の分れに来て、谷側にザレた斜面を下りるか、通行止めのロープを越えてV峰に上るか迷ったが、少し登りと違う道を歩きたくなった。
V峰には踏跡を辿って難なく上ることが出来、ここからの展望も申し分なかった。
(V峰前に通行止め標)
(V峰山頂)

V峰の片方は絶壁なので進行不能、少し引き返した分岐から下りに向かうと、「一人ずつ下りる事」の注意看板があった。「通行止め」の先に「ご注意」看板があるのが面白い。
大岩の間の垂直に近い崖にロープが張ってある。2箇所続く岩場はやはり集塊岩なのだが、昨夜の雨で濡れており、一部は凍っていて滑りやすく、一歩一歩足場を確認しながらゆっくりと下った。こちらを登りに歩いて、逆コースを取った方がよかった。
岩場を下った先の踏跡を、右へ下る分岐を無視してそのまま進むとまた崖の上に出て行き止まり、右の草付きの急斜面を下ってやっと登りに歩いた登山道に戻ることができた。
(V峰下りに注意書き)
(滑りやすい岩場)

ここから猪の鼻峠の駐車場までは往路をそのまま歩いたが、周りの景色を落ち着いて眺めることが出来たし、崖の上り下りも逆になって一味違って面白かったりで、このコースのピストン山行はなかなか良かった。




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